歯科用語集
2025年10月28日

医師法

「医師法」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

医師法とは、日本における医師の資格、業務、倫理に関する法律である。この法律は、医師の職務を明確にし、医療の質を確保することを目的としている。医師法の語源は、医師の職業に関する法的枠組みを示すものであり、医療行為の適正化を図るために制定された。医師法は、医師の資格取得、医療行為の範囲、医師の義務と権利について詳細に規定している。特に、医師の倫理に関する条項は、患者との信頼関係を築くために重要な要素である。


臨床における位置づけ・判断基準

医師法は、臨床現場において医師が遵守すべき基準を定めている。具体的には、医療行為を行う際の判断基準や、患者に対する説明義務、同意取得の重要性が強調されている。医師は、医師法に基づき、患者の健康を最優先に考え、適切な医療を提供する責任がある。また、医師法に違反した場合には、罰則が科されることもあるため、医師は法令を遵守し、倫理的な医療を実践することが求められる。これにより、患者の安全と医療の質が確保される。

関連用語・類義語との違い

医師法に関連する用語として、医療法や医療倫理が挙げられる。医療法は、医療機関の設立や運営に関する法律であり、医師法とは異なる側面を持つ。一方、医療倫理は、医療行為における倫理的な判断基準を示すものであり、医師法の中にも倫理に関する条項が含まれている。医師法は、医師の資格や業務に特化した法律であるため、医療法や医療倫理とは異なる目的を持つことを理解することが重要である。

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医師法に基づく歯科医師の役割と責任。臨床での実践と法的理解の重要性

医師法に基づく歯科医師の役割と責任。臨床での実践と法的理解の重要性

医師法の基本的な定義と歯科医師の位置付け医師法は、医療の提供に関する基本的な法律であり、医師の資格、業務、責任について規定している。歯科医師はこの法律の下で、口腔内の健康を守るために重要な役割を果たしている。具体的には、歯科医師は患者の診断、治療、予防に関する処置を行うことが求められる。医師法において、歯科医師は医療行為を行う資格を有し、患者に対して適切な診断を行う責任がある。これにより、歯科医師は患者の健康を守るための重要な役割を担っている。この法律を理解することは、歯科医師としての職務を遂行する上で不可欠であり、法的なトラブルを避けるためにも重要である。医師法における歯科医師の業務範囲と責任医師法では、歯科医師が行うことのできる業務範囲が明確に定義されている。具体的には、歯科医師は口腔内の疾患に対する診断、治療、予防処置を行うことができる。これには、虫歯の治療や歯周病の管理、さらには口腔内の外科的処置も含まれる。また、歯科医師は患者に対して適切な情報提供を行う責任があり、治療に関する説明や同意を得ることが求められる。これにより、患者は自らの健康に関する判断を行うための情報を得ることができる。医師法に基づく責任を理解し、遵守することは、歯科医師としての信頼性を高めるためにも重要である。医師法と歯科衛生士の役割の違い医師法において、歯科衛生士は歯科医師の指示のもとで業務を行うことが求められる。歯科衛生士は、患者の口腔内の健康を維持するための予防処置や教育を行う専門職であり、歯科医師とは異なる役割を持っている。具体的には、歯科衛生士は歯のクリーニングやフッ素塗布、患者へのブラッシング指導などを行うことができるが、診断や治療の決定は歯科医師が行う。これにより、歯科医師と歯科衛生士はチームとして協力し、患者の健康を守るために重要な役割を果たしている。医師法を理解することで、歯科医師と歯科衛生士の役割の違いを明確にし、より効果的なチーム医療を実現することができる。医師法に基づく歯科医師の倫理的責任医師法は、歯科医師に対して倫理的な責任も求めている。患者のプライバシーを尊重し、適切な医療を提供することは、歯科医師としての基本的な義務である。また、医師法に基づく倫理的責任には、患者に対する誠実さや公正さも含まれる。歯科医師は、患者に対して正確な情報を提供し、治療に関する選択肢を明確に示すことが求められる。これにより、患者は自らの健康に関する判断を行うための情報を得ることができる。倫理的責任を理解し、遵守することは、歯科医師としての信頼性を高めるためにも重要である。医師法の遵守と歯科医療の質の向上医師法を遵守することは、歯科医療の質を向上させるために不可欠である。法的な枠組みを理解し、適切な業務を行うことで、患者に対してより良い医療を提供することができる。また、医師法に基づく教育や研修を受けることで、歯科医師は最新の知識や技術を習得し、臨床での実践に活かすことができる。これにより、患者に対する治療の質が向上し、信頼関係の構築にもつながる。医師法を理解し、遵守することは、歯科医師としての専門性を高めるためにも重要である。
1D編集部
2024年6月1日
【歯科セミナー】年末年始におすすめの3選

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皆さんこんにちは、1D編集部です。この記事では、1Dが主催するまもなく開催予定の注目オンラインセミナーを3つ、ご紹介していきます。興味があるセミナーがあれば、ぜひお気軽にお申し込みください。いずれのセミナーも、1Dプレミアム会員であれば無料でお申し込みいただけます。1Dプレミアムの詳細を見る口腔の健康格差はなぜ起きるのか? 口腔の社会的決定要因とポピュレーション・ストラテジー口腔の健康格差は、なぜ起きるのか。それを知っておくことは、令和を生きる歯科医療者にとって重要です。健康格差の拡大は、歯科医療業界を取り巻く社会問題として近年クローズアップされつつあります。GPの先生方においても、一口腔レベルでの視点のみならず「家族」「地域」「社会」といったレベルでの視点を持っておくことが必要な時代なのです。こうした「口腔の健康の社会的決定要因」は、大学でも卒後教育でも学ぶ機会はありません。これまでの歯科業界において、軽視されてきたと言っても過言ではないでしょう。例えば、「健康教育」に意味はあるのか。システマティック・レビューによれば、長期的な効果は否定されています。「分かってはいるけど、実行できない」人が多いのが現状です。それを解決する手がかりこそ、社会的な視点なのです。不透明な時代だからこそ、歯科医療者にも「社会」の視点が必要です。ぜひ一度、一緒に健康格差の問題を考えましょう。詳細・お申込みはこちら歯科医療を作った偉人たち ニッポンの歯科医療は、誰がどんな気持ちで作ったか?歯科医療史は、実はこんなに面白い。日常的に使用している器具・器材、システム、法律。すべてのものには「はじまり」、それを作った傑出した人とそのストーリーがあります。皆さんが日々取り組んでいる歯科医療にも、その「はじまり」には不合理な状況にも耐え奮闘してきた偉人たちの物語があります。例えば、「歯科医師法」。1899年のある日、東京帝国大学医学部の関係者によって医師法案が発表されます。法案には、「歯科医師には本法を適用しない」という記述が。医師側のこうした動きを目にした大日本歯科医会は、独自の立場から歯科医師に関する特別法、すなわち歯科医師法を策定します。医師法案は1906年に帝国議会に提出されたため、歯科医師側も急遽法案を衆議院に提出。一部修正された上で、同年の医師法と歯科医師法の同時交付にこぎつけました。この時中心となって動いていたのは、高山紀齋や血脇守之助など、私塾の貢献者たち。歯科医師の身分を定める歯科医師法は、政府から与えられたものではなく、私塾や師弟制度から生まれたものであるというユニークな歴史があるのです。これは、ロマンというほかありません。本セミナーは、現代歯科医療のシステムに続くルーツを深掘りし、それを新たな視点で語り直す野心的な試みです。診療に役に立つというわけではありませんが、明日の診療が少し楽しくなるはずです。歯科医療に関わるすべての方々、ぜひご参加ください。詳細・お申込みはこちらモテ歯科医院を生み出すブランディング講座 ローコストで差別化できるコンセプトの作り方歯科医院の開業や経営にあたって、最近では「コンセプト」や「ブランディング」といった言葉が見受けられるようになりました。しかし言葉だけが先行して、本質的な意味を理解せずなんとなく取り組んでいる人も少なくないのではないでしょうか?「コンセプト」「ブランディング」「ビジョン」という言葉は似ているようで微妙に違います。それぞれの違いを理解することで、自分が何を目指しているのか明確になります。「ファミリー層に愛される」「審美意識の高い人向け」これらも立派なコンセプトですが、あと一歩、深いところまで考えられるとより良い歯科医院作りに繋がるでしょう。このセミナーでは、歯科医院のコンセプト作りをテーマに、「コンセプト」「ブランディング」といった言葉の意味と違い、近年企業で浸透してきたブランド・パーパスの考え方、関わりが深いコピーライティングの基礎知識について、コピーライターとしても活動するワンディー株式会社編集長/歯科医師のユースケイシカワが解説します。”モテ歯科医院”を作る思考法を、身につけましょう。詳細・お申込みはこちら他にもオンラインセミナーを多数開催中1D(ワンディー)では、他にも歯科医療者向けのオンラインセミナーを多数開催しています。開催予定のセミナーの一覧は、下記ボタンから見ることができます。ぜひ1Dでセミナーに参加して、知識アップ・スキルアップをしていきましょう。開催中のセミナーを見てみる
1D編集部
2022年12月30日
歯科医療、すべての歴史を「365日」で表してみた

歯科医療、すべての歴史を「365日」で表してみた

歯科医療のすべての歴史を、「365日 = 1年」というスケールで表してみると、意外な発見がある。歯科医療史を身近なものに感じていただけたら幸いである。歯科医療のはじまり、元旦0時歯科医療の歴史は、紀元前1700年頃にさかのぼる。歯科医療のはじまりは、エジプト医学『パピルス・エーベルス』での、歯痛や歯肉の炎症に対する薬物治療法に関する記述が初出であると言われている。同時期の『パピルス・スミス』には、脱臼した下顎の整復固定術についての記載もある。エジプト医学は、インダス文明から生まれたインド医学と融合して、のちにヒポクラテス(B.C.4世紀頃)らを輩出したギリシア医学を形成することになる。これを元旦・1月1日の午前0時0分に置いて、歯科医療史の主要なできごとについて振り返ってみよう。古典的な医学理論が完成ガレノス(A.D 129〜A.D 216)は、医学に関する膨大な書物を残した。彼の著作『ガレノス全集』は近代に至るまでの1400年間、医学の聖典として扱われた。もちろん現代の医学体系と比べると誤りも多いものの、自然観察では足りない概念を実験で補った点が今日でも評価されている。ガレノスによる歯科医療の記述は、歯の解剖の詳解や、歯痛は「歯自身の痛み」と「歯肉の痛み」に分けられること、う蝕、歯牙漂白法、抜歯、髄腔穿通法など多岐にわたる。髄腔穿通法は現在でも行われている感染根管に対する穿通法である。そんなガレノスによる古典医学理論の完成は、歯科医学の勃興から1900年後のことである。既に時刻は、7月6日の深夜1時20分頃になっている。中世ヨーロッパからルネサンスへルネサンス以前の中世ヨーロッパの医学・歯科医学は、学問的な発展が少なく、停滞期であったと言える。この時代、「歯抜き師」や「歯科施術者(Dentature)」という職業が存在したという文献は存在するものの、不明な点が多い。歯抜き師に至っては街の広場にいたという記述もある。この時点で、10月16日の20時30分頃。まだ記事の冒頭だが、年末になってきた。ルネサンスでは、前時代と比べ自然科学の重要性が提唱され、歯科医学も科学としての道を歩み始めた。特にレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452〜1519)とミケランジェロ(1475〜1564)は、人体を表現するために解剖学を探究し、それが新しい医学研究へとつながった。ダ・ヴィンチの『解剖図譜』には、歯の解剖に関する詳細な記述もある。ルネサンス期における歯科医学者として、アルコラーニ(生年不明〜1460)とビーゴ(1460〜1525)が挙げられる。アルコラーニはペリカンという抜歯器具や、金箔充填について言及している。またビーゴは、う蝕をノコギリやヤスリなどで除去し、金箔充填をすることを推奨している。ビーゴは、ローマ教皇ユリウス2世に招かれ、金箔充填を施したと言われている。この時代は、床屋外科医(当時は床屋で外科的処置が施されていた)や歯抜き師が「抜歯」を標榜し、実臨床を行っていた。また、大道香具師やニセ医者など技術的・学問的裏付けのない者が歯科医業を行っており、混沌とした時代だったようである。この時代は、だいたい11月5日の午前中あたりだ。近代歯科医学への道が開く前出のガレノスは「下顎骨が2つある」と主張していたが、ヴェサリウス(1514〜1564)は下顎骨が1つの骨であることを観察した。ヴェサリウスは近代解剖学の祖であり、歯の解剖学にも多大な功績を残した。歯と骨を初めて区別したこと、歯髄腔が歯に対する栄養を供給すること、智歯抜歯における切開の重要性などが主な功績である。しかし「歯は一生にわたって萌出し続ける」「永久歯は乳歯の歯根から発生する」などの誤った見解も多かった。この時代は、コロンボ(1516〜1559)による歯根膜の発見、エウスタキオ(1502〜1574)によるエナメル質・象牙質の区別、レーヴェンフック(1632〜1723)による口腔内細菌の発見(それまでう蝕は "歯の虫" が原因と考えられていた)など、近代歯科医学に続く研究が花開いた。この時代の日本では、和歌山県で世界最古の義歯が発見されている。1538年4月に没した中岡テイのもので、木でできた全部床義歯であった。木床義歯は日本独自の文化であり、その後江戸時代の鎖国時代に職人による精巧な手作業によって独自の発展を遂げた。ルネサンス後の17世紀頃、近代国家が力を持つようになると、医療も国家により統制されるようになった。1685年には、ドイツ・ベルリンに良いて医術令が発布され、歯科医学の実施者にも試験による認定を受けさせることになった。同時期にフランス・パリでも歯科医師の試験が開始された(現実的には試験は形骸化していたとの指摘もある)。職業としての歯科医師の誕生である。これが、11月28日の10時45分頃の話だ。フォシャールの登場それから時は流れ、近代歯科医学の父、フォシャール(1678〜1761)が登場する。フォシャールは歯科医師を単なる歯抜き師から独立した職業としての立場を確立し、歯科医学自体の義務と歯科医師の仕事、その名称をはっきりさせた。フォシャールの『歯科外科医ー歯に関する論文(1746)』では、う蝕の切削や窩洞形成、部分床義歯・全部床義歯に関する記述がなされている。さらに、歯肉の疾患を予防するためには歯石除去と根面滑沢化が必要であると考え、予防歯科医学を主張した。歯科用ユニットが作られたのもこの頃で、彼による開発である。同時期の出来事としては、18世紀最大の外科医・ハンター(1728〜1793)による犬歯・小臼歯の命名(彼の私塾の門下生には天然痘ワクチンを発見したエドワード・ジェンナーがいる)、ボンウィル(1833〜1899)による咬合器の開発などがある。近代歯科医学の誕生、時刻は既に、12月14日の昼頃である。世界初の歯学部が設立される1840年、米国にボルチモア歯科医学校が設立され、卒業した者にはDoctor of Dental Surgery(D. D. S)の称号が与えられるようになった。これに続いて、1859年にイギリス・ロンドンにメトロポリタン歯科医学校、1867年にハーバード大学歯学部、1884年にベルリン大学に歯科医師養成学校が誕生した。日本においては、1890年に高山紀齋(1850〜1933)によって高山歯科医学院が創設された。高山歯科医学院は1899年に血脇守之助(1870〜1947)に譲渡され、東京歯科医学校を経て現在の東京歯科大学に発展している。現代歯科医学に続く研究が出現ブラック(1836〜1915)の名を知らない歯科医師はいないだろう。彼は独学で歯科医師となり、21歳で歯科医院を開業した。窩洞形成の標準的原則である「ブラック窩洞」があまりにも有名だが、歯のフッ素症(斑状歯)、抜歯時の笑気麻酔応用、予防拡大の概念など、さまざまな分野で近代歯科医学の確立に貢献した。レントゲン(1845〜1923)によるエックス線の発見もこの頃である。1895年のことだ。1年で表すと12月19日の深夜0時15分となる。レントゲンの発見からわずか8ヶ月後、ケルズ(1856〜1928)によりエックス線が歯科医療に応用された。一方その頃日本では...アメリカを中心に現代歯科医学に続く研究が出現していたこの頃、日本は江戸時代であった。鎖国政策の影響からか、お歯黒や木床義歯、房楊枝など独特な文化が栄えた。歯痛が起こると、民衆は祈祷や厄除けに頼った。当時、浅草寺などの人が多く集まる場所には、歯痛に対する薬や歯磨剤、抜歯や木床義歯などを売る商人が存在していたという。1867年、明治新政府が誕生し、日本は近代化に舵を切ることになる。1875年には医務条例により医術試験規則が出され、小幡英之助(1850〜1909)が最初の歯科専門医となった。当時は身分上・制度上ともに歯科医師という職種は存在せず、医師の範疇で歯科医業が行われていた。しかし1884年、医業を行う者と歯科医業を行う者とが別の身分制度を確立すべき端緒が開かれ、医籍とは別に歯科医籍が誕生した。時刻は12月17日の深夜になっている。歯科医師法の公布をめぐる争い1899年、東京帝国大学医学部の関係者を中心とする明治医会は、医師法案を発表し、「歯科医師には本法を適用しない」とした。こうした医師側の情勢を鑑みて、当時の全国的歯科医師団体である大日本歯科医会は、独自の立場から歯科医師に関する特別法、すなわち歯科医師法を1904年9月27日に決定した。中心となって動いていたのは高山紀齋、血脇守之助、伊澤信平、広瀬武郎ら。一方の医師法案は1906年に第二十二回帝国議会に提出されたため、大日本歯科医会は歯科医師法案を急遽提出することを決め、衆議院に提出された。歯科医師法案は衆議院、貴族院において一部修正された上で、同年3月に通過成立し、医師法と同時交付された。歯科医師の身分を定める歯科医師法は、政府から与えられたものではなく、私塾や師弟制度から生まれたものであるというユニークな歴史がある。前述のように1890年に高山歯科医学院(現在の東京歯科大学)が創設されたが、1907年には中原市五郎(1867〜1941)によって共立歯科医学校(現在の日本歯科大学)が設立される。1911年には大阪歯科医学校(現在の大阪歯科大学)、1920年には東洋歯科医学専門学校(現在の日大歯学部)、1928年には東京高等歯科医学校(現在の東京医科歯科大学)が設立された。この頃の時刻は、12月22日の早朝あたりである。戦後、現代歯科医療の時代へ12月22日の午後には、さまざまな歯科医学に関する専門学会が誕生した。歯科医師法の制定や歯科医学教育体制の充実に伴う変化だろう。1902年には日本歯科医学会が創設され、1918年の日本歯科口腔科学会(現在の日本口腔科学会)、1926年の矯正歯科学会(現在の日本矯正歯科学会)、1931年の日本補綴歯科学会、1935年の口腔外科学会(現在の日本口腔外科学会)へと続いた。第二次世界大戦の終戦後は、GHQによる占領政策で医療制度は大きく変化した。当時の医師・歯科医師は戦時末期に急増しており養成期間も短期であったことから、その資質向上が課題となった。これまでは許認可のある大学・専門学校を卒業すれば無試験で医師・歯科医師の免許を得ることができたが、国家試験の合格が免許要件となったのもこの頃である。歯科衛生士法は、1948年に保健師助産師看護婦法とともに制定された。1年で表すと12月24日、クリスマスイブの朝である。1955年には歯科技工士法が制定され、歯科医師・歯科衛生士ともに歯科三職種の身分が明確化された。この頃のできごととして特筆すべきは、ブローネマルク(1929〜2014)によるオッセオインテグレーションの発見(1952)と、それに伴うデンタルインプラントの開発だろう。これがちょうどクリスマスイブからクリスマスに日付が変わる頃の話だ。歯学部の新設ラッシュが始まる1960年代に入ると、歯科医師不足の風潮もあいまって、全国各地で歯学部が新設されるようになった。最も新しい歯学部は1980年に開設された岡山大学歯学部と長崎大学歯学部である。両大学の開設は、1年というスケールで表すと12月27日の朝8時00分である。歯科医師臨床研修が義務化されたのは2006年だ。これは、12月29日の夜21時である。この日から現在を表す12月31日23時59分までのあいだで、歯科医師過剰問題の議論、アライナー矯正の誕生、全身の健康との関連に関するエビデンス蓄積などのできごとが発生した。紀元前1700年から受け継がれる歯科医療・歯科医学の歴史を振り返ってみると、昨今の医療技術の発展は凄まじいスピードであることが見てとれるだろう。現代を生きる歯科医療者として、日々知識やスキルのアップデートをしていかなければならない。
1D編集部
2022年1月16日
新型コロナウイルスワクチン接種に歯科医師の動員を検討

新型コロナウイルスワクチン接種に歯科医師の動員を検討

4月3日付の日本経済新聞で、政府が新型コロナウイルスワクチンの接種で注射を打てる職種の拡大を検討、歯科医師などが接種を担えるようにすると報道された。医学生らを活用する海外の取り組みを参考に接種拡大をめざす考えだ。12日からは3600万人の高齢者向け接種が始まり、続いて基礎疾患がある人、一般の人へも接種するため必要な人員が急激に増える。政府はそれを前にして職種拡大を考えているようだ。ワクチンなどの予防接種は医療行為にあたり、医師法に基づき注射をは医師に限定される。看護師は保健師助産師看護師法にある診療を補助を根拠として注射可能だが、歯科医師や薬剤師、救急救命士など他の職種は認められていない。中でも政府が検討する規制緩和対象として、歯科医師が浮上している。歯科医師法において口腔内の注射や全身麻酔などは可能でも、腕へのワクチン注射は含まないと解釈されているが、厚生労働省が解釈変更の通知を出せば筋肉注射も可能になるとの見方がある。法学者や公衆衛生の学者を集めた会議で違法性が否定される特殊事情があると判断されれば、解釈変更通知は可能と考えられ、昨年4月のPCR検査ではこの手法が用いられた。菅義偉首相は1日、テレビ東京の番組で職種拡大について「接種の状況をみながらいろんなことを考える必要がある」と述べ、「今回は緊急の状況だ。PCR検査は医師がいないとき歯科医師会にもお願いしてきた」と歯科医師の動員について言及した。アメリカの一部の州やイギリスではすでに歯科医師や薬剤師、救急救命士によるワクチン接種が認められ、米英が日本に比べて接種スピードが速い一因となっている。政府は関係団体の意見を聞き安全性を検証しながら、職種拡大の調整を進めるそうだ。未だ歯科医師をはじめとする歯科医療者自身のワクチン接種が十分行われていない現状で、一般向けのワクチン接種を施すというのも疑問ではあるが、PCR検査の例を鑑みれば現実的な話なのかもしれない。実際に動員されることになった場合、トレーニングや自身の接種に関してどう対応していくのか、しっかりと議論してから施行されるべきだろう。参考文献「ワクチン注射の職種拡大 政府、歯科医など検討」, 日本経済新聞, 2021年4月3日 <URL>
1D編集部
2021年4月4日
歯科医師の絶対的欠格事由が「未成年」のみに 成年被後見人・被保佐人は削除

歯科医師の絶対的欠格事由が「未成年」のみに 成年被後見人・被保佐人は削除

令和元年6月7日、第198回国会において、「成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律」が全会一致で可決・成立し、6月14日に公布された。この法律改正は、成年後見制度を利用している方々の人権が尊重され、不当に差別されないよう、数多くの法律で規定されていた成年被後見人等に係る欠格条項を一律に削除し、資格等に相応しい能力の有無を個別的・実質的に審査・判断する仕組みへと改めるものだ。成年後見人制度とは?歯科医師法では欠格事由、つまり「資格が認められない条件」が定められている。この条項は当然知っているだろう。そしてその中でも成年被後見人は絶対的欠格事由に定義されていた。この普段聞きなれない「成年被後見人」はどのような人物像なのか、その制度はどのようなものか確認しておこう。認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不十分な方々は、不動産や預貯金などの財産を管理したり、身のまわりの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契を結んだり、遺産分割の協議をしたりする必要があっても、自分でこれらのことをするのが難しい場合があります。また、自分に不利益な契約であってもよく判断ができずに契約を結んでしまい、悪徳商法の被害にあうおそれもあります。このような判断能力の不十分な方々を保護し、支援するのが成年後見制度です。自身では判断がつかないので、法的にその資産や権利などを守ってあげようという支援制度みたいなものだ。しかしこの制度を利用すると同時に制限も加えられることになり、特に成年被後見人等の欠格条項については、以下のような問題点が指摘されてきた。①ノーマライゼーション等を基本理念とする成年後見制度を利用することで、逆に資格等から排除されるのは疑問②同程度の判断能力であっても、制度の利用者のみが資格等から排除されるのは不合理③数多くの欠格条項の存在が制度利用を躊躇させる要因となっているそうした議論の中「成年後見制度の利用の促進に関する法律」(平成28年5月施行)や、「成年後見制度利用促進基本計画」(平成29年3月閣議決定)において、こうした欠格条項の見直しを行われこの法改正に繋がった。欠格事由の変遷欠格事由についての議論は長期にわたりなされていて、近代化が進むにつれ改正も行われてきた。平成14年には「障害者等に係る欠格事由の適正化を図るための医師法等の一部を改正する法律」が施行されたことにより、絶対的欠格事由が削除され、「目が見えない者」、「耳が聞こえない者」、「口がきけない者」も医師国家試験及び歯科医師国家試験等を受験することが可能となった。こういった主に身体障害者の権利を担保するための改正の経緯もあり、今回成年被後見人の欠格条項も見直された形だ。法改正は自動的に歯科医師法にも適用され、絶対的欠格事由から成年被後見人の条件が削除され未成年のみとなった。そして現在の絶対的欠格事由はこのようになった。歯科医師法 第二章第三条 未成年者には、免許を与えない。令和の時代らしい改正時代の遷移、価値観の変化に沿うように法律も変わっていき、より多様性を認める方向に進んでいる。だからと言って、心身に障害があっても歯科医師になれるというわけではなく、個別に判断される。実際に成年被後見人に当たる人物が歯科医師国家試験に合格するかはわからないし、合格した上で個別に判断されるとなれば実現は難しく感じる。現実的にどうなるかはわからないが、ノーマライゼーションの概念に近づく一歩となったのは間違いない。少なくとも免許を与えられる可能性ができた。能力に関わらず、ある一定の条件で一律に制限するのではなく、選択肢が与えられることは当然の権利であり、現代にマッチした改正と言えよう。今までなかった思考が新たに加わることで、可能性は広がる。この法改正によって、歯科医療の進化も期待できるのではないだろうか。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる参考文献e-Gov「歯科医師法」<URL>法務省「成年後見制度」<URL>厚生労働省「『欠格条項改正に伴う医師・歯科医師国家試験に関する検討会』中間報告(案)について」<URL>厚生労働省「成年後見制度利用促進ニュースレター」[PDF]
ユースケ イシカワ
2020年7月24日

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