加速する「オンライン診療」は歯科でも可能か?
新型コロナでインターネット問診の需要高まる新型コロナウイルス感染症が流行してからは、人との密な接触を避けるように求められている。その中で歯科は外科処置が中心のため、インターネットや電話での診療は難しいというのが、歯科医療者なら想像に難くないだろう。しかしながら、問診だけであればインターネットを活用することはできないだろうか。「いつから痛みがありますか。」などと聞くだけであれば、患者がチェアーに座っている必要はない。また、感染症対策だけがメリットではない。患者側からしても歯科を受診するための移動から解放される。そして、これまで歯科を定期的に受診しなかった層が、歯科を受診するようになるかもしれない。歯科でネットの問診できるの?もちろん、インターネットや電話を使った問診は欠点もある。例えば、X線撮影はできないし、触診、温度診、ポケット深さ測定といった全ての患者のに触る検査は不可能である。だが既にアメリカではTeledentistry Association(遠隔歯科診療学会)という学会がすでに存在し、オーストラリアでは歯科医師会が公式にGuidelines for Teledentistry(遠隔歯科診療のためのガイドライン)を制定している。(画像:American Teledentistry Associationのウェブサイト)では、実際にどのように診察していくのだろうか。実例を見てみよう。海外での活用事例アメリカでは、遠隔歯科診療のスタートアップの一つとしてOralEyeが知られている。OralEyeはアメリカ合衆国で361の歯科診療所で使われていて、利用可能な州は50州全てに広がっているサービスである。OralEyeのサービスを利用する際はToothpicというアプリを患者にダウンロードしてもらう。患者はToothpicを使って問診に答え、指示に従って口腔内写真を撮る。(画像:Toothpicのウェブサイト)その結果を見て歯科医師がアドバイスをすることで、定期検診ができるという仕組みである。歯周病、齲蝕、着色、智歯の萌出の状態、矯正の進行状況をチェックできるとOralEyeは紹介している。また、Toothpicを使って、実際の歯科の受診も予約できるし、通っている歯科が気に入らなければ別の歯科医院の予約もできるようである。ちなみに、OralEyeのウェブサイトでは初診でも使えるとは明記されていなかった。さすがに初診は体に触れる検査やX線検査をしないと厳しいようである。日本の歯科でネット問診はでできるか厚生労働省は医科向けに「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を平成30年3月に出しているが、歯科では明示的に示されていない。しかし平成9年の局長通知で「遠隔診療は、あくまで直接の対面診療の補完であるが、直接の対面診療に代替し得る程度の患者の心身の状況に関する有用な情報が得られる場合、遠隔診療は直ちに歯科医師法第20条に抵触しない。」という声明を出している。また「発達過程において正常な口腔機能獲得ができていない小児や、加齢などにより口腔機能が低下した高齢者に対する指導管理など、歯科医師による指導管理に対するニーズが高まっている。」という見解を「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」で発表している。すなわち、遠隔診療に関しては法律では厳格には禁止はしていない状況で、かつニーズが高まっていると厚生労働省は考えているようである。日本ではまだまだ遠隔での歯科の診療は途上段階にあるが、新型コロナウイルスの流行をきっかけに遠隔診療への流れが加速するかも知れない。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる参考文献Teledentistry – what can you really do?, Dentistry UK.com, <URL>, 2020年4月27日閲覧Facts About Teledentistry, American Teledintistry Association, <URL>, 2020年4月27日閲覧Guidelines for Teledentistry, Australian Dental Association, <URL>, 2020年4月27日閲覧Oral Eye, <URL>, 2020年4月27日閲覧Toothpic, <URL>, 2020年4月27日閲覧オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会 第3回 資料5, 厚生労働省, <URL>, 2020年4月27日閲覧