歯科用語集
2025年10月28日

重合収縮

「重合収縮」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

重合収縮とは、ポリマーが重合反応を経て形成される際に、体積が減少する現象を指す。特に歯科においては、コンポジットレジンや樹脂系材料の硬化過程で見られる。この現象は、材料の化学的性質に起因し、重合反応に伴う分子間の結合形成が進むことで、空間が狭くなることから発生する。重合収縮は、歯科治療において重要な要素であり、特に修復物の適合性や耐久性に影響を与えるため、理解が求められる。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床において、重合収縮は修復材料の選択や適用方法において重要な判断基準となる。特に、コンポジットレジンを用いた修復では、重合収縮による隙間が生じると、二次的な虫歯や歯周病のリスクが高まる。したがって、歯科医師は重合収縮を最小限に抑えるための技術や材料を選定する必要がある。具体的には、低収縮型の材料や、適切な硬化条件を設定することが推奨される。また、重合収縮の影響を考慮した適切な接着技術の選択も重要である。


関連用語・類義語との違い

重合収縮に関連する用語には、「収縮応力」や「接着強度」がある。収縮応力は、重合収縮によって生じる内部応力を指し、これが高いと修復物の破損や剥離を引き起こす可能性がある。一方、接着強度は、修復材料と歯質との結合の強さを示す指標であり、重合収縮が接着強度に与える影響は無視できない。これらの用語は、重合収縮の理解を深める上で重要であり、臨床現場での適切な材料選定や技術の選択に役立つ。


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重合収縮の理解と臨床応用。歯科治療における処置と症例の判断ポイント

重合収縮の理解と臨床応用。歯科治療における処置と症例の判断ポイント

重合収縮とは何か重合収縮は、歯科用材料が硬化する際に発生する体積の減少を指す。特に、コンポジットレジンや光重合型材料において顕著であり、これが歯科治療における重要な課題となる。重合収縮は、材料の物理的特性や化学的反応に起因し、硬化過程での分子間の結合が形成される際に、材料が収縮することによって生じる。この現象は、歯科治療においては、特に充填物の適合性や歯髄への影響に関連しており、適切な処置や術式の選択が求められる。重合収縮を理解することで、歯科医師はより効果的な治療計画を立てることができる。重合収縮の影響と症状重合収縮は、歯科治療においてさまざまな影響を及ぼす。特に、充填物の周囲に微小な隙間が生じることがあり、これが二次う蝕のリスクを高める要因となる。また、重合収縮によって歯髄への圧力が増加することもあり、これが痛みや不快感を引き起こすことがある。さらに、重合収縮が原因で充填物が破損することもあり、これにより再治療が必要になる場合もある。したがって、重合収縮の影響を理解し、適切な診断と処置を行うことが重要である。重合収縮を考慮した処置と術式重合収縮を軽減するためには、いくつかの処置や術式が考慮されるべきである。例えば、充填材料の選択においては、低収縮型のコンポジットレジンを使用することが推奨される。また、充填時の層厚を薄くすることで、重合収縮の影響を分散させることができる。さらに、光照射の時間や強度を適切に調整することも重要である。これにより、材料の硬化過程を制御し、重合収縮を最小限に抑えることが可能となる。これらの手法を駆使することで、治療の成功率を高めることができる。重合収縮の診断と注意点重合収縮に関連する問題を診断するためには、適切な診査が必要である。視診や触診を通じて、充填物の適合性や歯髄の状態を評価することが求められる。また、必要に応じてレントゲン検査を行い、二次う蝕の有無を確認することも重要である。診断の際には、重合収縮による症状を見逃さないよう注意が必要である。特に、患者からの訴えや症状をしっかりと聞き取り、適切な対応を行うことが求められる。重合収縮に関する最新の研究と今後の展望近年、重合収縮に関する研究が進んでおり、新しい材料や技術が開発されている。例えば、ナノコンポジット材料や、重合収縮を抑制する添加剤の研究が進められている。これにより、今後の歯科治療において重合収縮の影響をさらに軽減することが期待される。また、重合収縮に関する教育やトレーニングも重要であり、歯科医師や歯科衛生士が最新の知識を持つことが、患者に対するより良い治療を提供するための鍵となる。
1D編集部
2024年6月1日
【1D的セミナーログ】失敗しない根管充填に共通するファクターとは?

【1D的セミナーログ】失敗しない根管充填に共通するファクターとは?

先日、日本歯科大学教授・北村和夫先生をお招きし、『失敗しない根管充填のルール〜術式のバリエーションと最新マテリアル〜』と題したWebセミナーを行った。当日は多くの歯科医師の方々が参加し、質問も多く盛況となった。本記事では、そのセミナーの内容をかいつまんで解説する。1Dでは、本セミナーの他にもさまざまな歯科臨床セミナーを開催しているため、関心がある方はぜひご視聴いただきたい。現在開催中のセミナーを見る歯内療法は感染との戦いである「歯内療法は、感染との戦いである」とよく言われるが、それは「予防(攻め)」と「感染防止(守り)」の大きく二つの要素に分けられると考えられる。歯内療法における攻めとは、下記のことである。軟化象牙質の除去根管洗浄以前の根管洗浄(FC)根尖切除逆根管窩洞形成その一方で、歯内療法における守りとは、下記の要素である。ラバーダム防湿軟化象牙質の除去根管消毒(水酸化カルシウム)根管充填後の修復逆根管充填根管充填仮封今回のテーマである根管充填は、「攻め」で構築した根管をいかにして「守って」いくのかということを主眼とした手技であると言える。 根管充填は「細菌の埋葬と化石化」根管充填において重要な「ガッターパーチャ」は、1867年にBowmanが使用したことからその歴史が始まる。現在ではガッタパーチャの根管充填材はシーラーと併用して用いられることで緊密な充填を得られ、それの代替品となる材料は見つかっていない。また根管充填の目的としては、「根管と根尖歯周組織の交通を遮断し、細菌の埋葬(Entombment)と化石化(Fossillization)」を達成することが挙げられる。根管内の細菌は主根管や副根管、イスムスやフィン、アンダーカット、側枝や根尖分岐などの複雑な根管形態だけでなく、象牙細管内300μmほどの深度まで侵入することがわかっているため、機械的・化学的清掃だけでは根管内を十分に滅菌化できないため重要と考えられているため、この概念が重要なのである。 垂直加圧充填 VS 側方加圧充填垂直加圧充填と側方加圧充填どちらが良いのかという議論を、巷でよく耳にするだろう。側方加圧充填は、常温で圧接可能なβ型のガッタパーチャポイントを用いる一方で、垂直加圧充填は加熱すると流動的な状態になるα型ガッタパーチャポイントを用いる。アメリカ歯内療法学会専門医へのアンケート(2009年、複数回答可能)では、垂直加圧充填の1種であるCWCTが48.2%、側方加圧充填が43.6%となっている。アメリカGPの根管充填のアンケート(2014年、複数回答不可)では垂直加圧充填が42%で側方加圧充填が40%という結果で、どちらの手技もよく行われていることがわかる。実際に予後について2007年のメタ分析を行った文献によると、術後疼痛、長期予後、根管充填の質に関して有意差がないという結果が得られており、それぞれの手技を行う上でのポイントを押さえていることが重要であると考えられる。 シーラーは重合収縮から微膨張へシーラーは多くの場合で重合収縮をするものが多く、マイクロリーケージの原因になるため使用しないという先生も多いと思うが、実はそれは誤りである可能性が高い。2004年の文献では、根管充填時にシーラーを用いなかった場合に漏洩が見られるというものがあり、根管充填には必須であると考えられるためである。ただ、現在のシーラーは重合収縮するものばかりではなく、重合で微膨張するシーラーが開発され始めている。それにより根管壁と一体化し、根管充填の細菌の埋葬と化石化を達成することがより容易にすることができ、歯のモノブロック化を達成できるだろう。現在は様々なシーラーにより操作性も改善されている。ぜひセミナーで確認していただきたい。歯科セミナーなら、1D(ワンディー)で!1Dでは、本記事でご紹介したような歯内療法に関するセミナーをはじめ、他にもさまざまな歯科医療者向けオンラインセミナーを開催している。興味がある方は、ぜひ下記ボタンから開催中のセミナーを見ていただきたい。開催中のセミナーを見てみる
北村 和夫
2022年7月14日
上市から約10年、バルクフィルレジン「真の実力」は?

上市から約10年、バルクフィルレジン「真の実力」は?

4-5mmの厚さまで一括で重合できる「バルクフィルレジン」。積層充填の工数が減り、CR修復の効率化が期待され2010年代中盤には大きな話題を呼んだ。上市から約10年が経ち、さぞ一般化されているかと思いきや筆者が臨床現場で見る機会は多くない。失敗作だったのか、というとそんなこともなさそうで、しっかりとした機械的性質のレビューもなされている。筆者が知らないだけかもしれないが、なぜ大きな転換期を迎えていないのか、従来のリプレイスには及ばないのか。今回はバルクフィルレジンについて、あくまで論文ベースにはなるがその有用性を改めて考えてみたい。そもそもバルクフィルレジンとは?ご存知の方は多いと思うが、大きな窩洞へのCR充填の際、一般的には2mm程度の積層充填が推奨されている。最適な重合を得るために設けられている、製品ごとの光硬化深度と照射時間にしたがって操作するわけだが、従来のものでは厚さ2mmに対し10-20秒の光照射と深い窩洞に対しては操作時間の延長、つまりチェアタイムの延長がペインになっていた。チェアタイムの短縮を目指し開発されたバルクフィルレジンは、光透過性を亢進させることで厚さ4-5mmまで一括充填を可能にし、歯科医院においてポピュラーな処置であるCR充填の効率化を実現した。手技の効率化やテクニックによって短縮できる時間はあるが、CRの硬化を端折ってしまえば未重合による接着不良や不均一な重合収縮により予後が悪くなってしまう。その絶対的な「時間」に寄与した開発はまさしくテクノロジーによる補完だ。このテクノロジーがなぜ普及しないのか、物性に問題があるのか、材料学的なレビューをみていきたい。機械的性質に問題は?いくつかの文献を探ってみたが、機械的強度は従来のものと同等あるいはそれ以上、耐摩耗性も問題なく、重合収縮率は有意に小さく収縮応力の発生も緩やか、などネガティブな要素は見つからなかった。強いていうならば「金属モールドを使用した場合、最も応力が集中する窩洞隅角部にレジン内部の亀裂が発生した」という結果が得られているため、メタルインレーの破折に対し補修修復を行った場合亀裂が生じるかもしれない。しかし補修修復の範囲なのであればバルクフィルレジンを使用する必要はないだろう。2012〜2019年までのレビューを一通り検索したが、材料単体でみた場合に棄却する理由は見当たらない気がする。すでに広まっているかもしれないし、広まるべき技術冒頭でも言った通り筆者が知らないだけかもしれないが、なぜ広まっていないのか。それだけ従来のCRが優れているのか。逆に必要以上の積層充填を行うことで収縮ストレスは大きくなり、過度な照射を繰り返せば重合収縮応力も大きくなる。臨床的にもむしろ少ない充填回数で修復できる方が歯質に対して望ましいわけだ。であれば価格がネックか。一般販売価格を調べたところ3,000〜5,000円で流通しており、従来のCRとほぼ変わらない。同価格帯でチェアタイムが短縮できるのであればコストパフォーマンスに優れているのも明白だ。しかし製品をみていく中で見えてきた問題がシェードだ。圧倒的にシェードが少ない。もしくはデンティン色とユニバーサルしかない物が多い。光透過性が高いことから昨年話題になったオムニクロマ®︎(関連記事:シェードのないCR「オムニクロマ®︎」使ってみてわかった衝撃の実力は)のような効果で厳密なシェード選択の必要がないのかもしれないが、審美性を重視する場合には用いられないだろう。また大きい窩洞での充填を考えた場合、ほぼ大臼歯を想定していることから審美面の優先度を低くしている可能性もある。これはロジカルであり、致し方ない部分でもあるだろう。特に機械的強度を担保する上でもフィラーの含有率は重要であり、バランスが取りにくい点でもある。改めて調べてみたことで普及しずらい理由も見えてきた。直接修復の利点は審美性も確保できることであり、実際に修復するとなるとバルクフィルレジンに加えてシェードの豊富なレジンを用意する必要があり、結局重ねて充填する操作も残る。であれば従来のものでチェアタイムが長かろうと大きな差は生まれないという判断になりそうだ。しかし技術的には素晴らしいもので、今後審美面でも進化していく可能性は大いにある。そしてその開発にはまず現行のものが普及し、データが蓄積され、改善点を洗い出していくことが必要だ。まだ広まっていないとしたら、ぜひ一度使ってみて、たくさん批判していただきたいと思う。その先に理想的な形が待っているはずだ。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる参考文献神谷直孝, 神谷昌宏, バルクフィルコンポジットレジンの効果初期における重合収縮応力の発生挙動と窩洞切断面の観察, 日歯保存誌 63 (1) : 14-21, 2020 [PDF]辻本暁正, 鈴木崇之, バルクフィルコンポジットレジンの機械的諸性質, 日歯保存誌 57 (2) 162-169, 2014 [PDF]株式会社ジーシー, 新規コンポジットレジンの耐摩耗特性, p81, 日本歯科保存学会2014年度秋季学術大会(141回)[PDF] 森俊樹, 上野貴之, 熊谷知弘, 株式会社ジーシー, 窩底部からの一括充填を可能にするグレースフィルバルクフローの粘度特性, 日本歯科保存学会2019年度秋季学術大会(151回)[PDF]森俊樹, 上野貴之, 熊谷知弘, コンポジットレジンの光学特性が硬化深度に及ぼす影響, 第74回日本歯科理工学会学術講演会, 2019 [PDF]吉川孝子, 光重合型レジン修復物の重合収縮応力緩和効果を有する修復技法に関する研究, 東京医科歯科大学歯学部, 1998 <URL>
ユースケ イシカワ
2021年2月23日

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