歯科用語集
2025年10月28日

う蝕経験

「う蝕経験」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

う蝕経験とは、歯におけるう蝕(虫歯)の発生や治療の経験を指す用語である。う蝕は、歯の硬組織が細菌によって破壊される病態であり、主に糖分の摂取や口腔内の衛生状態が影響する。語源は「う蝕」という言葉自体が、古くから用いられている日本語に由来し、虫歯の進行を示すものである。う蝕経験は、患者の口腔健康状態や治療歴を把握する上で重要な指標となる。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床において、う蝕経験は患者の口腔内の健康状態を評価するための重要な要素である。う蝕経験が多い患者は、再発リスクが高く、予防的なアプローチが必要とされる。判断基準としては、過去のう蝕治療歴、現在のう蝕の有無、患者の生活習慣や食事内容が考慮される。また、う蝕経験は、歯科保険制度における治療計画や保険点数の算定にも影響を与えるため、正確な把握が求められる。

関連用語・類義語との違い

う蝕経験に関連する用語には「う蝕罹患率」や「う蝕治療歴」がある。う蝕罹患率は、特定の集団におけるう蝕の発生頻度を示す指標であり、う蝕経験とは異なる概念である。また、う蝕治療歴は、過去に受けたう蝕に対する治療の履歴を指し、う蝕経験の一部を構成する。これらの用語は、患者の口腔健康を評価する際に、それぞれ異なる視点からの情報を提供するため、正確な理解が必要である。

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先日、1Dでは日本大学松戸歯学部衛生学講座専任講師・田口千恵子先生をお招きし、『けっきょく、砂糖とフッ素。う蝕の機序・予防とパブリックヘルス』と題したWebセミナーを行った。1Dでは本セミナーの他にも、多数の歯科臨床セミナーを開催している。プレミアム会員であれば追加料金ナシでセミナーや講義動画が見放題となるため、歯科医師・歯科衛生士の方はぜひご活用しただきたい。1Dプレミアムでセミナーを視聴する当日は多くの歯科医師・歯科衛生士の方々が参加し、質問も多く盛況となった。本記事では、そのセミナーの内容をかいつまんで解説する。構成は、1.う蝕の発生機序 2.う蝕と砂糖 3.シュガーコントロール 4.栄養としてのフッ素 5.フッ化物応用の種類と有用性 6.フッ化物による予防機序 7.パブリックヘルスとウォーターフロリデーションの7項目に分かれており、それぞれ豊富なデータに基づいた解説がなされた。う蝕の発生と砂糖の関係日本の子どものう蝕は経年的に減少傾向にあるが、その罹患率は他の疾患と比較しても高く、また成人では約 3人に1人が未処置う蝕を有し、高齢者ではう蝕経験者は増加している。う蝕の発生要因としては、ご存知のように口腔内細菌、基質、宿主、時間といった4つがあり、砂糖を含む食品が食事とともに与えられた場合に比べ、間食に与えられた場合はう蝕は増加することが分かっている。一人当たり砂糖消費量の国際比較推移(1956-2020年)によると、日本は料理やお菓子に含まれるものも含め、1人年間15.6kgの砂糖を消費している。米国にいたっては31.4kgであり、日本の約2倍もの砂糖を1年間に消費している。それにも関わらず、12歳児のう蝕(DMFT)のデータで見てみると、米国の方が日本よりう蝕は少ない。英国も砂糖の消費量は日本に比べ、かなり多いのにも関わらず、う蝕は日本の半分である。これから考えると、単に砂糖の摂取量が増えたからといって、う蝕の数が増えるのではないことが分かる。また歯磨きに関してだが、頻度を考えると、日本人はかなり歯を磨いていることが調査によっても分かっている。しかし、プラークの問題とう蝕との関係性についてはあまり示されていないこと、咬合面の小さな溝に歯ブラシの毛先はなかなか届かないため、う蝕になりやすい咬合面に対して対応ができていないことをきちんと理解しておかねばならない。フッ化物によるう蝕予防法う蝕予防のフッ化物応用は75年以上の歴史で安全性と有効性が繰り返し確認されており、中でもフッ化物配合歯磨剤は日本で広く普及している。フッ化物応用の研究のアップデートや、市販歯磨剤のフッ化物濃度の変更、国際的な推奨の更新を受け、2023年1月には「フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法について」4学会(日本小児歯科学会・日本口腔衛生学会・日本歯科保存学会・日本老年歯科医学会)合同の提言が発表されたのが記憶に新しい。様々な食品に含まれているフッ化物であるが、1日における適正な摂取量として考えると、日本人は足りていないのが現状である。また矯正用ワイヤーやチタン製インプラントに関してだが、フッ化物歯面塗布や歯磨剤は推奨されており、フッ化物応用を中止する利益はなく、むしろ中止したことによるう蝕リスクが懸念される。ただ、リン酸酸性フッ化物歯面塗布剤などの場合は、強酸性がチタンやチタン合金に影響を与える可能性があることを覚えておきたい。臨床に役立つセミナーなら1Dプレミアムこの他にも、1Dではさまざまな臨床・学術セミナーを配信中である。配信中のラインナップや1Dプレミアムの詳細は、下記ボタンからご覧いただきたい。1Dプレミアムでセミナーを視聴する
1D編集部
2023年7月25日
フッ化物配合歯磨剤の使用法を歯科4学会が公開

フッ化物配合歯磨剤の使用法を歯科4学会が公開

う蝕予防におけるフッ化物応用は、その安全性と有効性が確立されている。国内に市販されているフッ化物配合歯磨剤の市場シェア率は9割を超えており、広く普及しているといえるだろう。今回、一般社団法人日本口腔衛生学会、公益社団法人日本小児歯科学会、特定非営利活動法人日本歯科保存学会、一般社団法人日本老年歯科医学会の4団体は、フッ化物配合歯磨剤の使用法をめぐり、共同で「推奨される利用方法」を取りまとめ、公開した。世界的には国際歯科連盟(FDI)や世界保健機関(WHO)がフッ化物配合歯磨剤の推奨を作成しており、これに国内の状況を考慮して今回の声明が作成された。今回の声明の背景とは?日本の小児におけるう蝕は減少傾向にあるものの、その罹患率は他の疾患と比べ高い。また成人では3人に1人が未処置のう蝕を有しており、高齢者ではう蝕経験者が増加傾向にある。4団体による声明では、「フッ化物応用の研究のアップデートや、市販歯磨剤のフッ化物濃度の変更、国際的な推奨の更新を受け、(中略)現在の我が国における推奨されるフッ化物配合歯磨剤の利用方法をまとめることとした」としている。フッ化物配合歯磨剤の利用方法具体的な利用方法は、下記の通りだ。歯が生えてから2歳は、フッ化物配合歯磨剤のフッ化物濃度は1000ppmF、使用量は米粒(1〜2mm)程度。就寝前を含めて1日2回の歯みがきを行い、歯みがき後にティッシュなどで歯磨剤を軽く拭き取ってもよい。また、歯磨剤は子どもの手の届かない所に保管し、歯みがきについては専門家のアドバイスを受ける。3〜5歳も同様にフッ化物濃度は1000ppmFとし、使用量はグリーンピース(5mm)程度とする(子どもが歯ブラシに適切な量をつけられない場合は保護者が歯磨剤を出す)。歯みがきの後は歯磨剤を軽く吐き出し、うがいをする場合は少量の水で1回のみとする。6歳以降では、フッ化物濃度は1500ppmF、使用量は歯ブラシ全体(1.5cm〜2cm程度)。使用方法は前項と同様で、チタン製のインプラントなどの歯科材料が使用されていても、天然歯が存在する場合はフッ化物配合歯磨剤を使用する。歯磨剤市場を取り巻く課題同声明では、成人における根面う蝕の予防について「5000ppmFのフッ化物濃度の歯磨剤のう蝕抑制効果が認められている」とし、「現在日本では市販されていないため認可されることが望まれる」「処方箋なしで購入できる国も増えている。日本においても5000ppmFの歯磨剤の販売の認可が求められる」と明言した。特に初期活動性根面う蝕については、5000ppmFのフッ化物濃度の歯磨剤の使用により進行が停止するエビデンスが示されており有用であり、本声明がその認可に一石を投じることになればう蝕予防に大きな影響がもたらされるだろう。また、国内で市販されているフッ化物配合歯磨剤の多くには、国際規格で規定されているフッ化物濃度の記載がされていない。今回、4団体が推奨されるフッ化物濃度について明言したものの、消費者が確認できなければ意味がない。このため、国際規格に合わせたフッ化物濃度の明記が、日本メーカーが製造する歯磨剤についても必要である。歯磨剤の飲み込みや誤嚥に注意小児に関しては、誤って歯磨剤のチューブごと食べるなど大量に歯磨剤を飲み込まないよう、使用方法や保管場所に注意すべきとしている。国内で販売されている歯磨剤では、乳幼児向け歯磨剤についてはチューブを1本飲み込んでも問題ない総量の製品が基本的に製造・販売されているが、大量摂取には気を付けるべきである。また、要介護者で嚥下障害を認める場合、ブラッシング時に唾液や歯磨剤を誤嚥する可能性も考えられ、「ガーゼ等による吸水や吸引器を併用するのもよい」としている。また、歯磨剤のために食渣等の視認性が低下するような場合には、それらを除去してからブラッシングを行うことが望ましいとしている。チタンインプラントへの影響は?前述の通り、高齢者においても根面う蝕をはじめとするう蝕予防の観点からフッ化物配合歯磨剤の利用が推奨されている。しかしチタンインプラントが埋入されているケースにおいては、高濃度で酸性のフッ化物歯面塗布によってチタンが腐食してしまう可能性があるものの、低濃度で中性のフッ化物配合歯磨剤においてはそのリスクはないと考えられる。そのため声明では、「国際的にも全ての人へのフッ化物配合歯磨剤の利用が推奨されている」とした上で、「インプラント患者にもフッ化物配合歯磨剤の利用が推奨されている」とした。参考文献一般社団法人日本口腔衛生学会,公益社団法人日本小児歯科学会,特定非営利活動法人日本歯科保存学会,一般社団法人日本老年歯科医学会『4学会合同のフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法』2023年1月1日(URL)
1D編集部
2023年1月10日

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