歯科用語集
2025年10月28日

歯種

「歯種」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

歯種とは、歯の種類や形態を分類するための用語である。具体的には、乳歯と永久歯の区別、または各歯の形状や機能に基づく分類が含まれる。語源は「歯」と「種」であり、歯の多様性を示すものである。歯種の分類は、歯科医療において患者の口腔内の状態を把握するために重要であり、治療計画や予防措置を考える上での基礎となる。特に、歯種の理解は、歯科衛生士が患者に対して適切なケアを提供する際にも欠かせない知識である。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床において、歯種の理解は診断や治療方針の決定において重要な役割を果たす。例えば、乳歯と永久歯では、虫歯の進行や治療方法が異なるため、歯種を正確に把握することが求められる。また、歯種に基づく判断基準としては、歯の形状、位置、機能が挙げられ、これらを考慮することで、より効果的な治療が可能となる。さらに、保険点数においても、歯種によって異なる点数が設定されているため、歯科医師は適切な診断と治療を行う際に、これらの知識を活用する必要がある。

関連用語・類義語との違い

歯種に関連する用語としては、「歯型」や「歯列」がある。歯型は、特定の歯の形状を指し、歯列は歯が並ぶ形状を示す。これらは歯種とは異なり、より具体的な形態や配置に焦点を当てている。さらに、歯種は歯の種類を分類する概念であるため、歯型や歯列とは異なる視点からのアプローチが求められる。歯科医療においては、これらの用語を正確に使い分けることが、患者への説明や治療方針の策定において重要である。

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歯種の理解と臨床応用。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき症例と診断のポイント

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歯種とは何か歯種とは、歯の種類や形態を分類するための用語であり、主に臼歯、前歯、犬歯などに分けられる。これらの歯はそれぞれ異なる機能を持ち、咀嚼や発音において重要な役割を果たす。歯科臨床においては、歯種の理解が診断や処置において不可欠である。例えば、臼歯は咀嚼に特化しているため、う蝕や歯周病の影響を受けやすい。歯種を正確に把握することで、適切な治療計画を立てることが可能となる。歯種の分類と特徴歯種は大きく分けて、前歯、犬歯、臼歯、そして小臼歯に分類される。前歯は主に切断や発音に関与し、犬歯は食物を引き裂く役割を持つ。臼歯は食物をすり潰すための形状をしており、特に咀嚼力が求められる。小臼歯はその中間的な役割を果たし、咀嚼の補助を行う。これらの歯種の特徴を理解することで、症例に応じた適切な処置や術式を選択することができる。歯種に関連する症状と診断方法歯種に関連する症状としては、う蝕、歯周病、咬合異常などが挙げられる。これらの症状は、歯種によって異なる影響を受けるため、診断時には歯種を考慮することが重要である。診断方法としては、視診、触診、X線検査などがあり、これらを組み合わせることで正確な診断が可能となる。特に、X線検査は歯の内部構造を把握するために有効であり、う蝕の進行状況や歯周病の程度を評価する際に役立つ。歯種に基づく処置と術式の選択歯種に基づく処置や術式の選択は、患者の状態や症例に応じて異なる。例えば、臼歯にう蝕が見られた場合、充填やクラウンの装着が考慮される。一方、前歯においては、審美的な観点からラミネートベニアやホワイトニングが選択されることが多い。歯種ごとの特性を理解し、適切な処置を行うことで、治療の成功率を高めることができる。歯種に関する注意点とコツ歯種に関する注意点として、患者の年齢や全身状態を考慮することが挙げられる。特に高齢者の場合、歯の形態や咬合状態が変化していることが多く、適切な診断と処置が求められる。また、歯種に応じた治療計画を立てる際には、患者とのコミュニケーションが重要であり、治療のメリットやデメリットをしっかりと説明することが求められる。歯種の導入と臨床での活用歯種の理解は、歯科医師や歯科衛生士にとって不可欠な知識である。臨床での活用にあたっては、最新のガイドラインや研究成果を参考にし、常にアップデートを行うことが重要である。また、症例ごとの特性を把握し、適切な診断と処置を行うことで、患者のQOLを向上させることができる。歯種に関する知識を深めることで、より良い歯科医療を提供することが可能となる。
1D編集部
2024年6月1日
【特集取材】2024年米国歯内療法専門医協会(AAE)年次総会に参加してきました(寺岡 寛先生)

【特集取材】2024年米国歯内療法専門医協会(AAE)年次総会に参加してきました(寺岡 寛先生)

AAEは毎年1回年次総会(annual session)が北米の様々な地域で開催される。今年はカリフォルニア州のロスアンジェルスであった。カリフォルニア州は西海岸に位置し温暖な気候として知られている。日本人にとってはドジャースに入団した大谷翔平選手の本拠地と言うとわかりやすいのかもしれない。私も友人たちとドジャースタジアムに行き試合を見てきた。AAEの年次総会は4月の17日~20日の4日間開催され世界中から多くの歯科医師が訪れる。2016年のサンフランシスコ、2018年のモントリオール(カナダ)以来の3回目の参加となった。4日間を通して多くの魅力的なレクチャーが行われるが、見たいレクチャーが複数同時刻に行われどの公演を見ようかとというジレンマがある。また、隣に座ってレクチャーを聞いているのが世界的に高名な歯内療法医ということさえよくある。携帯電話で専用のアプリがあるのでそこから日程を確認出来、お気に入りのレクチャーを保存できるので日程の確認に非常に便利である。今回、総会への参加と1Dさんに執筆させて頂く機会を得たので体験記として情報を共有したいと思う。因みに筆者は日本で歯内療法専門医として幾つかの医院に出向し診療をしており通常の歯内療法は元より断髄を得意としている。尚、以下に使用している略語を書いておくので参考にして頂けると幸いである。<略語一覧>AAE(アメリカ歯内療法専門医協会)、ESE(ヨーロッパ歯内療法学会)、VPT(生活歯髄温存療法)、NSRCT(非外科的根管治療)、IDPC(間接覆髄法)、DPC(直接覆髄法)、ECR(歯頸部外部吸収)、ICR(侵襲性歯頸部吸収)、TSP(トロントスタディプログラム)、USC(南カリフォルニア大学)、ヒポクロ(次亜塩素酸ナトリウム)木ノ本喜史先生(左から4番目)と現地で集合した友人達と記念撮影(筆者は左から3番目)1日目(4月17日)私は現地には時差の関係で16日に到着したが総会が始まったのが17日なので1日目とする。最初に聞いたレクチャーは「Conundrum of Pulpal Diagnosis Part 1, 2」(歯髄診断の困難性パート1, 2)である。現在、歯髄の診断名は実際の臨床の状態を正しく反映していないと議論され、その診断名自体を新しいものに改善すべきという意見もある。ヨーロッパ歯内療法学会会長のDr. H. F. Duncanは出血や痛みへの過敏さは診断に有用ではなく、より歯髄への深い理解が重要であると述べた。意外に感じたのが歯髄をマイクロスコープ下で直視することに関しても否定的であった。私見では日本のDr.泉英之が提唱しているエアーでの歯髄が根管壁から離れると、その歯髄は保存不可能な歯髄であるといった所見や歯髄の正常を拡大下で確認することは非常に重要な因子であると思っている。Dr. Kenneth. M. Hargreavesは世界的に使用されている歯内療法の教科書Pathway’s of the pulpの編集者であるが今後はバイオマーカー、特にMMP-9による歯髄の診断が役に立つだろうと結論づけた。理由はバイオマーカーを使用することはパーソナライズし、術者の主観性を排除することにより信頼性が向上する検査法になり得るからである。最後のスピーカーのDr. Claudia Brizuelaは可逆性歯髄炎と不可逆性歯髄炎の診断にはFGF, IL-6, IL-1α, TIMP-1が有効かもしれないとした。しかしながらこれらはラボレベルでは有用であるかもしれないが、それをチェアサイドで使用できるようにすることが今後の重要な課題であると筆者は思う。続いてDr. Adham. A. AzimのThrough & Through Lesions Explained(スルーアンドスルー病変の解説)である。Dr. Azimは筆者と同い年(39歳)であるが、過去にバッファロー大学で歯内療法科の大学院生を統括するディレクターを行っており、現在はパシフィック大学の准教授という非常に才能に優れている先生である。筆者は2018年の総会で1度レクチャーを受けている。その時は逆根管治療(歯根端切除)でXP-Endoを使用した清掃を行うという新しく革新的な事を行う先生だな、と感銘を受けたことを思い出す。今回のタイトルのスルーアンドスルーというのは病変が大きく頬側骨、口蓋側の骨共に吸収している状態である。この状態で通常の逆根管治療を行った場合、瘢痕による治癒が得られるかもしれないが線維性結合組織による瘢痕治癒となるため、将来的にインプラントが必要になった場合に骨がなく埋入ができなかったり、新たに骨造成が必要であったりと問題となる。そのため出来るだけ逆根管治療時に骨による治癒が望まれるためタイトルとして決めたとのことだった。この理由に関しては筆者も同意見であるため今回のレクチャーを受講した。この病態を理解するためにはまず病変のステージを分類することが重要で、そのステージにより処置法が異なる。因みにDr. Azimは6月1日から行われる日本歯科顕微鏡学会の年次総会で後述するDr. Shanon Patel, Jerry Linと共に招聘されている。その時には今回のタイトルでハンズオンに参加する予定となっているので、その予習が今回でき今から非常に楽しみである。より臨床的に今回の分類とステージ別の処置法を理解できることだろう。レクチャー後に友人と質問をしにいった。2日目(4月18日)Dr. Shanon PatelのManagement of External Cervical Resorption (Surgical vsNon-Surgical:侵襲性歯頸部吸収への対応(外科的 vs 非外科的))であった。Dr. PatelはCBCTの歯内療法領域での使用で高名な先生である。本邦でも著書が日本語訳されて市販されている。侵襲性歯頸部吸収はICR(Invasive Cervical Resorption)とも呼ばれ、しばしばう蝕と間違われることがある。本病態に関し古くからHeithersayの分類が使用されてきたが同演者らによる、より細かく分類された新基準がヨーロッパ歯内療法学会(ESE)から発表されている。X線撮影をした際に偶然見つかることが約半数。原因は様々であるが不正咬合、矯正治療や管楽器奏者に多いとされている。近年ではネコに特有なウィルスがヒトに感染し原因になり得ることも言われている。以前と比較して症例数は増えてきていることを指摘し、悪い意味で過小評価をされていると言及していた。我々が思っているよりも実際には多くのケースが見過ごさられているだろうという意味である。また診断については従来のエックス線検査のみでは限界があるため、CBCTで検査を行うことの重要性も語られた。主題に関してどのような場合には外科的・非外科的に処置するのか、実際の症例を用いて説明され非常に理解しやすかった。余談ではあるが私自身、ECRで悩んでいる症例があるので6月に来日された際にはまた記録を元に相談させて下さい、とお願いをしておいた。セルフィーを一緒にしてもらったが慣れておらず画像がブレてしまった。続いてControversies in VPT:IPC vs DPC vs Pulpotomy Part 1,2(歯髄温存療法における論争:間接覆髄法 vs 直接覆髄法 vs 断髄パート1, 2)である。スピーカーはDr. Stephene Simon, Ashraf Fauad, Nasrin Taha, Domenico Ricucciの各レクチャーとディスカッションであった。今更ではあるがVPTとはVital Pulp Therapy(歯髄温存療法)の略であり、覆髄法と断髄法が含まれる。このセッションの各スピーカーはVPTに非常に精通した歯内療法医と言える。このセッションを含む本年のVPTに関わるセッションは10と非常に多かった。以前からVPTへの注目は大変に上昇していたが、本年で最高潮となったことだろう。因みにVPTに関するAAE総会でのレクチャーは私が調べた限りでは2016年0、17年0、18年1、19年3、20年1、21年5、22年?、23年4、24年10である。最初のスピーカーはDr. Tahaでヨルダン大学の教授で、現在ではコンセンサスになりつつある不可逆性歯髄炎における断髄の高い成功率を報告した。発表当初(現在も?)はかなりの反対意見があったものの、現在では2021年にAAEが発表した断髄のガイドラインにも記載の通り受け入れられつつあるように思う。このパートでは非特異的う蝕除去は特異的う蝕除去よりも成功率が高く、露髄をしたとしても断髄や抜髄を行えば予知性の高い治療となるとのことであった。これはESEが推奨をしている、いわゆるステップワイズエキスカベーションよりも断髄・抜髄のほうが予知性が高い処置であると私は解釈をしている。続いてDr. Fauadは各個人の炎症性ケミカルメディエーターを用いて歯髄炎が鑑別できるかもしれないとの展望を示した。その上でVPTのみならず、各個人に対するパーソナライズドされた歯内療法が必要ではないかと提唱していた。一般的なVPTの予後に関する因子として写真にあるように、カリエスの深さ、宿主の炎症反応、無菌的処置、覆髄材、症状をあげていた。その中でも興味深かったのが歯髄壊死を起こし根尖性歯周炎(+)の患者で疼痛を感じない歯髄炎、いわゆるPainless Pulpitisが生じていたのは40%であった報告(Michaelson and Holland IEJ 2002)を引用していた。頻度はここまで多くないにしても臨床家であれば歯冠崩壊している患者さんに、今までの痛みのヒストリーを聞いた際に別にそんなに痛くなかったと答える患者に1度は遭遇したことがあるのではないだろうか。3番手のスピーカーはDr. Ricucciである。Dr. Ricucciに関してはここで改めて解説をする必要がないほどの高名な臨床家である。彼の非常に美しい切片像は歯内療法のみならず歯科会に大きな影響をもたらしたことは疑いようがない。彼の今回の主張は写真の通り非常に明確で、彼の臨床結果やその切片を用いて説明したうえで特異的う蝕除去は推奨されないということであった。ここで興味深いのがDr. Ricucciはイタリア人であるので立場的にはESEに近いはずであるが、彼の主張のスタンスはAAEのポジションステートメントと近似している。筆者は彼のFacebookグループをフォローしており、上記のような主張が来るだろうと予想していたので驚きはなかったが、臨床・組織像を交えたレクチャーには説得力があると改めて感じた。このセッションの最後のスピーカーDr. Simonのことは事前に存じ上げなかったが、彼の20年に渡る経験に基づくレクチャーを聞いてVPTに対して現在最も考え方が近いと感じた。そう感じたのが歯髄温存に関して歯髄の炎症よりも感染の除去が重要であるというところである。Dr. Bergenholtzはサルを用いた動物実験の研究結果として「歯髄炎が中等度から重症であったとしてもその原因(細菌を含む感染源)が除去できれば治癒する」と1984年に述べており、筆者はこの研究結果は臨床に即していると感じる。このBergenholtzに関しては何も言及していなかったので質問したかったが、時間的にその余裕はなかったので残念である。3日目(4月19日)3日目は午前のセッションのみの参加となった。タイトルはSurgical Retreatment vs.Non-surgical Retreatment Outcomes(Point-Counterpoint:外科的歯内療法 vs 非外科的治療の成功率)である。演者は前述のDr. Adham Azimと日本の誇るDr. Yoshiこと寺内吉継先生である。Dr. Yoshiは破折編除去で世界的にその名を知られており、今回の総会でも毎日ハンズオンコースを行い超人気である。彼の考案した破折編除去の販売を行うSAYA DENTのブースに立ち寄った時、スタッフの方と中東系の先生が話していたのでその中に混ざってみたが、その先生はDr .Yoshiのファンであった。そのハンズオンに参加するためだけにAAEに入会したとのことである。Dr. Yoshiはそれだけではなく、Pathway’s of the pulpの偶発症のパートを執筆したり他にも教科書のパートの執筆を任されたりと日本人として過去になし得ないような事をしている。これだけ世界中にファンがいるのも納得である。話を本題に戻すが、最初にDr. Yoshiがレクチャーを行った。彼は筆者も3期に卒業したDr. Shimon Friedman率いるTSP(トロントスタディプログラム)を運営し通訳をしている関係上、トロント大学をはじめとする教授陣の講義を毎年みておりその影響が伺えた。痛みとは何か、から始まり近年におけるNSRCT(Non-Surgical Root Canal Treatment:非外科的根管治療)と外科的歯内療法の統計処理を行った成功率の比較、その上で外科的歯内療法前に非外科的根管治療を行われたものの方が長期の成功率は高いという結果であった(Huang JOE 2020)。本研究では咬合をサンプル数は少ないものの、咬合があったものでは治癒が悪かったとも報告しており、写真はDr. Yoshiの症例をそれを示したものである。また私の好きな論文の1つである、外科的歯内療法が失敗した歯に非外科的根管治療を行った場合の成功率(84.82%)を報告した研究(Appel IEJ 2023)も引用されていた。一方のDr. Azimは非外科的根管治療が失敗した場合のその原因を列挙し、それが再根管治療では改善できない際に外科的歯内療法により歯を保存するのが良いと説明した。因みにその改善できない場合というのが1根管内の除去困難なバイオフィルム、2根尖孔外感染、3真性嚢胞、4アクチノマイセス菌の感染、5処置上のエラーである。誤解のないように付記しておくとこれら全て術前には分かりようがない場合もあり得る。言い換えると、外科的な処置を行い初めて分かる場合もあり、外科的歯内療法の術前には分からない場合もある。他方で非外科的根管治療がなぜ失敗するのかも考察をしており、その原因は1外科処置上のエラー、2破折である。彼のこのレクチャーにおける結論としては、再根管治療が失敗に終わり抜歯をしなければならない場合に外科的歯内療法が適応となる。場合によっては外科的歯内療法の方が歯質保全という意味で保存的になり得るということである。両者の結論としては非外科的根管治療も外科的歯内療法も必要である、という至極真っ当な意見である。本公演後にDr. YoshiがDr. Jean-Yves Cochetと一緒にいたので話しかけさせてもらった。Dr. Cochetは医科と歯科の免許を持つダブルドクターであり医科の方では耳鼻科、歯科では歯内療法というユニークな経歴の持ち主である。耳鼻科が専門であるため上顎洞のアプローチはお手の物で歯根端切除時にも躊躇なく上顎洞を触るとのことであった。既に何度か日本でハンズオンをやられているが、受講ができなかったのでぜひ来年は来て下さいと両名に交渉をしておいた。3日目はここまでで午前が終了し、午後からは名門のUSC(University of SouthernCalifornia南カリフォルニア大学)のクリニック見学をさせて頂いた。AAEのセッションとは外れるので、最後のプライベートをまとめた項に記載するので、もしご興味がある方がいらっしゃったら見て頂けると幸いである。4日目(20日最終日)最終日は参加人数もだいぶ少なくなったものの、まだまだ魅力的なレクチャーが残っている。日本人に限らず早めに帰った方もいれば、観光を楽しむ方もいれば、私のような人間もいて様々である。この日の最初はDR. Marga ReeのLessons Learned in 45 Years of Endodontics(45年の歯内療法の経験から私が学んだこと)である。この手のタイトルでは抽象的な内容で昔の歴史的な事が語られるかと思われるかもしれない。だがDr. Reeは非常に革新的な歯内療法専門医であり視点が異なる。彼女の凄いところは常に新しいことにチャレンジを行い、術式に様々に工夫を行うことである。例としてはDr. 月星光博が考案した方法だと記憶しているが、意図的再植時に歯を回転させソケット側とドナー歯側の歯根膜の分布を変え、喪失した歯根膜を回復させるという方法である。また彼女の結論としては長く経過を見ればみるほど歯根破折をみる機会が多くなる。破折を回避するためには歯質を可及的に温存する必要があり、そういった治療法をすべきということだ。念の為に上記の写真の彼女の処置に関する推奨の日本語訳を付記しておく。・歯内療法の診断を確立する・プローブの値を確認する(歯根破折との関連)・補綴物を除去しクラックの進展を再確認する・必要があるなら歯内療法を行い、歯冠部歯質を可及的に温存する・クラックを有する歯は全口頭被覆を行い、側方運動の干渉や過度な咬合は避ける・クラックがある場合には患者に予知性が下がるかもしれないことを助言しておく続いてDr. WitherspoonとDr. Benjamin BarborkaのVital Pulp Therapy in Clinical Practice(VPTの臨床)である。Dr. Witherspoonは2018年の総会でもVPTのレビューをレクチャーで行っていたので、6年間でどう変化をしたのかが楽しみであった。一方のスピーカーが少し話したらスピーカーが入れ替わるといった、1人のスピーカーが話し続ける通常のセッションとは異なる進行であった。両者の連携が非常によくスムースな進行であった。ワシントンでの保険データを利用したものでVPTが行われた割合は、全歯内療法処置のうち20%であり、1%程度が歯内療法専門医により行われた。VPTの占める割合はこれくらいかと思うが(私も全処置のうちVPTが30%程度)、殆どのVPTは一般歯科医師により行われているとのことであった。断髄に関しては止血時に生食を使用するかヒポクロを使用するかという論争がある。日本では生食を使用する先生が多いように昨今は感じるが、私はヒポクロを使用する。理由としては詳しくは割愛するが、使用に際して欠点がほぼないからである。本公演でも研究論文ベースでレビューされその有用性が強調されていた。覆髄材ではMTAと水酸化カルシウムが比較され、長期経過の成功率ではMTA71%、水酸化カルシウム59%とMTAに軍配が上がるようである。Dr. Witherspoonは以前より保存可能な歯髄をViable Pulp、不可能な歯髄をNon-Viable pulpと呼称している。私はSavable, Non-Savableと呼んでいるがほぼ同一である。根管治療との成功率の比較では両者に有意差はなく、術後に疼痛発生に関しては断髄の方が少ない傾向にある。また幾つかの論文においてはVPTは根管治療と比較し準備する道具も少なく容易でテクニックセンシティブではないとしているが、彼らは否定的で筆者も同意である。両者も非特異的う蝕除去と特異的う蝕除去についてもレビューをしていたが、5年予後という期間では成功率に有意差はなかったようである。しかしながらDr. Ricucciが指摘したように、また2024に発表されたレビュー(Fraser J, Evid Based Dent 2024)では深いカリエスに対しては推奨されていないとのことである(写真赤線部)。本会最後に受講をしたのがDr. Ronald Ordinola-ZapataのPresent Status ofIntracanal Medicaments(現在の根管貼薬の立ち位置)であった。現在、アメリカでコストなどの問題から1回法が多いと聞く。再根管治療でも1回法が殆どであるという歯内療法専門医の意見も聞くことがある。筆者の知る限りでは現在、再根管治療の1回法の成功率を前向きに調査したものは1論文である。また研究対象歯は前歯のみであることからエビデンスレベルは不足しているものの研究結果では有意差はない。それでは複数回法で用いる根管貼薬は全くをもって不要なものなのだろうか。そんな疑問を払拭してくれるレクチャーであった。病変が大きく排膿が止まらず複数回法にせざるを得ない場合や、年齢による治癒遅延が見込まれる場合には貼薬を行うべきであるということを研究論文から引用していた。筆者の私見では全ての症例に適応するにはまだエビデンスは少ないが、1回法治療は歯種で制限されるものではなく、解剖などの他の制限される因子がなければ行って差し支えないと考えている。実際に根尖性歯周炎を有する大臼歯を1回法で行った症例も良好に治癒している。しかしながら、複数回法で行う症例も多いので貼薬を筆者にとっても必要なものである。以上が私のAAEの体験記である。LosAngeles滞在記以下は私の趣味というか仕事以外の記録である。成田空港からLos Angelesまでは直行便があり、行きは追い風の影響か10時間で帰りは向かい風で11時間30分であった。行きはWi-Fiが使えずプレゼンも進まず苦労をした記憶がある。帰りはWi-Fiにアクセスでき本執筆を行っていたのであまり苦労した記憶がない。気候は温暖で雨が少なくドライであるが今の時期の気温は意外なことに日本の方が高い。寒くも暖かくもないという感じであった。時差は日本が16時間進んでいるため時差ボケで眠れず苦労をした。18時ころでも写真のような明るさなので日はとても長い。まず今回の訪米で感じるのがほぼ全てものがめちゃくちゃ高いということである。異次元の円安ということもあるが米国では1人前の量が日本人には多い。大食漢の私でも多いと感じるレベルである。そして味付けは店のグレードにもよるだろうが非常にシンプルで、この味でその値段!?と驚くことはよくある。私はあまり食べ歩かなかったが、写真のようなブランチでも4000円以上した。ワッフル状のパンケーキにシロップ、フライドチキンが2つとソフトクリームのような見た目で決してソフトクリームではないものがついたものである。ソフトクリームよりも何かもっと脂っぽいものであった。そのため私はWhole foods marketというスーパー(日本で言う成城石井なので少しお高い)のデリをよく買ってホテルで食べていた。基本何でも高いがなぜか水が1ガロン(3.5リットル)で1.3$と激安なのが謎である。下のようにコストコのような見た目である。滞在したホテルはMillennium Biltmore Hotel。由緒あるホテルらしく、よく言えば伝統的ではある。しかしながらリノベーションが行われていないようで50年前にタイムスリップしたような内装ではある。私はあまり気にならないタイプなので気に入ってはいた。ここからが今回の旅の第二の目的であるUSCへの訪問である。ディレクターの先生との連絡がうまく行っておらず若干入れ違いのようになったのだが結局、大学院クリニックの見学と21日に大学内の1室で行われた卒業生パーティにも参加をさせてもらえた。卒業生パーティの方は残念ながらカメラの電池がなくなりまた、携帯電話を紛失したため写真が取れなかったが見学時には写真をとれたので幾つか載せたい。卒業生パーティの方は予めディレクターから時間あるなら来なよ、と言って貰えていたが面識がないので顔を合わせても自分が連絡してきた歯科医師とはわかるはずがない。そのため最後のセッションで座長をされていたのでレクチャー後に話しかけた。私はその前日に拾ったUberの中に携帯電話を置き忘れるという有り得ないようなミスをして交通手段がなかったのだが、残っていた卒業生の先生もパーティに参加されるようで一緒に送っていただいた。パーティでは当然、9割5分が面識のない先生(写真で見たことのある高名な先生は沢山おられたが)達ばかりであったがとても優しく受け入れて頂けた。USCは米国でもトップクラスの学費の高さでも有名であるが、歯内療法科を卒業された先生はやっぱりUSCが一番いい!と仰られていた。暗くなるとUSC周辺やダウンタウン周辺は危険であるため、まだ日があるうちにおいとまをした。交通手段がないのにどうホテルまで帰ったかと言うと、偶然知ったのだが大学からダウンタウンまで無料のバスが出ていて、唯一持っていたタブレットと大学内のWi-Fiで情報を探し無事乗れた。バス停が分かりづらかったが、いかにもアメリカの白人のおっちゃんって方に尋ねたらとても親切に教えてくれた。バスが来て自分が乗るまでちゃんと確認してくれてたので非常にいいおっちゃんである。今回、他国で携帯を失くし現在日本でも切符をいちいち買わなくてはならないという煩雑さもあるが、総じて楽しかった。私は23日まで滞在をしていたが、正直帰る際になったら現地に残りたいとさえ感じた。ここからは海外に行かれる方への注意喚起だが、日本で携帯電話に依存していればいるほど海外で亡くした際には非常に苦労をする。パンデミックのせいかバスの支払いも現金やクレジットカードで直接読み込むという支払い方法は不可で、クレジットカードで予めウェブ経由で購入しておくか、携帯でアプリをダウンロードして支払うか(私のタブレットはGoogle Playが入っているはずだがなぜかアプリをダウンロードできず、この方法を使用できなかった)、しか方法がなかった。 また、日本で使用している各種サイト、銀行やYahoo!にすらログインする際には、普段と違う環境でアクセスすると最近は2段階認証ということで携帯電話にSMSが送られ認証しなければサイトにすら入れない(Yahoo Mailが使用できない)。上記のようにタブレットの使用にもかなりの制限があったが、今回持っていかなかったら無事に日本には帰ってこられなかっただろう。そのため、海外に行かれる方にはPC・携帯のみではなく最低更にもう1つ連絡手段を持ったほうがいい。ベストは携帯電話の2台持ちだろう。もしくはiPadにすることをおすすめする。他には詐欺もある。4日目にスーツを着て昼食を食べに行く際には黒人の2人組に話しかけられ「このカメラで俺等の写真を撮ってくれ」と言われた。この時点で既に怪しいわけだが、これはよくある無理やり何かを買わせる詐欺(?)である。まずはその写真を取らせて、片方が「この相棒はすごく有名な歌手・ラッパーなんだぜ」といい、頼んでもいないのにCDを出してきて自分でサインをする。その後になぜか私にもペンを私てきてサインをするように言ってくる。私はこの手の詐欺を知っていたので、この時点で「ありがとう、でもいらないよ」と言い立ち去った。そこで私がサインしていたらこのCDを駄目にした、金を払えと言ってきただろう。親切心に漬け込んだ詐欺もあるので注意が必要だ。ロスアンジェルスは基本、夜は単独行動は危険なのでそれに比べると日本は超安全というのを実感する。あと食べ物が安くて美味しい。さて、夜は更け現在20時になるわけだが、この体験記も書き終えようやく自宅に到着をする。携帯電話を明日からどうするか考えて今日はゆっくり休むこととする。最後まで読んでいただいた先生がどの程度おられるか分からないが、お読みいただいた先生には感謝です。お読み頂きありがとうございました!
寺岡 寛
2024年5月1日
「ワンディー24時間セミナー」全演題と見どころを一挙に解説

「ワンディー24時間セミナー」全演題と見どころを一挙に解説

2023年11月11日(土)〜12日(日)にわたって開催される、「ワンディー24時間セミナー2023」。各分野からトップランナーの臨床家・研究者の先生方を招聘し、耐久セミナーを配信します。臨床のコツから経営論に至るまで、歯科医師としての知識・スキルを一段と高める1日になるはず。今回は、その見どころを取り上げます。すべての演題は「無料」で配信されますので、ぜひ参加登録をお願いします。参加登録をする(完全無料)演題・タイムテーブルそれでは、各演題の見どころを解説していきましょう。参加登録は10秒で完了しますので、ぜひお早めにお申し込みをお願いします。参加登録をする(完全無料)【16時ごろ】スグに使える歯科医院の物販学「物販王子」こと中原 維浩(医療法人社団栄昂会 理事長)先生が、待合室を「収益」に変えるノウハウをお伝えするセミナー。かつては "待つだけ" だった待合室には、大きな可能性があります。待合室を変え、医院経営と健康意識を変えるためのチャンスです。【17時ごろ】歯内療法とバイオセラミックスMTAが臨床応用されるようになってから、歯内療法におけるバイオセラミックス材料の可能性には非常に注目が集まっています。とはいえ、その材料に関する知識は、まだ十分に普及していません。このセミナーでは、エンド治療を行うすべての歯科医師のために、バイオセラミック材料の基礎から応用に至るまで、林洋介先生にわかりやすく解説していただきます。【18時ごろ】自費が選ばれる患者説明の方法「もっと高い利益率を目指したい」「患者さん一人一人にもっと時間をかけたい」と思うこと、ありますよね。このセミナーでは、患者さんへの説明に「とある工夫」を導入することで、そんな悩みを解決する方法を、伊勢海信宏先生から伝授していただきます。クリニックを成功させるための第一歩として、ぜひご視聴ください。【19時ごろ】結果が出る、ホントの予防歯科巷には、「予防歯科」という言葉が溢れています。しかし一方で、院内でどのように予防歯科を進めていくのかについて悩まれている先生方も多いのではないでしょうか。歯周病には「つまようじ法」ブラッシング、う蝕予防にはフッ化物の応用。黒瀬真由美先生が、その臨床のエッセンスをギュッと詰め込んだ座談会形式でお届け。【20時ごろ】早い・うまい!抜歯の基本手技もう「なかなか抜けない…」で焦らない。確実かつ迅速に、正しく抜歯を行うためのテクニック、知りたくありませんか?辻要先生が、抜歯術の基本から実際の臨床場面での応用テクニックを解説します。【21時ごろ】接着の操作とラバーダムの技法接着操作は、治療の成功/失敗を分けるほどの重要性を持ちます。特に、ラバーダムを用いた防湿手技は、接着操作において重要なファクターとなっています。このセミナーでは、接着操作の基礎知識から、ラバーダム防湿のテクニックまで、日々の診療のクオリティを一段引き上げる技法を学ぶことができます。【22時ごろ】歯科衛生士のモチベーション論近い将来に控えている「国民皆歯科健診」の実現は、歯科業界全体に大きな変革をもたらすと期待されます。この新しい動きに伴い、特に歯科衛生士は、その職業としてさらに重要な役割を果たすことが求められています。そんな時代に生きるすべての開業医・歯科衛生士に奥山洋実が伝えたい、令和の歯科医療者の「モチベーション」論。ここまでで、ライブ配信開始から7時間が経ちました。次の演題からは、深夜に突入していきます。11月11日(土)日中にご視聴予定の方も、深夜にご視聴予定の方も、ぜひ24時間セミナーにお申し込みくださいませ。参加登録をする(完全無料)【23時ごろ】プロが直伝する「伝え方」講座多くの人々から愛されてきた番組『ためしてガッテン』のウラには、元NHKディレクター・北折一氏の手腕と独特の「伝え方」のテクニックがありました。そんな北折氏が歯科医療者向けに、その「伝え方」の秘訣を大公開します。日常診療におけるコミュニケーションや伝え方のスキルが大きく飛躍すること、間違いなしです。【25時ごろ】アイドル歯科医師クイズバトル元SKE48・矢作有紀奈 VS キミ歯科・鹿乃さやか。2名のアイドル歯科医師が、深夜に繰り広げるクイズバトル。お題はもちろん「歯科診療」。次々と出題されるクイズに、彼女たちはどれほど正解できるのかーー。第一回アイドル歯科医師クイズバトル、女王の座に輝くのはどっちだ!?深夜だからこそできる、歯科セミナーらしからぬ意欲的な企画です。【26時ごろ】土曜深夜の「しくじり」人生考「なんとなく開業したけど、幸せってなんだっけ?」。見失いがちな「歯科医師人生の目的」を、多方面で引っ張りダコの角祥太郎先生が独自の視点からやさしく解説。臨床のコツももちろん大事ですが、それ以上に歯科医師としての生き方や価値観を見直す時間も大事です。【翌5時ごろ】エリザベス女王杯「大予想」SP2023年11月12日(日)、15時40分。ワンディー24時間セミナーが終わった直後、エリザベス女王杯(GI/阪神競馬場/芝2200m)が出走します。最強牝馬決定戦、「著名歯科医師の "買い目予想"」とは?飛び入りでの予想公開も大歓迎です。競馬好きの歯科医師は、ぜひお申し込みください。【朝6時ごろ】編集長がイチオシするセミナー日本最大級の歯科医師向け学習メディア、1D編集長のユースケイシカワが激オシする、「絶対に見ておくべき」歯科セミナーとは?「どんなセミナーを観たら良いのかわからない」「セミナー選びで失敗したくない」という先生方に、現在も臨床現場に立つ歯科医師、かつ編集長という独自の立場から、本当にオススメのセミナーをご紹介します。【朝7時ごろ】みんなでおはようブラッシングブラッシングにまつわるA to Zを、歯科衛生士の井上和先生がわかりやすく解説。プラーク除去効率の良い歯磨きの方法、歯ブラシ以外の道具の選定などについて、臨床的・学術的な視点から語ります。朝7時からのセミナーですので、ぜひ歯ブラシをお手元にご用意した上でご参加ください。【朝8時ごろ】2023年の歯科ニュースを解説2023年、歯科医療業界では何が起きていたのか。東京医科歯科大の合併発表、国民皆歯科健診の検討など、今年も歯科業界には大きな動きがありました。1年をインサイトとともに振り返ります。ワンディー株式会社代表取締役・松岡周吾による解説。ここまでで、時刻は朝を迎え、9時になりました。もう始めから視聴されている先生は誰もいない時刻になりましたが、配信は続きます。参加登録をする(完全無料)【朝9時ごろ】誤解も多い「TCH」を再確認顎関節症、ブラキシズムに関連し現代病として注目されている「TCH」、意外と勘違いしている人も多いです。巷に流れる迷信に惑わされず、エビデンスに基づいた正しい知識と対処の基本を身につけておきましょう。東京医科歯科大学・西山暁准教授による特別レクチャーです。【10時ごろ】根管治療の失敗を原因から学ぶ根管治療中の失敗は、実は類型化して考えることができます。特に、「根管形態に由来する失敗」について、注意が必要な歯種や、GP(一般開業医)が陥りやすい失敗について、深掘りします。東京歯科大学准教授の松永智先生、同大学講師の山田雅司先生の両専門家によるエンド談義。このセミナーで、歯内療法における確かな技術と知識を身に付け、根管治療における成功率を高めましょう。【11時ごろ】前歯部の美しい歯肉縁下形成法審美性が高く長期安定する補綴物のための支台歯形成のコツ、知りたくありませんか?補綴治療を成功させるためには、適切な支台歯形成が欠かせません。このセミナーでは、前歯部の歯肉縁下形成を中心に、審美補綴治療を成功させるための支台歯形成のテクニックを、遠山敏成先生が詳しく解説します。【13時ごろ】摂食嚥下リハ、きほんの「き」「人生100年時代」に生きる我々が、知っておくべき摂食嚥下リハビリテーション。このセミナーでは、摂食嚥下リハビリテーションのきほんの「き」を、網羅的に学ことができます。実践的な対応力を高め、患者さんの介入につなげることができるようになるはずです。人生100年時代を生きる歯科医師・歯科衛生士として学ぶべき、摂食嚥下リハビリテーションの基礎講座。戸原玄先生によるレクチャーです。すべてが「無料」でご参加いただけます各演題とタイムテーブルの見どころを解説しました。上記の演題は、完全無料でご視聴いただけます。当日は、YouTubeライブで配信を行います。気になる演題だけ見ていただくだけで構いません。ぜひお気軽に、参加登録をしてみましょう!参加登録をする(完全無料)
1D編集部
2023年11月8日
サメの歯は6万本とも。動物版「歯の解剖学」が面白い

サメの歯は6万本とも。動物版「歯の解剖学」が面白い

人間の歯は智歯(親知らず)を含めて32本。歯科医療者であれば基本的な知識だ。では、他の動物の歯数はご存知だろうか。もしかしたら基礎系の講義で目にしたかもしれないが、あまり一般的な知識ではないだろう。かくいう筆者は学生時代、選択科目で「動物学」を履修したこともあり少しだけ知識をもっている。そこで今回はあまり知られていないであろう様々な動物の歯数についてご紹介したいと思う。サル細かい話だがここでいう「サル」は類人猿など霊長目からヒトを除いたものと定義している。同じ霊長目なので歯数や歯種はヒトとよく似ていて、切歯2本、犬歯1本、小臼歯3本、大臼歯3本の計32本だ。日本人には身近なニホンザルの口元を思い出してほしい。威嚇する際に大きな牙(犬歯)が見えると思う。攻撃するためや威嚇、強さの象徴として犬歯が発達したままと言われている。ちなみにゴリラやチンパンジーなど類人猿たちの口腔内はほぼ共通している。イヌ特徴的なのは肉を噛み切るために存在する、上顎第4前臼歯と下顎第1後臼歯の裂肉歯(山型の歯)だ。上顎は切歯3本、犬歯1本、前臼歯4本、後臼歯2本、下顎は切歯3本、犬歯1本、前臼歯4本、後臼歯3本の計42本とヒトに比べ10本多い。「すりつぶす」機能は基本的に草などを咀嚼するために必要なため、肉食動物のイヌにはいわゆる臼歯は存在せず、左右の顎可動域も少ない。トリビアに過ぎないがオオカミ以外にもジャッカルやコヨーテも同じイヌ属だ。ネコネコはイヌと同じ肉食ではあるものの歯数は比べて少なく、上顎は切歯3本、犬歯1本、前臼歯3本、後臼歯1本、下顎は切歯3,本、犬歯1本、前臼歯2本、後臼歯1本の計30本だ。イヌもネコもペットとして親しみ深く、読者の中で飼っている方も多いだろう。同じ哺乳類、ほぼ同じ構造の口腔内をもつ生き物が故、同じように齲蝕や歯周病にもなる。共に過ごしている方はペットの口腔ケアにも気をつけよう。ペットとして飼育が難しいネコ科にライオン、トラ、ヒョウ、チーターがいる。ネズミ(画像:©️ International Rice Research Institute)ネズミ(ラット、マウス)など齧歯(げっし)目は上下顎共に切歯1本、犬歯・前臼歯0本、後臼歯3本の計16本であり長い前歯が特徴的だ。また二生歯性のヒトとは異なり生え代わることはなく、切歯は常生歯といい伸び続ける。穀物や果物を食べるために進化を遂げた姿だが、伸び過ぎないように何かしら齧(かじ)る習性がある。ウマウマは上下顎共に切歯3本、犬歯1本、前臼歯3本、後臼歯3本の計40本であり、短い草類を切り取るのに適した切歯とそれをすりつぶすのに特化した大きな臼歯になっている。犬歯と臼歯の間に、ヒトで言う智歯のような存在の「狼歯」が生える場合もあり、上顎にのみ生え咬合には関与しない。雌には犬歯がないのも特徴的だろう。齧歯目の切歯と同じようにウマの臼歯は伸び続けるので、野生種と違い草を食べ続けない競走馬など飼育下にあるウマは管理をしなければならず、海外ではウマの歯科専門医がいる。ゾウ象牙で知られる「牙」は門歯と言う前歯の一種で、生涯伸び続ける。他の歯は臼歯しか存在せず上下左右1本ずつの計4本のみとなっている。数としては少ないが、ゾウの臼歯は一生のうち6回生え変わる。すり減って使えなくなったら新しい歯が生えてくる仕組みだ。33歳で最後の生え変わりが終わり、その最後の臼歯(第3大臼歯)が咬耗していくと硬い草類が食べられなくなる。水場の近くにある柔らかい草などを探し食べるようになり、やがて機能しなくなった歯は自然脱落する。象の墓場(水辺)の由縁はここから来ているのかもしれない。ちなみに門歯のエナメル質は子供の頃に磨耗し無くなり、ほぼ象牙質だけの状態であり続ける。歯根はないが歯髄を有していて、破折した場合痛みで死にいたるケースもある。サメひとことでサメと言っても多様な生態系があり、捕食様式それぞれに異なる歯をしている。全て紹介するとかなりのボリュームになるので、ここでは「生え変わり」という点について言及したい。サメの歯は歯槽骨に連なっておらず、歯肉によって固定されている。そしてすぐに交換できるよう3-5列新しい歯列が横になった状態で後ろに控えている。種によっては1本1本交換するものもいるし、歯列ごと交換するものもいる。恐るべきはその交換頻度で、2日〜1週間で交換しており、計算すると生涯で60,000本以上も生え変わるそうだ。奥が深い「歯の解剖学」様々な生物の「歯」は、調べれば調べるほど奥深く興味深い。歯数だけでなく構造や形態も多種多様であり、感心するポイントはたくさんありそうだ。数回前の歯科医師国家試験で、多くの受験者を惑わせた問題で「真歯」という解剖学的な知識を問われるものがあった。「真歯」とは象牙質を有している歯のことで、そうでないものは「角質歯」と呼ばれる。角質歯はヤツメウナギのような原始的な脊椎動物が持つ、口腔上皮の角化によって得られる歯だ。受験生が躍起になって勉強するところではないが、ニッチな分野から出題された以上こういった話も頭の片隅に置いておく必要はありそうだ。もしかしたら今後この記事が参考になるかもしれない。(本記事は、2020年8月27日に掲載された記事の再掲です)参考文献佐伯 政友, 田代 寛一郎, 葉山 杉夫(1961).「猿の歯の形態学的研究」28巻 2号 p.81-97. 口腔病学会雑誌鈴木 立雄(1999). 「イヌおよびネコという動物」2巻 1号 p.16-24. ペット栄養学会誌田隅 本生(1962). 「ネズミ類の臼歯の型と発育について : II.長歯性臼歯」1巻1号 92巻4号. 動物学雑誌後藤仁敏, 大泰司紀之, 田畑純, 花村肇, 佐藤巌(2014).「歯の比較解剖学 第2版」288pp. 医歯薬出版株式会社
ユースケ イシカワ
2022年8月20日
【1D的セミナーログ】絶対にできる、ファイル破折・根管内異物への対応法

【1D的セミナーログ】絶対にできる、ファイル破折・根管内異物への対応法

先日、1Dでは日本歯内療法学会の専門医である吉岡隆知先生をお招きし、『絶対できる ファイル破折のリカバリー〜根管内異物トラブルシューティング〜』と題したWebセミナーを行った。当日は多くの歯科医師の方々が参加し、質問も多く盛況となった。本記事では、そのセミナーの内容をかいつまんで解説する。器具破折除去は再根管治療の一部である根管治療における器具の破折を考える上では、破折する器具の種類・部位や歯種・頻度を把握しておく必要がある。まず破折する器具としては、下記が挙げられる。ステンレススチールファイルNi-Tiファイルゲーツグリテンドリルレンツロ超音波チップ上記の中で特に破折頻度の高いファイルやリーマーの破断は、主に「ねじれ破折」と「疲労破折」があり、いずれも無理な力で操作を行うことによって生じてしまう。もちろん根管の形態によっても破折は生じる。具体的に言えば、湾曲した根管の先がどのように伸びているかについて、形態を把握していることが臨床的に重要となる。一般にエンドドンティストでの破折は3%程度と言われており、「下顎大臼歯のMB根」「根尖近く」「20号」が最も破折しやすいシチュエーションであるという報告がある。 破折器具は必ずしも除去する必要はない?それでは、破折器具はどのような問題を引き起こすのだろうか。一般的にファイル破折はエンドの成功率を著しく下げる原因と考えられているが、実際のところ本当にそうなのだろうか。文献的報告を確認すると、除去した場合としなかった場合では、除去した場合の方が成功率を高められるという報告がある一方で、除去しない状態でもほぼ変わらないという報告もあり、われわれ歯科医師が思っているよりも破折の除去の影響は小さい可能性がある。また、破折器具の除去によるストリッピングなどの偶発症も無視することはできないだろう。実際の臨床では、リトリートメントの際に根管内に残存しているガッタパーチャや根尖外に出たシーラーやガッタパーチャの方が、エンドの予後には悪影響を与えている可能性が高いため、それらに対してもしっかりケアをしていく必要がある。 破折器具への対応について根管治療のゴールは、歯の中を細菌が通り抜けできないようにすることである。そのために、通り抜ける量を最小にし、歯根周囲組織に対して歯髄腔開口部を密閉し、閉鎖されていない歯髄腔と歯髄腔開口部の連絡を断つことが肝要だ。実際に、非外科的に根管充填するよりも、外科的に逆根管充填した方が確実な封鎖が得られるということが明らかになっている。このゴールを達成するために、破折した器具を除去するか・しないかを判断する必要がある。破折器具への対応としては、以下の3つの方法が考えられる。除去せずそのままにする非外科的に除去する外科的に除去する除去しない場合は、定期的な画像検査をしながら経過観察を行う。除去する場合は、バイパス形成や超音波、ワイヤーループで除去するなどが挙げられる。実際のところバイパス形成は難しく、下図のようにパーフォレーションを生じて失敗することが多いため、現在ではあまり行われていない。最もメジャーな「超音波を用いた根管内破折器具法」の術式としては、CBCTで根管内破折器具の確認を行い、髄質開拡の確認・修正、破折器具除去のためのガイド孔形成、超音波チップでの破折器具周囲の象牙質の除去を行ったのち、破折器具除去を行う。除去を行う場合は反時計回りに超音波を当てていく。湾曲が強い場合はパーフォレーションのリスクが高まるため気を付けながら行わなければならない。掴む場合は、スティックのりをとりもちの様にしてとっていく方法が安全だろう。ワイヤーループを用いた方法は、ワイヤーループを結紮線と22G針を用いて自作することもできる。最後に外科的な方法は、フラップを形成すれば容易に除去できることが多い。除去をしたのちに根切除と逆根管充填をして閉創することで、良い予後が得られるとされている。 器具破折が生じた時は正直に伝えよう器具破折が生じてしまった際には、破折に気付いたタイミングで動揺せずに、真摯に患者さんに伝えることが重要である。言い方としては「治療に使う器具が一部残ってしまった」と言えば円滑だろう。また具体的に言うとするならば「器具破折そのものは予後に関しても重大なことではなく、そのままでも基本は問題がない」といったフレーズをお伝えすることを推奨したい。除去をする選択をした場合、「取ることができるかもしれないし、希望であれば専門医を紹介することもできる」という環境を作っておくことが、長期的に患者さんと良い関係を構築していくためには重要である。
吉岡 隆知
2022年7月19日

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