歯科用語集
2025年10月28日

歯科用ユニット

「歯科用ユニット」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

歯科用ユニットとは、歯科診療において使用される一連の機器や装置を指す。一般的には、患者が座る椅子、歯科医師が使用する器具、照明、吸引装置などが統合されたシステムである。語源としては、「ユニット」は英語の「unit」に由来し、単位や一体を意味する。歯科用ユニットは、診療の効率化や患者の快適性を向上させるために設計されており、現代の歯科診療において不可欠な存在である。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床において、歯科用ユニットは診療の中心的な役割を果たす。ユニットの選定は、診療内容や患者のニーズに応じて行われるべきであり、例えば、インプラント治療や矯正治療など、特定の治療に特化した機能を持つユニットが求められることもある。また、ユニットの配置や機能性は、診療の効率や患者の快適性に直結するため、慎重な判断が必要である。保険点数に関しても、ユニットの機能や使用状況によって異なるため、適切な管理が求められる。

関連用語・類義語との違い

関連用語としては、歯科診療台や歯科チェアが挙げられる。これらは歯科用ユニットの一部として位置づけられるが、歯科用ユニットはそれらを含むより広範な概念である。歯科診療台は、患者が座る部分を指し、歯科チェアはその機能に特化した椅子を意味する。一方、歯科用ユニットは、これらの要素に加えて、診療に必要な各種機器を統合したシステムであるため、より包括的な用語である。

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歯科治療機器の選定と活用法。臨床で役立つ処置と術式の判断ポイント

歯科治療機器の選定と活用法。臨床で役立つ処置と術式の判断ポイント

歯科治療機器の定義と役割歯科治療機器とは、歯科診療において使用される各種機器や器具を指す。これには、診断、治療、予防、メンテナンスに必要な機器が含まれる。具体的には、X線装置、歯科用ユニット、治療用レーザー、歯科用器具などが挙げられる。これらの機器は、患者の症状に応じた適切な処置を行うために不可欠である。歯科治療機器の選定は、治療の精度や効率に大きく影響するため、歯科医師は最新の技術や機器の特性を理解し、臨床における適切な判断を行う必要がある。主要な歯科治療機器の種類と特徴歯科治療機器は多岐にわたるが、主な種類として以下のものがある。1. **X線装置**: 歯科診断において不可欠な機器であり、う蝕や歯周病の診断に使用される。デジタルX線装置は、被曝量が少なく、画像処理が迅速であるため、臨床での利便性が高い。2. **歯科用ユニット**: 患者の治療を行うための基本的な設備であり、治療用器具や水、空気の供給が一体化されている。ユニットの選定は、治療の効率や患者の快適性に影響を与える。3. **治療用レーザー**: 歯科治療において、痛みを軽減し、治癒を促進するために使用される。特に、軟組織の処置やう蝕の除去において、その効果が期待される。これらの機器の特徴を理解し、適切に活用することで、患者に対する治療の質を向上させることが可能である。歯科治療機器の導入における注意点歯科治療機器を新たに導入する際には、いくつかの注意点が存在する。まず、機器の選定においては、治療の目的や患者のニーズを考慮することが重要である。次に、機器の操作に関する十分な教育を受けることが求められる。特に、最新の技術を用いる機器では、操作方法やメンテナンスに関する知識が必要である。さらに、導入後の定期的なメンテナンスや点検を行うことで、機器の性能を維持し、患者に対する安全な治療を提供することができる。これらの注意点を踏まえ、機器の導入を進めることが、歯科診療の質を向上させる鍵となる。歯科治療機器のメリットとデメリット歯科治療機器の導入には、メリットとデメリットが存在する。**メリット**としては、治療の精度向上や患者の負担軽減が挙げられる。例えば、デジタルX線装置は、迅速な診断を可能にし、患者の被曝量を減少させる。治療用レーザーは、痛みを軽減し、治癒を早める効果がある。一方で、**デメリット**としては、導入コストやメンテナンスの手間が挙げられる。特に高額な機器は、初期投資が大きく、経済的な負担となることがある。また、機器の操作に関するトレーニングが必要であり、スタッフの教育にも時間とリソースが求められる。これらのメリットとデメリットを総合的に考慮し、機器の導入を検討することが重要である。臨床における歯科治療機器の活用法歯科治療機器を臨床で効果的に活用するためには、適切な処置や術式を選択することが不可欠である。例えば、う蝕の診断においては、X線装置を用いて早期発見を目指すことが重要である。また、治療においては、患者の症状に応じた機器を選択することが求められる。例えば、歯周病の治療には、歯科用ユニットを用いたスケーリングや、治療用レーザーを用いた軟組織の処置が有効である。さらに、機器の使用に際しては、患者とのコミュニケーションを大切にし、治療の目的や手順を説明することで、患者の理解と協力を得ることができる。これにより、より良い治療結果を得ることが可能となる。まとめ歯科治療機器は、歯科診療において重要な役割を果たす。機器の選定や導入に際しては、臨床での活用法や注意点を十分に理解し、患者に対する最適な治療を提供することが求められる。最新の技術を取り入れ、効果的に機器を活用することで、歯科医療の質を向上させることができる。今後も、歯科治療機器の進化に注目し、臨床における活用法を探求していくことが重要である。
1D編集部
2024年6月1日
歯科用ユニットの理解と臨床での活用。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき処置と術式のポイント

歯科用ユニットの理解と臨床での活用。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき処置と術式のポイント

歯科用ユニットの定義と役割歯科用ユニットとは、歯科診療において使用される一連の機器や装置を指す。これには、歯科用チェア、タービン、エアコンプレッサー、吸引装置などが含まれ、患者の診療を効率的に行うための重要な役割を果たす。歯科用ユニットは、診療の質を向上させるために設計されており、患者の快適性を考慮した機能が備わっている。また、ユニットの導入により、診療時間の短縮や、処置の精度向上が期待できるため、歯科医師や歯科衛生士にとって不可欠なツールである。歯科用ユニットの構成要素とその機能歯科用ユニットは、複数の構成要素から成り立っており、それぞれが特定の機能を持つ。主な構成要素には、以下のものがある。1. **歯科用チェア**: 患者が座る部分で、リクライニング機能や高さ調整が可能である。2. **タービン**: 歯の治療に使用される回転工具で、う蝕の除去や歯の形成に用いられる。3. **吸引装置**: 治療中に発生する唾液や血液を吸引し、視界を確保する役割を果たす。4. **エアコンプレッサー**: 各種器具に必要な圧縮空気を供給する。これらの要素が連携することで、効率的な診療が可能となり、患者に対する処置の質も向上する。歯科用ユニットの導入におけるメリットとデメリット歯科用ユニットを導入することには、いくつかのメリットとデメリットが存在する。**メリット**:- 診療の効率化: 各種機器が一体化されているため、必要な器具をすぐに使用できる。- 患者の快適性向上: リクライニング機能や温度調整が可能で、患者のストレスを軽減する。- 診療の精度向上: 高性能な器具を使用することで、より正確な処置が可能となる。**デメリット**:- 初期投資が高額: 導入コストが高く、特に新規開業の場合は大きな負担となる。- メンテナンスの必要性: 定期的なメンテナンスが必要であり、故障時の修理も考慮しなければならない。これらの点を考慮し、導入の判断を行うことが重要である。歯科用ユニットの使用における注意点歯科用ユニットを使用する際には、いくつかの注意点がある。- **清掃と消毒**: 患者ごとにユニットを適切に清掃し、感染症予防に努める必要がある。- **器具の管理**: 使用する器具の状態を常に確認し、劣化や故障がないかをチェックすることが求められる。- **患者とのコミュニケーション**: ユニットの機能や治療内容について、患者に対して十分に説明し、安心感を与えることが重要である。これらの注意点を守ることで、より安全で効果的な診療が実現できる。歯科用ユニットの今後の展望と技術革新歯科用ユニットは、技術の進歩に伴い、今後も進化を続けることが予想される。- **デジタル化の進展**: デジタル技術の導入により、診療データの管理や解析が容易になり、より精密な診断が可能となる。- **自動化技術**: 自動化された機器が増えることで、診療の効率がさらに向上することが期待される。- **患者体験の向上**: 患者の快適性を重視した設計が進むことで、より良い診療環境が提供される。これらの技術革新により、歯科医療の質が向上し、患者満足度の向上にも寄与することが期待される。
1D編集部
2024年6月1日
うがいで感染リスクは減少するか?

うがいで感染リスクは減少するか?

未曾有のパンデミックで認知度が高まった「エアロゾル」。元々、歯科医院ではエアロゾルの対策として口腔外バキュームなどが使用されてきたが、最近治療前の洗口を取り入れ始めたところも多い。洗口は本当に感染防止策として有効なのか、コクランライブラリーからレビューを紹介したい。歯科治療におけるエアロゾル歯科治療において、エアータービンなどの高速回転切削器具や超音波スケーラーの使用は日常的に行われているが、これにより飛沫やエアロゾルが大量に発生している。エアロゾルの定義は統一されていないが、日本エアロゾル学会によると、気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子と周囲の気体の混合体を指し、その粒径は広範囲にわたるとされる。中でも、細菌やウイルスなどの生物学的粒子を含むそれらは、バイオエアロゾルと呼ばれている。歯科治療では、前述の器具を使用することにより患者の血液や唾液、口腔内細菌と混合されることでバイオエアロゾルとして空気中を伝播し、交差感染のリスクを増大させることが危惧される。粒径の大きな飛沫は、術野に近い医療従事者に対して職業感染や院内感染の危険性が懸念される。また、粒径の小さなエアロゾルは診療室を長時間浮遊することが可能であり、院内感染対策の上で重要な問題である。感染の拡大を防ぐためには、バイオエアロゾルに含まれる微生物の数を減らすことが有効であると考えられる。チェアサイドでのエアロゾル対策口腔内外バキュームの使用に加え、病原微生物を含むバイオエアロゾルの発生自体を最小限とすることも効果的な感染予防策と考えられる。そのひとつとして、歯科治療前の洗口液によるうがいが挙げられ、その有効性もこれまでに報告されている。治療前の洗口は有効か?洗口剤20 mLを用いて30秒間洗口後に、超音波スケーラーを用いた口腔内洗浄で発生したエアロゾルを口腔外バキュームで回収し、細菌コロニー数を計測した研究がある。それによると、洗口を行っていない対照群に比べ、細菌コロニー数は94.1%、減少したと報告されている。この研究により、抗菌作用のある薬液による前処置としての洗口は、超音波スケーラーの使用によって発生するバイオエアロゾルの微生物含有量を大幅に減らすことができ、院内での感染管理方法として潜在的な可能性があることを示している。有効とされる洗口剤の種類一般的に使用されている洗口液として、クロルヘキシジン、ポビドンヨード、塩化セチルピリジニウム(CPC)などがあるが、口腔内の微生物を殺菌または不活性化することにより、発生するエアロゾルの汚染度を下げる作用がある。これらの洗口液の抗菌作用により、歯科治療において発生するバイオエアロゾル中の生菌が減少し、医療従事者への感染リスクを下げることができる。パンデミックが生んだ新たな感染対策新型コロナウイルスのパンデミックは、今までの感染予防対策を今一度見直すきっかけにもなった。手袋、マスクの使用だけでなく、ゴーグルまたはフェイスシールドの装着、歯科用ユニット・周囲・その他接触部位の消毒、印象剤・技工物等の消毒などに加えて、歯科治療前に洗口液を使用しうがいすること(治療前口腔内消毒)は、エアロゾルの微生物含有量を減らすことができ、医療従事者への感染リスクも減少させることができる。新型コロナウイルスの脅威によってクローズアップされることになったバイオエアロゾルの問題であるが、少しでも医療従事者への感染リスクを下げるため、洗口液によるうがいは有効な手段である。参考文献Cochrane Library, Kumbargere Nagraj S, Preprocedural mouth rinses for preventing transmission of infectious diseases through aerosols in dental healthcare providers (Review), February 2022(URL)
482 TSUNAGU
2022年12月26日
歯科医療、すべての歴史を「365日」で表してみた

歯科医療、すべての歴史を「365日」で表してみた

歯科医療のすべての歴史を、「365日 = 1年」というスケールで表してみると、意外な発見がある。歯科医療史を身近なものに感じていただけたら幸いである。歯科医療のはじまり、元旦0時歯科医療の歴史は、紀元前1700年頃にさかのぼる。歯科医療のはじまりは、エジプト医学『パピルス・エーベルス』での、歯痛や歯肉の炎症に対する薬物治療法に関する記述が初出であると言われている。同時期の『パピルス・スミス』には、脱臼した下顎の整復固定術についての記載もある。エジプト医学は、インダス文明から生まれたインド医学と融合して、のちにヒポクラテス(B.C.4世紀頃)らを輩出したギリシア医学を形成することになる。これを元旦・1月1日の午前0時0分に置いて、歯科医療史の主要なできごとについて振り返ってみよう。古典的な医学理論が完成ガレノス(A.D 129〜A.D 216)は、医学に関する膨大な書物を残した。彼の著作『ガレノス全集』は近代に至るまでの1400年間、医学の聖典として扱われた。もちろん現代の医学体系と比べると誤りも多いものの、自然観察では足りない概念を実験で補った点が今日でも評価されている。ガレノスによる歯科医療の記述は、歯の解剖の詳解や、歯痛は「歯自身の痛み」と「歯肉の痛み」に分けられること、う蝕、歯牙漂白法、抜歯、髄腔穿通法など多岐にわたる。髄腔穿通法は現在でも行われている感染根管に対する穿通法である。そんなガレノスによる古典医学理論の完成は、歯科医学の勃興から1900年後のことである。既に時刻は、7月6日の深夜1時20分頃になっている。中世ヨーロッパからルネサンスへルネサンス以前の中世ヨーロッパの医学・歯科医学は、学問的な発展が少なく、停滞期であったと言える。この時代、「歯抜き師」や「歯科施術者(Dentature)」という職業が存在したという文献は存在するものの、不明な点が多い。歯抜き師に至っては街の広場にいたという記述もある。この時点で、10月16日の20時30分頃。まだ記事の冒頭だが、年末になってきた。ルネサンスでは、前時代と比べ自然科学の重要性が提唱され、歯科医学も科学としての道を歩み始めた。特にレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452〜1519)とミケランジェロ(1475〜1564)は、人体を表現するために解剖学を探究し、それが新しい医学研究へとつながった。ダ・ヴィンチの『解剖図譜』には、歯の解剖に関する詳細な記述もある。ルネサンス期における歯科医学者として、アルコラーニ(生年不明〜1460)とビーゴ(1460〜1525)が挙げられる。アルコラーニはペリカンという抜歯器具や、金箔充填について言及している。またビーゴは、う蝕をノコギリやヤスリなどで除去し、金箔充填をすることを推奨している。ビーゴは、ローマ教皇ユリウス2世に招かれ、金箔充填を施したと言われている。この時代は、床屋外科医(当時は床屋で外科的処置が施されていた)や歯抜き師が「抜歯」を標榜し、実臨床を行っていた。また、大道香具師やニセ医者など技術的・学問的裏付けのない者が歯科医業を行っており、混沌とした時代だったようである。この時代は、だいたい11月5日の午前中あたりだ。近代歯科医学への道が開く前出のガレノスは「下顎骨が2つある」と主張していたが、ヴェサリウス(1514〜1564)は下顎骨が1つの骨であることを観察した。ヴェサリウスは近代解剖学の祖であり、歯の解剖学にも多大な功績を残した。歯と骨を初めて区別したこと、歯髄腔が歯に対する栄養を供給すること、智歯抜歯における切開の重要性などが主な功績である。しかし「歯は一生にわたって萌出し続ける」「永久歯は乳歯の歯根から発生する」などの誤った見解も多かった。この時代は、コロンボ(1516〜1559)による歯根膜の発見、エウスタキオ(1502〜1574)によるエナメル質・象牙質の区別、レーヴェンフック(1632〜1723)による口腔内細菌の発見(それまでう蝕は "歯の虫" が原因と考えられていた)など、近代歯科医学に続く研究が花開いた。この時代の日本では、和歌山県で世界最古の義歯が発見されている。1538年4月に没した中岡テイのもので、木でできた全部床義歯であった。木床義歯は日本独自の文化であり、その後江戸時代の鎖国時代に職人による精巧な手作業によって独自の発展を遂げた。ルネサンス後の17世紀頃、近代国家が力を持つようになると、医療も国家により統制されるようになった。1685年には、ドイツ・ベルリンに良いて医術令が発布され、歯科医学の実施者にも試験による認定を受けさせることになった。同時期にフランス・パリでも歯科医師の試験が開始された(現実的には試験は形骸化していたとの指摘もある)。職業としての歯科医師の誕生である。これが、11月28日の10時45分頃の話だ。フォシャールの登場それから時は流れ、近代歯科医学の父、フォシャール(1678〜1761)が登場する。フォシャールは歯科医師を単なる歯抜き師から独立した職業としての立場を確立し、歯科医学自体の義務と歯科医師の仕事、その名称をはっきりさせた。フォシャールの『歯科外科医ー歯に関する論文(1746)』では、う蝕の切削や窩洞形成、部分床義歯・全部床義歯に関する記述がなされている。さらに、歯肉の疾患を予防するためには歯石除去と根面滑沢化が必要であると考え、予防歯科医学を主張した。歯科用ユニットが作られたのもこの頃で、彼による開発である。同時期の出来事としては、18世紀最大の外科医・ハンター(1728〜1793)による犬歯・小臼歯の命名(彼の私塾の門下生には天然痘ワクチンを発見したエドワード・ジェンナーがいる)、ボンウィル(1833〜1899)による咬合器の開発などがある。近代歯科医学の誕生、時刻は既に、12月14日の昼頃である。世界初の歯学部が設立される1840年、米国にボルチモア歯科医学校が設立され、卒業した者にはDoctor of Dental Surgery(D. D. S)の称号が与えられるようになった。これに続いて、1859年にイギリス・ロンドンにメトロポリタン歯科医学校、1867年にハーバード大学歯学部、1884年にベルリン大学に歯科医師養成学校が誕生した。日本においては、1890年に高山紀齋(1850〜1933)によって高山歯科医学院が創設された。高山歯科医学院は1899年に血脇守之助(1870〜1947)に譲渡され、東京歯科医学校を経て現在の東京歯科大学に発展している。現代歯科医学に続く研究が出現ブラック(1836〜1915)の名を知らない歯科医師はいないだろう。彼は独学で歯科医師となり、21歳で歯科医院を開業した。窩洞形成の標準的原則である「ブラック窩洞」があまりにも有名だが、歯のフッ素症(斑状歯)、抜歯時の笑気麻酔応用、予防拡大の概念など、さまざまな分野で近代歯科医学の確立に貢献した。レントゲン(1845〜1923)によるエックス線の発見もこの頃である。1895年のことだ。1年で表すと12月19日の深夜0時15分となる。レントゲンの発見からわずか8ヶ月後、ケルズ(1856〜1928)によりエックス線が歯科医療に応用された。一方その頃日本では...アメリカを中心に現代歯科医学に続く研究が出現していたこの頃、日本は江戸時代であった。鎖国政策の影響からか、お歯黒や木床義歯、房楊枝など独特な文化が栄えた。歯痛が起こると、民衆は祈祷や厄除けに頼った。当時、浅草寺などの人が多く集まる場所には、歯痛に対する薬や歯磨剤、抜歯や木床義歯などを売る商人が存在していたという。1867年、明治新政府が誕生し、日本は近代化に舵を切ることになる。1875年には医務条例により医術試験規則が出され、小幡英之助(1850〜1909)が最初の歯科専門医となった。当時は身分上・制度上ともに歯科医師という職種は存在せず、医師の範疇で歯科医業が行われていた。しかし1884年、医業を行う者と歯科医業を行う者とが別の身分制度を確立すべき端緒が開かれ、医籍とは別に歯科医籍が誕生した。時刻は12月17日の深夜になっている。歯科医師法の公布をめぐる争い1899年、東京帝国大学医学部の関係者を中心とする明治医会は、医師法案を発表し、「歯科医師には本法を適用しない」とした。こうした医師側の情勢を鑑みて、当時の全国的歯科医師団体である大日本歯科医会は、独自の立場から歯科医師に関する特別法、すなわち歯科医師法を1904年9月27日に決定した。中心となって動いていたのは高山紀齋、血脇守之助、伊澤信平、広瀬武郎ら。一方の医師法案は1906年に第二十二回帝国議会に提出されたため、大日本歯科医会は歯科医師法案を急遽提出することを決め、衆議院に提出された。歯科医師法案は衆議院、貴族院において一部修正された上で、同年3月に通過成立し、医師法と同時交付された。歯科医師の身分を定める歯科医師法は、政府から与えられたものではなく、私塾や師弟制度から生まれたものであるというユニークな歴史がある。前述のように1890年に高山歯科医学院(現在の東京歯科大学)が創設されたが、1907年には中原市五郎(1867〜1941)によって共立歯科医学校(現在の日本歯科大学)が設立される。1911年には大阪歯科医学校(現在の大阪歯科大学)、1920年には東洋歯科医学専門学校(現在の日大歯学部)、1928年には東京高等歯科医学校(現在の東京医科歯科大学)が設立された。この頃の時刻は、12月22日の早朝あたりである。戦後、現代歯科医療の時代へ12月22日の午後には、さまざまな歯科医学に関する専門学会が誕生した。歯科医師法の制定や歯科医学教育体制の充実に伴う変化だろう。1902年には日本歯科医学会が創設され、1918年の日本歯科口腔科学会(現在の日本口腔科学会)、1926年の矯正歯科学会(現在の日本矯正歯科学会)、1931年の日本補綴歯科学会、1935年の口腔外科学会(現在の日本口腔外科学会)へと続いた。第二次世界大戦の終戦後は、GHQによる占領政策で医療制度は大きく変化した。当時の医師・歯科医師は戦時末期に急増しており養成期間も短期であったことから、その資質向上が課題となった。これまでは許認可のある大学・専門学校を卒業すれば無試験で医師・歯科医師の免許を得ることができたが、国家試験の合格が免許要件となったのもこの頃である。歯科衛生士法は、1948年に保健師助産師看護婦法とともに制定された。1年で表すと12月24日、クリスマスイブの朝である。1955年には歯科技工士法が制定され、歯科医師・歯科衛生士ともに歯科三職種の身分が明確化された。この頃のできごととして特筆すべきは、ブローネマルク(1929〜2014)によるオッセオインテグレーションの発見(1952)と、それに伴うデンタルインプラントの開発だろう。これがちょうどクリスマスイブからクリスマスに日付が変わる頃の話だ。歯学部の新設ラッシュが始まる1960年代に入ると、歯科医師不足の風潮もあいまって、全国各地で歯学部が新設されるようになった。最も新しい歯学部は1980年に開設された岡山大学歯学部と長崎大学歯学部である。両大学の開設は、1年というスケールで表すと12月27日の朝8時00分である。歯科医師臨床研修が義務化されたのは2006年だ。これは、12月29日の夜21時である。この日から現在を表す12月31日23時59分までのあいだで、歯科医師過剰問題の議論、アライナー矯正の誕生、全身の健康との関連に関するエビデンス蓄積などのできごとが発生した。紀元前1700年から受け継がれる歯科医療・歯科医学の歴史を振り返ってみると、昨今の医療技術の発展は凄まじいスピードであることが見てとれるだろう。現代を生きる歯科医療者として、日々知識やスキルのアップデートをしていかなければならない。
1D編集部
2022年1月16日

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