歯科用語集
2025年10月28日

歯科疾患実態調査

「歯科疾患実態調査」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

歯科疾患実態調査とは、国や地方自治体が実施する歯科疾患に関する調査であり、主に国民の口腔健康状態や歯科疾患の実態を把握することを目的としている。この調査は、歯科医療政策の立案や改善に寄与するための重要なデータを提供する。語源としては、「歯科疾患」は口腔内の病気を指し、「実態調査」はその現状を調べることを意味する。調査結果は、歯科医師や歯科衛生士が臨床現場での判断基準を設定する際に役立つ。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床において、歯科疾患実態調査の結果は、患者の口腔健康状態を評価するための基礎データとなる。例えば、虫歯や歯周病の有病率、年齢別の罹患状況などが明らかになることで、歯科医師は予防や治療の方針を立てやすくなる。また、保険点数の設定にも影響を与えるため、歯科衛生士が行う予防処置や教育活動の根拠ともなる。調査結果を基にした臨床判断は、患者に対する適切なアプローチを可能にする。


関連用語・類義語との違い

関連用語としては、「口腔健康調査」や「歯科健康診断」が挙げられる。口腔健康調査は、より広範な口腔の健康状態を評価するものであり、歯科疾患実態調査は特に疾患に焦点を当てている点が異なる。また、歯科健康診断は、個々の患者に対する診断を指し、集団的な調査とは性質が異なる。これらの用語は、歯科医療の現場での情報収集や患者へのアプローチにおいて、それぞれ異なる役割を果たす。


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歯周病ケアに革新!信頼のサイエンスで選ぶ『カムテクト』の実力に迫る

歯周病ケアに革新!信頼のサイエンスで選ぶ『カムテクト』の実力に迫る

歯周治療、しっかりできていますか?SC、SRP、ブラッシング指導、歯周外科治療…。ひと通りの歯周治療を実施したのに、患者さんの歯ぐきの状態がなかなか改善しない。そんな悩みを持つ歯科医療従事者の方は多いのではないでしょうか。歯周治療を受けている患者さんの多くは、「歯科医院に通っているから大丈夫」と安心してしまいがちです。しかし、歯周病をコントロールするには、歯科医院での治療だけでなく、患者さん自身による毎日のセルフケアが欠かせません。この2つがそろって、はじめて効果が現れます。本記事では、歯科医院でのケアとセルフケアをつなぐ「信頼できる橋渡し役」として注目されている『カムテクト』に焦点を当て、現代の歯周病対策に求められる新たなアプローチを考えていきます。歯周治療にはセルフケアが必須患者さんのセルフケアというと、まず「ブラッシング指導」を思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろん正しいブラッシング技術の習得は歯周ケアの基本ですが、それらを習得し継続することができない患者さんが多いのも現実です。患者さんが無理なく続けられるセルフケアを提案するために、ブラッシングに使うアイテム選びも非常に重要です。なかでも歯磨剤は、毎日のルーティンに自然に組み込みやすく、使用感や変化を実感しやすいため、セルフケアを習慣化するカギとなり得ます。「使ってみたら、歯肉の状態が良くなった気がする」「いつもよりすっきりするから、自然と続けられる」こうしたポジティブな実感が、セルフケアの習慣化へとつながっていくのです。続けやすいツールを提案することも、歯科医療者としての大切な役割のひとつ。そんな視点から、患者さんが効果を実感しやすいセルフケアアイテムとして、『カムテクト』をご紹介します。セルフケアグッズとして『カムテクト』の提案患者さんからの評価も高いカムテクト歯周病に特化した歯磨剤『カムテクト』を知っていますか?Haleon社の製品では、知覚過敏ケアとして広く知られている『シュミテクト』が有名です。一方で『カムテクト』という名前は聞いたことがあっても、どんな特徴があるかまでは知らないという声も少なくないのが現状です。しかし、『カムテクト』は1度使った人からの評価が、非常に高いことで注目されています。約90%が使い心地に満足!2024年に人間ドック受診者を対象として実施されたサンプリング調査では、『カムテクト』試用後の使い心地に対し、約90%の人が「満足」と回答しました。出典元:2024年人間ドック受診者サンプリングアンケート n=611 試して納得、70%以上が積極的アクションへさらに注目すべきは、使用後に「購入した」「お店で探した」「人にすすめた」という積極的な行動を起こした人が、70%を超えていた点です。この結果から『カムテクト』は 効果を実感しやすく、「また使いたい」と思える満足度の高い歯磨剤であることが分かります。出典元:2024年人間ドック受診者サンプリングアンケート n=611 『カムテクト』研究員にインタビュー『カムテクト』の歴史とサイエンス使ってみると良さが分かる『カムテクト』について、Haleonジャパンの研究開発担当の中谷遼太朗氏に、『カムテクト』の歴史とサイエンスについてお伺いしました。ー『カムテクト』が生まれたきっかけや背景について教えてください。『カムテクト』は、歯周病予防に特化した処方を追求し、2014年に誕生した歯磨剤です。歯周病は、世界中で多くの人々が悩む慢性的な疾患であり、歯の喪失原因のひとつとして広く認識されています。『カムテクト』はそうしたニーズに応えるべく、開発されました。海外では『parodontax(パラドンタックス)』という歯周病ケアブランドとして展開されており、その科学的知見や処方技術をベースに、日本市場向けに発売されたのが『カムテクト』です。ー製品開発のコンセプトを決める上で、特に重視したポイントはありますか?Haleonジャパン株式会社 研究開発担当 中谷遼太朗氏カムテクトの開発において重視したのは、誰もが日常で使いやすく、効果を実感しやすい製品であることです。そのひとつが、ドラッグストアで手軽に購入できるという利便性です。セルフケアは毎日の習慣だからこそ、患者さん自身が継続しやすい環境づくりが必要だと考えています。安心して使用できる処方設計にも、徹底的にこだわりました。『カムテクト』には、清掃剤として炭酸水素ナトリウムを約70%と高濃度で配合しています。炭酸水素ナトリウムをはじめとするすべての配合成分は個別に毒性評価済みであり、殺菌効果のあるIPMP(イソプロピルメチルフェノール)、抗炎症作用のあるMAG(グリチルリチン酸モノアンモニウム)、歯ぐきの血行促進としてのビタミンEなどとの組み合わせにおいても、長期使用時の安全性が確認されています。また『カムテクト』に使用している炭酸水素ナトリウムは、粒子がきめ細かい「エクストラファインパウダー」を採用しており、やさしい使い心地と高い清掃効果を両立する処方が実現されています。当社では「Trusted Science(信頼されるサイエンス)」を理念に掲げ、科学的根拠に基づいた製品開発を行なっています。炭酸水素ナトリウム約70%配合歯磨剤は、菌数を99.9%まで減少バイオフィルムに残存する菌数と炭酸水素ナトリウム濃度との関係性の試験では、炭酸水素ナトリウム無配合と比較すると、約70%配合は細菌数が3log10(99.9%)まで減少することが確認されています。                                       異なる濃度の炭酸水素ナトリウム溶液7日後のバイオフィルムに残存する生菌数。出典Prattenら 2016¹ 良好なプラークコントロール維持のサポートへ歯間隣接面における6、12および24週目のプラークの除去効果の試験をみてみると、通常の歯磨剤と比較して、5倍以上のプラーク蓄積抑制効果が確認されました。この結果より、6、12および24週目でプラーク指数が有意に改善され、患者さんの良好なプラークコントロールの維持をサポートできることが確認いただけます。炭酸水素ナトリウム配合歯磨剤による 6ヶ月間臨床試験米国において歯肉炎患者約200名を対象に、6ヶ月間の臨床試験を実施。炭酸水素ナトリウム配合歯磨剤の継続使用により、プラーク指数の改善が認められ、安全性に関しても問題は報告されませんでした。平均総合TPIスコア±標準誤差* ITT集団。出典Joseら²* 開始時は未調整平均値であり、6、12および24週目は調整済平均値であるTPIは0~5の6段階で採点された出典元:1. Pratten et al. Physical disruption of oral biofilms by sodium bicarbonate: an in vitro study. Int Jour Dent Hyg. DOI: 10.1111/idh.12162 2. Jose et al. Six-month evaluation of a Sodium Bicarbonate-Containing Toothpaste for Reduction of Established Gingivitis: A Randomized USA-Based Clinical Trial. J Clin Dent 2018;29:33 -39                                        ー「カムテクト」という名称に込められた意味や思いを教えていただけますか?『カムテクト』という名称は、「噛む(カム)」と守ることを意味する「Protect(テクト)」を組み合わせた造語です。この名前には「歯と歯ぐきをしっかり守る」という製品コンセプトが込められています。単なる歯磨剤ではなく、歯周病予防を目的に、歯と歯ぐきの健康をサポートする存在でありたいというブランドの思いを象徴する名前となっています。現在、日本国内には歯ぐきの悩みを抱える人が4,000万人以上いるとされています。『カムテクト』はそのような方々へ、日常のセルフケアで寄り添える存在であることを目指しています。ー『カムテクト』がもつ主要な有効成分や技術的特徴はどんなものですか?『カムテクト』の最大の特徴は、約70%という高濃度で配合された炭酸水素ナトリウムにあります。炭酸水素ナトリウムには、プラークを軟化させ、ブラッシングによる物理的除去をサポートする作用があり、まさに『カムテクト』の処方設計の核と言える存在です。一方、一般的な歯周病予防用歯磨剤では、殺菌成分や抗炎症成分を中心とした「薬効ベースの処方設計」が主流です。歯周病の原因となる菌を抑制・炎症を抑えることに重点が置かれており、プラーク自体を機械的に落としやすくするというアプローチは、あまり重視されていないケースも見受けられます。また、炭酸水素ナトリウムは日本の薬機法上「有効成分」とはみなされておらず、処方上の差別化にはつながりにくいという理由で、競合製品では積極的に使われていないのが現状です。それでもなお、当社が炭酸水素ナトリウムに強くこだわるのは、豊富な科学的エビデンスと国際的な臨床データに裏付けられているからです。こうしたグローバルで培われた処方設計と研究成果を、日本市場向けにローカライズして展開できる点は、他社製品とは一線を画す、当社ならではの大きな強みと言えるでしょう。ー開発にあたり、特に苦労した点や壁となった要因は何でしたか?『カムテクト』の開発においては、処方設計・製造工程の両面で、いくつか大きな課題を乗り越える必要がありました。なかでも、以下の2点は製品化に向けた大きな壁となりました。炭酸水素ナトリウムと他成分の相性問題『カムテクト』は、約70%という高濃度の炭酸水素ナトリウムを配合した特殊処方です。この処方は、プラークの物理的除去をサポートするうえで大きな価値を持つ一方、他の有効成分との相性において化学的な安定性が課題となりました。炭酸水素ナトリウムの性質上、特定の成分と組み合わせるとpH変動や分離、変質などが起こる可能性があり、配合を断念せざるを得ない成分もありました。粘度の高さによる撹拌・充填の難しさ使用感からも実感いただけるように、『カムテクト』は非常に硬めのテクスチャーが特長です。これは高濃度の炭酸水素ナトリウムを含むことによるもので、製造工程において技術的困難が伴いました。・高粘度により、撹拌時に成分が均一に混ざりにくく、有効成分が偏るリスクが発生・粘度が高くなることで、チューブへの充填が困難これらの課題を解決するために、複数の技術的対応が必要でした。ー「カムテクト」ブランドとして、歯科医療者や患者さんに向けて伝えたいメッセージはありますか?『カムテクト』は、歯ぐきの健康に悩むすべての人々を支え、生涯にわたって口腔内に自信を持てる毎日を提供することを使命としています。現在の日本では、成人の約8割* が歯周病の兆候を抱えていると言われています。このような状況において、『カムテクト』は、誰もが手に取りやすい製品であることが、歯周病予防への重要なアプローチであると考えています。ドラッグストアで購入できる身近さと、科学的根拠に裏打ちされた処方。この両立が、日々のセルフケアを支える「続けやすさ」へとつながっています。『カムテクト』が描く歯科医療の未来像は、「歯科医院と患者さんの間に立つ信頼できる架け橋として、セルフケアの質を底上げし、結果的に歯科医療全体のレベル向上に寄与すること」です。このビジョンは、当社が掲げる「ボトムアップ型の健康支援」という企業哲学とも深く結びついています。また、「Deliver better everyday health with humanity.(もっと健康に、ずっと寄り添って)」というパーパスを掲げ、その実現に向けて、製品開発の革新、サイエンスの追求、そして現場との対話を重ねる姿勢を大切にしています。今後も『カムテクト』は、歯科医療者の皆さまとともに、患者さん一人ひとりの健康意識を支えながら、より良い未来の口腔健康の実現に貢献していきたいと考えています。出典元: *令和4年歯科疾患実態調査Haleonヘルスパートナーに登録して患者さん用無料サンプルをオーダーしませんか?Haleonヘルスパートナーとは?Haleonヘルスパートナーは、歯科医療従事者の皆さまに向けて、オーラルヘルスケアに関する最新情報を提供するコミュニティサイトです。日々の診療に役立つコンテンツや、患者さんとのコミュニケーションを支える資料など、さまざまな情報をご利用いただけます。主なサービス内容・ウェブ講演会の無料配信知覚過敏症ケア、歯周病予防、義歯やマウスピースケアなどをテーマとしたウェブ講演会を、いつでも無料で視聴可能。過去の講演ダイジェスト動画もアーカイブで公開されています。・患者さん用無料サンプルの提供歯磨剤の『カムテクト』や『シュミテクト』、義歯・リテーナー洗浄剤の『ポリデント』、義歯安定剤の『ポリグリップ』など、患者さんのセルフケア習慣づくりに役立つ製品サンプルを、オンラインから簡単にオーダー可能です。・患者指導用資材のダウンロード歯周ケアを含む様々なセルフケア指導に活用できる、わかりやすい説明資料や配布用ツールがダウンロード可能です。登録して『カムテクト』患者さん用サンプルをオーダーしませんか?オーダー方法について1. 会員登録(無料)Haleonヘルスパートナーの公式サイトで、必要事項を入力して会員登録を行います。(※登録フォームへの入力後、承認まで最大5営業日ほどかかる場合があります。)2. ログイン後、サンプル依頼ページへアクセス登録完了後、ログインして、専用ページからサンプル申請が可能になります。3. 患者さん用サンプルを選択してオーダー希望のサンプル(例:『カムテクト』)を選択して、注文を完了します。登録や詳細は、以下の公式サイトをご覧ください。公式サイトで詳細を確認する
1D編集部
2025年5月29日
歯科疾患実態調査の意義と臨床への応用。歯科医師・衛生士が知るべき症例と処置のポイント

歯科疾患実態調査の意義と臨床への応用。歯科医師・衛生士が知るべき症例と処置のポイント

歯科疾患実態調査とは歯科疾患実態調査は、国民の口腔健康状態を把握し、歯科医療の質向上を図るための重要な調査である。この調査は、歯科疾患の発生状況やその要因を明らかにすることを目的としており、国や地域における歯科保健施策の基礎資料となる。調査結果は、歯科医師や歯科衛生士が臨床での判断を行う際に役立つ情報を提供し、適切な処置や術式の選択に寄与する。調査結果の臨床的意義歯科疾患実態調査の結果は、臨床現場において非常に重要な役割を果たす。例えば、う蝕や歯周病の発生率が高い地域では、予防的なアプローチが求められる。調査結果を基に、地域特性に応じた診断や治療方針を立てることが可能となり、患者に対する適切な処置を行うための指針となる。また、調査データは、歯科医療の質向上に向けた政策提言にも活用される。関連する症例と処置の選択歯科疾患実態調査から得られるデータは、具体的な症例に対する処置の選択に直結する。例えば、調査で明らかになった高いう蝕発生率に対しては、フッ化物塗布やシーラント処置が推奨される。また、歯周病の有病率が高い場合には、スケーリングやルートプレーニングといった術式が必要となる。これらの処置は、患者の口腔内の健康を維持するために不可欠であり、臨床での実践が求められる。調査結果を活用した予防策の導入歯科疾患実態調査の結果をもとに、予防策を導入することは、歯科医療の質を向上させるために重要である。例えば、地域の特性に応じた口腔衛生教育や、定期的な口腔検診の実施が挙げられる。これにより、早期の診断や適切な処置が可能となり、患者の健康を守ることができる。また、調査結果を基にした啓発活動は、地域全体の口腔健康の向上にも寄与する。歯科医療におけるデータの活用方法歯科疾患実態調査のデータは、歯科医療の現場でどのように活用されるべきかを考えることが重要である。具体的には、患者の診断時に調査結果を参照し、地域特有の疾患リスクを考慮した治療計画を立てることが求められる。また、定期的なデータの更新を行い、最新の情報を基にした診査や判断を行うことで、より効果的な治療が可能となる。注意点と今後の展望歯科疾患実態調査を活用する際には、注意点も存在する。調査結果は地域や年によって異なるため、常に最新の情報を確認することが必要である。また、調査データを単独で用いるのではなく、臨床経験や患者の個別の状況を考慮した上で判断を行うことが重要である。今後は、デジタル技術の進展により、より詳細なデータ収集や分析が可能となることが期待されている。このように、歯科疾患実態調査は、歯科医師や歯科衛生士が臨床での判断を行う上で非常に重要な情報源であり、適切な処置や術式の選択に寄与するものである。
1D編集部
2024年6月1日
【歯周治療ガイドライン】P急発の応急処置

【歯周治療ガイドライン】P急発の応急処置

「平成28年歯科疾患実態調査」を元に推定される歯周病患者数は、約7,000万人である。しかし実際に歯科治療を受けている患者は、約400万人である。この数字の差から、「歯周病であることを自覚していない人」「自覚はあっても治療をしないでいる人」がいかに多いかがわかる。ただそういった人々であっても、強い症状や疼痛が生じると迷わず歯科医院へ駆け込むことも少なくない。本記事ではそういった患者への応急処置について解説する。歯周病の定義歯周病は非プラーク性歯肉疾患を除いき、歯周病原細菌によって歯周組織に生じる感染性炎症性疾患である。近年歯周病は生活習慣病として位置づけられ、食習慣、歯磨き習慣、喫煙などの生活習慣や、糖尿病などの全身疾患との関連性が示唆されている。そのため歯科医療従事者による保健指導だけでなく、患者個人の生活習慣の改善、自助努力、さらには医療連携などが重要である。歯周治療における応急処置応急処置の大まかな流れは以下の通りである。疼痛の原因の特定急性炎症の処置1. 疼痛の原因の特定歯周病に起因する疼痛を主訴とした患者には、疼痛の改善を最優先する必要がある。疼痛の局所的因子としては以下が考えられる。歯周膿腫歯周膿腫の急性発作歯周・歯内病変 など局所的因子の関与がない異常出血・疼痛には、全身的因子の関与が考えられる。特に下記による易出血性・剝離性の歯肉炎などは、全身の抵抗力低下とも関連しているため医科との連携を図る必要がある。白血病関連歯肉炎壊死性潰瘍性歯肉炎・歯周炎アフタ性口内炎扁平苔鮮 など2. 急性炎症の処置疼痛を主訴として来院した場合、局所の急性炎症のある場合が多い。急性炎症がある場合には、歯肉縁下への機械的なアプローチと併せて、抗菌薬を使用することが炎症の抑制・歯周炎の治癒を促す効果的な手段となる。また歯肉膿瘍や歯周膿瘍の急性発作に対しては、咬合状態を確認し適宜咬合調整を行う。そして原因と考えられる歯周ポケット内を徹底的に洗浄する。このとき局所薬物配送システム(local drug delivery system:LDDS)を併用しても良い。LDDSは効果発現が迅速であり、方法も簡便である。加えて明らかに波動が触れる膿瘍は切開を行い、排膿路を確保する。必要に応じて抗菌薬を投与し、早期に歯内治療を行う。ただ遷延化した歯周・歯内病変で歯周ポケットが残存している場合は、通常の歯肉縁下のSRPを行う。また歯の動揺が顕著な場合は暫間固定も行う。暫間固定により、歯周組織に対する咬合圧の分散・安静が期待でき、咬合・咀嚼機能回復も図ることができる。暫間固定の時期・期間・方法を決めるには、歯周組織の破壊の程度や広がり具合、歯列弓上での動揺歯の位置関係などを考慮する必要がある。暫間固定前後には咬合調整を十分に行うこと、暫間固定装置が口腔衛生管理を阻害しないようにすること、十分な歯周組織の安定が得られた場合には暫間固定を除去することなどを忘れてはならない。最後に歯や口腔の健康を保つことは、食事や会話を楽しむなど豊かな生活を送るための基礎となる。国民の口腔衛生に対する意識の向上と、歯科医療従事者の努力の結果、平成28年の8020達成者は51.2%、平均歯数は約15.3歯となった。しかし一方で、4mm以上の歯周ポケットを有する高齢者の割合は増加しているという。日本は世界有数の長寿国であるが、80歳前後の高齢者の残存歯数をみると決して高い数値ではない。歯周病治療および予防への取り組みは、今後の大きな課題であるに違いない。参考文献特定非営利活動法人 日本歯周病学会 編 歯周治療のガイドライン2022(URL)
1D編集部
2023年9月1日
「令和4年歯科疾患実態調査」公表される。歯科検診の受診率は全体で58.0%に

「令和4年歯科疾患実態調査」公表される。歯科検診の受診率は全体で58.0%に

厚生労働省は6月29日、「令和4年歯科疾患実態調査」の結果(概要版)を取りまとめ、公表した。今回は、そのなかの一部を抜粋して紹介していく。調査の概要歯科疾患実態調査は、わが国の歯科保険の状況を把握し、今後の歯科保険医療対策を推進するための基礎資料を得ることを目的として行われている。本来なら令和3年に実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響により令和4年に実施された。調査期間は令和4年11月または12月中の任意の1日とし、調査対象は令和4年国民生活基礎調査で設定された地区(令和2年国勢調査の調査区から層化無作為抽出した全国5,530地区)から抽出した300地区内の世帯の満1歳以上の世帯員で、被調査者数は2,709人であった。調査対象地区内の会場で、歯科医師が調査対象者の口腔診査を実施している。主な診査項目は以下の通りである。歯や口の状態歯をみがく頻度歯や口の清掃状況過去1年間における歯科検診受診の有無過去1年間におけるフッ化物応用の有無矯正歯科治療の経験の有無歯・補綴の状況歯肉の状況永久歯のDMF歯数5歳以上10歳未満では処置歯まだは未処置のう歯を持つ者の割合は3%を下まわったが、25歳以上では80%以上と高く、特に45歳以上50歳未満、55歳以上60歳未満、65歳以上70歳未満では100%に近かった。過去の調査と比較すると、5歳以上35歳未満では減少傾向を示していたが、55歳以上では増加傾向にあった。5歳以上15歳未満の1人平均 DMF 歯数(DMFT指数)は、近年著明な減少傾向を示していた。15歳以上の年齢階級においてDMFT指数を過去の調査と比較すると、若年者において減少が見られるだけでなく、35歳以上の各年齢階級においても緩やかに減少する傾向にあった。1人平均処置(充填、クラウン)歯数は、男女を比較すると女性の方が高値を示した。現在歯の状況(8020達成者等)20歯以上の自分の歯を有する者は、55歳以上では一部の年齢階級を除いて増加傾向であった。8020達成者の割合(80歳で20本以上の歯を有する者の割合)は、75歳以上85歳未満の20本以上歯を有する者の割合から51.6%と推計され、前回調査時(51.2%)とほぼ同じであった。また男女別に見た20歯以上歯を有する者の割合及び1人平均現在歯数は、65歳以上では女性において高値てとなっている。フッ化物の使用経験フッ化物応用の経験のある者は59.4%であった。そのうち、フッ化物塗布の経験のある者は13.1%、フッ化物洗口の経験のある者は3.2%、フッ化物配合歯磨剤使用の経験のある者は52.4%であった。1〜14歳の年齢階級に絞ると、フッ化物塗布経験者の割合は41.5%と高値を示した。歯をみがく頻度1 歳以上の者では、毎日歯をみがく者の割合は 97.4%であった。毎日2回以上歯をみがく者の割合は増加を続けており、令和4年では79.2%であった。歯科検診の受診状況この1年間に歯科検診を受けましたかという質問に「受けた」と答えた者の割合は、全体で58.0%であった。男性では30歳から50歳未満の年齢階級において、歯科検診を受診している者が低い傾向にあった。矯正歯科治療の経験矯正歯科の経験がある者の割合は、全体で7.7%であった。また、50歳未満では2割近くが経験があり、特に10歳以上40歳未満の年齢階級で高く、男女別では女性において高い傾向を示した。国民の歯科への意識は高まっている若年層での矯正経験が顕著に増加していることや、低年齢におけるフッ化物応用経験からみても国民の歯科への関心、口腔の健康意識は高まっていると考えられる。歯科検診受診率も過半数を超え、国民皆歯科検診への期待感も大きいだろう。今後の動向にも注目していきたい。参考文献厚生労働省. 令和4年歯科疾患実態調査結果の概要. 2023.6.29(PDF)
1D編集部
2023年7月8日
【歯科医師過剰問題】歯科医師が不足する「Xデー」は、いつ訪れるのか?

【歯科医師過剰問題】歯科医師が不足する「Xデー」は、いつ訪れるのか?

「歯科医師過剰問題」が声高に叫ばれるようになって久しい。これからの歯科医療を支える世代の歯科医師にとって、歯科医師の需給の今後の見通しは非常に気になるテーマなのは間違いないだろう。当然ながら、今後の歯科に対する需要と歯科医師の供給を正確に予測するのは困難であり、世間では様々な説がまことしやかに囁かれている。「歯科医院の数は現状コンビニより多く、こんなに必要ない」「人口はこれからどんどん減っていくので、歯科の仕事も減る」「そろそろ開業歯科医師が大量に引退しはじめるので、数が不足する時代が来る」。果たして正解はどこにあるのだろうか?この問いに対して、一つの示唆を与えてくれるリサーチを紹介したい。2050年に歯科医療はどうなっているのか?国立保健医療科学院 安藤 雄一氏は、「2050年の歯科医療ニーズと歯科医師受給の見通し」と題し、現在歯数とう蝕の動向に基づいた歯科医師需給予測と、予測モデルでは捉えきれない歯科医師供給の質的変化に触れ、2050年時点での見通しについて調査を行った。「8020」が当たり前の社会に2011年の歯科疾患実態調査における各年齢階級の一人平均現在歯数から2014年の社会医療診療行為別調査等を基に算出された一人平均年間喪失歯数を減じる等の手法を用いて、各年齢階級の一人平均歯数の予測値を算出した。その結果、「8020」社会は2040年頃に到来し、2050年には「8020」が当たり前の状況になることが予測された。う蝕は今後減少が進む可能性大歯科疾患実態調査における比較的若い成人層までのDMFT(一人平均う蝕経験歯数)の推移を確認すると、う蝕は若い年齢層から次第に減少傾向にあり、2050年にはかなり少なくなる可能性が見通せる。現在歯数とう蝕の動向が受療率に影響受療率と疾患量の関連をみてみると、う蝕に関して最も影響を受けそうな小児(14歳以下)で受療率が概ね一定に推移しており、う蝕減少による影響は認められない。しかしながら、青年層(15~44歳)では受療率が減少傾向にあり、う蝕減少との関連が認められる。そのうえ中年層(45歳~64歳)では受療率が概ね一定に推移しているが、高齢者層(65歳以上)では受療率の増加傾向が顕著であり、現在歯数の影響を受けている。需給予測:「歯科医師過剰」とは限らない図5は、以上の関連を踏まえ、人口の将来予測データを加味して予測された推計患者数を年齢階級別に示し、人口の将来予測データ「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)における出生中位(死亡中位)推計」と比較したものである。推計患者数は2017年をピークに次第に減少する傾向にあるが、患者数の減少幅は人口の予測値よりも小さいこと、また高齢者の割合が顕著に増加することなどが見て取れる。図6のf.に注目していただきたい。こちらは図5に示された推計患者数を2008年患者調査データ」をもとに算出された歯科医師一人あたり患者数(14.1人)で除して求められた必要歯科医師数を歯科医師供給予測値(稼働歯科医師数)と比較したものである。その結果、2040年頃には歯科医師の需要数が供給数を上回ると予測された。これからの歯科業界を生きる歯科医師たちへ今回は、今後の歯科医師の需給の予測結果として、2040年頃には歯科医師の需要数が供給数を上回るという報告を紹介した。多くの変数が存在するが故に歯科医師の需給の正確な予測は難しく、今後さらなる調査の結果が待たれる。これからの歯科業界を牽引していく先生方におかれては「歯科医師過剰」の文言に惑わされることなく、自らの仕事に誇りをもって日々の臨床に取り組んでいただきたい。本記事が少しでもその一助となれば幸いである。歯科医師過剰と歯学部今後の歯科医師の需要と供給を、データ&ファクトで徹底予測!歯科医療の需給バランスから、歯学部や歯科医師国家試験の未来を推計するセミナーが、現在1Dで配信中です。プレミアム会員なら、今すぐに追加料金なしで視聴可能!ぜひ詳細をご覧ください。セミナーの詳細を見てみる参考文献1. Yuichi Ando(National Institute of Public Health), Needs and Demands of Dental Health Care and Supply of Dentists: Perspectives to 2050, Health Science and Health Care 16(2):67-74, 2016
Kasuchan
2022年10月1日

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レジン修復 (238)

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