歯科用語集
2025年10月28日

咀嚼能率

「咀嚼能率」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

咀嚼能率とは、食物を咀嚼する際の効率性を示す指標である。具体的には、食物を噛む際の速度や力、そしてその結果として得られる食物の細かさや消化のしやすさを評価するものである。語源は「咀嚼」と「能率」に由来し、咀嚼の過程における効率的な動作を意味する。咀嚼能率は、特に高齢者や義歯を使用する患者において重要な指標となり、食事の質や栄養摂取に直接的な影響を与える。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床において咀嚼能率は、患者の口腔機能を評価する重要な要素である。特に、咀嚼能率が低下している患者は、食物の摂取が困難になり、栄養不足や健康問題を引き起こす可能性があるため、適切な評価が求められる。判断基準としては、咀嚼時の顎の動きや咀嚼音、食物の細かさ、さらには患者の主観的な感覚などが考慮される。これにより、咀嚼能率を向上させるための治療方針やリハビリテーションの計画が立てられる。


関連用語・類義語との違い

咀嚼能率に関連する用語には「咀嚼力」や「咀嚼機能」がある。咀嚼力は、食物を噛む力の強さを指し、咀嚼機能は、咀嚼に必要な口腔内の構造や機能を包括的に表す。咀嚼能率はこれらの要素を含みつつ、特に効率性に焦点を当てている点が異なる。また、咀嚼能率は、食事の質や栄養摂取に直結するため、臨床現場での評価が特に重要である。


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咀嚼能率の向上と歯科臨床における重要性。処置や症例を通じた実践的アプローチ

咀嚼能率の向上と歯科臨床における重要性。処置や症例を通じた実践的アプローチ

咀嚼能率の定義とその重要性咀嚼能率とは、食物を咀嚼する際の効率を示す指標である。具体的には、食物をどれだけ早く、かつ効果的に細かくすることができるかを測るものであり、咀嚼の質は消化吸収に直結する。咀嚼能率が低下すると、食物の消化が不十分となり、栄養素の吸収が妨げられる可能性がある。歯科臨床においては、咀嚼能率の向上が患者の生活の質を向上させるための重要な要素である。特に高齢者や咀嚼機能に問題を抱える患者に対しては、適切な処置や術式を通じて咀嚼能率を改善することが求められる。咀嚼能率に影響を与える要因咀嚼能率に影響を与える要因は多岐にわたる。まず、歯の状態が挙げられる。歯の欠損や虫歯、歯周病などは咀嚼機能を低下させる要因となる。また、顎関節の機能や筋肉の状態も重要であり、顎関節症や筋肉の緊張が咀嚼能率に影響を与えることがある。さらに、食物の性状や硬さも咀嚼能率に影響を与える。硬い食物は咀嚼に時間がかかるため、患者の咀嚼能率を低下させる可能性がある。これらの要因を考慮し、適切な診断と処置を行うことが重要である。咀嚼能率を改善するための処置と術式咀嚼能率を改善するための処置には、歯科補綴や矯正治療が含まれる。歯の欠損がある場合、インプラントや義歯を用いた補綴治療が有効である。これにより、咀嚼面積が増加し、咀嚼能率が向上する。また、矯正治療により歯列の不正を改善することで、咀嚼機能を向上させることも可能である。さらに、顎関節症の患者に対しては、マウスピース療法や物理療法を用いることで、顎関節の機能を改善し、咀嚼能率を向上させることが期待できる。咀嚼能率の評価方法と診断咀嚼能率の評価には、咀嚼テストや咀嚼機能評価が用いられる。咀嚼テストでは、特定の食物を用いて咀嚼の効率を測定する。これにより、患者の咀嚼能率を定量的に評価することが可能である。また、診断には口腔内の視診や触診、顎関節の動きの評価が含まれる。これらの診査を通じて、咀嚼能率に影響を与える要因を特定し、適切な処置を行うための基礎データを得ることができる。咀嚼能率向上のための注意点とコツ咀嚼能率を向上させるためには、患者の生活習慣や食事内容にも配慮する必要がある。例えば、柔らかい食物を選ぶことで、咀嚼の負担を軽減することができる。また、食事の際には、ゆっくりと噛むことを促すことで、咀嚼能率を向上させることができる。さらに、定期的な歯科検診を受けることで、口腔内の健康を維持し、咀嚼機能の低下を防ぐことが重要である。患者に対しては、咀嚼能率向上のための具体的なアドバイスを行うことが求められる。咀嚼能率向上のメリットとデメリット咀嚼能率を向上させることには多くのメリットがある。まず、食物の消化吸収が改善されることで、栄養状態が向上する。また、咀嚼機能が改善されることで、食事を楽しむことができ、生活の質が向上する。一方で、咀嚼能率向上のための処置にはデメリットも存在する。例えば、補綴治療や矯正治療には時間と費用がかかる場合があるため、患者に対して十分な説明と理解を促すことが重要である。咀嚼能率の向上に向けた今後の展望咀嚼能率の向上は、今後の歯科医療においてますます重要なテーマとなるであろう。高齢化社会の進展に伴い、咀嚼機能の維持・向上が求められる場面が増加する。今後は、最新の技術や材料を用いた治療法の開発が期待されるとともに、咀嚼能率向上に向けた研究が進むことで、より効果的な処置が提供されることが望まれる。
1D編集部
2024年6月1日
咀嚼能率が低下すると、メタボになりやすくなる(男性だけ)

咀嚼能率が低下すると、メタボになりやすくなる(男性だけ)

新潟大学歯学部と大阪大学歯学部の研究チームは「咀嚼能率」と「メタボリックシンドローム」の関係についての研究を行い、咀嚼能率が低い場合はメタボリックシンドロームの罹患率が2倍以上になることを明らかにした。興味深いのは、この傾向は男性にのみ当てはまり、女性では見られなかった点だ。咀嚼能率とメタボの関係を調査研究は、大阪府吹田市で行われた。無作為に抽出された対象者のうち、2008年以降に健診を受診した50〜70歳代に歯科検診を実施。そのうち、初回検査でメタボリックシンドロームではなかった599人を分析対象者とした。咀嚼能率の判定は専用に開発されたグミゼリーを使った。30回噛んで増えた表面積を算出する方法を使い、下位 1/4 を「低値群」、それ以外を「非低値群」とした。フォローアップ検査時に、新規にメタボリックシンドロームに罹患したかどうかと、その構成要素(血圧、血糖値、脂質異常、肥満の状態)の罹患についてを、年齢や喫煙、歯周疾患の影響を調整した解析を行い、「非低値群」に対する「低値群」のリスクを男女別に算出した。「咀嚼能率低下でメタボ」は男性だけ4.4年に及ぶ追跡期間で、新たに88人がメタボリックシンドロームに罹患した。男性の場合、「非低値群」に対する「低値群」のメタボリックシンドロームの罹患率は2.24 倍で、統計学的にも有意だった。しかし女性の場合、メタボリックシンドロームの罹患率は1.14 倍で、統計学的に有意ではなかった。つまり男性の場合でのみ、咀嚼能率が悪いと将来的にメタボリックシンドロームに罹患するリスクが2倍になるということが明らかになったのである。性差については、女性の場合は閉経期以降のホルモン変化による影響が大きく、また食習慣の違いなどから男性と比べ咀嚼能率低下の影響が出にくかったのではないか、と研究チームは仮説立てている。肥満のヘルスプロモーション今回の研究で用いられていた咀嚼能率の判定法は簡便に実施できるため、メタボリックシンドロームのヘルスプロモーションが可能になると考えられる。また今後、咀嚼能率の低下とその習慣との関係を明らかにしていくことによって、より具体的な指導やメタボリックシンドロームの改善プログラムの立案が可能になると期待される。参考文献Shuri Fushida, Takayuki Kosaka, Michikazu Nakai, Momoyo Kida, Takashi Nokubi, Yoshihiro Kokubo, Makoto Watanabe, Yoshihiro Miyamoto, Takahiro Ono, and Kazunori Ikebe, Lower masticatory performance is a risk for the development of the metabolic syndrome: the Suita study, Frontiers in Cardiovascular Medicine, 2021.11.26.よく噛めない男性はメタボになりやすかった! - 4年間の追跡調査により世界で初めて判明 -, 新潟大学, <URL>, 2022年1月18日閲覧.
宇梶 淳平
2022年1月20日
インプラントオーバーデンチャー vs 全部床義歯、臨床&エビデンスの実際

インプラントオーバーデンチャー vs 全部床義歯、臨床&エビデンスの実際

我が国における無歯顎患者の割合は年々減少しているものの、高齢者の人口は増加しており、総数で見ると無歯顎患者数は依然として多い。欧米諸国では長きにわたり、無歯顎患者の欠損補綴治療の第一選択は全部床義歯であったが、2002年のマギル声明において「下顎無歯顎患者の補綴歯科治療には2本のインプラント体支持によるインプラントオーバーデンチャー(IOD)を第一選択として用いるべきである」という提言がなされ、以後積極的にインプラントオーバーデンチャーが用いられるようになっている。さらに、2009年のヨーク声明では「下顎インプラントオーバーデンチャーは従来の全部床義歯と比較して、患者満足度ならびにQOLに関して優れていることを、現時点で得られる多くの科学的根拠が示している」との声明が発表され、マギル声明を強く後押しする形となった。一方、日本では諸外国との平均寿命の違い、治療費用や費用対効果、さらに解剖学的制限を考慮すると「インプラントオーバーデンチャーが無歯顎患者の欠損補綴治療の第一選択である」とは単純には言い切れない。さらに全部床義歯のみが保険収載されていることもあいまって、日本では現在でも全部床義歯が第一選択となっている。【もっと詳しくインプラントオーバーデンチャーを知りたい先生へ】1D歯科セミナー『インプラントオーバーデンチャー、臨床の実際  〜いま必要なIODの理論&テクニック〜』が開催。詳細&お申し込みはこちらから お願いします。インプラントオーバーデンチャーの大原則とは?インプラントオーバーデンチャー(IOD)という用語は、従来 "Implant-retained overdenture(インプラント体維持オーバーデンチャー)" または "Implant-supported overdenture(インプラント体支持オーバーデンチャー)" という意味である。つまり、インプラントオーバーデンチャーにおけるインプラント体は、埋入されたインプラント体を支台とした可撤性義歯の維持(義歯の離脱力に抵抗する作用)または支持(義歯の沈下に抵抗する作用)を果たしていた。しかし近年、"Implant-assisted overdenture(インプラント補助オーバーデンチャー)" という用語が用いられている。インプラント体は可撤性義歯を補助するために用いられていることを示しており、つまりインプラントオーバーデンチャー治療においても従来の有床義歯補綴治療がベースとなることをくれぐれも留意すべきである。下顎インプラントオーバーデンチャーの役割治療効果のアウトカムとして、患者満足度、口腔関連QOL、全身健康QOLなどを称する「主観的評価項目(患者立脚型アウトカム)」と、補綴物やインプラント体の生存率、歯槽骨・インプラント体周囲または顎堤の骨吸収の進行度、咬合力、咀嚼能率、栄養状態など、数値化できる項目が挙げられる「客観的評価」が用いられる。主観的評価項目について、下顎全部床義歯およびインプラントオーバーデンチャー装着患者の患者満足度について調べた全てのランダム化比較試験をメタアナリシスによって解析したところ、全部床義歯の群に比べてインプラントオーバーデンチャーの群の方が、義歯装着後に有意に満足していることが示されていた。また、客観的評価については、咀嚼能力、咬合力、食品嗜好など、多くの項目においてインプラントオーバーデンチャー群の方が全部床義歯群より有意に高かったことが報告されている。上顎インプラントオーバーデンチャーのエビデンスは?マギル声明にもあるように「インプラントオーバーデンチャーと言えば、下顎」と考えがちであるが、実際の臨床においては上顎にもインプラントオーバーデンチャーは適用されている。しかし、上顎インプラントオーバーデンチャーに関して上顎全部床義歯と比較した際の有効性について、下顎インプラントオーバーデンチャーほど興味を示す臨床家は少ないとされており、上顎インプラントオーバーデンチャーに関するデータは圧倒的に不足していると言える。まとめ今回の記事では、全部床義歯と比較した際のインプラントオーバーデンチャーの有効性について、文献的レビューを基に検証した。その結果、下顎に関してはインプラントオーバーデンチャーを適用することで無歯顎患者の患者立脚型アウトカムだけでなく、口腔機能も改善できると言える。しかし、上顎に関してはインプラントオーバーデンチャーの科学的根拠が不足しているため、上顎インプラントオーバーデンチャーの有効性については判定できなかった。今後、上顎インプラントオーバーデンチャーに関するエビデンスが増加することを期待したい。また、上下顎ともにインプラントオーバーデンチャーを有効的に用いるためには、従来の全部床義歯治療を基本とした適切なインプラント設計を心がける必要がある。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる
1D編集部
2021年4月5日

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