歯科用語集
2025年10月28日

乳臼歯

「乳臼歯」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

乳臼歯とは、乳歯の一部であり、主に子供の口腔内に存在する歯である。乳臼歯は、通常、上下顎にそれぞれ2本ずつ、計4本存在し、食物を噛み砕く役割を担っている。語源としては、「乳」は乳歯を指し、「臼歯」は噛むための歯を意味する。乳臼歯は、通常、6歳から12歳の間に永久歯に置き換わるが、その役割は子供の成長において非常に重要である。乳臼歯の健康状態は、将来的な歯の発育や噛み合わせに影響を与えるため、注意が必要である。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床において乳臼歯は、特に小児歯科の分野で重要な位置を占めている。乳臼歯の健康状態は、子供の食事や発音、さらには顎の成長に影響を与えるため、定期的なチェックが推奨される。判断基準としては、虫歯の有無、歯の位置、噛み合わせの状態が挙げられる。虫歯が進行した場合、早期の治療が必要であり、場合によっては抜歯が選択されることもある。また、乳臼歯の喪失が早期に発生すると、隣接する歯の移動や噛み合わせの不具合を引き起こす可能性があるため、注意が必要である。

関連用語・類義語との違い

乳臼歯に関連する用語としては、「乳歯」や「永久歯」がある。乳歯は、乳臼歯を含む子供の歯全体を指し、通常は20本存在する。一方、永久歯は、乳歯が抜けた後に生えてくる歯であり、成人の歯の大部分を占める。乳臼歯は、乳歯の中でも特に噛む機能を持つ歯であり、他の乳歯と区別される。また、乳臼歯は、通常、永久歯に置き換わる際にその役割を引き継ぐため、発育段階において重要な役割を果たす。これらの用語の違いを理解することで、歯科医療における適切な診断と治療が可能となる。

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乳臼歯の臨床的意義と処置方法。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき症例と術式のポイント

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乳臼歯の定義と役割乳臼歯は、乳歯の中で最も後方に位置する歯であり、通常は上下顎にそれぞれ2本ずつ存在する。これらの歯は、主に食物を咀嚼する役割を担っており、顎の成長や発音にも寄与する。乳臼歯は、永久歯に生え替わるまでの間、子供の口腔内で重要な機能を果たす。乳臼歯の健康状態は、将来的な永久歯の発育にも影響を与えるため、早期の診断と適切な処置が求められる。特に、う蝕や歯周病のリスクが高まるため、定期的なチェックが重要である。乳臼歯の症状と診断乳臼歯に関連する主な症状には、痛み、腫れ、歯の変色、咀嚼時の不快感などがある。これらの症状が見られた場合、早期に診査を行うことが重要である。診断には、視診、触診、X線検査が用いられる。特に、X線検査は、隠れたう蝕や歯根の状態を把握するために不可欠である。診断結果に基づいて、適切な処置を選択することが求められる。乳臼歯の処置方法と術式乳臼歯に対する処置方法は、症状や診断結果に応じて異なる。一般的な処置には、う蝕の治療、根管治療、抜歯などがある。う蝕の治療は、初期段階であれば、フッ素塗布やシーラントの適用が有効である。進行した場合には、虫歯部分の除去と充填が必要となる。根管治療は、感染が広がった場合に行われるが、乳臼歯の場合は、永久歯に生え替わることを考慮し、抜歯が選択されることもある。乳臼歯処置のメリットとデメリット乳臼歯の処置には、いくつかのメリットとデメリットが存在する。メリットとしては、早期の処置により、永久歯の健康を守ることができる点が挙げられる。また、適切な処置を行うことで、子供の咀嚼能力や発音に良い影響を与える。一方、デメリットとしては、処置に伴う痛みや不安、治療にかかる時間や費用が挙げられる。また、抜歯を選択した場合、後続の歯列に影響を与える可能性があるため、慎重な判断が求められる。乳臼歯の処置における注意点乳臼歯の処置を行う際には、いくつかの注意点がある。まず、子供の心理的な負担を軽減するために、治療環境を整えることが重要である。また、処置後のフォローアップも欠かせない。定期的なチェックを行い、再発を防ぐための指導を行うことが求められる。さらに、保護者への教育も重要であり、日常的な口腔ケアの重要性を伝えることが、乳臼歯の健康を維持するために不可欠である。まとめ乳臼歯は、子供の口腔内で重要な役割を果たす歯であり、その健康状態は将来の永久歯に大きな影響を与える。適切な診断と処置を行うことで、乳臼歯の健康を守り、子供の成長を支えることができる。歯科医師・歯科衛生士は、乳臼歯に関する知識を深め、臨床での実践に活かすことが求められる。
1D編集部
2024年6月1日
【要確認!】「歯の健康診査」での歯の形態・色調の異常の考え方

【要確認!】「歯の健康診査」での歯の形態・色調の異常の考え方

母子健康手帳には、歯の健康診査の項目があることはご存知のことだろう。1歳6か月児および3歳児歯科健康診査時だけでなく、就学前までの口腔の健康診査の状況が記録できるようになっている。歯の状態や汚れ、咬合や軟組織の異常などの項目についての記載をしていくが、頻繁に行う診査ではないため、記載に関して不明確な点がある方も多いだろう。齲蝕の有無や処置すべきか、咬合状態などについて、記載するべきかの判断は分かり易い。しかしながら、歯の形態・色調の異常のあり・なしについての判断や考え方については難しく、どこまで記載するべきか悩んだことがある人も多いのではないだろうか。そこで今回は、母子健康手帳に歯の形態・色調の異常として記載するべきもの、記載が必須ではないものについて考えていきたい。「異常あり」と記載するべきもの歯の形態異常①癒合歯2本以上の歯が互いに結合している状態であり、乳歯に多く観察される(1~5%)。(好発部位)・下顎乳中切歯と乳側切歯・下顎乳側切歯と乳犬歯・上顎乳中切歯と乳側切歯   の結合として多く観察される。乳歯の癒合歯がある場合、後継永久歯の先天性欠如がみられる場合があることから、歯科医院での管理を勧めていく。②切歯結節乳歯および永久歯切歯舌側面の基底結節が特に発達し、円錐状の突起を形成しているもの。(好発部位)乳歯では上顎乳中切歯に観察されることが多い。歯の萌出期では、特に順生の過剰歯と間違わないように気をつけたい。また、対合歯との咬合に影響することがあるため、歯科医院での管理を勧めていく。歯の形成不全①全歯にわたって観察されるもの遺伝性のエナメル質形成不全症や象牙質形成不全症の場合に観察される。重症度によっては、形態異常や歯冠部の崩壊が認められる場合もあることや、齲蝕との鑑別も重要であるため、歯科医院での管理を勧めていく。②局所的に観察されるもの全身的、局所的な障害が原因で起こる。代表的なものとして次のようなものがある。・Molar Incisor Hypomineralization(MIH):第一大臼歯と切歯に限局して観察されるエナメル質形成不全・Hypomineralized Second Primary Molar(HSPM):第二乳臼歯に限局して観察されるエナメル質形成不全・ターナー歯:齲蝕や外傷による先行乳歯の根尖性歯周炎による後継永久歯のエナメル質形成不全エナメル質が白や褐色の色調異常を示すものから、エナメル質が薄くクレーター上の表面形態の異常を呈するもの、歯冠が大きく崩壊するものなどがある。歯髄炎症状の発現や弛緩崩壊の進行を予防するため、歯科医院での管理を勧めていく。歯の色調異常①全歯にわたって観察されるもの出生時の全身状態や常用薬剤によって、歯の色調異常が観察されることがある。代表的なものとして、高ビリルビン血症(重症新生児黄疸、先天性胆道閉鎖症、新生児溶血症など)、新生児メレナ、ポルフィリン症、テトラサイクリン系抗菌薬の長期投与などが考えられる。②局所的に観察されるもの齲蝕が認められない歯冠の局所的な変色は、外傷などによる歯髄内出血および壊死などが疑われる。色調変化としては、ピンク、赤、褐色、灰褐色、黒色となって観察される。乳歯で観察される場合は、後継永久歯歯胚にも影響する場合があるため、歯科医院での管理を勧めていく。記載が必須ではないもの歯の形態異常として分類されるが、特に記載の必要が必須でないものは以下の通りである。・カラベリー結節:上顎第一大臼歯及び上顎第二乳臼歯の近心舌側咬頭の舌側部にみられる結節。・矮小歯(円錐歯、栓状歯、、蕾状歯):正常な歯に比べて歯冠が小さいもの。切歯では切端部が円錐状あるいは栓状を呈し、休止では歯冠が蕾状を呈する。注意点歯の形態および色調異常の中には、健全な永久歯列獲得のために、保護者への早期の指摘をすることが重要なものもある。しかし、過度に過度の不安になってしまう保護者もいるため、十分な配慮をしていく必要があることを覚えておきたい。参考文献日本小児歯科学会. 母子健康手帳「歯の健康診査」記載マニュアルー歯の形態・色調の異常(あり・なし)の考え方と判断についてー.(URL)
482 TSUNAGU
2023年8月4日
競走馬っぽい歯科用語をまとめてみた【解説付きで勉強になります】

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今年も春の競馬シーズンが終わった。昨年、競馬を題材にしたゲームアプリの大流行もあり、若い世代にも競馬熱は広がりを見せている。競走馬の命名は独特だが、そんな独特な馬名っぽい歯科用語もたくさん存在する。本記事では、それをまとめていきたい。競走馬の命名規則は?そもそも、競走馬はどんな名前でも命名できるというわけではない。JRAの規定によって、競走馬には下記3点の命名規則が設けられている。アルファベットで18文字以内カタカナであれば9文字以内登録にはJRAの審査が必要他にも、過去にG1を制した馬と同名を付けることや、特定の個人・団体の名称を使用するなど営利目的となる場合もJRAから却下される。過去には高須クリニックの院長である高須克弥氏が「イエスタカス」という馬名でJRAに申請をしたが通らなかった経緯があるそうだ。出走馬表を作ってみた競走馬にいそうな歯科用語をまとめて、出走馬表を作成した。一応オッズも出してみたのでぜひ参考にしていただきたい。それぞれの用語を解説1D歯科用語集に収載されている用語をベースに、それぞれの用語を解説していく。スマイルラインスマイルラインとは、微笑した際に見える上顎前歯部の先端を結んだラインのことを指す。審美修復における基準となる。アーチファクトCT撮影の際に発生する、口腔内金属などによるノイズのことである。アーチファクトがあると正確な読影が困難になる。フレミタス早期接触がある歯に触知される異常な振動のことである。早期接触を認める歯に指先を当てながらタッピングやグラインディングをすることで、フレミタスを触知できる。詳細はこちら。ファルカプラスティ根分岐部病変に対する処置法のひとつで、清掃性の改善と器具の到達性を容易にすることを目的として行われる根分岐部形成術のことを指す。詳細はこちら。ヒンジアキシス「蝶番軸」とも。下顎が開閉口運動する際、下顎骨顆頭が回転運動をする左右の顆頭の回転中心を線で結んだ軸を指す。ディープバイト「過蓋咬合」とも。下顎前歯部が見えないほど、上顎前歯部に深くかぶさっている状態の不正咬合のことである。シロナグローバルに展開する歯科医療機器メーカーである。2015年にデンツプライに買収され、デンツプライシロナとなった。名前からか、白馬感がある。リーウェイスペース矯正学用語である。「乳犬歯・第一乳臼歯・第二乳臼歯の歯冠幅径の総和(C+D+Eの歯冠幅径)」から「永久歯の犬歯・第一小臼歯・第二小臼歯の歯冠幅径の総和(3+4+5の歯冠幅径)」を引いた値を指す。詳細はこちら。フェストゥーン辺縁歯肉にみられるロール状の肥厚(ロール状の腫脹)のこと。咬合性外傷や不適切なブラッシング圧が原因となる。詳細はこちら。サイナスリフト「上顎洞底挙上術」とも。インプラント治療をするための骨が不足している場合に行う骨造成術のひとつ。コーヌスクローネ維持装置としてクラスプを使わず、二重構造でできた冠を使った嵌め込み式の機構を用いた義歯のことである。ボーンサウンディング浸潤麻酔下でポケット探針や浸潤麻酔の針を用いて、歯槽骨の形態を確認する方法のことである。詳細はこちら。ハミュラーノッチ解剖学用語である。翼突上顎切痕ともよばれ、上顎結節後方にみられる半月状のくぼみの部分を指す。無歯顎者の上顎の解剖学的ランドマークのひとつ。詳細はこちら。クワドヘリックス上顎歯列の側方拡大を目的とした矯正装置である。上顎歯列弓の狭窄・第一大臼歯の近心捻転などを改善するために用いられる。詳細はこちら。トクソーリベース義歯床用硬質裏装材。株式会社トクヤマデンタルの商品名である。許諾は取っていない。デュラシール仮封材の商品名である。粉・液を別々のカップに取り出し、筆を用いて練和し窩洞に充填する。詳細はこちら。
1D編集部
2022年7月23日
珍しい「外傷による乳臼歯脱臼」症例から学ぶ、乳歯外傷への対応法

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日本小児科学会は「Injury Alert」という小児の傷害に関する情報を医療関係者向けに公表している。個別のケースを臨床医から汲み上げ、同学会が専門的な分析を行っている。1Dでは以前、転倒により4歳の男児の咽頭部に歯ブラシが突き刺ささった事故 について解説をした。今回は、女児が水を飲もうと口を付けた蛇口に、乳歯がスッポリと嵌ってしまった事故をご紹介しよう。世にも珍しい「外傷による乳臼歯脱臼」1歳9ヶ月の女児が、自宅で母親と入浴をしていた。入浴中、女児は喉が乾いたのか、浴室の水道の蛇口から、直接水を飲もうとした。その直後、女児の下顎左側第一乳臼歯が水道の蛇口に嵌ってしまった。母親が引き離したところ、乳臼歯は完全脱臼し、蛇口にくっついたままの状態となっていたという。乳歯の外傷は、ほとんどが上顎前歯部に生じる。乳歯の外傷の多くは転倒によって起こるが、前に倒れた場合は上顎前歯部をぶつけることが多いためだ。今回ご紹介するケースのように、外傷によって乳臼歯が完全脱臼することは非常に珍しい。事故後の経過と処置内容は?事故後、母親はすぐに乳臼歯を牛乳に浸して、近くの歯科医院を受診した。ところが患児の協力が得られず処置困難と判断され、翌朝になって別の歯科医院を受診した。翌朝に診察をすると、歯槽骨内は血餅で満たされ血は止まっていた。骨折線や他の歯の症状、軟組織の損傷は認めなかった。脱臼から半日以上が経過していたため、再植は予後不良と判断し、後続永久歯の歯胚への影響も含め経過観察をすることとなった。乳歯外傷は「6月の日曜日・夕方〜夜」に多い乳歯の外傷を、統計的に見てみよう。年齢は1〜3歳の男児に多い。6月、9月、10月の活動が活発になる時期に生じやすく、月曜日〜土曜日に比べて日曜日が圧倒的に多い。興味深いのは、受傷時刻だ。全体の70パーセントを16時〜21時の時間帯が占めており、ピークは20時〜21時代であった。夕食や就寝の準備で、家族の目が届きにくい時間帯に集中しているのかもしれない。原因は「蛇口の構造」にあった今回の事故の原因となった蛇口は、外径が15mm、内径は6mmであった。内部には可動性のある蛇腹構造があった(下図)。女児の第一乳臼歯の外形は7.48mmであり、蛇口の内径よりも大きかった。しかし、頭を傾けて水を飲もうとしたことや、蛇口の蛇腹構造の可動性により内径が広がったことが原因で、女児の乳臼歯はスッポリと嵌ってしまった。蛇口の構造が、その時期の乳臼歯の外径にピッタリと合致するサイズになっていたこと、女児の口が届く場所に蛇口が設置されていたことが原因として挙げられる。子どもの歯が嵌入しにくい蛇口の構造やサイズを求める必要があるだろう。「気を付ける」だけでは防げない子どもの傷害は、必ず複数件発生するものだ。蛇口による乳臼歯の脱臼も、日本小児学会に4例の報告がされている。そのすべてが入浴中に起きた事故であり、狭い年齢層の範囲に限局している。日本小児科学会は今回のケースについて「気をつけましょう、と指摘するだけでは予防できない」と指摘したうえで、「2歳未満のこどもがアクセスできる蛇口の構造を改善することが必要」との声明を出している。参考文献日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会『Injury Alert(傷害注意速報)No.30 蛇口による乳臼歯の脱臼』日本小児科学会雑誌, 2012.川野竜太郎, 那須大介, 金子貴広『乳歯脱臼の統計的検討』小児口腔外科, 2007.
1D編集部
2022年2月27日
【1D的セミナーログ】症例で学ぶ、乳歯の歯内療法

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先日、1Dでは櫻井 敦朗先生(東京歯科大学小児歯科講座講師)による「症例で学ぶ、 乳歯の歯内療法〜乳歯の特徴・抜歯基準・保隙〜」と題したWebセミナーが行われた。当日は多くの歯科医師が参加し、小児歯科は卒後研修が困難であることから関心が集まっている分野の1つであることが伺えた。本セミナーは、大きく分けて3つのコンテンツで構成されていた。1つ目は「う蝕」について、2つ目は「根管治療」について、3つ目は「保隙について」であった。講義動画(120分)を視聴する乳歯における「う蝕」の対応法まず、う蝕について。トラブルを抱えて小児歯科を受診する患者の多くが、う蝕除去をされずフッ化物塗布で経過観察されていたり、う蝕が取り残されたままコンポジットレジン修復が行なわれていたりするという現状がある。特に、露髄しそうな歯に対してコンポジットレジン充填をした場合にトラブルが多発していると講師の櫻井先生は指摘する。原則として「う蝕は取り切った上で修復する」という方向性が最も望ましいが、現実的に難しい場合が多く、進行抑制という手段を取らざるを得ない場合もあるだろう。う蝕の進行抑制の方法として、フッ化ジアンミン銀の塗布、グラスアイオノマーセメントの暫間的充填(ART法)、ホールテクニックが紹介された。フッ化ジアンミン銀は黒色に変色するため導入を迷う先生も多いが、う蝕抑制効果が高く、中期的に用いることができる。また、塗布方法としてマイクロブラシやデンタルフロスを用いた方法も紹介された。乳歯における「根管治療」の対応法次に根管治療について、生活歯髄切断法・抜髄・感染根管治療に関してそれぞれ各論的解説があった。そもそも、乳歯の歯根は歯質が薄く、歯根の安定期は非常に短い。そのため、実際に抜髄や感染根管治療を行って比較的良好な予後が望める時期は短く、上顎乳前歯なら2.5〜5歳程度、下顎第二乳臼歯であれば4〜9歳程度と限られている。また、アメリカの教科書では乳歯の歯内療法の項目自体が存在せず、行わないことが一般的である。それほど乳歯の歯内療法、特に感染根管治療は確実性が低い治療であるのだ。加えて、「乳歯の髄床底は隠れたMB2」と言われていると紹介され、乳歯の感染根管治療には洗浄と貼薬が非常に重要であることを強調された。乳歯の根管治療の貼薬剤は様々な種類があるが、「薬の拡散性」と「薬の持続性」という性質を持ったものを適切なタイミングで貼薬する必要性があると説明された。具体的には、薬の拡散性を持つものはカルビタールなどが挙げられ、薬の持続性を持つものにはビタペックスが挙げられる。さらに具体的な戦略として、まず症状がある場合はカルビタールなどの拡散性があるものを貼薬し、症状が落ち着いた段階で薬の持続性のあるビタペックスを用いるのが良いではないかとの考えを提示された。また、自費治療ではあるがMTAセメントを用いた根管充填は非常に治療成績が良いことを示され、貼薬剤のみならず根管充填剤としても予後が良いとの紹介があった。 乳歯における「保隙」の対応法最後に、小児における保隙に関する説明があった。「乳歯は自然に抜けるだろう」や「乳歯は抜けるのだから補綴治療はしっかりやらなくて良い」などの誤った考えは、後続永久歯に悪影響を与えるだけでなく、咬合に対しても悪影響があることを指摘された。現在では、バンドループなど一部保険収載されているものもあり、1つの選択肢として持っておくことも重要であることを強調していた点が印象的であった。期間限定でセミナー動画が視聴可能!本セミナーの視聴お申込みは下記ボタンから可能である。乳歯齲蝕の対応や乳歯歯内療法に関心がある先生方は、ぜひご視聴いただきたい。講義動画(120分)を視聴する
1D編集部
2021年12月17日

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