歯科用語集
2025年10月28日

トリプシン様プロテアーゼ

「トリプシン様プロテアーゼ」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

PICK UP
【便利】歯科用語をイッパツ変換できるユーザー辞書を無料配布
【速報】令和8年度診療報酬改定の骨子判明:歯科はプラス0.31%、物価高・賃上げへの「二段構え」の支援策が柱に

定義・語源

トリプシン様プロテアーゼは、主に消化酵素として知られるトリプシンに類似した機能を持つプロテアーゼの一種である。これらの酵素は、特定のペプチド結合を切断する能力を有し、主にタンパク質の分解に寄与する。語源は、トリプシン(trypsin)から派生しており、ギリシャ語の「tryptein」(切る)に由来する。トリプシン様プロテアーゼは、さまざまな生理的過程に関与し、特に免疫応答や細胞の成長、修復において重要な役割を果たす。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床において、トリプシン様プロテアーゼは、特に歯周病や口腔内の炎症に関連する研究で注目されている。これらの酵素は、歯周病原菌の活動に影響を与える可能性があり、歯周組織の破壊や再生に関与する。判断基準としては、トリプシン様プロテアーゼの活性を測定することが挙げられ、これにより歯周病の進行度や治療効果を評価する手段となる。さらに、これらの酵素のバランスが崩れることで、慢性的な炎症が引き起こされることがあるため、臨床現場でのモニタリングが重要である。


関連用語・類義語との違い

トリプシン様プロテアーゼに関連する用語としては、プロテアーゼ、エラスターゼ、カテプシンなどがある。プロテアーゼは一般的にタンパク質を分解する酵素を指し、トリプシン様プロテアーゼはその中でも特定の機能を持つものを指す。エラスターゼは、特にエラスチンを分解する酵素であり、トリプシン様プロテアーゼとは異なる基質特異性を持つ。また、カテプシンは細胞内で働くプロテアーゼであり、細胞の恒常性に寄与する。これらの違いを理解することで、臨床における適切な治療戦略を立てることが可能となる。


1Dプレミアム
1Dプレミアム

関連ニュース

トリプシン様プロテアーゼの理解と歯科臨床への応用。処置や症例における重要な視点

トリプシン様プロテアーゼの理解と歯科臨床への応用。処置や症例における重要な視点

トリプシン様プロテアーゼとはトリプシン様プロテアーゼは、特定のペプチド結合を切断する酵素群であり、主に消化過程や細胞の調節に関与する。歯科臨床においては、歯周病や口腔内の炎症に関連する症状の理解に役立つ。これらの酵素は、細胞外マトリックスの分解や、炎症反応の調節に寄与するため、歯科医師や歯科衛生士が知識を持つことは重要である。トリプシン様プロテアーゼの役割と関連症状トリプシン様プロテアーゼは、炎症性疾患において重要な役割を果たす。特に、歯周病においては、細菌感染による炎症反応が引き起こされ、これに伴いプロテアーゼの活性が増加する。これにより、歯周組織の破壊が進行し、最終的には歯の喪失に至る可能性がある。歯科医師は、これらの酵素の活性を評価し、適切な処置を行うことで、患者の口腔内の健康を維持することが求められる。トリプシン様プロテアーゼを考慮した処置と術式トリプシン様プロテアーゼの活性を抑制することは、歯周病治療において重要な戦略である。例えば、スケーリングやルートプレーニングなどの非外科的処置は、歯周ポケット内の細菌を除去し、炎症を軽減する効果がある。また、必要に応じて、抗炎症薬やプロテアーゼ阻害剤の使用も考慮される。これにより、歯周組織の回復を促進し、患者のQOLを向上させることができる。トリプシン様プロテアーゼの診断と判断ポイントトリプシン様プロテアーゼの活性を評価するためには、血液検査や唾液検査が有効である。これにより、炎症の程度や歯周病の進行状況を把握することが可能となる。特に、慢性歯周炎の患者においては、プロテアーゼの活性が高いことが多く、これを基にした診断が重要である。歯科医師は、これらのデータをもとに、適切な治療計画を立てる必要がある。トリプシン様プロテアーゼに関する注意点とコツトリプシン様プロテアーゼに関連する処置を行う際には、いくつかの注意点が存在する。まず、患者の全身状態や既往歴を考慮し、適切な治療法を選択することが重要である。また、プロテアーゼ阻害剤の使用に際しては、副作用や相互作用に注意を払う必要がある。歯科衛生士は、患者への情報提供やアフターケアを通じて、治療効果を最大化する役割を果たすことが求められる。トリプシン様プロテアーゼの臨床応用と今後の展望トリプシン様プロテアーゼの研究は進展しており、今後の歯科臨床においてもその応用が期待される。新たな治療法や診断法の開発が進む中で、歯科医師や歯科衛生士は、最新の知見を取り入れ、患者に最適な治療を提供することが求められる。特に、個別化医療の観点から、患者一人ひとりに応じたアプローチが重要となる。
1D編集部
2024年6月1日
「口腔ケアが新型コロナを予防する」は本当か?

「口腔ケアが新型コロナを予防する」は本当か?

口腔ケアを行うことによって、新型コロナウィルスの感染予防になるのではないかという言説がしばしばSNS等で見受けられる。本稿では、ネット上で見かけるこのような言説を検証しながら、新型コロナウィルスについて分かってきていることと、未だ分からないことを整理していきたい。新型コロナと誤嚥性肺炎まず、よく見かけるのが、「新型コロナウィルス肺炎は細菌性肺炎が併発することで重症化するので、誤嚥性肺炎を防ぐために口腔ケアが重要である」という言説である。NHKの情報番組でも放送されたというこの説は、一時期SNSでよく見かけることとなった。これは信頼出来る言説なのだろうか?結論から述べると、COVID-19重症化の主な要因が細菌性肺炎の併発であるとは考えられていない。重症化のメカニズムとして現段階で分かってきているのは、ウィルスによる炎症が過剰な免疫反応(サイトカイン・ストーム)を引き起こし、多臓器不全や血液凝固異常が発生するということである。血液凝固異常は血栓を形成し、塞栓症によって致命的な転帰へと至ることもある。もちろん、新型コロナウィルス由来の肺炎に細菌性肺炎が続発することは理論上あり得るが、重症化する主な理由として挙げるのはやりすぎだろう。なお、人工呼吸器を使用している際に生じるVAP(人工呼吸器関連肺炎:Ventilator Associated Pneumonia)も広い意味で誤嚥性肺炎の一種ではあるが、こちらは口腔ケアによる予防とは全く別の話であることは言うまでもない。新型コロナとインフルエンザ予防と口腔ケア次に、「インフルエンザは口腔ケアで予防出来るというエビデンスがあるのだから、新型コロナも予防出来るだろう」という言説について考えてみたい。口腔ケアによるインフルエンザの予防効果については、東京歯科大学名誉教授の奥田克爾氏らの調査が有名である。奥田らは、デイケアに通う要介護高齢者に対して歯科衛生士によるプロケアを行った場合、インフルエンザの罹患率が有意に低下したと報告している。この口腔ケアとインフルエンザの予防効果の関係については、ある程度メカニズムも分かってきている。A型インフルエンザウィルスの表面にはヘマグルチニン(HA)及びノイラミニダーゼ(NA)という2種類の糖タンパク質が存在している。HAは感染しようとする細胞にウィルスが入りこむ際に作用し、NAは感染した細胞からウィルスを放出する際に作用する。口腔内細菌には、NAを産生したり、HAを活性化させるTLP(トリプシン様プロテアーゼ)を産生するものがある。そのため、口腔ケアが不十分で口腔内細菌が多い状態だと、インフルエンザウィルスの増殖や遊離が促進されると考えられるのである。では、新型コロナウィルスではどうだろうか。まず、NAについてはコロナウィルスに存在しない。ノイラミニダーゼ阻害薬であるタミフルやリレンザが、COVID-19の治療に現状選択されていないのはそのためである。この点において新型コロナウィルスはインフルエンザウィルスとは異なるのである。そのため、口腔内細菌が産生するNAも関与しないのではないかと考えられる。一方、細胞内にウィルスが侵入する過程はどうであろうか?コロナウィルスが細胞内に侵入する際には、コロナウィルス表面に存在するスパイクタンパク質(Sタンパク質)が関与する。これはインフルエンザウィルスのHAとは異なるものであるが、細胞内に侵入するためにプロテアーゼを利用するという点については同様である。ただし、プロテアーゼの作用する様式はインフルエンザとは異なる。以上のことから、細胞にウィルスが侵入するプロセスにおいては、口腔ケアが予防に関与出来る可能性は全く無いとは言い切れない。ただ、これはまだ何も証明されてはおらず、今後の研究が待たれる。そのため、「口腔ケアが新型コロナウィルス対策に効く」と断定的に述べることは控えるべきであろう。新型コロナとアジスロマイシンCOVID-19の治療では、抗マラリア薬であるヒドロキシクロロキンと、抗菌薬のアジスロマイシンの併用療法が試されている。この療法自体、まだ有効性・安全性が確立されているものではないのだが、ここから派生して、「アジスロマイシンが効くのだから、COVID-19には細菌も関与しているに違いない」という言説を見かけることもある。なお、この「関与している細菌」というのは主張する人によって異なり、歯周病菌であったり、腸内細菌であるプレボテラであったり、様々である。この考え方はどうだろうか。まず、きちんと理解しておきたいのは、COVID-19の治療でアジスロマイシン投与が選択されているのは、細菌を抑えるためではないということである。マクロライド系抗菌薬は抗菌活性の他に、抗炎症作用を持つことが知られており、その特性を活かしてびまん性汎細気管支炎におけるマクロライド少量長期療法などが行われてきた。COVID-19はウィルスによる炎症が引き起こす免疫反応の暴走が問題となっている。そのため、免疫調整機能のあるヒドロキシクロロキンに、抗炎症作用を持つアジスロマイシンを併用し、症状の改善を試みているのである。もちろん、未知の部分が多い新型コロナウィルスについて、アジスロマイシンの静菌作用が作用していないと言い切ることは出来ない。ただ、アジスロマイシンを投与しているから細菌が原因であると主張することは、やはりナンセンスと言わざるを得ないだろう。まとめ以上、口腔ケアと新型コロナウィルスとの関係について、SNS上などで見られる言説がどの程度信用できるのかについて見てきた。 COVID-19の重症化は、誤嚥性肺炎が続発することが主たる原因とは考えづらいインフルエンザウィルスと新型コロナウィルスは構造が異なる。そのため、口腔ケアがインフルエンザ予防に寄与することを理由に、新型コロナウィルス感染予防にも効果があるとは言い切れない。ただし、今後の研究によって新たなエビデンスが明らかになってくる可能性はあるアジスロマイシンは抗炎症作用を期待して投与されているため、「アジスロマイシンが投与されているから細菌が原因である」と主張することはナンセンスである歯科医院経営においても、コロナ禍の影響は大きく、つい新型コロナウィルスの予防効果を謳いたくなることもあるかもしれない。しかし、新型コロナウィルスはまだ分からないことが多く、世界中でウィルスとの戦いが行われている渦中である。そんな中で根拠の無い言説を歯科医療に結びつけて喧伝することは、ポジショントークと捉えられても仕方がないのではないだろうか。たとえ新型コロナウィルスと関係がなくても、歯科医療は人々の健康に寄与し、幸せな人生を送ることに貢献することが出来るのは間違いない。感染予防策を最大限とりながら、この状況でも治療を必要としている患者さんに向き合うことが、長い目で見て歯科医療の社会的地位の向上に繋がるのではないかと筆者は考える。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる
歯科に詳しい丸の内OL
2020年5月14日

関連用語

レジン修復 (238)

PICK UP
【便利】歯科用語をイッパツ変換できるユーザー辞書を無料配布
【速報】令和8年度診療報酬改定の骨子判明:歯科はプラス0.31%、物価高・賃上げへの「二段構え」の支援策が柱に
1D SNS
掲載情報について

1D(ワンディー)は、歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士向けの情報が集まる、日本最大級の専門メディアです。

トップレベルの臨床家・研究者からオンラインで学べる「歯科セミナー」や、臨床・経営・ライフスタイルの最新情報が収集できる「歯科ニュース」など、多彩な歯科医療コンテンツを配信しています。

本サイトは、歯科医療関係者(歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・歯科助手・歯科学生等)を対象に、歯科医療の臨床・研究・経営等に関する情報を集約したものです。歯科医療関係者以外の一般の方に対する情報提供を目的としたものではないことをご了承ください。

また、本サイトで提供する情報について細心の注意を払っておりますが、内容の正確性・完全性・有用性等に関して保証するものではありません。詳細は利用規約をご覧ください。

SNS
1D - 歯科医師/歯科技師/歯科衛生士のセミナー視聴サービスなら
© 2026 1D inc.