歯科用語集
2025年10月28日

フェイスボウトランスファー

「フェイスボウトランスファー」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

フェイスボウトランスファーとは、歯科における顎の位置や咬合の関係を正確に記録するための技術である。この手法は、患者の顔面の特徴を考慮しながら、咬合器に情報を転送するプロセスを指す。語源は、英語の「face」(顔)と「transfer」(転送)から来ており、顔面の情報を咬合器に移すことを意味する。フェイスボウトランスファーは、特に補綴治療や矯正治療において重要な役割を果たす。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床において、フェイスボウトランスファーは、補綴物の製作や咬合調整において不可欠な手法である。正確な顎の位置を記録することで、患者に最適な補綴物を提供することが可能となる。判断基準としては、患者の顔面形状や咬合の状態、さらには治療計画に基づく適切な咬合器の選択が挙げられる。これにより、治療の精度が向上し、患者の満足度も高まる。

関連用語・類義語との違い

フェイスボウトランスファーに関連する用語には、「咬合器」や「顎位記録」がある。咬合器は、顎の動きを模倣する装置であり、フェイスボウトランスファーによって得られた情報を基に調整される。一方、顎位記録は、顎の位置を記録する手法であり、フェイスボウトランスファーの一部として位置づけられる。これらの用語は相互に関連しているが、フェイスボウトランスファーは特に顔面の情報を重視する点で独自性を持つ。

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フェイスボウトランスファーの定義と目的フェイスボウトランスファーとは、顎顔面領域の治療において、患者の顔面形態を正確に記録し、補綴物や矯正装置の製作に役立てるための技術である。この技術は、特に顎関節症や顔面の外傷、先天性異常の患者において、治療計画を立てる際に重要な役割を果たす。フェイスボウトランスファーを用いることで、患者の顔面の三次元的な情報を取得し、補綴物の適合性を高めることができる。フェイスボウトランスファーの手順と術式フェイスボウトランスファーの手順は、主に以下のステップから構成される。まず、患者の顔面に対してマーカーを配置し、次に専用のフェイスボウを使用して、患者の咬合状態を記録する。この際、咬合の位置や顎の動きを正確に測定することが重要である。次に、得られたデータを基に、補綴物や矯正装置の設計を行う。最後に、製作された補綴物を患者に装着し、適合性を確認する。この一連の流れを通じて、フェイスボウトランスファーは、精密な治療を実現するための重要な術式となる。フェイスボウトランスファーの症例と臨床での応用フェイスボウトランスファーは、さまざまな症例において有効である。例えば、顎関節症の患者においては、顎の位置を正確に記録することで、適切な治療計画を立てることが可能となる。また、外傷による顔面の変形がある患者に対しても、フェイスボウトランスファーを用いることで、補綴物の適合性を高め、機能的かつ審美的な結果を得ることができる。さらに、先天性異常の患者においても、早期に適切な治療を行うための情報を提供することができる。フェイスボウトランスファーのメリットとデメリットフェイスボウトランスファーの主なメリットは、治療の精度を高めることである。正確な顔面形態の記録により、補綴物の適合性が向上し、患者の満足度を高めることができる。一方で、デメリットとしては、手技が複雑であるため、習得に時間がかかることや、専用の器具が必要となることが挙げられる。また、患者の協力が不可欠であり、適切なコミュニケーションが求められる。フェイスボウトランスファー導入の注意点フェイスボウトランスファーを導入する際には、いくつかの注意点がある。まず、患者の状態を十分に診査し、適応症を見極めることが重要である。また、技術の習得には時間がかかるため、十分なトレーニングを受けることが推奨される。さらに、フェイスボウの選定やマーカーの配置においても、正確性が求められるため、慎重に行う必要がある。これらの注意点を踏まえた上で、フェイスボウトランスファーを臨床に活用することで、より良い治療結果を得ることができる。
1D編集部
2024年6月1日
【1D的セミナーログ】歯内療法の基本と、エンドを引き起こす咬合

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先日、1Dでは日本歯内療法学会指導医である金丸順策先生をお招きし、『30分で完了する根管形成〜歯内療法の基本とエンドを引き起こす咬合〜』と題したWebセミナーを行った。当日は多くの歯科医師の方々が参加し、質問も多く盛況となった。本記事では、そのセミナーの内容をかいつまんで解説する。歯内療法治療を制するには? 歯科治療とは細菌のコントロールと力のコントロールである。 細菌と咬合を制することで歯科治療を制することができる。これが、金丸先生が考える歯科治療の本質である。これを歯内療法治療において実現させていくためには、どのようなことをすれば良いのだろうか。重要なのは「診査・診断にこだわること」であると金丸先生は指摘する。99%の準備によって、1%の成功を得るという考え方だ。「木を見て森を見る」診査の必要性歯内療法治療というと、デンタル撮影を行ったのちに早期に歯を削去してしまいがちだが、それでは十分に原因がわからないまま、「なんとなくの治療」を提供してしまっていることになる。術前診査は視診→打診→エックス線→Coldテストと、歯髄電気診による歯髄診査→咬合診査→印象採得・フェイスボウトランスファーおよび模型上診査を必ず流れで行うべきであると金丸先生は語る。歯髄診査について、電気診だけだと10%の生活歯を失活歯と捉えてしまう誤診を引き起こす可能性があるため、パルパーなどのcoldテストを併用する必要がある。ここまで詳細な診査を1本の歯のためにやる必要があるのだろうか。それは「木を見て森を見る」 ということである。つまり言い換えれば、「1本の歯を見て口腔内全体を見ることが重要である」とセミナーでは強調されていた。1本の歯の長期的予後のためには、正確な歯内療法・正確で良い補綴物・健全な歯周組織に合わせて咬合を考えることが重要なのである。 治療における3原則とは?次に治療のパートに入る。実際の治療の中で多くの歯科医師は、上顎第二大臼歯の近心頬側根の治療が一番難しいと考えているだろう。金丸先生が大事にされている歯内療法の原則によりそれを解決することができるかもしれない。それは最短距離の歯内療法のための根管形成の3原則、肉眼治療・近心操作・直線操作 である。手技としては、肉眼的に直視的に術野を見るために近心頬側を多めに削り落とし、アクセスホールは咬頭頂を含んでしっかりボックスで開けて行くことだ。これを行うことで格段に歯内療法のスピード、安全性を向上させることができるだろう。正しい診断のために歯科医師として重要なこと歯内療法というと、治療の側面にフォーカスされてしまいがちだがそれは必ずしも正しいとは言えない。正しい診断あってこその正しい治療なのだ。セミナーでは最後に、金丸先生が考える「正しい診断のために歯科医師として重要なこと」が紹介されて締め括られた。その言葉とは、「知識・興味・直感力・好奇心・忍耐力」である。明日からも、この言葉を意識して診療に当たりたいものである。
金丸 順策
2022年6月18日

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