「令和4年歯科疾患実態調査」公表される。歯科検診の受診率は全体で58.0%に
厚生労働省は6月29日、「令和4年歯科疾患実態調査」の結果(概要版)を取りまとめ、公表した。今回は、そのなかの一部を抜粋して紹介していく。調査の概要歯科疾患実態調査は、わが国の歯科保険の状況を把握し、今後の歯科保険医療対策を推進するための基礎資料を得ることを目的として行われている。本来なら令和3年に実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響により令和4年に実施された。調査期間は令和4年11月または12月中の任意の1日とし、調査対象は令和4年国民生活基礎調査で設定された地区(令和2年国勢調査の調査区から層化無作為抽出した全国5,530地区)から抽出した300地区内の世帯の満1歳以上の世帯員で、被調査者数は2,709人であった。調査対象地区内の会場で、歯科医師が調査対象者の口腔診査を実施している。主な診査項目は以下の通りである。歯や口の状態歯をみがく頻度歯や口の清掃状況過去1年間における歯科検診受診の有無過去1年間におけるフッ化物応用の有無矯正歯科治療の経験の有無歯・補綴の状況歯肉の状況永久歯のDMF歯数5歳以上10歳未満では処置歯まだは未処置のう歯を持つ者の割合は3%を下まわったが、25歳以上では80%以上と高く、特に45歳以上50歳未満、55歳以上60歳未満、65歳以上70歳未満では100%に近かった。過去の調査と比較すると、5歳以上35歳未満では減少傾向を示していたが、55歳以上では増加傾向にあった。5歳以上15歳未満の1人平均 DMF 歯数(DMFT指数)は、近年著明な減少傾向を示していた。15歳以上の年齢階級においてDMFT指数を過去の調査と比較すると、若年者において減少が見られるだけでなく、35歳以上の各年齢階級においても緩やかに減少する傾向にあった。1人平均処置(充填、クラウン)歯数は、男女を比較すると女性の方が高値を示した。現在歯の状況(8020達成者等)20歯以上の自分の歯を有する者は、55歳以上では一部の年齢階級を除いて増加傾向であった。8020達成者の割合(80歳で20本以上の歯を有する者の割合)は、75歳以上85歳未満の20本以上歯を有する者の割合から51.6%と推計され、前回調査時(51.2%)とほぼ同じであった。また男女別に見た20歯以上歯を有する者の割合及び1人平均現在歯数は、65歳以上では女性において高値てとなっている。フッ化物の使用経験フッ化物応用の経験のある者は59.4%であった。そのうち、フッ化物塗布の経験のある者は13.1%、フッ化物洗口の経験のある者は3.2%、フッ化物配合歯磨剤使用の経験のある者は52.4%であった。1〜14歳の年齢階級に絞ると、フッ化物塗布経験者の割合は41.5%と高値を示した。歯をみがく頻度1 歳以上の者では、毎日歯をみがく者の割合は 97.4%であった。毎日2回以上歯をみがく者の割合は増加を続けており、令和4年では79.2%であった。歯科検診の受診状況この1年間に歯科検診を受けましたかという質問に「受けた」と答えた者の割合は、全体で58.0%であった。男性では30歳から50歳未満の年齢階級において、歯科検診を受診している者が低い傾向にあった。矯正歯科治療の経験矯正歯科の経験がある者の割合は、全体で7.7%であった。また、50歳未満では2割近くが経験があり、特に10歳以上40歳未満の年齢階級で高く、男女別では女性において高い傾向を示した。国民の歯科への意識は高まっている若年層での矯正経験が顕著に増加していることや、低年齢におけるフッ化物応用経験からみても国民の歯科への関心、口腔の健康意識は高まっていると考えられる。歯科検診受診率も過半数を超え、国民皆歯科検診への期待感も大きいだろう。今後の動向にも注目していきたい。参考文献厚生労働省. 令和4年歯科疾患実態調査結果の概要. 2023.6.29(PDF)