歯科用語集
2025年10月28日

見当識

「見当識」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

PICK UP
【便利】歯科用語をイッパツ変換できるユーザー辞書を無料配布
【速報】令和8年度診療報酬改定の骨子判明:歯科はプラス0.31%、物価高・賃上げへの「二段構え」の支援策が柱に

定義・語源

見当識とは、物体の位置や方向を認識する能力を指す。特に、視覚情報を基にした空間認識能力が重要である。語源は「見当」と「識」であり、「見当」は位置を見極めること、「識」は認識することを意味する。歯科領域においては、患者の口腔内の状態を把握するために必要な能力であり、診断や治療計画の立案において重要な役割を果たす。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床現場において、見当識は特に診断の精度に影響を与える。例えば、歯科医師が患者の口腔内を観察する際、見当識が優れていることで、歯の位置関係や顎の動き、さらには周囲の組織との関係を正確に把握できる。判断基準としては、視覚的な情報だけでなく、触覚や聴覚などの他の感覚も統合して評価することが求められる。これにより、より正確な診断が可能となり、適切な治療方法を選択するための基盤が築かれる。

関連用語・類義語との違い

見当識に関連する用語としては、「空間認識」や「位置認識」が挙げられる。空間認識は、物体の位置関係を理解する能力を指し、見当識はその一部であると言える。一方、位置認識は特定の物体の位置を特定する能力を強調するため、見当識の広範な概念とは異なる。また、見当識は視覚情報に依存するため、視覚障害を持つ患者に対しては、特別な配慮が必要となる。これらの用語の違いを理解することで、より効果的な診断と治療が可能となる。

1Dプレミアム
1Dプレミアム

関連ニュース

見当識の理解と臨床応用。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき症例と診断ポイント

見当識の理解と臨床応用。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき症例と診断ポイント

見当識とは何か見当識とは、患者が自分の位置や時間、周囲の状況を正しく認識する能力を指す。歯科臨床においては、特に高齢者や認知症患者において、この能力が低下することが多い。見当識の低下は、治療の理解や協力に影響を及ぼすため、歯科医師や歯科衛生士はこの点を十分に考慮する必要がある。見当識の評価は、患者の全体的な健康状態や心理的な背景を把握する上でも重要である。特に、治療に対する理解度や不安感を軽減するためのアプローチを考える際に、見当識の理解は欠かせない要素となる。見当識の低下がもたらす影響見当識の低下は、患者の治療に対する協力を妨げる要因となる。例えば、患者が自分の治療内容や次回の予約を忘れることがあるため、治療計画の進行に支障をきたすことがある。また、見当識が低下した患者に対しては、適切なコミュニケーションが求められる。具体的には、治療の目的や手順を繰り返し説明することが重要であり、患者が安心して治療を受けられるように配慮する必要がある。さらに、見当識の低下は、患者の痛みや不快感の訴えにも影響を与えることがあるため、注意深い診査が求められる。見当識の評価方法見当識の評価には、いくつかの方法が存在する。一般的には、簡易的な質問やテストを用いて、患者の見当識を確認することが多い。例えば、現在の日時や場所、周囲の人々についての質問を行うことで、患者の認識能力を評価することができる。また、認知機能の評価を行うための標準化されたテストも利用されることがある。これにより、患者の認知機能全般を把握し、見当識の低下を含む問題を特定することが可能となる。評価結果に基づいて、患者に対する適切なアプローチを考えることが、歯科医療の質を向上させるために重要である。見当識の改善に向けたアプローチ見当識の改善には、患者とのコミュニケーションが重要である。具体的には、治療の内容や手順を明確に説明し、患者が理解できるように配慮することが求められる。また、治療中に患者の不安を軽減するためのサポートを行うことも重要である。さらに、環境の整備も見当識の改善に寄与する。例えば、診療室内の表示や案内を分かりやすくすることで、患者が自分の位置を把握しやすくなる。このようなアプローチを通じて、患者の見当識を改善し、治療への協力を促進することが可能となる。見当識に関する注意点見当識に関する注意点として、患者の個々の状態に応じたアプローチが求められる。特に、高齢者や認知症患者に対しては、柔軟な対応が必要である。また、見当識の低下が見られる場合には、無理な治療を避け、患者のペースに合わせた治療計画を立てることが重要である。さらに、見当識の低下が進行する場合には、専門的な支援を考慮することも必要であり、他の医療機関との連携が求められることもある。まとめ見当識は、歯科臨床において重要な要素であり、患者の治療への協力や理解を促進するために欠かせない。見当識の評価や改善に向けたアプローチを通じて、歯科医師や歯科衛生士は、より良い治療環境を提供することが可能となる。今後も、見当識に関する理解を深め、患者に寄り添った治療を行うことが求められる。
1D編集部
2024年6月1日
歯科医院は「認知症患者」にどう対応すべきか?

歯科医院は「認知症患者」にどう対応すべきか?

超高齢社会の我が国において、認知症は「身近な疾患」となっている。歯科医院においても、これまで通院していた患者が罹患する可能性も高く、対応に関する知識習得が必要だ。もし、認知症の患者が「義歯を盗まれた」と言ってきたら。もし、頻繁に治療日を勘違いしてしまったら。あなたは適切な態度で向き合うことができるだろうか。知っておくべき認知症のキソ知識まずはじめに、認知症について知っておくべき基礎知識を整理しよう。日本神経学会の『認知症疾患治療ガイドライン』によれば、認知症とは下記の疾患と定義される。認知症とは、アルツハイマー病その他の神経変性疾患、脳血管疾患その他の疾患により日常生活に支障が生じる程度にまで認知機能が低下した状態として政令で定める状態をいう。認知症の主な症状は、下記1〜5の「中核症状」と、6の「周辺症状」とに大別できる。記憶障害見当識障害(時間や場所がわからなくなる)理解力・判断力の低下失語・失行(日常的にできていたことができなくなる)、失認(目の前のものが何かわからない)遂行機能障害(約束が守れない)行動・心理症状(BPSD)また認知症の分類は、脳細胞の変性のない「神経変形性疾患」と、変性のある「脳血管障害」、「混合型」、「その他(感染性疾患など)」に分けられる。また、認知症の検査には、改定長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)、ミニメンタルステート検査(MMSE)、FAST(Functional Assessment Staging of Alzheimer's Disease)など、スクリーニングを質問形式で行うものがある。その後、必要に応じて脳画像検査(CT、MRI、SPECT)を行う。なお、認知症に対する治療は基本的には対症療法となり、根本的な治療は現在のところない。認知症による歯科診療上の問題とは?認知症によって出現する歯科診療上の問題や臨床におけるポイントとしては、下記の6点が挙げられる。健常者よりう蝕・歯周病が多い義歯の取り扱い・管理ができなくなる開口拒否のため粘膜疾患の悪化が著しい咀嚼機能の低下により低栄養リスクが高まる摂食嚥下機能が低下する義歯未装着者は認知症を発症しやすい上記項目について、それぞれ詳しく解説していこう。健常者よりう蝕・歯周病が多い認知症患者は、自発的な清潔行動の低下、手指の巧緻性の低下、視空間認知障害により、セルフケアは困難となるため、歯周病や歯頸部う蝕が多発してしまう。義歯の取り扱い・管理ができなくなる義歯の着脱ができなくなり、支台歯や粘膜が不潔となり、口腔状態の悪化へとつながる。逆に新義歯を未装着のまま過ごすこともあり、栄養状態の悪化の原因ともなっている。開口拒否のため粘膜疾患の悪化が著しい認知症においては口腔清掃の必要性を理解できなくなり、開口拒否が目立つようになる。そのため、口内炎やカンジダが発生しやすく、難治性となってしまう。また潰瘍や腫瘍の発見も遅れ、重症化することもある。咀嚼機能の低下により低栄養リスクが高まる認知症患者は義歯装着困難により、機能歯数の減少が起き、咬合支持を失うケースが多い。そして廃用による筋機能の低下を引き起こし、摂食可能な食品が減少するため、低栄養となってしまう。摂食嚥下機能が低下する食具の使用の失行により、手づかみ食べとなり、一口量の調節ができないため、誤嚥や窒息のリスクが上がり、誤嚥性肺炎を合併しやすくなる。義歯未装着者は認知症を発症しやすい歯がなくても義歯装着している人と20本以上歯を有した人とで比較したところ認知症発症リスクに差がなかったという結果が出ており、認知症と咀嚼能力、歯の喪失、口腔衛生の関連を示唆する報告もある。いかにして認知症患者に対応すべきか?歯科診療上、認知症患者に対して気を付けるべきポイントは理解できた。それでは実際に、どのようにして認知症患者に対応するべきだろうか。ポイントは、下記の点である。歯の定期ケアをつづけ、関わりを途切れないようにすること信頼関係を築き、お互いの言いたいことを伝えあうこと急かさないこと。本人のペースを尊重し、イライラしない環境づくりをすること笑顔で接すること声かけは正面から目線の高さを合わせて一人で話しかけること被害妄想(義歯を盗まれた、など)への対応は否定せずに、共感してあげること感情のコントロールができず、暴力をふるう方への対応は同じ力で返すのではなく、その場を一旦離れ、冷静になってから、穏やかに対応すること服薬拒否や治療拒否への対応は、医師が処方した薬の写真やメモを書いて本人にあげることで改善することもあるが、まずは認知症の主治医に相談すること認知症患者の自立を助けるために些細なことでも早期に発見すれば、認知症患者の自立を支援する機会も広げることができる。例えば、急激にプラークコントロールが悪化したり、う蝕・歯周病が増えたなどの口腔内の変化や、会計や予約時の不安な様子、頻回の予約間違い、診療室内での挙動やユニットの移乗・うがいをする場面でのたどたどしさ、診療に対する不安を話してくるなどがサインとなってくる。口腔内に変化がなくても、行動から早期発見できることもあるため、歯科医師・歯科衛生士のみならずチームでの認知症に対する理解が必要だ。われわれ歯科医療者にできることは、認知症患者を見捨てないでサポートしていく、あたたかい世の中づくりへの担い手となることではないだろうか。参考文献『認知症患者の歯科的対応および歯科治療のあり方:学会の立場表明 2015.6.22版』日本老年歯科医学会, 2015.06.22.『認知症疾患診療ガイドライン2017』日本神経学会, 医学書院, 2017.07.31.『こころの病気を知る 認知症』厚生労働省, 2022年3月29日閲覧.『学研CoCofump 【専門家監修】認知症の方への対応方法 家族の接し方・収集癖やせん妄等の対処法を紹介』矢野大仁, 2022年3月29日閲覧.
Imani
2022年4月3日

関連用語

レジン修復 (238)

PICK UP
【便利】歯科用語をイッパツ変換できるユーザー辞書を無料配布
【速報】令和8年度診療報酬改定の骨子判明:歯科はプラス0.31%、物価高・賃上げへの「二段構え」の支援策が柱に
1D SNS
掲載情報について

1D(ワンディー)は、歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士向けの情報が集まる、日本最大級の専門メディアです。

トップレベルの臨床家・研究者からオンラインで学べる「歯科セミナー」や、臨床・経営・ライフスタイルの最新情報が収集できる「歯科ニュース」など、多彩な歯科医療コンテンツを配信しています。

本サイトは、歯科医療関係者(歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・歯科助手・歯科学生等)を対象に、歯科医療の臨床・研究・経営等に関する情報を集約したものです。歯科医療関係者以外の一般の方に対する情報提供を目的としたものではないことをご了承ください。

また、本サイトで提供する情報について細心の注意を払っておりますが、内容の正確性・完全性・有用性等に関して保証するものではありません。詳細は利用規約をご覧ください。

SNS
1D - 歯科医師/歯科技師/歯科衛生士のセミナー視聴サービスなら
© 2026 1D inc.