重積歯(dens invaginatus / dens in dente)とは、歯の発育過程でエナメル器の外面が歯の内部に陥入することで生じる形態異常をいう。dens invaginatusはラテン語で「陥入した歯」、dens in denteは「歯の中の歯」を意味する。歯内歯とも呼ばれる。上顎側切歯に最も好発し、発生頻度は報告により0.3〜10%と幅がある。陥入部の表面はエナメル質で覆われるが、形態的に清掃困難であるため齲蝕や歯髄壊死のリスクが高い。陥入の程度はOehlers分類(1957)により3型に分類される。I型は歯冠内にとどまる軽度陥入、II型はCEJを超えて根管内に達するが根尖に開口しない、III型は根尖部に開口し第二の根尖孔を形成する。
重積歯は萌出後早期に予防的シーラントまたは充填により陥入部を封鎖することが推奨される。陥入部から齲蝕が進行すると若年者でも歯髄壊死に至ることがあり、根尖性歯周炎を呈して初めて発見される例も少なくない。診断にはデンタルX線写真が有用で、歯冠内に逆滴状の放射線透過像として認められる。CBCTは三次元的な陥入範囲の把握に優れ、Oehlers III型の治療計画立案に不可欠である。治療はOehlers分類に応じて異なり、I型は予防的充填、II型は通常の根管治療、III型は複雑な根管形態のため通法の根管治療が困難な場合があり、外科的歯内療法やMTAによるバリア法が選択される。
重積歯(dens evaginatus):エナメル質が外方に突出する形態異常で、重積歯(dens invaginatus)とは陥入の方向が逆。中心結節がこれに該当し、小臼歯に好発する。dens invaginatusが「内方への陥入」であるのに対し、dens evaginatusは「外方への突出」である。Oehlers分類:重積歯の陥入深度による分類法。治療方針の決定に直結する。歯内歯:重積歯の同義語。X線像が歯の中に小さな歯が存在するように見えることに由来する。