歯科用語集
2025年10月28日

クリアランス

「クリアランス」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

クリアランスとは、歯科治療において、特定の治療や手技が行われる際に必要な空間や距離を指す用語である。語源は英語の「clearance」であり、「クリアにする」「空ける」という意味を持つ。歯科においては、特に補綴物や矯正装置の装着時に、隣接歯や歯肉との適切な距離を確保することが求められる。これにより、機能的かつ審美的な治療結果を得ることが可能となる。クリアランスは、歯科用語の中でも重要な位置を占めており、特に補綴治療や矯正治療においてその概念が強調される。


臨床における位置づけ・判断基準

クリアランスは、臨床現場において非常に重要な判断基準となる。特に、補綴物の設計や製作において、隣接歯とのクリアランスが適切であることは、治療の成功に直結する。例えば、クラウンやブリッジを製作する際には、隣接歯との接触を避けるために、適切なクリアランスを確保する必要がある。また、矯正治療においても、歯の移動に伴うクリアランスの調整が求められる。これにより、歯の位置が正確に整えられ、治療効果が最大限に引き出される。


関連用語・類義語との違い

クリアランスに関連する用語には、「スペース」や「ギャップ」があるが、これらは微妙に異なる意味を持つ。スペースは、一般的に物理的な空間を指し、クリアランスは特に治療における適切な距離を強調する用語である。また、ギャップは、隙間や空白を指すことが多く、クリアランスとは異なり、必ずしも治療における適切な距離を意味しない。したがって、クリアランスは、歯科治療における具体的な基準として位置づけられる。


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クリアランスの定義と臨床での活用法。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき処置と症例のポイント

クリアランスの定義と臨床での活用法。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき処置と症例のポイント

クリアランスとは何かクリアランスとは、歯科治療において特定の処置や材料が適切に機能するために必要な空間や距離を指す。特に、義歯やインプラント治療においては、周囲の組織との関係性が重要であり、クリアランスが不足すると、機能や審美性に悪影響を及ぼす可能性がある。クリアランスの適切な設定は、治療の成功に直結するため、歯科医師や歯科衛生士はその重要性を理解し、臨床において適切に判断する必要がある。クリアランスの種類とその重要性クリアランスには、主に「垂直クリアランス」と「水平クリアランス」が存在する。垂直クリアランスは、義歯やクラウンの高さを決定する要素であり、水平クリアランスは、隣接する歯や組織との距離を示す。これらのクリアランスを適切に設定することで、義歯の安定性や快適性を向上させることができる。特に、インプラント治療においては、周囲の骨や軟組織との関係が重要であり、クリアランスの不足はインプラントの失敗につながることがある。クリアランスを考慮した処置の手順クリアランスを考慮した処置には、まず初めに診査を行い、患者の口腔内の状態を把握することが重要である。次に、必要なクリアランスを計算し、適切な材料や技術を選定する。具体的な手順としては、まず模型を作成し、クリアランスを測定する。その後、義歯やクラウンの設計を行い、最終的な製作に移る。これらの手順を通じて、クリアランスを適切に設定することで、治療の成功率を高めることができる。クリアランスに関する症例と注意点クリアランスに関連する症例としては、義歯の製作やインプラント治療が挙げられる。これらの症例では、クリアランスの設定が不適切であると、義歯の脱落やインプラントの失敗を引き起こす可能性がある。注意点としては、患者の口腔内の変化や治療後の経過観察が重要である。特に、インプラント治療後は、周囲の組織の状態を定期的にチェックし、必要に応じてクリアランスの調整を行うことが求められる。クリアランスのメリットとデメリットクリアランスを適切に設定することには多くのメリットがある。例えば、義歯の安定性や快適性が向上し、患者の満足度が高まる。また、インプラント治療においては、周囲の組織との適切な関係が保たれることで、治療の成功率が向上する。一方で、クリアランスの設定が不適切である場合、治療の失敗や患者の不快感を引き起こす可能性があるため、十分な注意が必要である。クリアランスの診断と導入のコツクリアランスの診断には、口腔内の詳細な観察と模型作成が不可欠である。これにより、患者の口腔内の状態を正確に把握し、適切なクリアランスを設定するための基礎データを得ることができる。導入のコツとしては、過去の症例を参考にし、クリアランスの設定に関する経験を積むことが重要である。また、最新の研究やガイドラインを常に確認し、知識をアップデートすることも求められる。
1D編集部
2024年6月1日
【1Dの日】支台歯形成、5倍速、マージン形成のセミナーを無料配信

【1Dの日】支台歯形成、5倍速、マージン形成のセミナーを無料配信

2024年2月11日、1Dの人気セミナーを厳選し、無料放映するセミナーイベント「1Dの日」第2回(URL)が開催されます。毎月11日に行われるこのイベントでは、通常であれば1Dプレミアムで配信されているセミナーをYouTubeライブで視聴することができます。演題は「ハードモード支台歯形成」(小川勝久先生:神奈川歯科大学クラウンブリッジ補綴学分野客員教授)、「5倍速による精密診療」(遠山敏成先生:日本補綴学会 )、「セラミックスクラウン マージン形成のテクニック」(村川達也先生:日本歯周病学会認定医 )の3本立てです。明日からの臨床に活かせるポイントが凝縮されたセミナーなので、下記ボタンから是非お気軽に視聴予約をして下さい。無料でセミナーを視聴する『ハードモード支台歯形成』傾斜した大臼歯、口が開かない人、クリアランスの少ない人など…。世の中には、様々な厳しい条件下での難易度MAXな支台歯形成が多く存在します。そんな症例に遭遇した時、先生方はどう対応されますか?困難な症例であってもミニヘッドや角度を変えたタービンを使ったりちょっとしたテクニックで乗り越えることが可能です。しかし、優れた器具やテクニックを生かすにはベースとなる形成テクニックをマスターしていることが大前提となります。このセミナーでは神奈川歯科大学クラウンブリッジ補綴学分野客員教授 小川勝久先生に厳しい条件下での支台歯形成に必要なベースとなる基礎的なテクニックからそれらを生かしたブリッジやテーブルトップなどの応用スキル、おすすめツールについて解説していただきます。困難な支台歯形成に挑戦したくなるセミナーです。無料でセミナーを視聴する『5倍速による精密診療』「5倍速持ってはいるけど、いまいち使い所がわからない」。近年、支台歯形成で主流になっている5倍速コントラですが、なぜ有用なのか、どんなメリットがあるのかご存知ですか?5倍速コントラは軸にブレが少なく、タービンと比較して回転数が低いためチッピングや発熱を抑えられます。つまり、高精度かつ低侵襲な支台歯形成が行えます。例えば、CAD/CAMなどの緻密さが求められる形成で重要となってきます。また、これらの強みを活かすには症例ごとに適したバーの選択や、形成時のテクニックなど器具を使いこなすことも求められます。このセミナーでは日本補綴学会 遠山敏成先生に、5倍速コントラを活かした形成テクニックを中心に、タービンとの使い分けと比較、メリット・デメリット、各種メーカーの特徴、形成時のバーの選択など高精度な形成に必要な知識を解説していただきます。明日から形成が楽しみになるセミナーです。無料でセミナーを視聴する『セラミックスクラウン マージン形成のテクニック』マージンの設定位置、もしかして形成しながら考えていませんか?前歯部など審美性が求められる箇所での需要が高いセラミッククラウン、長期間審美性と機能性を維持したいですよね。しかし、歯肉の厚みや歯軸の傾斜、咬合やクリアランスなどの因子により、数年後「こんなはずじゃなかった…」と反省することも少なくありません。中には生物学的幅径をおかし、歯周炎の原因になってしまうなんてケースも…。そうならないためにも、適切な診査・診断に基にマージンを形成し、最終補綴装置を製作することが求められます。このセミナーでは日本歯周病学会認定医 村川達也先生に、美しい歯肉ラインのためのセラミック・ジルコニアクラウンのマージン設定、垂直的形成・vertical preparation、最終補綴装置に至るまでを解説していただきます。苦手の理由がわかるセミナーです。無料でセミナーを視聴する
1D編集部
2024年2月7日
【槻木恵一寄稿】唾液検査に「ちょっと待った!」

【槻木恵一寄稿】唾液検査に「ちょっと待った!」

近年、PCR検査をはじめ様々な検査の検体として唾液が用いられるようになった。中でも国民皆歯科健診を控え、歯周病のスクリーニングとして唾液検査が検討されていることは歯科界においても注目が高いだろう。唾液検査は簡便で患者の負担も少なく非常に有益であるが、そのイメージだけが先行し乱雑に応用されることの危険性について専門家たちが警鐘を鳴らしている。今回は特定非営利活動法人日本唾液ケア研究会理事長であり、神奈川歯科大学副学長の槻木恵一先生に特別に寄稿いただいた。唾液検査学は未成熟である唾液を用いた検体検査は、新型コロナウイルスに対するPCR検査の普及で、短期間に大きく国民の認知を得ることができた。これは急激な変化であり、そのプラスの面とマイナスの面を十分考慮しないといけないと考えている。特にプラスの側面としては、唾液検査の認知度の飛躍的な向上であるが、一方でせっかく認知された唾液検査が、マイナスの側面により、後退することがあってはならないと危惧をしている。マイナスの側面とは何だろうか。最大の問題は、唾液検査学という学問が未成熟で確立されていないことである。検査というカテゴリーに属する事項であれば、ヒトを対象としていることから、そこには厳粛な対応が必要であり、裏打ちされた学問に基づかなければ、単なる民間療法の域をでないことになる。そして、国民から唾液検査そのものが怪しいものに映るかもしれない。実際、インターネットで購入できる唾液検査の商品にはクオリティの低いものが登場している。唾液という存在を扱い体系的な教育を行っているのは、歯学部や歯科衛生士の養成課程であり、医師、薬剤師などでは唾液に関する教育はほとんど行われていない。看護師と管理栄養士の国家試験では口腔ケアに関連し唾液が出題されることがあるようなので、何らかの科目で触れているのであろう。これらの教育状況を考慮すると唾液の主たる専門家は、歯科医師と歯科衛生士であることは疑いない。すなわち、唾液検査学をリードするべき使命が歯科医師や歯科衛生士にはあると確信している。本解説では、唾液検査の歴史、世界的動向、唾液検査の問題点などを踏まえて、最後に唾液検査に関する提言を行いたい。歯科医療における唾液検査現在の唾液検査の現状を鑑みると、唾液検査といっても大きく2つに分類できる。歯科系唾液検査とそれ以外である。それ以外に分類される唾液検査が扱う領域は非常に多岐である。ここでは、歯科系の唾液検査以外を臨床唾液検査と称したい。歯科医療における唾液検査の利用目的は、う蝕のリスク診断、歯周病のリスク診断や病勢診断などになる。しかし、これらは本格的な保険導入がされていないことから、主に自費での扱いになり、意外に歯科医療においては唾液検査への関心は薄いのではないだろうか。そのことが、口腔という乾燥を大敵とする臓器において、極めて重要な生理的働きを行う唾液の機能性に注目をしない歯科医療が続いているような気がする。例えば、唾液量を測定するだけでも、口腔の疾患に対するリスク要因を理解でき、う蝕や歯周病の診療にも大いに役立つ情報の筈である。う蝕や歯周病の病変の特徴は、予防が効果的な病変であることである。特にう蝕に対して生体は、免疫機構や再生現象が働かず、すなわち自然治癒がないので、そもそも病気にならないことが最も重要である。その点では、医科で扱う疾患概念とは大きく異なる病変と言える。医科は、やはり治療主体の医療であり、病気を治すことができなければならないが、歯科は、病気にさせない取り組みこそ、病変の特徴から考えて重要な医療としての役割ではないだろうか。そのための検査として唾液の有用性には疑いがない。昨今取りざたされている国民皆歯科健診においては、そのスクリーニング検査として唾液検査が導入される可能性が指摘されている。国民皆歯科健診は、その趣旨に沿い実行されれば、8020運動と同様に成果を上げ、そして国民の健康レベルを底上げできると考えられる。その理由は簡単で、歯科医療が扱う病変はもともと予防が効果的に実行できるからである。そして、唾液検査からはじまる国民皆歯科健診となった場合、唾液検査の歴史上、歯科医療における初めての唾液分野でのブレイクスルーとなることが予想できる。だからこそ成功させたい。医科では3度のブームが到来歯科系の唾液検査について医中誌で調査すると最も古い文献は、1982年の「歯科臨床における口腔環境評価へのアプローチ唾液検査用試験紙(pH,緩衝能,潜血およびグルコースクリアランス)の実用化」という原著論文である。口腔環境評価というタームは、非常に重要で、口腔環境とは唾液そのものである。口腔という臓器は進化の過程で考えると、海中から陸上に上がるにあたり、大きな変化が起こっている。それは、海中では口が乾燥することは無く、水流が常に生じているので汚れることも無い。そのため魚にはう蝕が無い。しかし、陸上に生活の場を変えたことで、口が乾燥する状況が生じ、唾液による100ミクロンの薄い流体で覆われるシステムが備わった。また、口から食べることにより、嚥下や咀嚼に唾液が必要となり大唾液腺が発達してくるし、食べるものの違いで唾液の組成が進化していく。この様に、唾液は口腔の機能維持や感染予防としての機能を発達させてきており、進化の側面から考えると唾液が如何に重要かわかる。しかし、口腔の評価としての唾液を用いた歯科系唾液検査が、話題を呼ぶことは20年来一度もない。一方で、臨床唾液検査では3回の社会を賑わすブームが存在している(図)。唾液ブームの1回目は、約22年前の1999年頃に唾液を用いたストレス測定が大きな話題となった。唾液中のクロモグラニンが精神ストレスと関連することを見出し、トヨタ製の車の乗り心地の評価に使われた。さらに、2007年頃、アミラーゼでもストレスの測定ができることを示し、簡易的に測定できるアミラーゼモニターが開発され、唾液検査において社会実装された初めての機器となった。現在でも販売されている。その他、IgA、コルチゾールなどストレスを測定する唾液マーカーが開発されている。2回目のブームは、2010年頃に唾液からがん診断できることが発見され、マスコミから大きな注目を集めた(後程解説あり)。3回目のブームは、唾液を用いた新型コロナウイルスの検出である。唾液を用いた感染症の診断で保険収載されており、完全な社会実装を短期間で獲得した。これら3つのブームの立役者は、システムエンジニアと医師であり歯科医師ではない。現在でも、唾液の特徴である非侵襲性が注目され唾液検査の開発競争が様々な企業で展開されている。臨床唾液検査の開発と世界的動向唾液は、血液から産生されることから血液中の成分が移行してくる。すなわち血液と唾液は相関性が高いはずである。しかし、相関する成分もある一方、相関性のないことも多い。相関性がある場合も、一般的に血液より唾液の方が100倍から1000倍濃度が低い。すなわち薄まっている。これまで、臨床唾液検査で、非常に成功しているのは、主に感染症の診断である。HIVの唾液による抗体検査は正診率が92%といわれている。この場合の抗体は、感染後に血中に存在する抗HIV抗体であり、血中から移行してきた抗体を検出している。同様の理論で、新型コロナウイルスに対するIgG抗体検査も存在するが、抗体の形成には時間がかかることから、今現在の感染を診断するためにはPCRが用いられてきた。今後も感染症の診断に唾液検査の開発が進むと思われる。また、癌のリスク検査については、メタボローム解析を用いたAIによるリスク判定が社会実装されている。膵臓癌、胃癌、大腸癌などの癌のリスク診断に関しては、論文も非常に多く信頼性が高く、世界をリードする研究として発展している。癌に関する唾液検査は、アメリカUCLAのDevid Wong教授の研究がリードしていたが、現在では日本が最先端を走っている。唾液による診断への応用は、分析技術の進歩により、唾液プロテオーム、トランスクリプトーム、マイクロRNA、メタボローム、およびマイクロバイオームを調査する「唾液オミクス」と呼ばれる新しい時代が開かれており、臨床唾液検査は極めて有望な分野であることは間違いない。唾液検査「最大の難点」唾液検査と血液検査を比較すると、唾液検査の利点は簡便で非侵襲性に採取でき、誰でもできるという事が挙げられる。一方で、欠点もあるのだが、唾液検査の利点ばかりに注目されてきたところに問題があるのではないかと考えている。結論から示すと唾液検査は、血液検査と比較して、基準値の設定が難しい点が最大の難点である。特に単一の出口から唾液が出ればよいが、実際は3大唾液腺からの分泌により混合されてしまう。また唾液が口腔内に放出された瞬間から、空気に触れpHの変動範囲は、血液よりかなり大きい。また、口腔細菌により代謝されることで成分の変動や不純物が大量に含まれてしまう。この様に唾液は、血液のような濃度調整が厳密に行われた液体ではないのである。さらに、採取法によっても成分の変動が生じることが報告されている。この難題に対して、唾液中の成分の濃度をnormalizeする内部標準の開発や、適切な採取条件についてのガイドラインの作成など、唾液を扱う研究者が集まり検討が求められている。唾液学・唾液検査学の学問的確立に向けて唾液の取り扱いの標準化は、今後の唾液検査の開発には非常に重要な要素である。新型コロナウイルスPCR検査で唾液検査が急激に一般化したため、唾液の検査における基盤作りが間に合わない状況にあるため喫緊の課題と認識している。今後、歯科医師・歯科衛生士をはじめとした様々な医療職種や分野を超えて、この問題に加速度をつけて解決に向かう必要がある。特定非営利活動法人日本唾液ケア研究会(理事長:槻木恵一、会員123名)は、唾液を学際的に取り扱い、未成熟の唾液学、唾液検査学の確立を目指し、さらに国民の健康増進を推進する組織として2021年に設立した。唾液におけるプロフェッショナルな組織として、社会に貢献するために活動をはじめたばかりであるが、特に、唾液学・唾液検査学の学問的確立に是非とも貢献したい。最後に、「唾液・唾液検査学の確立」の一環として、「唾液の取り扱い」に関する標準化に向けた取り組みが必要である。多くの皆様とこの問題を共有したく考えている。そこで特定非営利活動法人日本唾液ケア研究会のホームページに意見を求めるサイトを作成した。多くの皆様からご意見をお寄せいただきたい。>>NPO法人日本唾液ケア研究会HPはこちらから第2回日本唾液ケア研究会学術集会が開催2023年11月26日(日)、第2回日本唾液ケア研究会学術集会が神奈川歯科大学横須賀キャンパスで開催される。日本歯科大学菊谷武教授による特別講演や、国民皆歯科健診を取り上げ厚労省から政策的な現状のヒアリング、神奈川歯科大学口腔衛生学分野山本龍生教授を交えた唾液検査に関するシンポジウムが行われる予定だ。オンデマンドでも配信されるため(配信は12月を予定)、ご興味のある方は是非登録してほしい。>>学術集会の詳細はこちらから
槻木 恵一
2023年11月25日
【歯科セミナー】咬合・補綴おすすめ3選

【歯科セミナー】咬合・補綴おすすめ3選

皆さんこんにちは、1D編集部です。この記事では、1Dが主催するまもなく開催予定の注目オンラインセミナーを3つ、ご紹介していきます。興味があるセミナーがあれば、ぜひお気軽にお申し込みください。1Dプレミアム会員であれば、月額¥9,800でセミナー&講義動画が見放題。いずれのセミナーも、追加料金一切なしで無料にてお申し込みいただけます。1Dプレミアムの詳細を見る超現実的支台築造 メタルコア・直接レジンコアの使用法「メタルコアは時代にそぐわない」。確かに、ファイバーコアは非常に良いマテリアルです。しかし多くの一般開業医では未だにメタルコアが選択されています。そしてレジンコアが選択されたとしても、ファイバーポストではなく金属製の既製ポストを用いた直接法が主流でしょう。なぜメタルコアはダメなのか、改めて考えてみませんか?実際の臨床現場では、限られた選択肢・環境の中で最高のパフォーマンスが求められます。メタルコアでも、直接法でも、適切に扱うことで十分なパフォーマンスが実現できます。このセミナーでは、現実的な診療環境に準じた支台築造をテーマに、マテリアルの選択から特性、接着操作、口腔内での手技を池上先生に解説いただきます。超現実的な手技とマテリアルで、腕を磨きましょう。詳細・お申込みはこちら5倍速形成テクニック 超高精度で形成するためのコントラ使いこなしテク「5倍速持ってはいるけど、いまいち使い所がわからない」。近年、支台歯形成で主流になってきている5倍速コントラですが、なぜ有用なのか、何がメリットなのかわからない人も多いのではないでしょうか?5倍速コントラは軸ブレが少なく、タービンに比べ低い回転数からチッピングや発熱なども抑えられる、歯に優しい切削器具とも言えるでしょう。またCAD/CAMなどデジタルを活用した補綴物では形成の精度が非常に重要になり、マージンラインや表面の仕上げなど緻密な操作が可能な5倍速が有用とされています。「不適にならないための形成のポイントは?」「形成それぞれに適したバーは?」器具を使いこなすこともテクニックのうちです。このセミナーでは、5倍速コントラを使用した形成テクニックを中心に、タービンとの使い分けと比較、メリット・デメリット、各種メーカーの特徴、形成時のバーの選択など、高精度で形成するために知っておきたい知識を徹底的に解説します。一歩先の形成を目指しましょう。詳細・お申込みはこちら長持ちさせる!ブリッジ形成のテクニック 適用判断から形成のコツまで一挙解説「ブリッジの支台歯、傾いて入らない…」。ブリッジの支台歯形成は平行性の担保や咬合負担、ポンティックの形態など考慮すべき点や必要なスキルが多々あります。基本的なクラウンの形成も当然できた上で、一つアドバンスな手技として苦手意識を持つ先生も多いでしょう。またブリッジは欠損補綴として侵襲性が高いものでもあり、残存歯の状況・年齢など考慮した上で慎重に診断しなければなりません。「どこから形成し始める?」「平行性やクリアランスの確認方法は?」ブリッジ特有のポイントを掴んでおく必要があります。このセミナーでは、ブリッジの形成をテーマに、欠損補綴の診断と考え方からブリッジが適用となるケース、実際の手技のコツ、使用する器材、マテリアルや種類に応じた処置についてスタディグループで支台歯形成のインストラクターを務める徳田先生が解説。やるからには、長持ちさせましょう。詳細・お申込みはこちら他にもオンラインセミナーを多数開催中1D(ワンディー)では、他にも歯科医療者向けのオンラインセミナーを多数開催しています。開催予定のセミナーの一覧は、下記ボタンから見ることができます。ぜひ1Dでセミナーに参加して、知識アップ・スキルアップをしていきましょう。開催中のセミナーを見てみる
1D編集部
2023年1月7日
歪められる、日本のカリオロジー

歪められる、日本のカリオロジー

カリオロジー。う蝕学。我々歯科医療従事者にとって最古であり最大の疾患であるう蝕。う蝕と関わらない歯科医療従事者はいないだろう。しかし、とても不思議なことだが、そのう蝕を学問するカリオロジーを体系的に学ぶことのできる機会はほとんどない。そもそも、本当の意味での「カリオロジー科」や「う蝕学講座」が我が国には存在しない。読者のあなたは、現在う蝕の病因論としてもっとも妥当とされる「生態学的プラーク仮説」について説明できるだろうか。「う蝕の活動性」を日々の診療で診ているだろうか。切削介入をするかしないかを、「う蝕がどこまで進んでいるか」だけで判断していないだろうか。G.V.ブラックが「う蝕を予防する時代が来る」と述べてから120年以上が経つ。しかし、はたして「カリオロジーを学んだ」と言える歯科関係者がどれだけいるのだろう。この記事では、カリオロジーそのものの内容ではなく、なぜカリオロジーを学ぶことが当たり前になっていないのか、私なりの検証と、未来のために何ができるかを考えたい。「衛生学」と「修復学」の分断すべての大学の状況と個人個人が受けてきた教育を検証するのは私には困難なので、私自身の経験から述べていく。まず現在の大学教育であるが、「う蝕」を扱うのは、口腔衛生学講座と保存修復学講座が主であろう。口腔衛生学講座はう蝕のみを扱うわけではないし、切削介入の判断などについては基本的には扱わない。一方、保存修復学は主にう蝕を扱うが、修復方法に関するものが主体であり、切削介入以前の判断や取り組みについては基本的に扱わない。この分断が、カリオロジー全体を見通す視点の欠落へと繋がるものと思われる。本来、う蝕に対しては切削介入の判断を含め、「どこまで進んでいるか」だけでなく「活動性か非活動性か」をみる必要がある。平たくいえば、そのままにしたら進行してしまいそうか、そうではないかということだ。非活動性であれば、仮にう窩があったとしても切削充填をしないこともある。う蝕とは脱灰と再石灰化を繰り返し、う窩を形成する前から、う窩を形成し症状を呈するまでの連続したプロセスである。これを連続して教育することが欠落してしまっているのである。「ハンマーを持つ人にはすべてが釘に見える」というたとえのように、切削充填の仕方を学んだ歯科医師は安易に切削充填しがちになることを十分に留意しなければならない。立ちはだかる「収益性」の問題卒後はさらにカリオロジーを体系的に学ぶことが困難となる。そこには「収益」の問題も上がってくる。歯科医師になってからは、学ぶことが本業ではなく、働くことが主となるのだ。現在の保険制度は疾病保険であるため、基本的には病気になった人々を治療することで収益を得る。最近になって初期う蝕の継続的な管理が導入されているものの、 基本的に「削って詰めてお金を得る」、「Drill, Fill, Bill」の状況を脱していない。つまり、歯科医療従事者の良心に委ねられている側面があるのだ。これもカリオロジーの広がりにくさの大きな一因となっている。カリオロジー × 収益性の産物そこで、「収益が上がるシステムを兼ね備えたカリオロジー」が登場することとなる。カリオロジーを普及させるための必要悪であるとする意見もあるが、私はこれが日本のカリオロジーをさらに歪めさせる一因となっている、と考えている。カリオロジーの発展は、その病因論とともにある。最も古くは、「非特異的プラーク仮説」からだ。簡潔に言えば、プラークが多ければう蝕が発生するという考え方である。そしてその次に「特異的プラーク仮説」。う蝕には原因となる特定の細菌がいる、という考え方である。多くの方はこの考え方で止まっているのではないだろうか。主にミュータンスレンサ球菌やラクトバシラス菌などが原因であると考える説だ。う蝕を「感染症」としてとらえるむきが強く、どれくらい「感染」しているかに重みを置いてしまう傾向がある。そのため、唾液検査を応用し、その結果を元にリスク判定をして予防策を講じようという手法が登場した。しかしそれらの検査は正確性が低く、本当の意味での「検査」としてはさほど有用ではない。ただこれらの検査が保険適用外であることから、システムの一環として組み込み、収益を上げつつ人々にカリオロジーを浸透させようという考え方が存在している。このことの弊害は、あたかも唾液検査がう蝕のリスク判定に必須であるかのような誤解を与えたり、唾液検査が将来のう蝕のリスクを正確に言い当てるものと思わせてしまうことにある。そして、企業の利益主導型のシステムがまかり通る現状をも生み出している。生態学的プラーク仮説の登場現在では、「生態学的プラーク仮説」が病因論として最も妥当とされている。この説は、う蝕の原因とされる菌が常在細菌の一部であり、砂糖の頻繁な摂取や唾液分泌の低下による糖クリアランスの減少などの局所の環境要因によってプラーク中のpHが低下し、その常在細菌のバランスが崩れてう蝕の原因菌が優位となり、う蝕が発生しやすくなるとする。う蝕の感染症的側面よりも、そのコントロールに重みを置いた考え方となっているのだ。こうした学術的な変遷があるにも関わらず、この事実はさほど広まっていない。企業の利益主導型のシステムの存在も、その一因となっているであろう。学術の議論に企業利益の理論が持ち込まれることすら起きている。歪められる、日本のカリオロジーつまり、カリオロジーはまず大学教育の仕組みから体系的に学ぶことを困難にしており、実臨床では収益面がその普及の妨げとなっているのである。結果、企業の利益主導型のシステムの普及がまかり通る現状があり、しかしそれすらも広く普及しているとは言い難い。私が尊敬している、カリオロジーを真に理解している先生方も多くいらっしゃるが、その声も残念ながら広く大きく届くものとはなっていない。これらの問題をそのまま解決しようと考えれば、大学教育と日本の保険制度の改革ということになるのだが、これももちろん取り組むべきものではあれど、容易ではないことが想像できる。では、どうしたらよいのか。後編では、このことについて読者の皆さんと考えていきたい。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる
Sho Yamada
2020年3月10日

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