【槻木恵一寄稿】唾液検査に「ちょっと待った!」

【槻木恵一寄稿】唾液検査に「ちょっと待った!」

槻木 恵一
2023年11月25日
近年、PCR検査をはじめ様々な検査の検体として唾液が用いられるようになった。中でも国民皆歯科健診を控え、歯周病のスクリーニングとして唾液検査が検討されていることは歯科界においても注目が高いだろう。

唾液検査は簡便で患者の負担も少なく非常に有益であるが、そのイメージだけが先行し乱雑に応用されることの危険性について専門家たちが警鐘を鳴らしている。

今回は特定非営利活動法人日本唾液ケア研究会理事長であり、神奈川歯科大学副学長の槻木恵一先生に特別に寄稿いただいた。

唾液検査学は未成熟である

唾液を用いた検体検査は、新型コロナウイルスに対するPCR検査の普及で、短期間に大きく国民の認知を得ることができた。これは急激な変化であり、そのプラスの面とマイナスの面を十分考慮しないといけないと考えている。

特にプラスの側面としては、唾液検査の認知度の飛躍的な向上であるが、一方でせっかく認知された唾液検査が、マイナスの側面により、後退することがあってはならないと危惧をしている。マイナスの側面とは何だろうか。

最大の問題は、唾液検査学という学問が未成熟で確立されていないことである。検査というカテゴリーに属する事項であれば、ヒトを対象としていることから、そこには厳粛な対応が必要であり、裏打ちされた学問に基づかなければ、単なる民間療法の域をでないことになる。

そして、国民から唾液検査そのものが怪しいものに映るかもしれない。実際、インターネットで購入できる唾液検査の商品にはクオリティの低いものが登場している。

唾液という存在を扱い体系的な教育を行っているのは、歯学部や歯科衛生士の養成課程であり、医師、薬剤師などでは唾液に関する教育はほとんど行われていない。看護師と管理栄養士の国家試験では口腔ケアに関連し唾液が出題されることがあるようなので、何らかの科目で触れているのであろう。

これらの教育状況を考慮すると唾液の主たる専門家は、歯科医師と歯科衛生士であることは疑いない。すなわち、唾液検査学をリードするべき使命が歯科医師や歯科衛生士にはあると確信している。

本解説では、唾液検査の歴史、世界的動向、唾液検査の問題点などを踏まえて、最後に唾液検査に関する提言を行いたい。

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    歯科医療における唾液検査

    現在の唾液検査の現状を鑑みると、唾液検査といっても大きく2つに分類できる。歯科系唾液検査とそれ以外である。それ以外に分類される唾液検査が扱う領域は非常に多岐である。ここでは、歯科系の唾液検査以外を臨床唾液検査と称したい。

    歯科医療における唾液検査の利用目的は、う蝕のリスク診断歯周病のリスク診断や病勢診断などになる。しかし、これらは本格的な保険導入がされていないことから、主に自費での扱いになり、意外に歯科医療においては唾液検査への関心は薄いのではないだろうか。

    そのことが、口腔という乾燥を大敵とする臓器において、極めて重要な生理的働きを行う唾液の機能性に注目をしない歯科医療が続いているような気がする。例えば、唾液量を測定するだけでも、口腔の疾患に対するリスク要因を理解でき、う蝕歯周病の診療にも大いに役立つ情報の筈である。

    う蝕歯周病病変の特徴は、予防が効果的な病変であることである。特にう蝕に対して生体は、免疫機構や再生現象が働かず、すなわち自然治癒がないので、そもそも病気にならないことが最も重要である。その点では、医科で扱う疾患概念とは大きく異なる病変と言える。

    医科は、やはり治療主体の医療であり、病気を治すことができなければならないが、歯科は、病気にさせない取り組みこそ、病変の特徴から考えて重要な医療としての役割ではないだろうか。そのための検査として唾液の有用性には疑いがない。

    昨今取りざたされている国民皆歯科健診においては、そのスクリーニング検査として唾液検査が導入される可能性が指摘されている。国民皆歯科健診は、その趣旨に沿い実行されれば、8020運動と同様に成果を上げ、そして国民の健康レベルを底上げできると考えられる。

    その理由は簡単で、歯科医療が扱う病変はもともと予防が効果的に実行できるからである。そして、唾液検査からはじまる国民皆歯科健診となった場合、唾液検査の歴史上、歯科医療における初めての唾液分野でのブレイクスルーとなることが予想できる。だからこそ成功させたい。

    医科では3度のブームが到来

    歯科系の唾液検査について医中誌で調査すると最も古い文献は、1982年の「歯科臨床における口腔環境評価へのアプローチ唾液検査用試験紙(pH,緩衝能,潜血およびグルコースクリアランス)の実用化」という原著論文である。

    口腔環境評価というタームは、非常に重要で、口腔環境とは唾液そのものである。口腔という臓器は進化の過程で考えると、海中から陸上に上がるにあたり、大きな変化が起こっている。それは、海中では口が乾燥することは無く、水流が常に生じているので汚れることも無い。そのため魚にはう蝕が無い。

    しかし、陸上に生活の場を変えたことで、口が乾燥する状況が生じ、唾液による100ミクロンの薄い流体で覆われるシステムが備わった。また、口から食べることにより、嚥下咀嚼に唾液が必要となり大唾液腺が発達してくるし、食べるものの違いで唾液の組成が進化していく。

    この様に、唾液は口腔の機能維持や感染予防としての機能を発達させてきており、進化の側面から考えると唾液が如何に重要かわかる。しかし、口腔の評価としての唾液を用いた歯科系唾液検査が、話題を呼ぶことは20年来一度もない。一方で、臨床唾液検査では3回の社会を賑わすブームが存在している(図)。



    唾液ブームの1回目は、約22年前の1999年頃に唾液を用いたストレス測定が大きな話題となった。唾液中のクロモグラニンが精神ストレスと関連することを見出し、トヨタ製の車の乗り心地の評価に使われた。

    さらに、2007年頃、アミラーゼでもストレスの測定ができることを示し、簡易的に測定できるアミラーゼモニターが開発され、唾液検査において社会実装された初めての機器となった。現在でも販売されている。その他、IgA、コルチゾールなどストレスを測定する唾液マーカーが開発されている。

    2回目のブームは、2010年頃に唾液からがん診断できることが発見され、マスコミから大きな注目を集めた(後程解説あり)。3回目のブームは、唾液を用いた新型コロナウイルスの検出である。唾液を用いた感染症の診断で保険収載されており、完全な社会実装を短期間で獲得した。

    これら3つのブームの立役者は、システムエンジニアと医師であり歯科医師ではない。現在でも、唾液の特徴である非侵襲性が注目され唾液検査の開発競争が様々な企業で展開されている。

    臨床唾液検査の開発と世界的動向

    唾液は、血液から産生されることから血液中の成分が移行してくる。すなわち血液と唾液は相関性が高いはずである。しかし、相関する成分もある一方、相関性のないことも多い。相関性がある場合も、一般的に血液より唾液の方が100倍から1000倍濃度が低い。すなわち薄まっている。

    これまで、臨床唾液検査で、非常に成功しているのは、主に感染症の診断である。HIVの唾液による抗体検査は正診率が92%といわれている。この場合の抗体は、感染後に血中に存在する抗HIV抗体であり、血中から移行してきた抗体を検出している。

    同様の理論で、新型コロナウイルスに対するIgG抗体検査も存在するが、抗体の形成には時間がかかることから、今現在の感染を診断するためにはPCRが用いられてきた。今後も感染症の診断唾液検査の開発が進むと思われる。

    また、癌のリスク検査については、メタボローム解析を用いたAIによるリスク判定が社会実装されている。膵臓癌、胃癌、大腸癌などの癌のリスク診断に関しては、論文も非常に多く信頼性が高く、世界をリードする研究として発展している。癌に関する唾液検査は、アメリカUCLAのDevid Wong教授の研究がリードしていたが、現在では日本が最先端を走っている。

    唾液による診断への応用は、分析技術の進歩により、唾液プロテオーム、トランスクリプトーム、マイクロRNA、メタボローム、およびマイクロバイオームを調査する「唾液オミクス」と呼ばれる新しい時代が開かれており、臨床唾液検査は極めて有望な分野であることは間違いない。

    唾液検査「最大の難点」

    唾液検査と血液検査を比較すると、唾液検査の利点は簡便で非侵襲性に採取でき、誰でもできるという事が挙げられる。一方で、欠点もあるのだが、唾液検査の利点ばかりに注目されてきたところに問題があるのではないかと考えている。

    結論から示すと唾液検査は、血液検査と比較して、基準値の設定が難しい点が最大の難点である。特に単一の出口から唾液が出ればよいが、実際は3大唾液腺からの分泌により混合されてしまう。また唾液が口腔内に放出された瞬間から、空気に触れpHの変動範囲は、血液よりかなり大きい。また、口腔細菌により代謝されることで成分の変動や不純物が大量に含まれてしまう。

    この様に唾液は、血液のような濃度調整が厳密に行われた液体ではないのである。さらに、採取法によっても成分の変動が生じることが報告されている。この難題に対して、唾液中の成分の濃度をnormalizeする内部標準の開発や、適切な採取条件についてのガイドラインの作成など、唾液を扱う研究者が集まり検討が求められている。

    唾液学・唾液検査学の学問的確立に向けて

    唾液の取り扱いの標準化は、今後の唾液検査の開発には非常に重要な要素である。新型コロナウイルスPCR検査で唾液検査が急激に一般化したため、唾液の検査における基盤作りが間に合わない状況にあるため喫緊の課題と認識している。今後、歯科医師・歯科衛生士をはじめとした様々な医療職種や分野を超えて、この問題に加速度をつけて解決に向かう必要がある。

    特定非営利活動法人日本唾液ケア研究会(理事長:槻木恵一、会員123名)は、唾液を学際的に取り扱い、未成熟の唾液学、唾液検査学の確立を目指し、さらに国民の健康増進を推進する組織として2021年に設立した。唾液におけるプロフェッショナルな組織として、社会に貢献するために活動をはじめたばかりであるが、特に、唾液学・唾液検査学の学問的確立に是非とも貢献したい。

    最後に、「唾液・唾液検査学の確立」の一環として、「唾液の取り扱い」に関する標準化に向けた取り組みが必要である。多くの皆様とこの問題を共有したく考えている。そこで特定非営利活動法人日本唾液ケア研究会のホームページに意見を求めるサイトを作成した。多くの皆様からご意見をお寄せいただきたい。


    第2回日本唾液ケア研究会学術集会が開催

    2023年11月26日(日)、第2回日本唾液ケア研究会学術集会が神奈川歯科大学横須賀キャンパスで開催される。

    日本歯科大学菊谷武教授による特別講演や、国民皆歯科健診を取り上げ厚労省から政策的な現状のヒアリング、神奈川歯科大学口腔衛生学分野山本龍生教授を交えた唾液検査に関するシンポジウムが行われる予定だ。

    オンデマンドでも配信されるため(配信は12月を予定)、ご興味のある方は是非登録してほしい。

    槻木 恵一
    著者/監修者
    槻木 恵一

    神奈川歯科大学副学長。神奈川歯科大学大学院歯学研究科口腔科学講座環境病理学教授。1967年東京都杉並区荻窪生まれ。神奈川歯科大学歯学部卒業後、同大学大学院歯学研究科修了、歯学博士取得。神奈川歯科大学歯学部口腔病理学教室、助手、特任講師、助教授を経て2007年より教授に就任。2014年より同大学副学長。専門分野は口腔病理診断学・唾液腺健康医学・環境病理学。プレバイオテックスの一種であるフラクトオリゴ糖の継続摂取による唾液中IgAの分泌量増加とともに、そのメカニズムとして腸管内で短鎖脂肪酸が重要な役割を果たすことをあきらかにし、「腸―唾液腺相関」を発見。日本唾液ケア研究会を設立し理事長に就任。

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    多浪生ほど受からない。歯科国試受験から「消えた206人」の闇

    多浪生ほど受からない。歯科国試受験から「消えた206人」の闇

    歯科国試、合格者数を絞る厚労省歯科医師国家試験は、2000年代から表面化した「歯科医師過剰問題」を受けて、その間口を絞りつつある。現に、10年前の2012年(第105回歯科医師国家試験)時点では2,364名いた合格者が、今年・2022年(第115回歯科医師国家試験)では1,969名にまで絞られている。全体の合格率も71.1%(2012年)から61.6%(2022年)と、10年の間で10%近く低下している。歯学部を卒業しても、歯科医師国家試験に合格できなければ歯科医業はできない。いくら歯のことが詳しくても、歯科業界の外ではあまり意味がない。歯学部を卒業して受験資格を得ることができる医療系職種という道もあるが、歯科医師になるために浪人を重ねてしまう学生も少なくない。> 【ルポ】歯科医師国家試験、多浪生の現実(1D)浪人すればするほど受からない歯科医師国家試験は、浪人を重ねれば重ねるほど合格できない。下図は、昨日の合格発表と同時に公表された「卒業年次別受験者数・合格者数・合格率」のデータである。「受験可能回数」は実質的に浪人年数を指しており、一浪、二浪…と浪人を重ねていくごとに合格率は低くなっていく。二浪の時点で合格率は半数を割り、3人に1人程度しか合格できなくなる。五浪になると、合格できるのは9人に1人だ。浪人をすればするほど、厳しい現実が待っていることは間違いない。歯科国試に「回数制限」を導入?厚労省のワーキンググループでも、こうした多浪生にまつわる問題はたびたび議論されている。2016年4月開催の『歯科医師の資質向上等に関する検討会 歯科医師の需給問題に関するワーキンググループ(第5回)』では、検討委員から下記のような発言があった。川添 堯彬(大阪歯科大学理事長・学長):卒業してから多数回、国家試験を受けている人の 3 回以降、あるいは 5 回以降、あるいは 7 回以降といった回数が累積するごとに、急激に落ちる段階があるのです。そういうときには、例えば昔、在学中に実習をやっていた内容がもう全然変わってきているのです。多くの国試浪人の人は予備校に行っているのです。予備校は臨床実地問題を遮に無にペーパーだけで教え込む。最近、例えばインプラントの問題が出ると、そんなものは習ったことも何もないのです。その実物も分からない。ですから、ただ回数を経るというのは無為に年齢ばかりいって、それで親を困らせて。方向転換を進めるのですが、なかなかそれに成功しない。ですから、本当に法的には問題があるかも分かりませんが、何回かで切るか、あるいは、もう一度それを再教育というか、実習だけでも再教育を。希望があれば大学のほうへ戻ってきなさいということで、大学は無料でその人を教えることにやぶさかではないのですが、呼べども、何度連絡を取っても来ないなどということになって、だんだん年齢ばかりがいって、教科内容ははるか昔に習ったことを繰り返している。こういう状態を放置すると非常に問題なので、どうすればよいかというときに、強制的でも何か再教育するような場をつくらないと、受験試格を与えないなどということがあれば、また非常にやる気を起こすかも分からないし、多数回が減少することになると思うのです。脱落した「歯学部卒業生」はどれくらいいる?実際、どれくらいの歯学部卒業生が、歯科医師国家試験に合格することができず、歯科医師になることを諦めているのだろうか。明確に調査されているデータは存在しないが、厚労省が公開している受験者数に関する一部データから、ある程度の推測は可能である。今回、1D編集部では過去5年分(第110回〜第115回)の受験者データを分析し、歯科医師国家試験の受験から離脱したと思われる人の数を推計した。結論を言えば、この5年間で「206名」もの歯学部卒業生が、歯科医師の道を諦めていると考えられる。第110回では35名、第111回では34名、第112回では45名、第113回では50名、第114回では42名、というぐあいだ。このデータを浪人年数別で見ると、それぞれ下図のタイミングで離脱をしている(下図の数字は5年間の合計人数)。こうして見ると、「三浪」という区切りを経て、歯科医師国家試験の合格を諦める歯学部卒業生が最も多い。次点で二浪、五浪が続く。なお、本データでは新卒で不合格となり離脱した歯学部卒業生はカウントしていないため、実際に離脱した人数は206名より多い可能性も考えられる。歯科医師を諦めた者はどうすべきか?先述したように、歯科医師国家試験は、浪人を重ねれば重ねるほど合格しにくい。六浪以上となると、合格率は一桁パーセントまで下がる。厚労省内では「歯学部低学年の時点で適正が無いと思われる者には他の学部への転部を進める」といった対策案が議論されているが、実家が歯科医院で跡継ぎが必要な場合なども多く、大半の歯学部生は転部まで踏み切れないのが現実だろう。歯学部を卒業した歯科医師ではない人材が活躍できる場所は、そう多くはない。現時点でも、五浪以上で受験を続けている歯学部卒業生は262名いる。彼らが合格できるまで挑戦させるべきか、あるいは他の方法を考えるべきか。当社のような歯科メディア企業が、彼らが活躍できる場所を用意し、最大限雇用することも、解決の方法のひとつだろう。合格の陰で見落とされがちな「多浪生」の存在を、今こそ真剣に議論しても良いのではないだろうか。歯科臨床を学ぶなら、1Dプレミアム!歯科医師向けセミナーなら、「1D(ワンディー)」で!臨床・経営問わず1,000講座以上の歯科セミナーが見放題。会員満足度96%超え。会員登録で今すぐセミナーを受講しよう。今すぐ申し込む参考文献『第115回歯科医師国家試験の合格発表について』厚生労働省, 2022年3月16日.『歯科医師国家試験制度改善検討部会報告書(平成28年3月)』厚生労働省, 平成28年4月12日.『歯科医師の資質向上等に関する検討会 歯科医師の需給問題に関するワーキンググループ(第5回)議事録』厚生労働省, 2016年4月12日.『【ルポ】歯科医師国家試験、多浪生の現実』1D(ワンディー), 2019年10月18日.
    1D編集部
    2025年10月21日
    知覚過敏の患者さんに白さを提案する選択肢『新・シュミテクト』

    知覚過敏の患者さんに白さを提案する選択肢『新・シュミテクト』

    『シュミテクト』使ったことありますか?『シュミテクト』というブランドを、ご存知ない歯科医療従事者はほとんどいないでしょう。知覚過敏用歯磨剤として広く知られ、テレビCMやドラッグストアでの露出も多く、患者さんからの認知度も非常に高いブランドです。一方で、「名前は知っているけれど、自分では使ったことがない」「患者さんに勧めたことはない」という声も少なくありません。高い認知度と信頼感があるからこそ、今あらためて使用してみる、診療の中で提案してみる価値があるのではないでしょうか。近年、美容医療への関心の高まりとともに、年齢や性別を問わず「白い歯=清潔感」という意識が浸透しています。一方で、「ホワイトニングはしみそうで怖い」「なるべく低侵襲に歯の白さを保ちたい」といったニーズも見られます。実際に、オフィスホワイトニング実施後に、知覚過敏症状を訴える患者さんに遭遇された経験をお持ちの先生がいらっしゃるのではないでしょうか。また、オフィスホワイトニング後に着色を防ぐ方法について、相談を受けたことがあるかもしれません。こうした患者さんに対して『シュミテクト』は知覚過敏を防ぎながら、「白さを保つ」サポートとなる製品です。とくに、知覚過敏の予防+ホワイトニング効果+ステインの再付着抑制の3点を兼ね備えた製品は、患者さんの潜在的ニーズに的確に応える提案となります。知覚過敏症状ケアにプラスして患者さんのニーズや症状に応えるラインナップ『シュミテクト』シリーズは、知覚過敏症状ケアを軸に、多様なニーズに応えるラインナップを展開しています。より知覚過敏症状が気になる患者さんへ『シュミテクトプラチナプロテクトEX』。ステインが気になる患者さんへ『シュミテクトフューチャーホワイトケア』。知覚過敏症状と歯周病を予防したい患者さんに『シュミテクト歯周病ダブルケアEX』など、目的や症状に応じて選択できるのが特長です。こうした豊富な選択肢があることで、患者さん一人ひとりの悩みに寄り添ったセルフケアの提案が可能になります。昨今の「美意識」トレンドと歯科に求められるニーズ近年、美容医療の普及やSNSの影響により、口元の美容への関心が広く一般化しています。中でも、清潔感のある口元は第一印象を大きく左右する要素として認識され、性別や年代を問わず、ホワイトニングや矯正治療への関心が高まり続けています。しかし、こうした審美的なニーズは、患者さんから積極的に語られることは多くありません。「聞かれたら答える」「希望されたら案内する」といった受け身の対応では、患者さんの本音や潜在的な関心を見逃してしまう可能性があります。治療にとどまらず、口元の美しさに対する潜在的なニーズをくみ取る姿勢が、これからの歯科診療に求められる重要な対応力のひとつといえるでしょう。ホワイトニング導入のきっかけとして紹介できる『シュミテクト』多くの患者さんがオフィスホワイトニングに関心を持っている一方で、実際に歯科医院でホワイトニングの施術を受ける方は限られています。その背景には、患者さんの潜在的なニーズを歯科医療従事者が十分に引き出せていないという課題があると考えられます。そこで、問診やカウンセリングの中で「歯の色や白さについて気になることはありますか?」といった問いかけを行い、患者さんの審美的な関心を引き出すことが効果的です。その導入手段として有効なのが、日常のセルフケアに無理なく取り入れられる歯磨剤の提案です。患者さんのホワイトニングに対する潜在ニーズをとらえた新商品『シュミテクト フューチャーホワイトケア』が今年3月、全国のドラッグストアで発売されました。知覚過敏症状ケアと歯を白くする効果の両立を目指して開発されたこの製品は、ホワイトニングに対する関心がありながら、一歩を踏み出せない患者さんのニーズに応える選択肢となり得ます。まずはセルフケアで歯を白くすることに興味を持ってもらい、より本格的なホワイトニング治療へとつなげていく。『シュミテクト フューチャーホワイトケア』は、そうした段階的なアプローチをサポートする製品です。期待の新製品『シュミテクトフューチャーホワイトケア』『シュミテクト フューチャーホワイトケア』は、歯を白くする機能に着目しながら、知覚過敏ケアにも配慮して開発された歯磨剤です。現代の生活者の多様なニーズに寄り添った処方設計がなされています。白さを実感、平均2シェード白くなる1日2回のブラッシングによる標準的歯磨剤との比較試験では、『シュミテクト フューチャーホワイトケア』8週間の使用で、歯の色調がブリーチシェードガイドで2シェード改善されたことが認められています。毎日のセルフケアの中で目に見える変化があることで、患者さんの満足度向上につながります。歯の色調がベースラインから中央値で2段階改善着色除去効果は約7倍『シュミテクト フューチャーホワイトケア』は、ステインの除去効果に優れています。特に、食品や飲料による日常的なステインに対してアプローチできる処方であり、標準的歯磨剤と比較して約7倍のステイン除去効果が確認されています。 対照歯磨剤比およびベースライン比で統計的に有意に減少(4週目および8週目、いずれも p<0.0001)白さを長く保つ「未来着色バリア処方」『シュミテクト フューチャーホワイトケア』では、「未来着色バリア処方」を採用しています。ステインを落とすだけではなく、再付着を抑制し、白さをより長く保てる状態へと導きます。これは、未来のステイン形成に着目した処方として注目されています。  知覚過敏の人も安心、低研磨性の処方設計歯面へのダメージに配慮した、低研磨性の処方設計にもこだわっています。海外他社製品と比較したヒト象牙質摩耗試験では、海外他社製品と比較して低研磨性が確認されており、知覚過敏の患者さんに安心して提案できる、やさしさを備えたホワイトニング歯磨剤* となっています。* 歯の表面の着色を除去し、歯本来の白さを引き出すことに着目した歯磨剤ヒト象牙質標本を使用し、ブラッシング機械で150gの荷重により1500回ブラッシング処置。赤色が濃いほど摩耗が深いことを意味するう蝕予防にもアプローチ『シュミテクト フューチャーホワイトケア』には、高濃度フッ素(フッ化ナトリウム1,450ppm)が配合されており、う蝕予防にも対応した設計となっています。さらに、単にフッ素の含有量に注目するだけでなく「有効なフッ化物(遊離フッ化物イオン)」がしっかりと利用できる状態で残存するよう設計されている点が大きな特長です。唾液中に溶け出した遊離フッ化物イオンは、エナメル質のハイドロキシアパタイトと反応してフルオロアパタイトを形成し、歯質を強化することでう蝕リスクを低下させます。シュミテクトシリーズを含むHaleon社の歯磨剤は、この遊離フッ化物イオンの濃度が品質保証期間内に保持できるよう開発されています。審美性と口腔内の健康維持を両立させる、ハイブリッド処方な歯磨剤になっています。このように、『シュミテクトフューチャーホワイトケア』は、歯の白さを引き出す、ステインを除去する、再付着を予防する、知覚過敏にやさしい、う蝕予防もできるといった複合的な機能を1本にまとめた多機能歯磨剤です。患者さんの関心が高まる「白さ」というテーマに、知覚過敏へのやさしさという安心感を添えて提案できる、いま注目すべき製品といえるでしょう。Haleonヘルスパートナーに登録して患者さん用無料サンプルをオーダーしませんか?知覚過敏は、診察中に患者さんから訴えが出にくい症状のひとつです。国内の調査では、3人に1人が知覚過敏を経験¹'²しているにもかかわらず、そのうち約46%が歯科医師に相談していない³'⁴というデータがあります。これは知覚過敏が 一時的で我慢できると感じやすく、「いつものこと」「治らないもの」といった誤解が、相談されにくい要因になっていると考えられます。しかし、知覚過敏を放置することで「飲食を楽しめなくなった」「歳をとったと感じた」など、生活の質(QOL)への影響が生じることも明らかになっています。こうした現状を踏まえると、歯科医療従事者が積極的に症状を引き出し、適切なケアへと導く姿勢が重要になっています。知覚過敏と診断したタイミングでセルフケア製品を紹介し、実際に試してもらうことは、患者さんの理解と行動変容を促すうえで非常に効果的です。その第一歩としておすすめしたいのが、Haleonヘルスパートナーの活用です。会員登録を行うことで『シュミテクト』患者さん用サンプルを無料でご利用いただけます。歯科医院でのプロフェッショナルケアに加え、適切なセルフケアを組み合わせることで、患者さんのQOL向上につなげていくことが可能です。参考文献:1.Addy M. Int Dent J 2002: 52:367-375.  2. Ipsos Claimed Penetration Omnibus. January, 2015.  3. Gillam DG. Clin Oral Investig 2013: 17:21-29.  4. Jeandot J et al. Clinic (French) 2007: 28:379-384.  5. GSK data on file. Sensitive Teeth and Attitude Study. 2008.Haleonヘルスパートナーとは?Haleonヘルスパートナーは、歯科医療従事者の皆さまに向けて、オーラルヘルスケアに関する最新情報を提供するコミュニティサイトです。日々の診療に役立つコンテンツや、患者さんとのコミュニケーションを支える資料など、さまざまな情報をご利用いただけます。主なサービス内容・ウェブ講演会の無料配信知覚過敏症ケア、歯周病予防、義歯やマウスピースケアなどをテーマとしたウェブ講演会を、いつでも無料で視聴可能。過去の講演ダイジェスト動画もアーカイブで公開されています。・患者さん用無料サンプルの提供『シュミテクト』や『カムテクト』など、患者さんのセルフケア習慣づくりに役立つ製品サンプルを、オンラインから簡単にオーダー可能です。・患者指導用資材のダウンロード知覚過敏症ケアを含む様々なセルフケア指導に活用できる、わかりやすい説明資料や配布用ツールがダウンロード可能です。登録して『シュミテクト』患者さん用無料サンプルをオーダーしませんか?1. 会員登録(無料)Haleonヘルスパートナーの公式サイトで、必要事項を入力して会員登録を行います。(※登録フォームへの入力後、承認まで最大5営業日ほどかかる場合があります。)2. ログイン後、サンプル依頼ページへアクセス登録完了後、ログインして、専用ページからサンプルのご依頼が可能になります。3. 患者さん用サンプルを選択してオーダー希望のサンプル(例:『シュミテクト』)を選択して、注文を完了します。登録や詳細は、以下の公式サイトをご覧ください。公式サイトをチェックする
    1D編集部
    2025年7月29日

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