歯科用語集
2025年10月28日

ミラー

「ミラー」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

ミラーとは、歯科診療において使用される器具の一つであり、主に口腔内の視認性を向上させるために用いられる。英語の「mirror」に由来し、反射を利用して診療者が患者の口腔内を観察する際に役立つ。ミラーは、金属製やプラスチック製のものがあり、形状やサイズも多様である。特に、歯科用ミラーは、歯科医師や歯科衛生士が診療を行う際に欠かせない道具であり、視野を広げることで、より正確な診断や治療が可能となる。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床においてミラーは、診断や治療の際に重要な役割を果たす。特に、歯の状態や口腔内の異常を観察するために使用され、視認性を高めることで、より正確な判断が可能となる。ミラーを使用する際の判断基準としては、患者の口腔内の状態や診療の目的に応じて適切なサイズや形状のミラーを選択することが挙げられる。また、ミラーの清潔さや反射面の状態も、診療の質に影響を与えるため、常に注意が必要である。


関連用語・類義語との違い

ミラーに関連する用語としては、口腔内視鏡や探針が挙げられる。口腔内視鏡は、より詳細な観察を可能にする器具であり、ミラーとは異なり、カメラ機能を持つものもある。一方、探針は、歯や歯周組織の状態を直接触診するための器具であり、ミラーとは異なる役割を果たす。これらの器具は、診療の目的や状況に応じて使い分ける必要があるため、ミラーの特性を理解することが重要である。


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関連ニュース

把持の定義と臨床での重要性。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき処置と術式

把持の定義と臨床での重要性。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき処置と術式

把持の定義とその役割把持とは、歯科治療において器具や材料をしっかりと保持することを指す。特に、歯科用器具の操作や、治療材料の適切な配置において重要な役割を果たす。把持が不十分であると、治療の精度が低下し、患者に不快感を与える可能性があるため、歯科医師や歯科衛生士はこの技術を習得する必要がある。把持に関する処置と術式把持に関連する処置や術式には、歯科用器具の正しい持ち方や、材料の適切な配置方法が含まれる。例えば、歯科用ミラーやピンセットを使用する際には、手首の角度や指の使い方が重要である。これにより、視野を確保しつつ、精密な操作が可能となる。把持の症状とその影響把持が不十分な場合、治療中に器具が滑りやすくなり、患者に痛みや不快感を与えることがある。また、治療の精度が低下し、結果として再治療が必要になることもある。これらの症状は、歯科医師や歯科衛生士が把持技術を向上させる必要性を示している。把持の手順とコツ把持を行う際の基本的な手順としては、まず器具を正しく持つことが挙げられる。器具の重心を意識し、指先でしっかりと支えることで、安定した操作が可能となる。また、手首の動きを柔軟に保つことで、より精密な動作が実現できる。把持のメリットとデメリット把持技術を向上させることのメリットは、治療の精度が向上し、患者の満足度が高まることである。一方で、把持に関する技術を習得するには時間と練習が必要であり、初めての患者に対しては不安を感じることもある。把持における注意点と判断基準把持を行う際には、器具の種類や治療内容に応じた適切な持ち方を選択することが重要である。また、患者の状態や治療の進行状況に応じて、把持方法を柔軟に変更する必要がある。これにより、より安全で効果的な治療が実現できる。把持の導入と今後の展望把持技術は、歯科医療の進歩とともに進化している。新しい器具や材料が登場する中で、把持技術の向上はますます重要となる。今後は、最新の技術や研究成果を取り入れ、より効果的な把持方法を探求していくことが求められる。
1D編集部
2024年6月1日
ミラーの役割と使い方。歯科臨床における処置と術式の判断ポイント

ミラーの役割と使い方。歯科臨床における処置と術式の判断ポイント

ミラーの定義と基本的な役割ミラーとは、歯科診療において視認性を向上させるために使用される器具である。主に、口腔内の観察や処置の際に、歯科医師や歯科衛生士が使用する。ミラーの基本的な役割は、患者の口腔内を照らし、視界を確保することである。これにより、診断や治療がスムーズに行えるようになる。ミラーには、平面ミラーと凹面ミラーの2種類があり、それぞれ異なる用途がある。平面ミラーは、主に観察用に使用され、凹面ミラーは、光を集めることで視認性を高める役割を果たす。ミラーを使用することで、歯科医師はより正確な診断を行い、適切な処置や術式を選択することが可能となる。ミラーの使い方と手順ミラーの使用にあたっては、いくつかの手順を踏むことが重要である。まず、患者に対してミラーを使用する目的を説明し、安心感を与えることが求められる。次に、ミラーを適切な角度で口腔内に挿入し、観察したい部位を明確にする。具体的な手順としては、以下のようになる。1. 患者の口腔内を清掃し、視認性を確保する。2. ミラーを持つ手を安定させ、他の手で歯や歯茎を軽く押さえる。3. ミラーを適切な角度で配置し、光を反射させて観察する。このように、ミラーを効果的に使用することで、診断や処置の精度が向上し、患者にとっても快適な治療が提供できる。ミラー使用時の注意点とコツミラーを使用する際には、いくつかの注意点が存在する。まず、患者の口腔内に無理な力を加えないようにすることが重要である。特に、歯や歯茎に対して過度な圧力をかけると、痛みや不快感を引き起こす可能性がある。また、ミラーの清掃も重要なポイントである。使用後は必ず消毒し、次回の使用に備える必要がある。さらに、ミラーの角度や位置を調整する際には、患者の反応を観察しながら行うことが求められる。コツとしては、ミラーを使用する際に、患者の口腔内の構造を理解し、どの部位を観察するかを事前に計画することである。これにより、効率的に診断や処置を行うことができる。ミラーのメリットとデメリットミラーの使用には、いくつかのメリットとデメリットが存在する。まず、メリットとしては、視認性の向上が挙げられる。ミラーを使用することで、通常の視界では見えない部分を観察することが可能となり、診断の精度が向上する。さらに、ミラーは比較的安価で軽量な器具であり、持ち運びやすく、診療現場での使用が容易である。一方で、デメリットとしては、ミラーの反射によって視界が乱れることがあるため、使用者の技術が求められる点が挙げられる。また、ミラーの清掃や消毒が不十分な場合、感染症のリスクが高まるため、注意が必要である。これらのメリットとデメリットを理解し、適切にミラーを使用することが重要である。臨床におけるミラーの活用事例ミラーは、臨床現場において多くの活用事例が存在する。例えば、う蝕の診断において、ミラーを使用することで、歯の隙間や裏側の状態を確認することができる。これにより、早期の診断と適切な処置が可能となる。また、歯周病の診査においても、ミラーは重要な役割を果たす。歯茎の状態や歯石の有無を観察することで、適切な治療方針を立てることができる。さらに、ミラーは治療中の視認性を向上させるためにも使用される。例えば、充填やクラウン装着の際に、ミラーを使って治療部位を確認することで、より精密な処置が実現する。これらの活用事例を通じて、ミラーの重要性が再確認される。
1D編集部
2024年6月1日
【槻木恵一寄稿】唾液検査に「ちょっと待った!」

【槻木恵一寄稿】唾液検査に「ちょっと待った!」

近年、PCR検査をはじめ様々な検査の検体として唾液が用いられるようになった。中でも国民皆歯科健診を控え、歯周病のスクリーニングとして唾液検査が検討されていることは歯科界においても注目が高いだろう。唾液検査は簡便で患者の負担も少なく非常に有益であるが、そのイメージだけが先行し乱雑に応用されることの危険性について専門家たちが警鐘を鳴らしている。今回は特定非営利活動法人日本唾液ケア研究会理事長であり、神奈川歯科大学副学長の槻木恵一先生に特別に寄稿いただいた。唾液検査学は未成熟である唾液を用いた検体検査は、新型コロナウイルスに対するPCR検査の普及で、短期間に大きく国民の認知を得ることができた。これは急激な変化であり、そのプラスの面とマイナスの面を十分考慮しないといけないと考えている。特にプラスの側面としては、唾液検査の認知度の飛躍的な向上であるが、一方でせっかく認知された唾液検査が、マイナスの側面により、後退することがあってはならないと危惧をしている。マイナスの側面とは何だろうか。最大の問題は、唾液検査学という学問が未成熟で確立されていないことである。検査というカテゴリーに属する事項であれば、ヒトを対象としていることから、そこには厳粛な対応が必要であり、裏打ちされた学問に基づかなければ、単なる民間療法の域をでないことになる。そして、国民から唾液検査そのものが怪しいものに映るかもしれない。実際、インターネットで購入できる唾液検査の商品にはクオリティの低いものが登場している。唾液という存在を扱い体系的な教育を行っているのは、歯学部や歯科衛生士の養成課程であり、医師、薬剤師などでは唾液に関する教育はほとんど行われていない。看護師と管理栄養士の国家試験では口腔ケアに関連し唾液が出題されることがあるようなので、何らかの科目で触れているのであろう。これらの教育状況を考慮すると唾液の主たる専門家は、歯科医師と歯科衛生士であることは疑いない。すなわち、唾液検査学をリードするべき使命が歯科医師や歯科衛生士にはあると確信している。本解説では、唾液検査の歴史、世界的動向、唾液検査の問題点などを踏まえて、最後に唾液検査に関する提言を行いたい。歯科医療における唾液検査現在の唾液検査の現状を鑑みると、唾液検査といっても大きく2つに分類できる。歯科系唾液検査とそれ以外である。それ以外に分類される唾液検査が扱う領域は非常に多岐である。ここでは、歯科系の唾液検査以外を臨床唾液検査と称したい。歯科医療における唾液検査の利用目的は、う蝕のリスク診断、歯周病のリスク診断や病勢診断などになる。しかし、これらは本格的な保険導入がされていないことから、主に自費での扱いになり、意外に歯科医療においては唾液検査への関心は薄いのではないだろうか。そのことが、口腔という乾燥を大敵とする臓器において、極めて重要な生理的働きを行う唾液の機能性に注目をしない歯科医療が続いているような気がする。例えば、唾液量を測定するだけでも、口腔の疾患に対するリスク要因を理解でき、う蝕や歯周病の診療にも大いに役立つ情報の筈である。う蝕や歯周病の病変の特徴は、予防が効果的な病変であることである。特にう蝕に対して生体は、免疫機構や再生現象が働かず、すなわち自然治癒がないので、そもそも病気にならないことが最も重要である。その点では、医科で扱う疾患概念とは大きく異なる病変と言える。医科は、やはり治療主体の医療であり、病気を治すことができなければならないが、歯科は、病気にさせない取り組みこそ、病変の特徴から考えて重要な医療としての役割ではないだろうか。そのための検査として唾液の有用性には疑いがない。昨今取りざたされている国民皆歯科健診においては、そのスクリーニング検査として唾液検査が導入される可能性が指摘されている。国民皆歯科健診は、その趣旨に沿い実行されれば、8020運動と同様に成果を上げ、そして国民の健康レベルを底上げできると考えられる。その理由は簡単で、歯科医療が扱う病変はもともと予防が効果的に実行できるからである。そして、唾液検査からはじまる国民皆歯科健診となった場合、唾液検査の歴史上、歯科医療における初めての唾液分野でのブレイクスルーとなることが予想できる。だからこそ成功させたい。医科では3度のブームが到来歯科系の唾液検査について医中誌で調査すると最も古い文献は、1982年の「歯科臨床における口腔環境評価へのアプローチ唾液検査用試験紙(pH,緩衝能,潜血およびグルコースクリアランス)の実用化」という原著論文である。口腔環境評価というタームは、非常に重要で、口腔環境とは唾液そのものである。口腔という臓器は進化の過程で考えると、海中から陸上に上がるにあたり、大きな変化が起こっている。それは、海中では口が乾燥することは無く、水流が常に生じているので汚れることも無い。そのため魚にはう蝕が無い。しかし、陸上に生活の場を変えたことで、口が乾燥する状況が生じ、唾液による100ミクロンの薄い流体で覆われるシステムが備わった。また、口から食べることにより、嚥下や咀嚼に唾液が必要となり大唾液腺が発達してくるし、食べるものの違いで唾液の組成が進化していく。この様に、唾液は口腔の機能維持や感染予防としての機能を発達させてきており、進化の側面から考えると唾液が如何に重要かわかる。しかし、口腔の評価としての唾液を用いた歯科系唾液検査が、話題を呼ぶことは20年来一度もない。一方で、臨床唾液検査では3回の社会を賑わすブームが存在している(図)。唾液ブームの1回目は、約22年前の1999年頃に唾液を用いたストレス測定が大きな話題となった。唾液中のクロモグラニンが精神ストレスと関連することを見出し、トヨタ製の車の乗り心地の評価に使われた。さらに、2007年頃、アミラーゼでもストレスの測定ができることを示し、簡易的に測定できるアミラーゼモニターが開発され、唾液検査において社会実装された初めての機器となった。現在でも販売されている。その他、IgA、コルチゾールなどストレスを測定する唾液マーカーが開発されている。2回目のブームは、2010年頃に唾液からがん診断できることが発見され、マスコミから大きな注目を集めた(後程解説あり)。3回目のブームは、唾液を用いた新型コロナウイルスの検出である。唾液を用いた感染症の診断で保険収載されており、完全な社会実装を短期間で獲得した。これら3つのブームの立役者は、システムエンジニアと医師であり歯科医師ではない。現在でも、唾液の特徴である非侵襲性が注目され唾液検査の開発競争が様々な企業で展開されている。臨床唾液検査の開発と世界的動向唾液は、血液から産生されることから血液中の成分が移行してくる。すなわち血液と唾液は相関性が高いはずである。しかし、相関する成分もある一方、相関性のないことも多い。相関性がある場合も、一般的に血液より唾液の方が100倍から1000倍濃度が低い。すなわち薄まっている。これまで、臨床唾液検査で、非常に成功しているのは、主に感染症の診断である。HIVの唾液による抗体検査は正診率が92%といわれている。この場合の抗体は、感染後に血中に存在する抗HIV抗体であり、血中から移行してきた抗体を検出している。同様の理論で、新型コロナウイルスに対するIgG抗体検査も存在するが、抗体の形成には時間がかかることから、今現在の感染を診断するためにはPCRが用いられてきた。今後も感染症の診断に唾液検査の開発が進むと思われる。また、癌のリスク検査については、メタボローム解析を用いたAIによるリスク判定が社会実装されている。膵臓癌、胃癌、大腸癌などの癌のリスク診断に関しては、論文も非常に多く信頼性が高く、世界をリードする研究として発展している。癌に関する唾液検査は、アメリカUCLAのDevid Wong教授の研究がリードしていたが、現在では日本が最先端を走っている。唾液による診断への応用は、分析技術の進歩により、唾液プロテオーム、トランスクリプトーム、マイクロRNA、メタボローム、およびマイクロバイオームを調査する「唾液オミクス」と呼ばれる新しい時代が開かれており、臨床唾液検査は極めて有望な分野であることは間違いない。唾液検査「最大の難点」唾液検査と血液検査を比較すると、唾液検査の利点は簡便で非侵襲性に採取でき、誰でもできるという事が挙げられる。一方で、欠点もあるのだが、唾液検査の利点ばかりに注目されてきたところに問題があるのではないかと考えている。結論から示すと唾液検査は、血液検査と比較して、基準値の設定が難しい点が最大の難点である。特に単一の出口から唾液が出ればよいが、実際は3大唾液腺からの分泌により混合されてしまう。また唾液が口腔内に放出された瞬間から、空気に触れpHの変動範囲は、血液よりかなり大きい。また、口腔細菌により代謝されることで成分の変動や不純物が大量に含まれてしまう。この様に唾液は、血液のような濃度調整が厳密に行われた液体ではないのである。さらに、採取法によっても成分の変動が生じることが報告されている。この難題に対して、唾液中の成分の濃度をnormalizeする内部標準の開発や、適切な採取条件についてのガイドラインの作成など、唾液を扱う研究者が集まり検討が求められている。唾液学・唾液検査学の学問的確立に向けて唾液の取り扱いの標準化は、今後の唾液検査の開発には非常に重要な要素である。新型コロナウイルスPCR検査で唾液検査が急激に一般化したため、唾液の検査における基盤作りが間に合わない状況にあるため喫緊の課題と認識している。今後、歯科医師・歯科衛生士をはじめとした様々な医療職種や分野を超えて、この問題に加速度をつけて解決に向かう必要がある。特定非営利活動法人日本唾液ケア研究会(理事長:槻木恵一、会員123名)は、唾液を学際的に取り扱い、未成熟の唾液学、唾液検査学の確立を目指し、さらに国民の健康増進を推進する組織として2021年に設立した。唾液におけるプロフェッショナルな組織として、社会に貢献するために活動をはじめたばかりであるが、特に、唾液学・唾液検査学の学問的確立に是非とも貢献したい。最後に、「唾液・唾液検査学の確立」の一環として、「唾液の取り扱い」に関する標準化に向けた取り組みが必要である。多くの皆様とこの問題を共有したく考えている。そこで特定非営利活動法人日本唾液ケア研究会のホームページに意見を求めるサイトを作成した。多くの皆様からご意見をお寄せいただきたい。>>NPO法人日本唾液ケア研究会HPはこちらから第2回日本唾液ケア研究会学術集会が開催2023年11月26日(日)、第2回日本唾液ケア研究会学術集会が神奈川歯科大学横須賀キャンパスで開催される。日本歯科大学菊谷武教授による特別講演や、国民皆歯科健診を取り上げ厚労省から政策的な現状のヒアリング、神奈川歯科大学口腔衛生学分野山本龍生教授を交えた唾液検査に関するシンポジウムが行われる予定だ。オンデマンドでも配信されるため(配信は12月を予定)、ご興味のある方は是非登録してほしい。>>学術集会の詳細はこちらから
槻木 恵一
2023年11月25日
特別な配慮が必要な子ども。町の歯医者さんにできることは。

特別な配慮が必要な子ども。町の歯医者さんにできることは。

発達に遅れがあったり、何かしらの障がいがある子どもは十分なコミュニケーションをはかることが困難なことも多い。そのため、一般歯科医院では健常児と同様の歯科処置などを行うことは難しいと思われている。重度の障がいがあれば、一般の歯科医院で患者に混じって処置をすることは難しいが、グレーゾーンや軽度の障がいがある子どもに対しては、歯科医療従事者が知識を深め、特徴を知ることで一般の歯科医院で行える処置も少なくない。また心疾患や他の合併症を有するケースも多く、日々の生活のなかで口腔内を清潔に保つこと、またそのためのメンテナンス方法などを得ることは本人たちにとっても大切なことである。保護者は歯科医院を頼りたい実際、そのような子どもや保護者は、特別に難しい処置ではなくても気軽に何でも相談でき、信頼できる歯科の専門家として何かしらの支援を期待していることも多い。できるだけ小さな頃から歯科医院にかかることにより、歯科医院の雰囲気やスタッフにも慣れ、口腔内を触られることを嫌がらなくなってくる。歯磨きの練習もでき、処置に必要な様々な器具にも慣れることができるなど、こまめに歯科医院に通院することのメリットは大きい。一人ひとりを理解することそのような子どもに定期検診を行うにしても、障がいの程度、個々の理解度などにより対応法も異なり、日常で行う歯磨き自体が困難なことも多く見られる。また、患児のみならず、保護者への指導も非常に重要になってくる。視覚情報を生かした取り組み自閉症スペクトラム(ASD)では視覚情報の方が理解しやすいという特徴があるが、発達に障がいのある子どもは視覚的に誘導すると、スムーズにいくことも多い。これは文字情報や聴覚情報は脳でいったん視覚情報に置き換えて判断していると考えられ、その方が分かりやすいとされてる。視覚による刺激は直接的にインプットされるため、言葉を理解していない状態でも入りやすい。(1)絵カードによる情報の伝達もっとも基本的な方法が絵カードや写真を用いたものである。伝えたい内容を絵カードや写真で示しながら、同時にことばで補足説明をすると、自閉症スペクトラムや知的障がいがある子どもにも理解しやすくなる。【絵カード使用時のポイント】①声かけは少なめに、ことばは短くシンプルに肯定的で具体的な説明をする。②見通しがもてるようにする(はじめと終わりの明示をする)流れと手順を予告し、予定どおりに実行する。③静かなところで説明する音が大きなところや人が多くガヤガヤしているところでなく、余計な刺激のない集中できる環境でおこなう。(2)文字カードによる情報の提示歯科医院に訪れる子どもたちの不安を強くする要因に、歯科医院特有の音やにおいがある。特に音や振動、感触などは視覚的に伝えることはできないため、視覚情報である絵などに機械の音などを文字で補足することも一つの手である。マンガのように、絵にキュイーンと音がする、ゴリゴリするなどと文字で補足すると分かりやすい。音は、歯科医院で発生する機械音を録音しておくと、家で歯科受診の練習ができたりと役立てることができる。(3)実物を見せる歯科医院で使用するデンタルミラーやピンセット、エアーやバキュームなどは障がいの有無に関わらず、ほとんどの子どもたちにとっても馴染みのないものばかりである。これらを使用するときに過敏な反応を示したり、恐怖体験などが過去にあった子どもには脱感作の必要がある。このとき、「少しずつ、弱いものから、離れたところから」Tell-Show-Do(TSD)を行いながら脱感作を行う。自閉症スペクトラムの特徴として、特定の音や光、においや味、感触を好んだり、嫌がったりする傾向があるが、歯科医院の絵や写真カードだけでは伝わらない特有の刺激に対する不安や恐怖、過敏反応を取り除くためにも視覚情報とともに実物を用いたリハーサルも大切な学習のプロセスである。(4)iPadなどの電子機器を用いた情報の伝達小さくて軽いため、手軽に持ち運びができ、いくつもの場面をあらかじめ設定しておくことができる。その日の予定に合わせて、必要なものをタッチパネルで選択し、順番に並べることもできるなど電子機器を用いることのメリットは大きい。一次医療機関としての使命上記のことは一例に過ぎないが、何かを工夫したり、別の非言語的なコミュニケーションの手段も持って対応していくことで、お互いのコミュニケーションが円滑になり、一般の歯科医院でもできることが多くなる。ホームケアのみでの清掃には限度もあり、定期的に短い間隔で受診することで、口腔内の問題悪化を防ぐこともできる。大規模な病院ではできない密で細かな対応ができる点においても、地域の中で一般の歯科医院の果たすべき役割は大きい。スペシャルニーズへの歯科的対応1Dでは、日本大学歯学部の白川教授が「小児のスペシャルニーズ」への対応法について解説するセミナーを開催。Dプレミアム会員であれば、月額¥9,800でセミナー&講義動画が見放題。いずれのセミナーも、追加料金一切なしで無料にてお申し込みいただけます。1Dプレミアムの詳細を見る
482 TSUNAGU
2023年1月6日
「歯科衛生士・歯科助手の仕事が覚えられない」方へ。記憶力をハックして超効率的に仕事しよう!

「歯科衛生士・歯科助手の仕事が覚えられない」方へ。記憶力をハックして超効率的に仕事しよう!

「新しい仕事をなかなか覚えられない」。「後輩に何度指導しても同じミスをする」。仕事をしているとよくあることである。頑張っているにも関わらず、報われない…と悩んでいる歯科医師・歯科衛生士・歯科助手さんは多いのではないだろうか。私たちは学んだことを「記憶」してはじめて仕事に役立たせることができる。今回は「記憶」をテーマに仕事がうまくいくコツを紹介しよう。仕事をうまくこなすのは「記憶の定着」記憶は3つの過程を経て定着する。覚えること覚えたことをキープすること思い出すこと覚えただけではすぐに忘れてしまうのでそれを維持させる必要がある。そして最後に”思い出す”ことをして頭に定着するのだ。記憶を保管しておく倉庫は3パターンある。感覚記憶の倉庫短期記憶の倉庫長期記憶の倉庫感覚記憶は感覚器官で瞬間的に得た情報のこと。これが意識されたときに短期記憶になる。短期記憶は比較的短い記憶のことをさす。何度も反復しないと自然消滅して忘れ去られてしまうのである。本当に覚えたいことは7つに絞る心理学者のミラーは数字を1回見たり聞いたりしただけで短期記憶できる範囲は5~9までとしている。もし覚えたいことがあるならば、この数を意識してみよう。後輩を指導するときにも使える。ついつい一度にたくさんの情報を与えてしまいがちだが、多すぎても覚えられない。本当に覚えてもらいたいことは7つに絞って提示してみよう。覚えられたときに次のステップへ進めばよいのである。何度も反復しようまた、7つのことを覚えたときには、質問やクイズにして自分自身に投げかけてみること。何度も反復することで記憶は定着する。そして思い出す行為をすることでより頭に残るのだ。そういった過程を経て、長期記憶になる。長期記憶は知識として定着しているので、ここまで来てはじめて、仕事にいかすことができる。長期記憶は「運動的記憶」と「エピソード記憶」と「意味記憶」に分けられる。身体を使って覚える「運動的記憶」運動的記憶とはからだを使って覚えたこと。アルジネートを練ったりセメント練ったりなど、一見簡単そうに見えますが実はテクニックがいる。これも運動してからだに染みつかせて覚えたこと。「スパチュラの角度は○度にしてラバーカップのラインに沿わせて…」と言葉だけで伝えて出来る人は少ないだろう。アルジネートは少しふわっとさせてからすり切ること、水の表面張力の微妙な差でゆるさが変わってしまうことなど、口頭で伝えられるよりも実際に行い、からだで覚えた方が早い。実践できることならどんどん練習していこう。それが早く覚えて身につくコツである。感情ベースの「エピソード記憶」エピソード記憶とは起こった出来事の記憶で、時間や場所、そのときの感情が含まれる。EXTの鉗子など、初めのうちは似たり寄ったりのものばかりで覚えるのが困難である。ちゃんと覚えていなくてなんとなくで出してしまったとき、院長先生から怒られなかっただろうか。怒られるのは辛いですが、そうした後はすんなり器具の違いを覚えられるのだ。「怒られた」などインパクトの強いエピソードがあると記憶に残りやすい。エピソード記憶はたった1回経験しただけでそれを記憶する特徴がある。覚えたいときはストーリーを作って、思い出しやすいようにしてみよう。繰り返し学習が必要な「意味記憶」意味記憶はいわゆる一般的な知識や情報のことをさす。こちらは先ほど紹介したように繰り返しの学習が必要。長期記憶庫に入った記憶はなかなか忘れない。そしてここに入って初めて仕事に役立たせることができる。長期記憶庫に入るような工夫を心掛けてみよう。人間の記憶の仕組みを知ることで現状の改善策も見出せたのではないだろうか。工夫次第で人間の記憶は上手く利用でき、それによって効率よく仕事を進められる。こういった知識を落とし込んで、自分のものにしてみよう。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる
本吉 ひとみ
2020年8月21日

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