歯科用語集
2025年10月28日

著効

「著効」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

「著効」とは、治療や薬剤が患者に対して顕著な効果を示すことを指す。語源は「著しい効果」の略であり、特に医療分野においては、治療の効果が明確に現れることを強調する際に用いられる。歯科においては、特定の治療法や薬剤が、患者の症状に対して迅速かつ明確な改善をもたらす場合に「著効」と表現されることが多い。例えば、歯周病治療における抗菌薬の使用や、虫歯治療における充填材の効果が著効として評価されることがある。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床現場において「著効」は、治療法の選択や評価において重要な指標となる。治療を開始する際には、患者の症状や病歴を考慮し、どの治療法が著効を示す可能性が高いかを判断する必要がある。例えば、歯周病の治療においては、スケーリングやルートプレーニングが著効を示す場合が多く、これに基づいて治療計画を立てることが求められる。また、著効が確認された治療法は、保険点数の評価にも影響を与えるため、歯科医師はその効果を正確に把握し、適切な治療を提供することが求められる。

関連用語・類義語との違い

「著効」に関連する用語としては「効果」「効能」「治療効果」などがあるが、これらは微妙に異なる意味を持つ。「効果」は一般的に治療や薬剤がもたらす結果を指し、「効能」は特定の条件下での効果を示すことが多い。一方、「著効」はその中でも特に顕著な効果を強調する用語であり、臨床現場での具体的な評価基準として重要である。したがって、著効は他の用語と比較して、より強い効果を示す場合に使用されることが多い。

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著効の理解と臨床応用。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき症例と判断ポイント

著効の理解と臨床応用。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき症例と判断ポイント

著効とは何か著効とは、特定の治療や処置が患者に対して顕著な効果を示すことを指す。歯科領域においては、特に治療法の選択やその効果を評価する際に重要な概念である。著効を理解することで、歯科医師や歯科衛生士は、患者に最適な治療を提供するための判断材料を得ることができる。著効の評価には、臨床症状の改善や患者の満足度、治療後の経過観察が含まれる。これにより、治療法の有効性を定量的に評価することが可能となる。また、著効を示す治療法は、患者のQOL(生活の質)向上にも寄与するため、歯科医療の質を高める上で欠かせない要素である。著効の評価方法著効を評価するためには、いくつかの方法が存在する。まず、臨床試験や症例研究を通じて、治療法の効果を定量的に測定することが重要である。具体的には、治療前後の症状の変化を比較することが一般的である。さらに、患者の主観的な評価も重要な要素である。患者が治療後に感じる痛みの軽減や機能の改善、さらには治療に対する満足度を調査することで、著効の実感を確認することができる。これらの評価方法を組み合わせることで、より信頼性の高い著効の判断が可能となる。特に、長期的なフォローアップを行うことで、治療の持続的な効果を評価することができる。著効を示す治療法の例歯科において著効を示す治療法には、いくつかの具体例がある。例えば、根管治療や歯周病治療は、適切に行われた場合に著効を示すことが多い。これらの治療法は、症状の改善だけでなく、歯の保存や機能回復にも寄与する。また、インプラント治療も著効を示す治療法の一つである。適切な診査と診断に基づいて行われるインプラント治療は、患者にとっての機能的な改善をもたらす。これらの治療法は、患者の生活の質を向上させるだけでなく、歯科医療の信頼性を高める要因ともなる。著効のメリットとデメリット著効を示す治療法には、いくつかのメリットとデメリットが存在する。まず、メリットとしては、患者に対する治療効果の明確な証明が挙げられる。著効が確認されることで、患者の信頼を得やすくなり、治療の継続性が向上する。一方で、デメリットとしては、著効が得られない場合の患者の不満や、治療法の選択における難しさがある。特に、個々の患者の状態や背景に応じた治療法の選択が求められるため、歯科医師には高い専門性が求められる。このように、著効の理解は、歯科医療の質を向上させるために不可欠な要素である。著効を考慮した治療計画の立案治療計画を立案する際には、著効を考慮することが重要である。患者の症状や状態に応じて、最適な治療法を選択するためには、過去の症例や治療結果を参考にすることが求められる。また、治療の進行状況に応じて、計画を柔軟に見直すことも重要である。著効が確認された場合には、その治療法を継続し、逆に著効が得られない場合には、他の治療法を検討する必要がある。このように、著効を基にした治療計画の立案は、患者に対する最良の医療を提供するための重要なステップである。著効に関する注意点著効を評価する際には、いくつかの注意点がある。まず、患者の個々の状態や背景を十分に考慮することが重要である。治療法が全ての患者に対して同様の著効を示すわけではないため、個別のアプローチが求められる。また、著効の評価には、客観的なデータだけでなく、患者の主観的な感覚も重要である。患者の意見を尊重し、治療に対する理解を深めることが、より良い結果を生む要因となる。これらの注意点を踏まえた上で、著効を適切に評価し、治療に活かすことが求められる。
1D編集部
2024年6月1日
【デンタルIQ】歯学部入学によって歯科疾患は予防できるのか?

【デンタルIQ】歯学部入学によって歯科疾患は予防できるのか?

歯学部では、未来の歯科医師育成のために日々教育が行われている。歯学部に通う学生は、日々の試験やCBT、歯科医師国家試験に向けて相当な量を勉強している。歯学部での6年間のうち、序盤は基礎的な生物学や全身解剖学、生理学などを学ぶが、学年が上がるにつれて歯や口腔顎顔面領域に関する事柄を学ぶことが多くなる。当たり前の話だが、歯学部生のデンタルIQは、6年間で飛躍的に向上する。もしデンタルIQが歯科疾患の予防につながるのであれば、歯学部生は歯科疾患にかかりにくいということになる。この仮説は正しいのかどうか、松本歯科大学が行った研究をご紹介したい。なお、以前1Dでは「進級」と「ブラキシズム」の関係に関する研究をご紹介している(『1Dニュース:「進級」と「ブラキシズム」:歯学部生、進級するほどブラキサーに』)。歯学部生は本当にデンタルIQが高くて歯科疾患になりにくいのか松本歯科大学の研究チームは、2011年度から2013年度に入学した歯学部生のうち、研究対象になった101名の歯学部生に1年次と4年次に健康診断を実施し、全身疾患の有無、身長、体重、BMI、血圧、現在歯数、未処置歯数、処置歯数、欠損歯数、DMFT歯数、CPI(プロービングデプスと臨床的アタッチメントレベル)を調査した。平成28年度歯科疾患実態調査において、4mm以上の歯周ポケットを有する者の割合は15〜24歳では17.6%、25〜34歳では32.4%である。松本歯科大学の1年生の数値は25.4%であり全国平均より高かったものの、4年次では17.8%で全国平均に近い結果まで下がった。つまり歯科医学を勉強するにつれて、ブラッシング方法や歯周疾患についての学習が進みセルフケアの能力が高まったか、歯科医院を受診して歯周治療を受けたものと考えられる。なお、臨床的アタッチメントレベルには有意差は認められなかった。う蝕については、1年次と4年次では有意差が認められ、未処置歯数が減少し、処置歯数が増加した。全身状態では、1年次と4年次で比較した際に血圧が増加していたものではBMIが増加していた。昼休みに歯を磨く文化ここからは筆者の私見を交えて考察をしていく。筆者は歯学部生時代は編入生で、文系大学を卒業してから歯学部に入学した。思い返せば、文系大学の在籍時には昼休みに歯を磨く学生は、よほど美意識が高いか健康志向の強い学生以外、ほとんど見なかった。しかし歯学部では、昼休みに学生が歯を磨いている光景は珍しくない。また、歯学部では教室の移動がほとんどなく、個別のロッカーが与えられている場合が多いというのも、昼休みに歯を磨きやすい要因ではあるだろう。一般的な文系大学では選択式の授業が大半であるため移動教室が多く固定のロッカーはない場合が多い。そんなわけで、歯学部に入ってから昼休みに歯を磨く学生が多いのにびっくりした覚えがある。しかし本研究の結果からは、必ずしもデンタルIQが歯科疾患の予防に著効するということは読み取れない。今後の患者指導に活かすポイントが見つかれば幸いである。参考文献佐故竜介, 出分菜々衣, 田口明, 尾﨑友輝, 窪川恵太, & 吉成伸夫. (2022). 歯科大学生 101 名の血圧とう蝕未処置歯数, 歯周ポケット深さおよび Body Mass Index との関連について: 入学時および 4 年時の追跡調査. 日本歯科保存学雑誌, 65(2), 164-173.
宇梶 淳平
2022年7月10日
【超解説】非歯原性歯痛のエビデンス【1万字】

【超解説】非歯原性歯痛のエビデンス【1万字】

患者の多くは、歯痛を主訴として歯科医院を訪れる。歯科医師であれば真っ先に歯髄炎や歯周炎を疑うところだが、近年では歯を疼痛の発生源としないにも関わらず歯痛を訴える疾患に脚光が集まってきた。※ 非歯原性歯痛の診断・治療のレクチャーは こちらから詳細を見る非歯原性歯痛とは?非歯原性歯痛とは、歯に原因がないにも関わらず、歯に痛みを感じる疾患である。非歯原性歯痛は、歯痛全体の2.1〜9%を占めると推定され、Nixdorfらのシステマティック・レビューによれば、一般の歯科医院での非歯原性歯痛の発現頻度は5.3%であると推定されている。さらには、年間で68万本の歯が根管に原因のない根管治療をされているという報告もある。歯に原因が見つからないにも関わらず患者が痛みを訴えるため、歯科医師により抜髄や抜歯など効果のない不可逆的な歯科治療が行われることもある。当然抜髄や抜歯を行っても歯痛は継続するため、原因不明の痛みとして困窮している患者や歯科医師が、いまも日本全国に存在しているのだ。口腔顔面痛は、歯学部の教育課程にあまり盛り込まれていなかった経緯があり、臨床上でも見過ごされがちだった領域である。本記事では、日本口腔顔面痛学会『非歯原性歯痛の診療ガイドライン(改訂版)』を下敷きとして、非歯原性歯痛のエビデンスを徹底解説する。非歯原性歯痛の原疾患非歯原性歯痛を誘導しやすい病態としては、「筋・筋膜痛による歯痛」「神経障害性疼痛による歯痛」「神経血管性頭痛による歯痛」「上顎洞疾患による歯痛」「心臓疾患による歯痛」「精神疾患または心理社会的要因による歯痛」「特発性歯痛」などが挙げられる。筋・筋膜痛による歯痛筋・筋膜痛の関連痛として、歯痛が生じることがある。筋・筋膜痛による歯痛は非拍動性の疼くような痛みを特徴とし、歯原性歯痛と比べると痛みの持続時間が長いという特徴がある。筋・筋膜痛による歯痛は筋の酷使による疲労によって生じ、心理的ストレスによって悪化するとされる。筋・筋膜痛による歯痛の最大の特徴は「トリガーポイント」の存在である。トリガーポイントは骨格筋の疲労により形成される易刺激性の圧痛点であり、このトリガーポイントへの刺激によって口腔顔面部に関連痛を生じさせる。具体的には、咬筋や側頭筋、胸鎖乳突筋の触診によるトリガーポイントの5秒間の圧迫により歯痛が再現され、当該の筋への麻酔(トリガーポイントインジェクション)によって疼痛が軽減することが特徴である。筋・筋膜痛による歯痛の原因となる筋は、咬筋が約半数の47%、側頭筋が30%、胸鎖乳突筋が17%の順に多いと報告されている。神経障害性疼痛による歯痛神経生涯生疼痛による歯痛は、「発作性神経障害性疼痛」と「持続性神経障害性疼痛」とに分類される。発作性神経障害性疼痛は「三叉神経痛」に代表されるように、発作的に生じる電撃様疼痛が特徴である。誘発部位への些細な刺激で激烈な痛みが発作的に数秒間生じる。現に、三叉神経痛の患者の多くは歯痛を主訴として最初に歯科医院に来院している。一方の持続性神経障害性疼痛は、灼熱性の痛みが間断なく持続する症状を特徴とする。持続性神経障害性疼痛の発症前に外傷や外科処置などの既往歴があり、多くの場合に知覚鈍麻やアロディニアなどの神経障害性疼痛の特徴を伴っている。神経血管性頭痛による歯痛神経血管性頭痛の患者の多くは、歯痛を主訴として歯科医院を受診している。神経血管性頭痛とは、脳血管の神経原性炎症によって生じる一次性頭痛のことであり、これも歯痛を生じることが多い。片頭痛や三叉神経・自律神経性頭痛が神経血管性頭痛である。片頭痛では、臨床症状として上顎臼歯部の拍動性自発痛が一般的であるが、下顎犬歯に生じたケースもある。また群発頭痛では、上顎大臼歯部の持続性の激痛が15分〜180分間生じるが、突然消失するという臨床症状を持つ。上顎洞疾患による歯痛上顎洞疾患による歯痛は、文字通り上顎洞の疾患が原因で生じる歯痛のことである。急性上顎洞炎による歯痛が最も頻度が高いとされるが、上顎洞がんや真菌感染などの疾患との鑑別診断が必要である。上顎洞炎のうち、18%に歯痛が生じる。歯痛が生じる部位は、上顎洞が解剖学的に近接している上顎の小臼歯〜大臼歯に多い。また、上顎洞がん患者の36%は、病初期に上顎臼歯部の歯痛を訴えるという報告もある。冷水痛、咀嚼時痛が認められ、かみしめにより違和感を生じるほか、鼻症状や発熱などの感冒症状も認める。心臓疾患による歯痛狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患に代表される、心疾患の関連痛として歯痛が生じることもある。虚血性心疾患の発作時に口腔顔面部に痛みが生じる割合は38%であると明らかにした研究があるが、38%のうちの5.9%は、口腔顔面部の痛みが唯一の症状であった。この場合の関連痛の特徴は、「圧迫痛」や「灼熱痛」である。虚血性心疾患の患者が、歯痛を唯一の主訴として歯科医院に来院する可能性があること、それを見逃してしまうと患者の命に関わる結末になりかねないことを、歯科医師は知っておく必要があるかもしれない。精神疾患または心理社会的要因による歯痛シェイクスピアは、妊娠した妻を持つ夫が歯痛を訴えることがあると書き残した。妊婦の夫は、妻の出産が不安で非歯原性歯痛を訴えることがある。また、うつ病や双極性障害、身体症状症、妄想性障害身体型、パーソナリティ障害によって非歯原性歯痛が生じることも報告されている。心身医学的な歯痛では、病理所見が疼痛部位に存在しない。こうした精神疾患または心理社会的要因による歯痛は、患者の訴える歯痛の部位が解剖学的な整合性を欠くことから推測できることが多い。特発性歯痛(非定型性歯痛を含む)特発性歯痛は、1本以上の歯または抜歯した後の部位に生じる持続性疼痛で、通常の歯科的原因が全く存在しないもの、と定義されている。その病態は現在でも解明されていない部分も多い。非定型性歯痛の病態も未解明の部分が多い。神経障害性疼痛であるとする説や心理的な要因が原因で生じるとする説、中枢性感作によるとする説、脳内の疼痛処理過程の変調で生じるとする説など諸説ある。非定型性歯痛の70〜83%が歯科治療をきっかけに発症するとされ、これらの患者は医療への不信感や怒り、不安などが見られることがある。精神疾患の既往があるケースが多いことを考えても、非定型性歯痛の患者は精神状態や心理社会的な状態を総合的に考える必要がある。非歯原性歯痛はなぜ起こるのか?前章では、非歯原性歯痛のそれぞれの原疾患について解説した。それでは、非歯原性歯痛はどのような原因で生じるのだろうか。非歯原性歯痛の発生機序は、「関連痛」「神経障害による痛み」「器質的異常が認められない慢性疼痛」の3つに分類される。関連痛前章で解説した筋・筋膜痛による歯痛、神経血管性頭痛による歯痛、心臓疾患による歯痛、上顎洞疾患による歯痛が「関連痛」による非歯原性歯痛に含まれる。例えば筋・筋膜痛による歯痛では、疲労が蓄積した筋に形成されたトリガーポイントからの関連痛により生じる。トリガーポイントにトリガーポイントインジェクションを行ったところ歯痛が消失するということも根拠となっている。神経障害による痛み神経障害による痛みは、末梢神経性疼痛と中枢神経性疼痛とに分類され、神経障害性疼痛による歯痛の発生機序とされる。末梢神経性疼痛は、末梢性感作、神経腫、エファプス伝達、交感神経の関与、表現形の変化により生じる。また中枢神経性疼痛は、発芽、ワインドアップ、長期増強、中枢性感作、内因性痛覚抑制機構の失調により生じる。器質的異常が認められない慢性疼痛精神疾患や心理社会的要因によって歯痛が生じているケースなどが、この「器質的異常が認められない慢性疼痛」に含まれる。これらはこれまで原因不明と考えられてきたが、脳科学・神経科学の発展とともに、中枢における神経伝達物質などの生化学的変化や情報処理過程の変調などによるものと解明されつつある。非歯原性歯痛の治療非歯原性歯痛に有効な薬物療法非歯原性歯痛に対する治療法として、薬物療法が挙げられる。原疾患ごとに適用されるべき薬物は異なるため、歯科医院としては適切な診療科を患者に選択させることも重要である。筋・筋膜痛による歯痛に対しては、鑑別診断目的を含めてトリガーポイントインジェクションが有効である。他にもNSAIDs(イブプロフェン)、低用量のアミトリプチリン、アセトアミノフェン、トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠、混合ビタミンB群、ジクロフェナクナトリウム、塩酸チザニジン、リン酸コデイン、ベンゾジアゼピン、漢方などが有効であったとする報告があるが、いずれもエビデンスレベルが十分なものは少ない。その他の原疾患に対する薬物療法に関しても、原疾患ごとに有効な薬物が異なり、その有効性をそれぞれで評価する必要がある。非歯原性歯痛に理学療法は有効?非歯原性歯痛に対する治療として、理学療法は有効だろうか。結論から言えば、非歯原性歯痛に対する理学療法の科学的なエビデンスは十分ではない。筋・筋膜痛による歯痛にはストレッチやマッサージ、ホットウォーターバスなどの理学療法の有効性が報告されているが、いずれの研究もエビデンスレベルは高くない。理学療法は可逆的で侵襲が少ない治療法であり、多くの疾患に対して経験的に有用であると評価されているため、今後の研究が待たれるところである。非歯原性歯痛に抜髄・抜歯は有効か?非歯原性歯痛に対して抜髄や抜歯といった不可逆的的な処置は無効である。なぜなら、歯に原因が無いからである。非歯原性歯痛に対して抜髄や抜歯を行っても疼痛が改善されなかったケースや、むしろ増悪したケースが多数報告されている。同様に、咬合調整や義歯調整などの治療も効果は無いため、非歯原性歯痛では不必要な可能性のある歯科治療を行うべきではない。非歯原性歯痛にスプリント療法は有効か?非歯原性歯痛のうち、筋・筋膜痛による歯痛に関しては、スプリントによる一時的な疼痛軽減が期待できる。しかし、その他の原疾患に対してスプリント療法を行うことには理論的な根拠は無い。非歯原性歯痛の実際の臨床では原因が特定できていない場合が多く、スプリント療法などの可逆的な治療法を「とりあえず」で選択してしまいがちである。しかしいずれの病態の非歯原性歯痛に対しても、スプリント療法のエビデンスは十分とは言えない。非歯原性歯痛の予防非歯原性歯痛の予防法は、現在のところ研究されていないと言ってもよいほどに文献が少ない。例えば筋・筋膜痛による歯痛には生活習慣の改善が治療として行われるため、予防法としても有効なようだ。今後非歯原性歯痛の認知拡大に伴って予防法に関する研究も進んでいくだろう。今後さらなるエビデンスが求められる日本口腔顔面痛学会『非歯原性歯痛の診療ガイドライン』は、2011年に初めて発行された。2019年に大幅な改定が行われ、一般臨床家にも徐々に周知されてきている。冒頭で述べたように、非歯原性歯痛は出現度の低い疾患ではない。非歯原性歯痛が原因で歯痛を訴える患者に対して不可逆的な侵襲が行われないためにも、今後さらなるエビデンスの充実や、歯科医療者に対する情報の提供は必要不可欠である。非歯原性歯痛の診断・治療のプラクティス強い痛みを訴える患者に対し、原因が特定できないまま抜髄や抜歯をしてしまったこと、ないでしょうか。抜髄・抜歯に至らなかったとしても、投薬のみで経過観察していませんか?その歯、非歯原性歯痛だったかもしれません。単に非歯原性歯痛といっても、その原因やメカニズムは多様です。筋・筋膜痛、三叉神経痛、群発頭痛。どれも患者は「歯の痛み」を訴えて受診します。中には歯髄炎の症状と酷似しても、X線画像では異常が認められず、結果として中枢性の疼痛ということもあります。これら”非歯原性”の歯痛に対して、正しく診断し適切な治療ができなければ、なかなか治らない病に患者は不安を感じてしまうでしょう。オーバートリートメントを防ぐためにも、正しい知識を身につけ非歯原性歯痛に対応できるスキルを身につけましょう。セミナー詳細を見てみる参考文献一般社団法人 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1D編集部
2021年5月12日

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