歯科用語集
2025年10月28日

口腔機能低下症

「口腔機能低下症」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

口腔機能低下症とは、口腔内の機能が低下し、食事や発音、嚥下などの日常生活に支障をきたす状態を指す。語源は「口腔」と「機能低下」に由来し、口腔内の機能が正常に働かないことを示す。分類としては、加齢に伴うものや、疾患によるもの、外傷後のものなどがある。特に高齢者に多く見られ、口腔機能の低下は全身の健康にも影響を及ぼすため、早期の評価と介入が重要である。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床において口腔機能低下症は、患者の生活の質を向上させるための重要な指標である。判断基準としては、嚥下機能の評価、咀嚼能力の測定、口腔内の状態観察が含まれる。具体的には、食事の際の咀嚼の困難さや、誤嚥のリスク、発音の明瞭さなどが評価される。これらの評価は、歯科医師や歯科衛生士が行うことができ、適切な介入を行うことで、患者の口腔機能を改善することが可能である。

関連用語・類義語との違い

口腔機能低下症に関連する用語としては、「口腔機能障害」や「摂食嚥下障害」がある。口腔機能障害は、口腔内の機能全般に関わる広義の用語であり、口腔機能低下症はその一部として位置づけられる。一方、摂食嚥下障害は、特に食事や飲み込みに関する機能の障害を指し、口腔機能低下症の一症状として現れることが多い。これらの用語の違いを理解することで、より的確な診断と治療が可能となる。

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口腔機能低下症の診断と処置。歯科臨床で役立つ症例と術式の判断ポイント

口腔機能低下症の診断と処置。歯科臨床で役立つ症例と術式の判断ポイント

口腔機能低下症とは口腔機能低下症は、口腔内の機能が低下する状態を指し、主に咀嚼、嚥下、発音などの機能に影響を及ぼす。高齢者に多く見られるが、若年層でも様々な要因により発症することがある。この症状は、口腔内の構造的な問題や神経的な障害、全身的な疾患などが原因となることが多い。診断には、臨床的な評価や問診が重要であり、患者の生活の質に大きな影響を与えるため、早期の発見と適切な処置が求められる。口腔機能低下症の症状と診断口腔機能低下症の主な症状には、咀嚼困難、嚥下障害、口腔内の乾燥感、発音の不明瞭さなどがある。これらの症状は、患者の食事やコミュニケーションに深刻な影響を及ぼすため、早期の診断が重要である。診断には、口腔内の視診、機能評価、問診を通じて、具体的な症状や生活習慣を把握することが必要である。また、必要に応じて画像診断や生理機能検査を行い、他の疾患との鑑別を行うことも重要である。口腔機能低下症の処置と術式口腔機能低下症の処置には、リハビリテーションや義歯の適合、栄養指導などが含まれる。リハビリテーションは、口腔機能を改善するための重要な手段であり、専門的な訓練を通じて咀嚼や嚥下の機能を向上させることが可能である。義歯の適合に関しては、患者の口腔内の状態に応じた適切な設計が求められる。また、栄養指導は、口腔機能が低下している患者にとって、食事の質を維持するために不可欠である。口腔機能低下症の症例と治療のコツ実際の症例として、高齢者の患者が口腔機能低下症を抱えている場合を考える。この患者は、咀嚼が困難であり、食事を摂ることが苦痛であった。治療のコツとしては、まず患者の状態を詳細に評価し、個別のニーズに応じたリハビリテーションプログラムを作成することが重要である。さらに、義歯の調整や栄養指導を通じて、患者の生活の質を向上させることができる。口腔機能低下症における注意点とメリット・デメリット口腔機能低下症の治療においては、いくつかの注意点が存在する。例えば、リハビリテーションを行う際には、患者の体力や意欲を考慮し、無理のない範囲で進めることが重要である。メリットとしては、適切な処置を行うことで、患者の生活の質が向上し、社会的な活動への参加が促進される点が挙げられる。一方で、デメリットとしては、治療に時間がかかる場合があり、患者の心理的負担が増す可能性があることを理解しておく必要がある。まとめ口腔機能低下症は、患者の生活に大きな影響を与えるため、早期の診断と適切な処置が求められる。歯科医師や歯科衛生士は、患者の状態を正確に評価し、個別の治療計画を立てることが重要である。今後も、口腔機能低下症に関する知識を深め、臨床での実践に活かしていくことが求められる。
1D編集部
2024年6月1日
高齢者・有病者歯科をマスターしよう。おすすめセミナー3選

高齢者・有病者歯科をマスターしよう。おすすめセミナー3選

皆さんこんにちは、1D編集部です。この記事では、1Dが主催するまもなく開催予定の注目オンラインセミナーを3つ、ご紹介していきます。興味があるセミナーがあれば、ぜひお気軽にお申し込みください。1Dプレミアム会員であれば、月額¥9,800でセミナー&講義動画が見放題。いずれのセミナーも、追加料金一切なしで無料にてお申し込みいただけます。1Dプレミアムの詳細を見るオーラルフレイルの理論と実践 基本概念から予防の実践論まで今診ている患者さんの将来、考えていますか?高齢化社会において、口腔機能の維持は歯科医院の重要なミッションです。オーラルフレイルは、表に出始めた身体の衰えのサインであり単に口腔の虚弱として捉えるのではなく、一つひとつの現症への適切な評価と対応が求められているでしょう。適切な口腔ケアや食事改善、口腔機能トレーニングをサポートすることが、将来のQOLに大きく関わってきます。このセミナーでは、オーラルフレイルをテーマに、各口腔機能(咀嚼、咬合、舌運動など)の低下や歯の欠損など、オーラルフレイルさらには口腔機能低下症に関する評価結果を踏まえ、その患者さんの抱える課題、さらには対策について、東京都健康長寿医療センター歯科口腔外科部長/研究所研究部長である平野浩彦先生に解説いただきます。今後の歯科医療において、ますます重要性が増すオーラルフレイルへの対策。この機会に理解を深め、患者へのサポート力を高めましょう。詳細・お申込みはこちら「食べる」を解明する プロセスモデルで考える摂食嚥下リハ咀嚼から嚥下までのプロセス、理解していますか?古典的な咀嚼嚥下の概念では、嚥下が始まるまで口腔と咽頭は口峡部で遮断されていると考えられていました。しかし、多くの研究により咀嚼しているときには口峡は開いており、嚥下まで口腔と咽頭はひと続きの空間をなすことが明らかになりました。今後の超高齢社会において、要介護者人口の増加は目に見えています。従来の咬合回復だけでなく「より安全に、快適に食生活を送ること」が求められていくでしょう。このセミナーでは、咀嚼嚥下を古典的な4期連続モデルではなく、4つのステージに分けるプロセスモデルを用いて、顎運動とそれに協調した舌、 舌骨、軟口蓋などについて東京医科歯科大学の松尾教授に解説いただきます。咀嚼のための口腔機能回復だけが、ゴールではありません。詳細・お申込みはこちら地域と歯科医療 歯科医療者の果たすべき役割2025年、6人に1人が後期高齢者という「超高齢化社会」を迎えます。今、自力で歯科医院に通う患者さんの約18%は、この先どうなるでしょうか?有病者や要介護者が増加する中、全身疾患も含めた在宅診療の知識、テクニックや他職種との連携が求められます。「地域包括ケア」つまり、介護が必要な状態になっても、可能な限り住み慣れた地域で、その有する能力に応じ自立した生活を続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される”仕組み”に、歯科は大きく貢献できるはずです。このセミナーでは、地域包括ケアシステムの中で在宅診療を含め、歯科医療者の果たすべき役割と対応策について、日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック院長の菊谷 武先生に解説していただきます。歯科医院だけでなく、地域で「はたらく」歯科医療者になりましょう。詳細・お申込みはこちら他にもオンラインセミナーを多数開催中1D(ワンディー)では、他にも歯科医療者向けのオンラインセミナーを多数開催しています。開催予定のセミナーの一覧は、下記ボタンから見ることができます。ぜひ1Dでセミナーに参加して、知識アップ・スキルアップをしていきましょう。開催中のセミナーを見てみる
1D編集部
2023年4月22日
【著者本人が解説】開口力が小さい場合、嚥下障害のリスクになる

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歯科医療に求められていること日本は2007年に超高齢社会に突入し、2021年現在、高齢化率は過去最高の29.1%となりました。社会の変化と共に歯科医療では、歯の形態回復を中心とした治療中心型の歯科医療から口腔機能の維持・回復に重点を置いた診療が求められるようになってきています。特に歯科医療においては、咀嚼機能の回復と共に嚥下機能の管理も必要とされています。嚥下というと嚥下造影検査(VF)や嚥下内視鏡検査(VE)、もしくは口腔機能低下症の診断基準のひとつであるEAT-10(Eating Assessment Tool-10)を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。VFやVEは診断に、EAT-10はスクリーニングに用いられ、いずれも誤嚥を防ぎ、安全な経口摂取を維持することが目的となっています。誤嚥のメカニズムとは?嚥下とは舌骨上筋が収縮することで舌骨と甲状軟骨が挙上し、食道入口部の開大により食べ物は食道へと進んでいく過程を指します。舌骨上筋が収縮する力が低下すると、食べ物は咽頭に残留してしまい、誤嚥を引き起こします。そのため嚥下機能を評価する際、舌骨上筋群の筋力は重要な指標のひとつとなります。舌骨上筋の筋力については、これまでVFでしか評価することができませんでした。一方でこの舌骨上筋は舌骨の挙上だけではなく、開口時に下顎骨を下げる働きも持っています。開口力と嚥下障害の関係を解明した論文を発表そこで筆者の所属する東京医科歯科大学摂食嚥下リハビリテーション学分野では、開口力(口を開ける力)を計測する「開口力計」の開発と臨床応用を進めてきました。開口力計の使い方を図に示します。そして筆者らは今回、開口力と嚥下障害の関連を解明し、論文として発表することができました。論文タイトル:Jaw-Opening Force as a Useful Index for Dysphagia: A Cross-Sectional and Multi-Institutional Study掲載誌:Gerontology今回の論文では、2018年11月から2020年1月に大学病院4施設および地域調査2会場を訪れた方のうち、研究への参加に同意した65歳以上の男女計460名を対象としました。全員に対して開口力計を用いて開口力を計測したほか、舌圧、下腿周囲長、握力、体格指数(BMI)の計測および嚥下障害の有無、日常生活動作、既往歴を聴取しました。また対象者の食形態を調査し、食べている食形態によって嚥下障害の度合いを分類するFOIS (Functional Oral Intake Scale)を用いて評価しました。口から食事を摂っていない方、つまり、胃瘻などの経管栄養を利用している方や食形態の調整が必要な方を嚥下障害ありと定義しました。さらに、普通の食事を摂っている方にはEAT-10も行い、飲み込みに関する困難さを抱えている方も嚥下障害ありと定義しました。そして日常生活動作についてはバーセル指数を用い、食事や着替えといった日常の基本的な動作について介助が必要でない方を自立と定義しました。460名のうち、認知症がある方、顎関節症により開口力を計測できなかった方、食形態が明らかでなく嚥下障害の有無を判断できなかった方のデータを除外し、最終的に403名のデータが解析に用いられました。まず403名のデータを元に嚥下障害のある方とない方の特徴を比較したところ、嚥下障害のある方は開口力・舌圧・下腿周囲長・BMI・日常生活動作の5項目について有意に低下していることが分かりました。次に多変量解析を行い、年齢・性別・嚥下障害を引き起こす疾患の有無と舌圧を調整した結果、嚥下障害の有無と有意に関連する因子は「開口力」「下腿周囲長」「日常生活動作」の3項目でした。本研究結果より、開口力が小さいと嚥下障害のリスクとなることが示唆されました。開口訓練の重要性について舌骨上筋は嚥下時の食道入口部の開大や気道防御において重要な役割を果たします。これまで舌骨上筋の筋力を簡易的に評価する手法はなかったのですが、本研究により開口力計を用いて測定される開口力が舌骨上筋の筋力評価を嚥下障害の指標として有用であることが明らかとなりました。開口力は、簡単にかつ身体への侵襲なく計測できることが特徴です。食事中のむせこみや食べ物が喉に残るといった症状を持つ方に対して、開口力を計測することで場所や職種を問わず、嚥下障害や嚥下機能の低下を早期に発見できる可能性があります。また開口力と嚥下障害との関連が明らかになったことから、開口訓練という口を開けるトレーニングを行うことで開口力が増加し、嚥下機能が向上するということも考えられます。
柳田 陵介
2022年7月6日
歯を失うと認知機能が下がる?東北大学6年間の縦断調査

歯を失うと認知機能が下がる?東北大学6年間の縦断調査

口腔機能と認知症という一見関係ないようにみえる事象が、関係があると結論づけた研究が東北大学歯学部の研究チームから発表された。認知症は超高齢化社会にすでに突入している日本において重大な医療の課題である。また認知症は生活のQOLが下がるだけでなく、家族などの周囲の方々が介護する必要性が出たり、医療や介護の財政圧迫を招くことも問題となっている。このような社会的に問題となっている認知症に対して、口腔機能はどう関わるのだろうか。東北大学の研究から見ていこう。研究の概要東北大学の研究チームは、日本の65歳以上の高齢者13,594名を対象に、口腔状態の悪化が認知機能低下のリスクを増加させるのかについて検討した。6年間の追跡調査の結果、主観的な認知機能低下のリスクが 以下のようになることが判明した。嚥下機能が低下した人は、そうでない人より男性では8.8%ポイント、女性では7.7%ポイント高い咀嚼機能が低下した人は、そうでない人より男性では3.9%ポイント、女性では3.0%ポイント高い 口腔乾燥感が現れた人は、そうでない人より男性では2.6%ポイント、女性では6.4%ポイント高い 歯を喪失した人は、そうでない人より男性では4.3%ポイント、女性では5.8%ポイント高いこれにより主観的な認知機能低下は、将来の認知症発症リスクを高めるが、口腔の健康状態を維持することで主観的な認知機能低下を防ぐことができる可能性が示唆された。世界に目を向けると、認知症患者は世界で5000万人いると言われており、その数は2050年までに1億5200万人まで増えると推計される。認知症の症状はある程度まで進行すると不可逆的になるが、前駆状態である軽度認知障害(MCI)は回復する可能性がある状態である。近年、東北大学の研究以外でも、口腔の健康状態の低下と認知機能低下や認知症発症との関連が多くの研究から報告されている。口腔機能を維持することで認知症発症のリスクを低めて、発症したとしてもMCIの状態で治療に取り掛かることが、これからの社会で求められることなのだろう。口腔機能低下症が気になるあなたへおすすめ口腔機能の評価から対応法まで、現場ですぐに使えるテクニックを徹底解説!下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる参考文献口腔機能低下、歯の喪失がみられた高齢者で主観的認知機能低下のリスクが約3%~9%高い ー6年間の縦断調査よりー ,東北大学 プレスリリース, <URL>
宇梶 淳平
2021年4月25日

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