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歯を失うと認知機能が下がる?東北大学6年間の縦断調査

文・構成:Haruki Takizawa | 投稿日: 2021年04月25日
口腔機能と認知症という一見関係ないようにみえる事象が、関係があると結論づけた研究が東北大学歯学部の研究チームから発表された。

認知症は超高齢化社会にすでに突入している日本において重大な医療の課題である。また認知症は生活のQOLが下がるだけでなく、家族などの周囲の方々が介護する必要性が出たり、医療や介護の財政圧迫を招くことも問題となっている。

このような社会的に問題となっている認知症に対して、口腔機能はどう関わるのだろうか。東北大学の研究から見ていこう。

研究の概要

東北大学の研究チームは、日本の65歳以上の高齢者13,594名を対象に、口腔状態の悪化が認知機能低下のリスクを増加させるのかについて検討した。

6年間の追跡調査の結果、主観的な認知機能低下のリスクが 以下のようになることが判明した。
  • 嚥下機能が低下した人は、そうでない人より男性では8.8%ポイント、女性では7.7%ポイント高い
  • 咀嚼機能が低下した人は、そうでない人より男性では3.9%ポイント、女性では3.0%ポイント高い 
  • 口腔乾燥感が現れた人は、そうでない人より男性では2.6%ポイント、女性では6.4%ポイント高い 
  • 歯を喪失した人は、そうでない人より男性では4.3%ポイント、女性では5.8%ポイント高い

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これにより主観的な認知機能低下は、将来の認知症発症リスクを高めるが、口腔の健康状態を維持することで主観的な認知機能低下を防ぐことができる可能性が示唆された。

世界に目を向けると、認知症患者は世界で5000万人いると言われており、その数は2050年までに1億5200万人まで増えると推計される。認知症の症状はある程度まで進行すると不可逆的になるが、前駆状態である軽度認知障害(MCI)は回復する可能性がある状態である。

近年、東北大学の研究以外でも、口腔の健康状態の低下と認知機能低下や認知症発症との関連が多くの研究から報告されている。

口腔機能を維持することで認知症発症のリスクを低めて、発症したとしてもMCIの状態で治療に取り掛かることが、これからの社会で求められることなのだろう。

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参考文献

口腔機能低下、歯の喪失がみられた高齢者で主観的認知機能低下のリスクが約3%~9%高い ー6年間の縦断調査よりー ,東北大学 プレスリリース, <URL>
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