歯科用語集
2025年10月28日

根拠に基づく医療

「根拠に基づく医療」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

根拠に基づく医療(Evidence-Based Medicine, EBM)とは、臨床判断を行う際に、最新の科学的証拠を基にした医療の実践を指す。EBMの概念は、1990年代にカナダの医師たちによって提唱され、以降、医療の質向上に寄与している。根拠に基づく医療は、患者の価値観や希望を考慮しつつ、最良の証拠を用いて治療方針を決定することを重視する。歯科領域においても、EBMは治療法の選択や予防策の策定において重要な役割を果たしている。


臨床における位置づけ・判断基準

根拠に基づく医療は、歯科医師が治療を行う際の判断基準として不可欠である。具体的には、最新の研究結果やガイドラインを参照し、患者の症状や背景に応じた最適な治療法を選択することが求められる。例えば、歯周病治療においては、EBMに基づいた治療法が推奨されており、これに従うことで治療効果の向上が期待できる。また、保険点数の設定にもEBMが影響を与えており、科学的根拠に基づいた治療が保険適用されることが多い。

関連用語・類義語との違い

根拠に基づく医療に関連する用語として、「経験に基づく医療」や「専門家の意見」が挙げられる。経験に基づく医療は、過去の経験や直感に依存するため、科学的根拠が乏しい場合が多い。一方、専門家の意見は、特定の分野における知識や経験に基づくものであるが、必ずしも最新の研究結果を反映しているわけではない。EBMは、これらのアプローチと異なり、科学的証拠を重視し、患者のニーズに応じた治療を提供することを目的としている。

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根拠に基づく医療の重要性と歯科臨床における実践的アプローチ

根拠に基づく医療の重要性と歯科臨床における実践的アプローチ

根拠に基づく医療とは何か根拠に基づく医療(EBM)は、患者のケアにおいて最良の証拠を活用するアプローチである。歯科領域においても、EBMは重要な役割を果たしており、臨床判断や処置の選択において、科学的根拠に基づく情報をもとに行動することが求められる。具体的には、最新の研究結果やガイドラインを参照し、患者の症状や状態に応じた最適な治療法を選択することが含まれる。これにより、治療の質を向上させるだけでなく、患者の満足度や治療結果の向上にも寄与する。EBMの実践におけるメリットとデメリット根拠に基づく医療を実践することには、いくつかのメリットがある。まず、科学的根拠に基づくため、治療の効果が期待できる。さらに、患者に対しても説明がしやすく、信頼関係を築く助けとなる。一方で、EBMの実践にはデメリットも存在する。例えば、最新の研究結果を常に把握することは容易ではなく、情報の更新が必要である。また、個々の患者の状態に応じた柔軟な対応が求められるため、単純にガイドラインに従うだけでは不十分な場合もある。歯科臨床におけるEBMの具体的な使い方歯科臨床においてEBMを実践するためには、まず関連するガイドラインや最新の論文を定期的に確認することが重要である。例えば、う蝕の診断や処置に関する最新の研究を参照し、適切な治療法を選択することが求められる。また、患者の症状や背景を考慮しながら、EBMに基づいた判断を行うことが必要である。これにより、患者に対して最適な治療を提供することができる。EBMを導入する際の注意点根拠に基づく医療を導入する際には、いくつかの注意点がある。まず、情報の信頼性を確認することが重要である。公式なガイドラインや厚生労働省の資料を基にすることで、信頼性の高い情報を得ることができる。さらに、患者の個別性を尊重し、EBMを適用する際には柔軟な対応が求められる。単にガイドラインに従うだけではなく、患者のニーズや希望を考慮した治療を行うことが重要である。EBMの今後の展望と歯科医療への影響今後、根拠に基づく医療はますます重要性を増していくと考えられる。新たな研究や技術の進展により、歯科医療の質は向上し、患者に対する治療の選択肢も広がるであろう。歯科医師や歯科衛生士は、EBMを通じて最新の知識を身につけ、患者に対して最適な治療を提供することが求められる。これにより、歯科医療全体の質が向上し、患者の健康を守ることができる。
1D編集部
2024年6月1日
文献を読まない衛生士が生き残れない理由

文献を読まない衛生士が生き残れない理由

すべての論文が信頼できるとは限らない臨床現場で働く上で、悩むことはないだろうか。臨床現場では必ずしも明確な答えがあるとは限らないからだ。学生の頃はテストで正解・不正解があったが、臨床現場でははっきりと述べることができないことも多々存在する。治療法には科学的な根拠が存在する。それはEBMである。EBM(evidence-based medicine)とは、根拠に基づく医療のこと。エビデンスレベルの高い文献があり、”一般的に言えること”がわかったからこそ現在の治療法が選ばれているのである。しかし、すべての論文が信頼できるとは限らないところは注意が必要だ。歯科衛生士が文献を読むべき理由歯科衛生士は歯科医師の指導の下に仕事を行うので、歯科医師から回答を得ることも多いだろう。しかし、その理由を知りたくなることはなかっただろうか。親切な歯科医師であれば丁寧な指導もあったかもしれないが、多くはそこまで時間をかけられていないのが現実である。よって歯科衛生士も自ら学んでいく必要がある。受け身でいるだけでは成長はできず、給料だって上がらない。歯科衛生士も「なぜこの治療がされているのか?」「なぜこの選択なのか?」を知る必要があり、そのために文献が存在する。文献を読むなんて秀でた歯科衛生士しかできないと思われるかもしれない。しかし、まずは有名な文献から手を出してみると、想像よりも気軽に読むことができるだろう。そこで今回は、文献を読む上で最低限知っておくことや読み方のコツをご紹介する。文献を読む時のコツ文献の探し方だが、一般的には『PubMed』と呼ばれる検索エンジンを使用する。アメリカ国立医学図書館(NLM)が運営しているもので、医学に関する参考文献や要約を掲載するMEDLINEなどへアクセスできるツールである。PubMedの文書には全文記事へのリンクが含まれており、ものによっては全文無料で利用することができる。しかし、アメリカのサイトのため、基本的には英語だけ。英語が読めるのが理想だが、難しいこともあるだろう。現在は翻訳サイトなども充実していて精度も上がっているため、コピペして翻訳すれば多少日本語の違和感はあれど、だいたいの意味は把握することができる。日本語のサイトだと『医中誌Web』がある。有料版で利用するようになるが、無料・登録不要で試すことができる「デモ版」もある。検索対象が2018年前半の6ヶ月分に限定されるほかは、有料版とほぼ同等の機能を使うことができる。名前で検索するときはAND、OR、NOTを使用すると探しやすくなる。歯肉炎と歯周炎を調べたいときはAND検索、どちらかひとつだけ検索したいときはOR検索、歯肉炎を含まず歯周炎だけ検索したいときはNOT検索をしよう。他に、2つ以上の単語を組み合わせて検索したいときはダブルコーテーションを使うと、囲われたなかの並びのままで検索されるのでより絞って探すことができる。単語の前方だけ同じものを一気に検索したいときは、キーワードの後にアスタリスク「*」をつける。歯周*で検索すると歯周病も歯周炎も歯周組織も検索に引っかかってくるようになる。書籍やシステマティックレビューで情報収集しようもし、自分で文献を探すのが難しければ、良質な文献を集めた本などもある。読みやすく要約してくれているものもあるため、はじめての人にオススメである。その後、本の最後に載っている引用・参考文献をネットで検索してみるのもいい。本のなかで紹介されている文献は信頼性の高いものを紹介していることが多い。PDFでそのまますぐにダウンロードできるものもある。また、システマティックレビューを読むのもオススメである。質の高い複数の研究を収集し、そのデータを総括して評価しているものなので、さらに信頼性の高いものとなっている。文献を読む上でわからない単語研究には基礎研究、非臨床研究、臨床研究がある。基礎研究では研究室で新しいものを発見するもの。非臨床研究は動物で安全性や有効性を確認するもの。臨床研究はヒトで安全性や有効性を確認するもの。基礎研究→非臨床研究→臨床研究を経て実際の現場に使われるのである。文献にはin vitroとin vivoの記載がある。in vitroは“試験管内で(の)”という意味で、試験管や培養器などの中でヒトや動物の組織を用いて、体内と同様の環境を人工的に作り、薬物の反応を検出する試験のことを指す。In vivoは“生体内で(の)”という意味で、マウスなどの実験動物を用い、生体内に直接被験物質を投与し、生体内や細胞内での薬物の反応を検出する試験のことを指す。in vivoとin vitroの区別は専門分野で異なるのだが、in vivoはより臨床に近いものと捉えておこう。研究の仕方には量的研究と質的研究がある。質的研究は主に観察法や面接法を用いてデータを収集し、分析を行うもの。一方で量的研究は実験法や調査法を用いて数量的なデータを収集して統計手法を用いるもの。文献の信頼性を知るための4つのポイント・被験者の数・比較対象がいるかどうか・グループ分けの方法・盲検化されているか(単純盲検・二重盲検・三重)被験者数が多く、比較対象がいるほうが信頼性が高くなる。また、グループ分けをランダムにされており、先入観がないように盲検されているほうがより良い。プラセボ効果や観察者バイアスの影響を防ぐ意味がある。科学的根拠またはエビデンスの良さは、上に行くほど強くなる。①臨床診療ガイドライン②メタアナリシスシス/システマティックレビュー③ランダム化比較試験④コホート研究⑤症例対照研究⑥症例報告⑦動物実験や実験検査よく耳にするのはシステマティックレビューやランダム化比較試験、症例報告であろう。システマティックレビューは先程述べた通りである。ランダム化比較試験(RCT:Randomized Controlled Trial)とは、評価のバイアス(偏り)を避け、客観的に治療効果を評価することを目的とした研究試験の方法である。システマティックレビューの次に根拠の質の高い研究手法だ。症例報告(case report)は、個々の患者についての詳細な報告のことである。症状、兆候、診断、治療、追跡調査の詳細をまとめたものをいい、医学的証拠の階層の中では最も最下位となる。文献が良いものでも現場で使えるかは難しい問題である。だからこそ現場を考えながら文献を読んでいく必要がある。文献が信頼できるものなのか、また自分たちの臨床でどのように使っていくことができるのかを考えていくことが、今後は歯科衛生士にも求められるだろう。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる参考文献『歯科衛生士のための臨床歯周病学のエビデンス活用BOOK』関野愉, 2017.
本吉 ひとみ
2019年12月12日

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