Googleのビッグデータから読み解く「歯科医療の未来」
Googleで検索をするという行為は、インターネットを利用する多くの人びとの習慣になっている。私たちは、何か気にかけていることがあれば、それをGoogleで検索するようになった。Googleトレンドは、インターネットを利用する人びとが、どんな感情を抱いているかを可視化するツールだ。話題のキーワードがどれくらい検索されたのかを、視覚的に見ることができる。例えば、下図は過去10年間のAKB48の検索ボリュームのデータだ。2011年6月に人気のピークを迎え、それ以降は衰退の一途をたどっていることがわかる。地域別に見ると、SKE48は愛知県、HKT48は福岡県、NGT48は新潟県、NMB48は大阪府近郊の人びとが検索をしているようだ。これほど如実に地域差が現れるのは面白い。Googleトレンドを見れば、人びとが何を思って生活をしているのかがわかる。本記事ではGoogleトレンドを使って、「人びとにとって歯科医療はどのような存在なのか」を紐解いていきたい。定期的に訪れる「歯科医師国家試験」のトレンドさっそく歯科業界のデータを見てみよう。下図は、過去5年間の「歯科医師国家試験」のデータである。毎年、冬〜春にかけ、大きなトレンドが2本現れているのがわかる。このトレンドはそれぞれ、国試当日と合格発表日の日付と、ピッタリ合致している。国試当日よりも、合格発表日の方が検索ボリュームが大きいのは興味深い。恐らく現役の歯科医師たちが、合格発表を興味本位で見ているのだろう。歯科医療関連職種の人気度は?次に、「歯科医師」「歯科衛生士」「歯科技工士」「歯科助手」のトレンドを、15年前から見ていこう。2004年の時点では、歯科医師が圧倒的に検索ボリュームが多かった。ところが2010年代から歯科衛生士がトレンドになり、現在では歯科医師よりも歯科衛生士の方が人気の検索ワードだ。歯科技工士は、2010年を境に歯科助手に抜かされてしまっており、歯科関係職種のなかでは最下位にとどまる形となった。なお、これに「看護師」を加えると、下図のように歴然とした差を見せつけられる。歯科業界が一丸となって、国民にもっとPRをしていくべきなのかもしれない。北に行くほど歯科助手が多い「歯科助手」は、西日本で検索が少なく、東日本で人気のキーワードになっている。Googleトレンドからダウンロードできる元のデータを見ても明らかだ。このデータは偶然ではない。医療施設静態調査をベースとした研究によれば、歯科助手は地域偏在が認められており、北海道・東北地方に多いのだ。Googleトレンドにも、その傾向が反映されているのである。Googleトレンドで病気の動向を知るGoogleトレンドを使えば、疾患の動向も伺い知ることができる。例えば、過去5年間の「花粉症」のトレンドを見てみると、毎年3月頃に大きな波が来ていることがわかる。2018年は花粉の飛散量が記録的に多く、検索ボリュームも大きかったようだ。もしかしたら、花粉の飛散量と検索回数は相関しているかもしれない。15年間で虫歯は増えた?歯科疾患のデータも見てみよう。2004年から現在まで、「歯が痛い」と検索した人はどんどん増えている(下図)。虫歯の有病者率は減っているにも関わらず、「歯が痛い」ことに悩む人びとが増えているのは興味深いデータである。それでは「歯周病」はどうだろうか。「虫歯」と「歯周病」両キーワードを比較してみると、「虫歯」だけが伸びているという結果になった(下図)。歯科医療者としては、虫歯が徐々に予防できるようになり、患者さんの関心が歯周病に向かっていると思い込みがちだが、必ずしもそうではないのかもしれない。面白いデータがあれば教えて欲しいこの他にも、「インプラント」は乱高下が激しかったり、「矯正」が伸びていたりとGoogleトレンドは発見が多い。面白いデータがあれば、ぜひ教えて欲しい。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる参考文献古田美智子, 青山旬, 大内章嗣, 安藤雄一『医療施設静態調査からみた歯科衛生士数,歯科助手数等の地域別分布』平成22年度厚生労働科学研究費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業)分担研究報告書, 2010.