歯科用語集
2025年10月28日

材料学

「材料学」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

材料学とは、物質の性質や構造、加工方法、使用法などを研究する学問である。特に歯科においては、歯科材料の選定や使用に関する知識が重要である。材料学の語源は、英語の「Materials Science」に由来し、物質を科学的に理解し、応用することを目的としている。歯科材料には、歯科用セメント、レジン、金属材料などが含まれ、これらの特性を理解することが臨床において不可欠である。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床において材料学は、歯科医師や歯科衛生士が患者に最適な治療を提供するための基盤となる。材料の選定は、治療の成功に直結するため、各材料の物理的特性や生体適合性を考慮する必要がある。例えば、歯科用レジンの硬化時間や耐久性、金属材料の腐食性などが判断基準となる。また、保険点数に関しても、使用する材料によって異なるため、適切な選択が求められる。

関連用語・類義語との違い

材料学に関連する用語には、歯科材料、材料科学、物質工学などがある。歯科材料は、具体的に歯科治療に使用される材料を指し、材料科学はより広範な分野である。物質工学は、材料の設計や製造に焦点を当てているため、歯科に特化した材料学とは異なる。これらの用語の違いを理解することで、より専門的な知識を深めることができる。

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材料学に基づく歯科用材料の選定と臨床応用。処置・術式における判断ポイントと症例の考察

材料学に基づく歯科用材料の選定と臨床応用。処置・術式における判断ポイントと症例の考察

材料学の基礎知識と歯科臨床への応用材料学は、物質の性質や構造、加工方法を研究する学問であり、歯科においては特に歯科用材料の選定や使用において重要な役割を果たす。歯科医師や歯科衛生士は、患者の口腔内に使用する材料の特性を理解し、適切な選択を行う必要がある。具体的には、材料の強度、耐久性、生体適合性、加工性などが考慮される。これにより、治療の成功率を高め、患者の満足度を向上させることが可能となる。材料学の知識を活用することで、臨床での判断や処置の質を向上させることができる。歯科用材料の種類とその特性歯科用材料は大きく分けて、硬質材料、軟質材料、接着剤、印象材などに分類される。硬質材料には、金属、セラミック、コンポジットレジンなどがあり、それぞれに特有のメリットとデメリットが存在する。例えば、金属は高い強度を持つが、審美性に欠ける場合がある。一方、コンポジットレジンは審美性に優れるが、耐久性に劣ることがある。軟質材料は、主に歯周病治療や義歯の製作に使用される。これらの材料の特性を理解することで、適切な処置や術式を選択することができる。材料選定における判断ポイント材料選定においては、患者の症状や治療方針に応じた判断が求められる。例えば、う蝕の治療においては、虫歯の進行度や患者の年齢、生活習慣などを考慮し、適切な材料を選ぶ必要がある。また、歯科用材料の選定には、治療後の予後やメンテナンスの容易さも重要な要素となる。さらに、材料の生体適合性やアレルギーのリスクも考慮しなければならない。これらの判断ポイントを押さえることで、より安全で効果的な治療を提供することができる。症例に基づく材料の選定と処置の実際具体的な症例を通じて、材料選定の実際を考察する。例えば、ある患者において、前歯のう蝕が認められた場合、審美性を重視したコンポジットレジンの使用が適切であると判断されることが多い。この際、材料の選定だけでなく、適切な術式や処置手順も重要である。コンポジットレジンを用いる場合、適切な接着技術や光重合の手順を守ることで、治療の成功率を高めることができる。症例に応じた材料の選定と処置の実施は、患者の満足度を向上させるだけでなく、歯科医師としての信頼性を高める要因ともなる。材料学の進展と今後の展望材料学は日々進化しており、新しい材料や技術が次々と登場している。例えば、ナノテクノロジーを応用した新しい歯科用材料は、従来の材料に比べて優れた特性を持つことが期待されている。これにより、治療の選択肢が広がり、より効果的な処置が可能となる。今後、歯科医師や歯科衛生士は、最新の材料学の知識を常にアップデートし、臨床に活かすことが求められる。これにより、患者に対してより良い治療を提供し、歯科医療の質を向上させることができる。
1D編集部
2024年6月1日
春から新人のアナタに。効率的な論文検索法

春から新人のアナタに。効率的な論文検索法

前出の「知りたい情報の探し方」による情報検索でも必要な情報がヒットしなかった場合、定期的に刊行されている論文誌に掲載されている原著論文やレビュー論文などから自分で欲しい情報を探し出さねばならない。今回は自分での論文の検索方法について解説していく。前回の記事はこちら>>『【完全解説】正しい医療情報の探し方』和文論文の検索方法和文論文とは、日本語で書かれていて、日本国内の学会誌等の論文誌に掲載されたものをいう。それぞれの学会に属しているとよく目にする「日本補綴歯科学会誌」「日本小児歯科学会誌」などである。それらの検索エンジンとして、医中誌Web、J-STAGE、メディカルオンライン、CiNiiなどがあるが、和文論文の場合は基本的に医中誌Webが効率的である。論文データベースの主流「医中誌Web」医中誌Webは有料のサービスであるが、国内誌が出版する英文論文も含まれ、さまざまな検索タグ付けがなされているので使い勝手が非常に良い。通常、検索したい内容の単語を検索ウィンドウに入力しても、調べたい内容に辿り着くまでに膨大な時間を費やすことも多い。それどころか、なかなか辿り着かないことすらある。その点、医中誌Webだと必要な論文に辿り着きやすい。その訳は「医学用語シソーラス」 といい、医学中央雑誌刊行会が作成している、医学・歯学・薬学・看護学・獣医学・公衆衛生学等の分野で使われている用語を体系的に整理し、同義関係と階層関係により関連付がなされていることによる。もしも、思いついたキーワードで検索してもなかなか思うような結果が得られない場合は、「シソーラスブラウザ」 でキーワードを探す、「ゆるふわ検索」 で文章による検索を行う、などを試してみると自分の求めていた情報に辿り着く可能性が高くなる。他にも結構ある論文データベース文献検索は医中誌Webで行い、そのリンクをたどってそれぞれの所在地に移動して、フルテキストをダウンロードするという手順が効率的であり一般的だ。論文が蔵書的にWeb上で収載されているデータベースをいくつか紹介する。J-STAGE国立研究開発法人科学技術復興機構(JST)が運営する電子論文を集めたウェブサイトであり、医学系のみならず、さまざまな分野の論文が収載されている。多くの論文を無料でダウンロードし閲覧可能である。歯科分野に関連するジャーナルは300誌を超えており、歯科医師が参加している主要な学会のジャーナルは概ね取り扱いがある。メディカルオンライン日本国内の学会・出版社発行の雑誌に掲載された医学・歯学・薬学など医学関連分野の文献を検索できる。会員登録が必要であり、フルテキストのダウンロードは有料である。CiNii(サイニィ)和文論文のみならず、大学図書館の蔵書、日本の博士論文も検索可能である。学会誌に収載されている論文だけでなく、大学紀要、大学図書館の蔵書、日本の博士論文も検索できる無料のサービスであり、誰でも利用できる。学会誌の論文に関しては無料公開が少ないが、大学紀要や博士論文はたいてい無料で閲覧可能である。英語論文なら「PubMed」英語論文の検索にはPubMed(パブメド)を利用するのがいいだろう。Pubmedは米国国立医学図書館(NLM)が作成する医学分野の代表的な文献情報データベースである。世界70ヶ国以上の5000誌を超すジャーナルに掲載された医学系の文献を検索できる。無料で検索利用できる上、アブストラクトも無料で閲覧できる。フルテキストについては、オープンアクセスジャーナルの場合は無料でダウンロード可能で、それ以外のジャーナルは基本的にフルテキストのダウンロードは有料である。検索にはMeSH termを利用するのがおすすめである。MeSHとは NLMが作成するシソーラス Medical Subject Headings(医学主題見出し)の略称である。MeSH termで検索すると、「文字」検索ではなく「意味」で検索することが可能になり、よりノイズの少ない的確な文献を探すことができる。PubMedでもヒットしない時はGoogle Scholarは網羅的な検索が可能なため、PubMed等の検索エンジンでもヒットしない場合は使用してみるといいだろう。書籍やウェブ上で閲覧可能な資料など、さまざまな学術資料の検索が可能である。日本語と英語の両方で検索が可能だ。検索でヒットした論文が膨大な数になった場合、どの論文を優先的に読むか迷ってしまう。そんなとき、選択の一つとしてはジャーナルの名前で選ぶことだろう。評価の高いジャーナルには、質が高い論文が掲載されている可能性が高いため、論文選択の一つの目安になる。医科の4大ジャーナルとして、下記のような総合誌がある。New England Journal of medicine, NEJMThe LancetJournal of American Medical Association, JAMABritish Medical Journal, BMLこれらは医学系ジャーナルで分野を問わずに掲載され、歯科系の論文掲載も稀にあり、もし掲載されていた場合は要チェックである。歯科領域でのメジャー誌歯科分野のジャーナルにも総合誌と専門誌がある。総合誌としては以下の3つが挙げられる。Journal of Dental ResearchJournal of DentistryJADA(The Journal of American Dental Association)専門誌としては以下のように、それぞれ専門のジャーナルが多数ある。Journal of Clinical Periodontology(歯周病学)Dental Materials(歯科理工学・材料学)International Endodontic Journal(根管治療)Oral Oncoligy(口腔外科)Journal of Prosthondonic Research(歯科補綴分野)歯科の専門的な論文は、歯科系の総合誌に掲載されることが多い。世界の歯科の流れを知るためには、歯科総合誌や自分の専門のジャーナルに掲載された論文の内容を可能な限りキャッチアップしておくことも重要なことである
482 TSUNAGU
2023年3月17日
まもなく開催される「補綴・咬合」に関する3つの歯科セミナー

まもなく開催される「補綴・咬合」に関する3つの歯科セミナー

皆さんこんにちは、1D編集部です。この記事では、1Dが主催するまもなく開催予定の注目オンラインセミナーを3つ、ご紹介していきます。興味があるセミナーがあれば、ぜひお気軽にお申し込みください。安全第一、インプラント。「インプラントはトラブルも多いみたいだし、ちゃんと出来る自信ない…」こんな風に考えていませんか?確かにインプラント治療では、オペ中の止血困難・オペ後の疼痛の残存や、上部構造の動揺など、様々なトラブルが想定されます。しかしトラブルを起こさない方法といざというときの対処法を身につけておけば、もう不安に感じる必要はなくなります。このセミナーでは、インプラント治療におけるトラブル回避と対処法をテーマに、組織・解剖などの前提知識から、手技のコツ、リカバリーのポイントに至るまで、インプラント治療のトップランナーが丁寧に解説します。インプラント治療への不安を払拭しましょう。詳細・お申込みはこちらインプラントを長持ちさせる秘訣とは?先生が埋入したインプラント、何年持ちますか?ご存知の通りインプラント体は埋入すれば終わりではなく、患者様との良好な関係を維持し、長期に良好な状態でメインテナンスに通院していただくことが必要不可欠です。「インプラント周囲炎を起こさないためにはどうすれば?」「メインテナンスでは何を確認するべき?」こうしたポイントを押さえておくことが、埋入したインプラントの長期予後に寄与します。このセミナーでは、インプラントの適切なマネジメントが出来るようになることを目標に、インプラント周囲炎の予防法や対処法からメインテナンスの考え方、さらにはインプラント体の撤去のポイントに至るまで、徹底レクチャーします。インプラントをきちんと管理できるようになりましょう。詳細・お申込みはこちらGPの教養としての「歯科材料学」講義臨床が劇的に楽しくなる、「教養」としての歯科材料学がこの一本に!私たちは日々、さまざまなマテリアルを用いて診療を行っています。詳しいことはよく分からないけど、なんとなくマテリアルを選択しているのなら…非常にもったいない!歯科材料学をアップデートすることで、あなたの臨床の見かたがこれまでと大きく変わります。本セミナーでは、適用範囲が広がったCAD/CAM冠や、保険収載されたチタン冠、そして最強の材料と呼ばれるジルコニアなど、さまざまなマテリアルの特徴や扱い方、材料に応じた接着のポイントに至るまで、歯科材料の専門家が明快かつ簡潔に解説します。学生時代には無味乾燥だった歯科材料学も、今学び直すとまるで違った発見があるはず。GPが抑えておくべき材料学が、コンパクトかつしっかりと網羅された、大満足の講義です。みなさま是非ご参加ください!詳細・お申込みはこちら他にもオンラインセミナーを多数開催中!1D(ワンディー)では、他にも歯科医療者向けのオンラインセミナーを多数開催しています。開催予定のセミナーの一覧は、下記ボタンから見ることができます。ぜひ1Dでセミナーに参加して、知識アップ・スキルアップをしていきましょう。開催中のセミナーを見てみる
1D編集部
2022年7月16日
パラジウムによる歯科金属アレルギーの発症機構が解明される

パラジウムによる歯科金属アレルギーの発症機構が解明される

東北大学と札幌医科大学の研究チームは、歯科治療に用いられるパラジウムによる金属アレルギー誘導機構を明らかにしたと発表した。研究内容は2021年12月23日にFrontier in Immunologyに掲載されている。増加する「金属アレルギー予備軍」歯科金属アレルギーは、意外なほど多い。2006年〜2016年に行われた調査(J. Prosthodont Res 2019)によれば、調査対象のうち約半数が何らかの金属に対して反応を示す「金属アレルギー予備軍」であるとされた。陽性率が高かった金属材料はニッケル、パラジウム、亜鉛であった。特にパラジウムは、日常的な歯科診療で頻用される歯科金属材料だ。しかし材料学的に安定な貴金属であるため、なぜパラジウムがアレルギーを引き起こすのかは不明であった。研究チームはパラジウムによるアレルギー抗原の発現機構について研究を行い、パラジウムによるMHC(主要組織適合性遺伝子複合体)の一過性の細胞内在化を発見し、それに伴う抗原ペプチドの置換により、金属アレルギーが発症することを明らかにした。パラジウムが金属アレルギーを起こす機序研究では、パラジウムの溶液を培養細胞に加え、経過を追った。すると、免疫反応において重要な役割を果たすMHCクラスIが一時的に細胞内に取り込まれ、その後細胞の表面に再発現した。このMHCクラスIの一時的な細胞内在化に伴って、MHCクラスI上の抗原ペプチドが置換され、そしてアレルギー抗原が発現し、アレルギー性T細胞が活性化されることが明らかになったという。「原因金属の除去」からの脱却?上記の「パラジウムによるMHCクラスIの細胞内在化」を阻害することで、アレルギー性T細胞の活性化が低下すると考えられる。これまで、パラジウムによる金属アレルギーの誘導機構は明らかになっていなかった。そのためチェアサイドでは、原因となっている金属材料の除去・置換や抗炎症薬の投与などの対症療法に終始せざるを得なかった。本研究によりパラジウムによる金属アレルギーの誘導機構が解明され、金属アレルギーの新しい治療法の開発につながることが期待される。参考文献Koyu Ito, Takayuki Kanaseki, Serina Tokita, Toshihiko Torigoe, Palladium-induced temporal internalization of MHC Class I contributes to T cell-mediated antigenicity, Frontiers in Immunology, 2021.東北大学プレスリリース『歯科金属アレルギーにおけるアレルギー抗原の発現機構を解明』2022年1月8日閲覧.
1D編集部
2022年1月8日
上市から約10年、バルクフィルレジン「真の実力」は?

上市から約10年、バルクフィルレジン「真の実力」は?

4-5mmの厚さまで一括で重合できる「バルクフィルレジン」。積層充填の工数が減り、CR修復の効率化が期待され2010年代中盤には大きな話題を呼んだ。上市から約10年が経ち、さぞ一般化されているかと思いきや筆者が臨床現場で見る機会は多くない。失敗作だったのか、というとそんなこともなさそうで、しっかりとした機械的性質のレビューもなされている。筆者が知らないだけかもしれないが、なぜ大きな転換期を迎えていないのか、従来のリプレイスには及ばないのか。今回はバルクフィルレジンについて、あくまで論文ベースにはなるがその有用性を改めて考えてみたい。そもそもバルクフィルレジンとは?ご存知の方は多いと思うが、大きな窩洞へのCR充填の際、一般的には2mm程度の積層充填が推奨されている。最適な重合を得るために設けられている、製品ごとの光硬化深度と照射時間にしたがって操作するわけだが、従来のものでは厚さ2mmに対し10-20秒の光照射と深い窩洞に対しては操作時間の延長、つまりチェアタイムの延長がペインになっていた。チェアタイムの短縮を目指し開発されたバルクフィルレジンは、光透過性を亢進させることで厚さ4-5mmまで一括充填を可能にし、歯科医院においてポピュラーな処置であるCR充填の効率化を実現した。手技の効率化やテクニックによって短縮できる時間はあるが、CRの硬化を端折ってしまえば未重合による接着不良や不均一な重合収縮により予後が悪くなってしまう。その絶対的な「時間」に寄与した開発はまさしくテクノロジーによる補完だ。このテクノロジーがなぜ普及しないのか、物性に問題があるのか、材料学的なレビューをみていきたい。機械的性質に問題は?いくつかの文献を探ってみたが、機械的強度は従来のものと同等あるいはそれ以上、耐摩耗性も問題なく、重合収縮率は有意に小さく収縮応力の発生も緩やか、などネガティブな要素は見つからなかった。強いていうならば「金属モールドを使用した場合、最も応力が集中する窩洞隅角部にレジン内部の亀裂が発生した」という結果が得られているため、メタルインレーの破折に対し補修修復を行った場合亀裂が生じるかもしれない。しかし補修修復の範囲なのであればバルクフィルレジンを使用する必要はないだろう。2012〜2019年までのレビューを一通り検索したが、材料単体でみた場合に棄却する理由は見当たらない気がする。すでに広まっているかもしれないし、広まるべき技術冒頭でも言った通り筆者が知らないだけかもしれないが、なぜ広まっていないのか。それだけ従来のCRが優れているのか。逆に必要以上の積層充填を行うことで収縮ストレスは大きくなり、過度な照射を繰り返せば重合収縮応力も大きくなる。臨床的にもむしろ少ない充填回数で修復できる方が歯質に対して望ましいわけだ。であれば価格がネックか。一般販売価格を調べたところ3,000〜5,000円で流通しており、従来のCRとほぼ変わらない。同価格帯でチェアタイムが短縮できるのであればコストパフォーマンスに優れているのも明白だ。しかし製品をみていく中で見えてきた問題がシェードだ。圧倒的にシェードが少ない。もしくはデンティン色とユニバーサルしかない物が多い。光透過性が高いことから昨年話題になったオムニクロマ®︎(関連記事:シェードのないCR「オムニクロマ®︎」使ってみてわかった衝撃の実力は)のような効果で厳密なシェード選択の必要がないのかもしれないが、審美性を重視する場合には用いられないだろう。また大きい窩洞での充填を考えた場合、ほぼ大臼歯を想定していることから審美面の優先度を低くしている可能性もある。これはロジカルであり、致し方ない部分でもあるだろう。特に機械的強度を担保する上でもフィラーの含有率は重要であり、バランスが取りにくい点でもある。改めて調べてみたことで普及しずらい理由も見えてきた。直接修復の利点は審美性も確保できることであり、実際に修復するとなるとバルクフィルレジンに加えてシェードの豊富なレジンを用意する必要があり、結局重ねて充填する操作も残る。であれば従来のものでチェアタイムが長かろうと大きな差は生まれないという判断になりそうだ。しかし技術的には素晴らしいもので、今後審美面でも進化していく可能性は大いにある。そしてその開発にはまず現行のものが普及し、データが蓄積され、改善点を洗い出していくことが必要だ。まだ広まっていないとしたら、ぜひ一度使ってみて、たくさん批判していただきたいと思う。その先に理想的な形が待っているはずだ。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる参考文献神谷直孝, 神谷昌宏, バルクフィルコンポジットレジンの効果初期における重合収縮応力の発生挙動と窩洞切断面の観察, 日歯保存誌 63 (1) : 14-21, 2020 [PDF]辻本暁正, 鈴木崇之, バルクフィルコンポジットレジンの機械的諸性質, 日歯保存誌 57 (2) 162-169, 2014 [PDF]株式会社ジーシー, 新規コンポジットレジンの耐摩耗特性, p81, 日本歯科保存学会2014年度秋季学術大会(141回)[PDF] 森俊樹, 上野貴之, 熊谷知弘, 株式会社ジーシー, 窩底部からの一括充填を可能にするグレースフィルバルクフローの粘度特性, 日本歯科保存学会2019年度秋季学術大会(151回)[PDF]森俊樹, 上野貴之, 熊谷知弘, コンポジットレジンの光学特性が硬化深度に及ぼす影響, 第74回日本歯科理工学会学術講演会, 2019 [PDF]吉川孝子, 光重合型レジン修復物の重合収縮応力緩和効果を有する修復技法に関する研究, 東京医科歯科大学歯学部, 1998 <URL>
ユースケ イシカワ
2021年2月23日

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