親知らずを抜くと小顔になる?エビデンスを探ってみた
巷でよく「親知らずを抜くと小顔になる」というウワサを聞く。一般人が何となくの想像で言っているのは理解できるが、歯科医院のホームページで小顔効果を謳っていることもあり、エビデンスが十分にあるのか疑問が残る。矯正治療で小臼歯を抜歯した場合に、元々の歯列によっては多少骨格が変化することは考えられるが、位置的にも智歯ではなかなか考えにくい。編集部でリサーチを試みたものの核心に迫る研究や論文は見当たらず、少しでも真相に近づくため大学病院口腔外科勤務の専門家に話を聞いてみた。親知らず抜歯を極めたい人に2022年10月26日、水平埋伏智歯抜歯のテクニックを解説するセミナーが開催される。講師には病院口腔外科であらゆる症例をこなしてきた長谷川幸生先生を迎え、超速で縫合まで完了する埋伏抜歯の勘所をレクチャーしていただく。1Dプレミアム会員なら無料で視聴できるので、ぜひこの機会に受講してほしい。1Dプレミアムでセミナーをみる「抜歯で小顔」に言及するクリニックは多い全面的に押し出しているわけではないが、ブログなどで抜歯小顔説に言及している歯科医院は多い。それだけ患者から聞かれるということだろう。検索すれば自院がしっかりと出てくるように、SEO対策としてキーワードを入れたブログを書いているといったレベルで「小顔になるから抜歯しようぜ!」とはもちろん言っていない。しかし内容は小顔効果を否定しているのものではなく、条件によっては小顔になることもあるといった部分的に肯定しているものがほとんどだった。 Google検索の結果は666,000件 患者向けブログなので当然そこに根拠となるソースを引用しているようなことはなく、経験則や噂レベルで語られているようだ。小顔効果のエビデンス都内大学病院勤務20年のベテラン口腔外科医S氏はこう語る。「この話をもらってちょっと調べてみたんですが、口腔外科領域での論文で小顔効果を示すものはなかったですね。私も患者さんに何回か聞かれたことがありますが、明かな効果はないと答えています」。やはり根拠のない通説なのだろうか。「気になったので矯正分野での文献も漁ってみると、似たような研究はされていて、結果有意差のないものばかりでした。小顔効果はかなり怪しいですね」。自身で研究もしているベテラン口腔外科医にこう言われればもう正解は出ているようなものだろう。文献が見つからなかったため信頼度は低いが、海外の研究では「25歳までに抜歯した場合、下顎軟組織が5mm後退する」という結果や「顔面の長さに関与した例がある」という話もあった。小顔に焦点を当てた研究はされていないため、可能性は残されているといったところだ。理想が生んだ妄想?親知らずのイメージとして「スペース不足」が思いつきやすい。そこから派生して顎が小さくなるとか小顔という発想に至ったのだろう。また抜歯後に腫れて、治った後なんとなくシュッとした、みたいな勘違いもウワサに繋がっているかもしれない。いずれにしても小顔は憧れの対象で、その理想への願望から生まれた眉唾ものの話に違いない。小顔になるかは別として2022年10月26日、水平埋伏智歯抜歯のテクニックを解説するセミナーが開催される。講師には病院口腔外科であらゆる症例をこなしてきた長谷川幸生先生を迎え、超速で縫合まで完了する埋伏抜歯の勘所をレクチャーしていただく。1Dプレミアム会員なら無料で視聴できるので、ぜひこの機会に受講してほしい。1Dプレミアムでセミナーをみる参考文献渡辺武寛, 他:顎顔面形態と第三大臼歯の関係について, MEAW研究会雑誌, 11-1, 2004佐藤 亨至, 三谷 英夫:歯の先天的欠如が顎顔面形態に与える影響 : 第1報少数歯の欠如の場合, 東北大学歯学雑誌7:107-113, 1988