歯科用語集
2025年10月28日

嚥下内視鏡検査

「嚥下内視鏡検査」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

嚥下内視鏡検査とは、嚥下機能を評価するために内視鏡を用いて行う検査である。この検査は、食物や液体の嚥下過程を観察し、嚥下障害の有無やその原因を特定することを目的としている。語源は、「嚥下」(えんげ)と「内視鏡」(ないしきょう)から成り立っており、嚥下の過程を内視鏡で直接観察することを示している。嚥下内視鏡検査は、特に高齢者や神経疾患を有する患者において、嚥下機能の評価が重要であるため、臨床現場での利用が増加している。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床において、嚥下内視鏡検査は、嚥下障害の診断や治療方針の決定において重要な役割を果たす。特に、嚥下機能の低下が見られる患者に対しては、早期に検査を実施し、適切なリハビリテーションや栄養管理を行うことが求められる。判断基準としては、患者の症状や既往歴、検査結果を総合的に評価し、嚥下障害の程度やその原因を明確にすることが重要である。また、嚥下内視鏡検査は、他の検査方法(例:嚥下造影検査)と併用することで、より正確な診断が可能となる。

関連用語・類義語との違い

嚥下内視鏡検査に関連する用語としては、「嚥下造影検査」や「嚥下機能評価」がある。嚥下造影検査は、X線を用いて嚥下過程を観察する方法であり、内視鏡を用いる嚥下内視鏡検査とは異なる。嚥下機能評価は、嚥下の能力を定量的に評価するための一連のテストを指し、嚥下内視鏡検査はその一部として位置づけられる。これらの用語は、嚥下障害の診断や治療において重要な役割を果たすが、それぞれの検査方法や評価基準には明確な違いが存在する。

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嚥下内視鏡検査の臨床応用。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき症例と診断のポイント

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嚥下内視鏡検査とは嚥下内視鏡検査は、食物や液体の嚥下過程を観察するための検査である。内視鏡を用いて、咽頭や食道の状態を直接観察することができ、嚥下障害の診断において重要な役割を果たす。歯科医師や歯科衛生士は、患者の口腔内の健康状態を把握するために、この検査の意義を理解しておく必要がある。特に、嚥下障害が疑われる患者に対しては、早期の診断と適切な処置が求められる。嚥下内視鏡検査の手順と注意点嚥下内視鏡検査は、通常、患者に局所麻酔を施した後、内視鏡を鼻腔から挿入し、咽頭や食道を観察する手順で行われる。検査中は、患者に食物や液体を嚥下させ、その過程をリアルタイムで観察する。注意点としては、患者の体位や内視鏡の挿入角度が嚥下の観察に影響を与えるため、適切な体位を保つことが重要である。また、内視鏡の挿入時には、患者の不安を軽減するためのコミュニケーションも欠かせない。嚥下内視鏡検査のメリットとデメリット嚥下内視鏡検査のメリットには、非侵襲的であること、リアルタイムでの観察が可能であること、そして、患者の嚥下機能を詳細に評価できる点が挙げられる。一方で、デメリットとしては、内視鏡の挿入に伴う不快感や、局所麻酔のリスクがあることが考えられる。これらの点を踏まえ、患者に対して十分な説明を行い、検査の必要性を理解してもらうことが重要である。嚥下内視鏡検査の臨床症例嚥下内視鏡検査は、様々な症例において有用である。例えば、高齢者における誤嚥性肺炎のリスク評価や、神経疾患に伴う嚥下障害の診断において、内視鏡検査が役立つ。具体的な症例として、パーキンソン病患者における嚥下障害の評価が挙げられる。このような症例では、嚥下内視鏡検査を通じて、嚥下機能の低下を早期に発見し、適切な処置を行うことが可能となる。嚥下内視鏡検査の診断と判断ポイント嚥下内視鏡検査を通じて得られた情報は、診断において非常に重要である。特に、嚥下時の食物の流れや、咽頭の運動機能を観察することで、嚥下障害の原因を特定する手助けとなる。判断ポイントとしては、食物がどのように咽頭を通過するか、また、咽頭の収縮が適切に行われているかを確認することが挙げられる。これにより、適切な処置や治療方針を決定するための基礎データを得ることができる。まとめ嚥下内視鏡検査は、歯科医師や歯科衛生士にとって、嚥下障害の診断や評価において欠かせない手段である。検査の手順や注意点、メリット・デメリットを理解し、臨床での応用を考えることが重要である。今後も、嚥下内視鏡検査の知識を深め、患者に対してより良い医療を提供するための努力が求められる。
1D編集部
2024年6月1日
東京医科歯科大学戸原教授ら、とろみ付き炭酸飲料には嚥下改善効果があることを発見

東京医科歯科大学戸原教授ら、とろみ付き炭酸飲料には嚥下改善効果があることを発見

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科摂食嚥下リハビリテーション学分野の戸原玄教授、中川量晴准教授、吉見佳那子特任助教、齋木章乃大学院生らの研究グループは、国立長寿医療研究センター老年内科の前田圭介医長との共同研究で、誤嚥防止に用いられているとろみ調整食品でとろみを付けた炭酸飲料中の炭酸には、嚥下改善効果があることを明らかにした。研究成果は、国際科学誌Scientific Reportsに2022年12月22日に掲載されている(DOI:https://doi.org/10.1038/s41598-022-25926-4)。近年わかってきた炭酸飲料の有用性加齢や様々な疾患により嚥下機能が低下した嚥下障害患者にとって、水分など粘度の低いものは摂取時に一気に咽頭に流入するため、嚥下反射とのタイミングが合わず誤嚥が生じやすくなる。そのため、一般的に水分にとろみを付与することにより粘度を増加させることで誤嚥を防ぐという方法がしばしば用いられてきた。研究が進み近年では、炭酸飲料は水分と比較し少量で嚥下反射を惹起させ、さらに炭酸飲料摂取時の方が嚥下反射惹起時間が短縮することが報告されている。これは炭酸飲料の発泡性が咽頭粘膜を刺激することで、嚥下運動を促進するためであるとされており、炭酸飲料には嚥下改善効果があると考えられている。一方で、とろみ付き炭酸飲料の嚥下動態への効果を検証した研究はあるものの、とろみ付き炭酸飲料中の炭酸の効果を検証した研究は報告されていなかった。38名を対象にVEを用いて評価戸原教授らは、とろみ付き炭酸飲料中の炭酸の嚥下に与える効果を検証するため、とろみ付き炭酸飲料と炭酸を抜いたとろみ付き炭酸飲料摂取時の嚥下動態を比較した。とろみ付き炭酸飲料は、冷却したペットボトル入り炭酸飲料にとろみ剤を添加し、ペットボトルの蓋を閉め、ただちに振りとろみ剤を混和した後、一晩冷蔵庫にて冷却して作製。比較対象として、炭酸を抜いた同種類の炭酸飲料にも同じ濃度のとろみを付与した(以下、炭酸なしとろみ付き飲料)。対象者38名を、先にとろみ付き炭酸飲料を摂取する群と、先に炭酸なしとろみ付き飲料を摂取する群の2群にランダムで分け、嚥下内視鏡を挿入した状態でそれぞれの試料を摂取させ摂取状況を評価した(図1)。嚥下内視鏡検査(VE)画像より、誤嚥・喉頭侵入を8段階、咽頭残留を5段階で評価。嚥下反射惹起部位は、VE上で嚥下反射が惹起する直前の食塊先端の位置を5部位に分類し評価した。とろみ付き炭酸飲料は、炭酸なしとろみ付き飲料と比較し、咽頭残留が減少し(図2)、嚥下反射がより早いタイミングで生じた(図3)。なお、誤嚥・喉頭侵入はとろみ付き炭酸飲料と炭酸なしとろみ付き飲料で有意な差は認められなかった。炭酸飲料が嚥下訓練の助けに結果として、とろみ付き炭酸飲料中の炭酸には嚥下改善効果が有意にみられた。同グループは、得られた知見から「とろみ付き炭酸飲料は、水分で誤嚥する嚥下障害患者の嚥下訓練に有効な可能性がある。すでに臨床現場でも炭酸水を用いた嚥下訓練が行われており、今後は、とろみ付き炭酸飲料を用いた嚥下訓練の効果を検証したい」と展望を述べている。戸原教授の研究グループが送る新番組がスタート摂食嚥下リハビリテーションの第一人者、東京医科歯科大学の戸原教授をアンカーにお招きし全6回にわたって「摂食嚥下」を徹底的に深掘り。戸原教授をはじめ、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科医歯学専攻老化制御学講座摂食嚥下リハビリテーション学分野の講師陣が機能評価・リハビリから最新の研究や取り組みを語り尽くします。1Dプレミアムで視聴する参考文献戸原玄ら. 高齢嚥下障害患者に対するとろみ付き炭酸飲料の効果の検証. 東京医科歯科大学プレス通知資料. 2023. (PDF)
1D編集部
2023年2月9日
【著者本人が解説】開口力が小さい場合、嚥下障害のリスクになる

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歯科医療に求められていること日本は2007年に超高齢社会に突入し、2021年現在、高齢化率は過去最高の29.1%となりました。社会の変化と共に歯科医療では、歯の形態回復を中心とした治療中心型の歯科医療から口腔機能の維持・回復に重点を置いた診療が求められるようになってきています。特に歯科医療においては、咀嚼機能の回復と共に嚥下機能の管理も必要とされています。嚥下というと嚥下造影検査(VF)や嚥下内視鏡検査(VE)、もしくは口腔機能低下症の診断基準のひとつであるEAT-10(Eating Assessment Tool-10)を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。VFやVEは診断に、EAT-10はスクリーニングに用いられ、いずれも誤嚥を防ぎ、安全な経口摂取を維持することが目的となっています。誤嚥のメカニズムとは?嚥下とは舌骨上筋が収縮することで舌骨と甲状軟骨が挙上し、食道入口部の開大により食べ物は食道へと進んでいく過程を指します。舌骨上筋が収縮する力が低下すると、食べ物は咽頭に残留してしまい、誤嚥を引き起こします。そのため嚥下機能を評価する際、舌骨上筋群の筋力は重要な指標のひとつとなります。舌骨上筋の筋力については、これまでVFでしか評価することができませんでした。一方でこの舌骨上筋は舌骨の挙上だけではなく、開口時に下顎骨を下げる働きも持っています。開口力と嚥下障害の関係を解明した論文を発表そこで筆者の所属する東京医科歯科大学摂食嚥下リハビリテーション学分野では、開口力(口を開ける力)を計測する「開口力計」の開発と臨床応用を進めてきました。開口力計の使い方を図に示します。そして筆者らは今回、開口力と嚥下障害の関連を解明し、論文として発表することができました。論文タイトル:Jaw-Opening Force as a Useful Index for Dysphagia: A Cross-Sectional and Multi-Institutional Study掲載誌:Gerontology今回の論文では、2018年11月から2020年1月に大学病院4施設および地域調査2会場を訪れた方のうち、研究への参加に同意した65歳以上の男女計460名を対象としました。全員に対して開口力計を用いて開口力を計測したほか、舌圧、下腿周囲長、握力、体格指数(BMI)の計測および嚥下障害の有無、日常生活動作、既往歴を聴取しました。また対象者の食形態を調査し、食べている食形態によって嚥下障害の度合いを分類するFOIS (Functional Oral Intake Scale)を用いて評価しました。口から食事を摂っていない方、つまり、胃瘻などの経管栄養を利用している方や食形態の調整が必要な方を嚥下障害ありと定義しました。さらに、普通の食事を摂っている方にはEAT-10も行い、飲み込みに関する困難さを抱えている方も嚥下障害ありと定義しました。そして日常生活動作についてはバーセル指数を用い、食事や着替えといった日常の基本的な動作について介助が必要でない方を自立と定義しました。460名のうち、認知症がある方、顎関節症により開口力を計測できなかった方、食形態が明らかでなく嚥下障害の有無を判断できなかった方のデータを除外し、最終的に403名のデータが解析に用いられました。まず403名のデータを元に嚥下障害のある方とない方の特徴を比較したところ、嚥下障害のある方は開口力・舌圧・下腿周囲長・BMI・日常生活動作の5項目について有意に低下していることが分かりました。次に多変量解析を行い、年齢・性別・嚥下障害を引き起こす疾患の有無と舌圧を調整した結果、嚥下障害の有無と有意に関連する因子は「開口力」「下腿周囲長」「日常生活動作」の3項目でした。本研究結果より、開口力が小さいと嚥下障害のリスクとなることが示唆されました。開口訓練の重要性について舌骨上筋は嚥下時の食道入口部の開大や気道防御において重要な役割を果たします。これまで舌骨上筋の筋力を簡易的に評価する手法はなかったのですが、本研究により開口力計を用いて測定される開口力が舌骨上筋の筋力評価を嚥下障害の指標として有用であることが明らかとなりました。開口力は、簡単にかつ身体への侵襲なく計測できることが特徴です。食事中のむせこみや食べ物が喉に残るといった症状を持つ方に対して、開口力を計測することで場所や職種を問わず、嚥下障害や嚥下機能の低下を早期に発見できる可能性があります。また開口力と嚥下障害との関連が明らかになったことから、開口訓練という口を開けるトレーニングを行うことで開口力が増加し、嚥下機能が向上するということも考えられます。
柳田 陵介
2022年7月6日

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