歯科用語集
2025年10月28日

飛沫感染

「飛沫感染」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

飛沫感染とは、感染症の一種であり、感染源から放出された飛沫が他者の口や鼻、目などの粘膜に直接接触することによって感染が成立する現象を指す。飛沫は、咳やくしゃみ、会話などによって発生し、通常は1メートル以内の距離で感染が広がる。語源は「飛沫」という言葉から来ており、これは液体の小さな粒子が空気中に飛散することを意味する。感染症の中でも、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などが代表的な例である。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床現場において、飛沫感染は特に注意が必要な感染経路である。歯科診療では、患者との距離が近く、口腔内の操作を行うため、飛沫感染のリスクが高まる。判断基準としては、患者の症状や感染歴、周囲の感染状況を考慮し、適切な感染対策を講じることが求められる。具体的には、マスクの着用、手指消毒、診療器具の滅菌などが含まれる。また、患者の口腔内からの飛沫を最小限に抑えるための技術や器具の使用も重要である。

関連用語・類義語との違い

飛沫感染に関連する用語としては、接触感染や空気感染が挙げられる。接触感染は、感染者の体液や分泌物が直接的に他者に触れることで感染が広がるものであり、飛沫感染とは異なる経路である。一方、空気感染は、微細なエアロゾルが空気中に漂い、長距離にわたって感染が広がる現象であり、飛沫感染よりも感染力が強いとされる。これらの用語の違いを理解することは、感染症対策を講じる上で重要である。

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飛沫感染の理解と対策。歯科臨床における症例と処置のポイント

飛沫感染の理解と対策。歯科臨床における症例と処置のポイント

飛沫感染とは何か飛沫感染は、感染症の伝播経路の一つであり、主に咳やくしゃみ、会話などによって発生する微小な飛沫を介して病原体が他者に感染する現象である。歯科臨床においては、患者との近接した接触が多いため、特に注意が必要である。飛沫は通常、直径5μm以上の粒子であり、空気中を数メートル飛散することがある。これにより、歯科医師や歯科衛生士は、患者からの感染リスクにさらされる。したがって、飛沫感染の理解は、感染予防策を講じる上で不可欠である。飛沫感染の症状と診断飛沫感染によって引き起こされる症状は、感染する病原体によって異なるが、一般的には風邪やインフルエンザのような呼吸器症状が見られる。これには、咳、喉の痛み、発熱、全身倦怠感などが含まれる。診断は、患者の症状や病歴を基に行われるが、必要に応じてPCR検査や抗原検査などの診査を実施することもある。特に、歯科医療従事者は、患者の感染状態を把握し、適切な処置を行うために、迅速な診断が求められる。飛沫感染に対する処置と術式飛沫感染を防ぐための処置には、いくつかの重要な術式がある。まず、マスクの着用は基本中の基本であり、特にN95マスクやサージカルマスクの使用が推奨される。これにより、飛沫の吸入を防ぐことができる。また、診療中のエアロゾル発生を抑えるために、バキューム装置の使用や、口腔内の水分管理が重要である。さらに、診療室の換気を良好に保つことも、飛沫感染のリスクを低減するために有効である。飛沫感染のメリットとデメリット飛沫感染対策を講じることには、いくつかのメリットがある。まず、感染リスクを低減することで、医療従事者自身の健康を守ることができる。また、患者に対しても安全な診療環境を提供することができ、信頼関係の構築にも寄与する。一方で、デメリットとしては、感染対策に伴うコストや、診療時間の延長が挙げられる。特に、感染対策を徹底するためには、追加の機器や消耗品が必要となる場合があるため、経済的な負担が増すことも考慮しなければならない。飛沫感染対策の注意点と導入のコツ飛沫感染対策を導入する際には、いくつかの注意点がある。まず、全てのスタッフが感染対策の重要性を理解し、徹底することが求められる。また、患者に対しても、事前に感染対策について説明し、協力を得ることが重要である。導入のコツとしては、定期的な研修や勉強会を実施し、最新の情報を共有することが挙げられる。これにより、スタッフ全員が一丸となって感染対策に取り組むことができる。まとめ飛沫感染は、歯科臨床において特に注意が必要な感染経路である。適切な処置や術式を理解し、実践することで、感染リスクを低減することが可能である。歯科医師や歯科衛生士は、常に最新の情報を把握し、患者に安全な診療を提供するための努力を続けるべきである。
1D編集部
2024年6月1日
フェイスシールドの使用とその重要性。歯科臨床における感染防止策と実践的な手順

フェイスシールドの使用とその重要性。歯科臨床における感染防止策と実践的な手順

フェイスシールドの定義と役割フェイスシールドとは、顔面を覆う透明なシールドであり、主に感染症の予防を目的として使用される。特に歯科臨床においては、患者からの飛沫や血液、その他の体液から医療従事者を保護するために重要な役割を果たす。フェイスシールドは、マスクや手袋と併用することで、より高い感染防止効果を発揮する。これにより、歯科医師や歯科衛生士は、安心して処置を行うことができる。また、フェイスシールドは視界を確保しつつ、顔面全体を保護するため、特に細かい作業を行う際に有用である。フェイスシールドの使い方と手順フェイスシールドを使用する際の基本的な手順は以下の通りである。まず、シールドを装着する前に手指消毒を行い、清潔な状態を保つことが重要である。次に、シールドを顔にフィットさせるように装着し、頭部のストラップを調整して安定させる。処置を行う際には、フェイスシールドが視界を妨げないように注意し、必要に応じて位置を調整することが求められる。また、処置後はシールドを適切に清掃し、再使用する場合は消毒を行うことが重要である。これらの手順を守ることで、フェイスシールドの効果を最大限に引き出すことができる。フェイスシールドのメリットとデメリットフェイスシールドの主なメリットは、顔面全体を保護できる点である。これにより、飛沫感染のリスクを大幅に低減することができる。また、視界がクリアであるため、細かい処置を行う際にも支障がない。一方で、デメリットとしては、長時間の使用による疲労感や、曇りやすいことが挙げられる。特に、マスクと併用する場合、呼気によってシールドが曇ることがあるため、定期的に拭き取る必要がある。これらのメリットとデメリットを理解し、適切に使用することが重要である。フェイスシールド導入時の注意点フェイスシールドを導入する際には、いくつかの注意点がある。まず、シールドの材質や形状を選ぶ際には、耐久性や視界の良さを考慮することが重要である。また、使用する環境に応じて、適切なサイズやデザインを選ぶことが求められる。さらに、フェイスシールドは使い捨てタイプと再利用可能タイプがあるため、使用後の処理方法についても考慮する必要がある。特に、感染症が流行している時期には、使い捨てタイプを選ぶことが推奨される。これらの注意点を踏まえ、フェイスシールドを効果的に活用することが求められる。臨床でのフェイスシールドの活用事例臨床現場において、フェイスシールドは多くの場面で活用されている。例えば、歯科治療中の患者との距離が近い場合や、血液や体液が飛散する可能性がある処置では、フェイスシールドの使用が特に重要である。また、感染症の流行時には、フェイスシールドを使用することで、医療従事者自身の感染リスクを低減し、安心して治療を行うことができる。具体的な症例としては、歯周病治療や抜歯、根管治療などが挙げられ、これらの処置においてフェイスシールドが有効に機能していることが確認されている。まとめフェイスシールドは、歯科臨床において感染防止のための重要なツールである。正しい使い方や手順を理解し、メリットとデメリットを考慮した上で、効果的に活用することが求められる。今後も、感染症対策としてのフェイスシールドの重要性は高まると考えられるため、医療従事者はその使用方法を常に見直し、適切な対策を講じることが必要である。
1D編集部
2024年6月1日
<新型コロナ>厚労省が手引きを改訂、エアロゾル感染の可能性も追記

<新型コロナ>厚労省が手引きを改訂、エアロゾル感染の可能性も追記

厚生労働省は7日、新型コロナウイルス感染症の診療に当たる医療従事者向けの手引を改訂し、短距離ではエアロゾルによる感染も可能性があると指摘した。改定された『新型コロナウイルス感染症の手引き(第3版)』では、伝播様式としてエアロゾル感染を追記、以下のように提言している。エアロゾル感染は厳密な定義がない状況にあるが、SARS-CoV-2は密閉された空間において短距離でのエアロゾル感染を示唆する報告がある。エアロゾル感染の流行への影響は明らかではない。患者病室などの空間から培養可能なウイルスが検出された報告がある一方、空気予防なしに診療を行った医療従事者への二次感染がなかったとする報告もある。また、再生産数が2.5程度と、麻疹など他のエアロゾル感染する疾患と比較して低いことなどから、現在の流行における主な感染経路であるとは評価されていない。医療機関では、少なくともエアロゾルを発生する処置が行われる場合には、空気予防策が推奨される。あくまでも咳やくしゃみなどからの飛沫感染が主体と考えられ、エアロゾル感染は可能性の一つとして追記された。歯科治療におけるエアロゾルの危険性が囁かれたこともあり、歯科医療者としては気になるところだろう。しかし手引きにもあるように「流行への影響は明らかではない」「再生産数が低い」ということを鑑みて冷静な対応が迫られている。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる参考文献「新型コロナウイルス感染症 診療の手引き・第3版」[PDF]
1D編集部
2020年9月25日
WHO、緊急でない歯科治療を避けるよう求める声明を発表

WHO、緊急でない歯科治療を避けるよう求める声明を発表

世界保健機関(WHO)は今月、緊急でない歯科治療は延期するように求めると発表した。具体的な指示は各国の政府・地方自治体の方針にしたがってほしいとのことだが、定期検診と審美的な歯科治療は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が終わるまで延期するべきであるとWHOは声明を出した。COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2は接触感染もしくは飛沫感染により伝播する。歯科治療ではタービンや超音波スケーラーによりエアロゾルを生成させることから、エアロゾルにウイルスが含まれていた場合、感染を広げてしまうからというのが理由だ。またWHOによると、痛みを伴う急患や義歯の破損、痛みを伴う矯正装置の破損などは延期の対象ではないとしている。世界レベルでは35億人が口腔の疾患に罹患していて、永久歯のう蝕は人類全体の問題とWHOは認識しているため、口腔の疾患に関しては治療をすべきだとWHOは考えているからだ。その他、今回の声明では以下のようなアドバイスが提示された。電話での問診を活用するべきである。患者はできるだけ一人で来院するべきである。待合室では患者同士が1m以上離れるべきである。診療室の換気をするべきとしている。マスクが不足しているときはフェースシールドを活用するべきである。術前にアルコールで手指を消毒し、ディスポーザブルのハンドタオルで手を拭くべきである。術前に1%過酸化水素水や0.2%ポビドンヨードで患者は含嗽するべきである。う蝕の治療に非侵襲的なグラスアイオノマーセメント修復やフッ化ジアンミン銀を活用するべきである。WHOのブノワ・ヴァレンヌ氏は、多くの国において歯科的な問題は医療保険の対象外となっており、歯の問題が多くの人の生活に悪影響を及ぼしているという現状の問題を指摘した。特に今回のパンデミックによってWHO加盟国の75%で歯科サービスが完全あるいは部分的に中断されたと述べている。また、ヴァレンヌ氏は記者団に語る中で、歯科医がCOVID-19感染を予防する防護具を入手できない可能性を懸念した。参考文献Considerations for the provision of essential oral health services in the context of COVID-19, World Health Organization, <URL>, 2020年8月17日閲覧WHOが「緊急ではない歯科検査を避ける」ように求めている, GIGAZINE, <URL>, 2020年8月17日閲覧
宇梶 淳平
2020年8月17日
【新型コロナ×カリオロジー】情報に踊らされている人々へ。

【新型コロナ×カリオロジー】情報に踊らされている人々へ。

新型コロナウイルス感染症の拡大が未だに続いている。この感染症とカリオロジー、いったい何が関係あるのだと思われるかもしれないが、これらに対する我々歯科医療従事者の対応や一般の方々の反応には共通する問題点がいくつも存在する。この記事は新型コロナウイルスに便乗してカリオロジーを周知しようというものではない。カリオロジーの考え方が私達に歯科医療従事者に根づいておらず一般にも浸透していないことが、この感染症への対応の不的確さの一因となっていると感じているので、まずその共通の問題点を共有したいと思うものである。また、新型コロナウイルス感染症に対する知識の整理としてもお役立ていただければと思う。マスクをしていれば密になってもよい、は間違い人々は新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐために「マスク」をしている。自分が誰かにうつすのを防ぐためには多少なり効果があるかもしれないが、誰かから自分がうつされないようにするためにはほぼ効果は期待できないことはある程度周知されているだろう。「自分がかからない」ためにすべきことはマスクではなく、「距離をとる」ことであるのはすでに明らかである。しかし実際には、マスクをしながら密接な距離で接する方々がとても多いように感じる。密接な距離だからこそせめてマスクをしよう、というのは気持ちとしてはわかるし正しいことではあるが、マスクをしていれば密接な距離で接してもよいというのは明らかな間違いである。これはカリオロジーでいうと、う蝕の原因となる菌の感染を防ぐために、赤ちゃんに大人がキスをしない、食具を分けるといった行動と似ている。実はこれらの行動はう蝕の減少にはあまり寄与しないことが分かってきている(※1)。私が以前1Dに寄稿した記事(※2)にも書いた「生態学的プラーク仮説」からいえば、赤ちゃん本人に砂糖を含む甘い飲食物の摂取を控えることなどの食習慣の形成や、よく触れ合う大人の口腔衛生管理のほうが重要であるように思われるが、人々が熱心に行うのはキスをしない、食具を分けるといった行動のほうではないだろうか。これは、人々が元々病気を「うつす、うつされる」というとらえ方をしがちであるゆえと思われる。感覚的にはマスクをしていればうつしにくくうつされにくいと思うのであろうし、キスをせず食具を分ければうつらないと感じるのだろう。しかし実際にはそうではない。ここにあるもうひとつ重要な因子は、相手となるのが特定少数なのか、不特定多数なのか、ということである。「手洗い」と「ブラッシング」特定少数である場合、たしかにできうる対策はとるべきという考えも間違いではないが、基本的には完全に感染を防ぐことは困難である。とるべき対策は、新型コロナウイルスの場合はその特定少数が不特定多数と触れ合わないようにすることであり、う蝕の場合はう蝕原因菌を増やさない食行動の習慣化である。感染症拡大を防ぐための行動として有効なことはもうひとつ「手洗い」である。この感染症は飛沫感染もあるが、接触感染による拡大が大きいと思われる。そのため人々がとる行動が「設備や備品の消毒」である。不特定多数が触れるものは、どれだけ頻繁に清掃、消毒をしても、すぐ誰かが触れてしまう。より効率がよいのは、それぞれが「手洗い」を頻度高く徹底することだ。これはう蝕でいえば「ブラッシング」だろう。徹底的にプラークを除去すればう蝕にはならない。しかし人々の興味は「どうすればプラークが取り除けるか」よりも、「どんな消毒薬を使えば菌を殺せるか」である。日本国内で応用されているうがい薬に含まれる消毒薬はブラッシングをしてはがれた菌にしか基本的にあまり効果はない。地道で当たり前な「手洗い」同様に「ブラッシング」が大切なわけである。余談だが、次亜塩素酸水やイソジンに関する騒動は、まさに歯科でのそれらの扱いの焼き直しのようである。「検査」することの本質新型コロナウイルス感染症に関するもうひとつの混乱は「PCR検査」である。検査には必ず感度、特異度という検査特性がある。新型コロナウイルスにおけるPCR検査はどうやら感度は低く、特異度は高めなようである。つまり偽陽性は少ないが偽陰性が多い。簡単に言えば見逃しが多い検査であるので、スクリーニングには向かず、全数検査など愚の骨頂である。このことをカリオロジーでいうなら、「唾液検査」がそうだろう。モチベーションツールとして用いられる簡易培養検査は、感度も特異度も低い。少なくともスクリーニングには用いるべきではないし、結果をもとに診断を左右すべきではない。しかしPCR検査も唾液検査も、その結果をもとに人々も医療従事者も判断を変えてしまいがちである。PCR検査で陰性であれば、隔離はおろか健康観察もおろそかにされがちであり、実際にこの感染症の拡大初期の段階では、それがゆえに感染が拡大したケースが多くみられた。唾液検査で陰性つまりう蝕原因菌が少なく出た場合も同様に、患者にはリスクが低いといった誤った認識を与え、医療従事者もそれに即した行動をとる可能性が高まる。検査は検査特性を理解して必要最小限に行い、診断はそれぞれの医師が下すものである。そこに無駄な医療資源を投じるべきではない。診断能力のない新型コロナウイルス関連の検査を歯科で行うところもあるようだが、不慣れな者が扱えば感染症を拡げかねず、現段階で扱うべきでないのは言うまでもない。新型コロナ特効薬への過度な期待最後に、ワクチンや特効薬への過度な期待が共通している。残念ながら、新型コロナウイルスにおける効果的なワクチンの普及と特効薬の開発は迅速に進む可能性は低い。新型コロナウイルス感染症は、それこそ検査陽性者は増加しているが、重症者や死亡者は我が国においては諸外国に比べ多くはない。その理由は明らかにはなっていないが、仮に感染しても重症化や死亡の可能性が高くなければ、ワクチンの反作用の懸念が大きくとらえられるだろう。これは必要かつ正しいのであるが、仮に数は確保されたとしても応用に関しては慎重に判断されるであろうし、そうされるべきである。特効薬についても同様の理由であるが、多くの人々にとってはこれらの薬剤に頼るのではなく、引き続き感染拡大に対する行動を求められるだろうし、新型コロナウイルス感染症が収束したとしても、このできごとは我々の記憶に強く残り、別の感染症が発生した際にも同様の対応が求められ、またそのような行動をとるようになるだろう。う蝕においても残念ながら、ワクチンは特効薬は今後も開発される可能性は低いだろう。う蝕は単一の病原菌による疾患ではなく、多くの菌が相互に作用して関わる疾患であるため、ワクチンの応用は現実的ではない。また、常在細菌による疾患であるため特効薬による治療も困難だろう。基本となる、食習慣、ブラッシング、フッ化物の3つで防いでいくことが今後も求められると思われる。情報に踊らされている歯科医療者へ常にマスクをすることが徐々に習慣となり、文化となりつつあることは皆さんも感じていることだろう。 同時に、この先の見えない戦いに疲弊し、「新型コロナウイルスなんて存在しない」、「ただの風邪だ」と、不適切な行動をとる人たちが出てくるのも当然のことである。このようなときに必要なのは、科学的に分かってきている「必要なこと」を徹底し、無駄に疲弊しないように「不要なこと」をしない、ということである。不要な外出や県をまたぐような長距離の移動を控え、不特定多数と接する場所へ行かないことは「必要なこと」である。屋外の人と人との距離を保てる場所ではマスクは「不要なこと」であり、屋内でも距離が保てて会話をしないのであれば基本的に不要である。手洗いは必要であり、頻回な消毒は非効率的である。PCR検査は本当に必要なときだけ行うべきものである。これらを自然に行うことが難しく、ともすれば反対の行動、つまりは不特定多数の場所でマスクをしながら密接しPCR検査の拡大を求めてしまうことは、食習慣やブラッシングよりも、キスを控えて食具を分けたり、唾液検査や各種検査を行ったほうがなんとなくみてもらった感があり安心するなどといったパフォーマンスを重視してしまう性質と共通していると感じないだろうか。人々が陥りがちな性質に我々医療従事者が迎合してしまうと、本質を見失うのである。検査は必要なときに必要なものだけするもの。この文化だけでも根づいていれば人々の行動は全く違っていただろうし、不要なことはせず必要なことを徹底する文化があれば結果は全く違っていただろう。我々医療従事者が、人々に本当に「必要なこと」を伝え、「不要なこと」をしないこと。それらを判断するための学びを続けて、発信し、支援すること。これは新型コロナウイルス感染症だけでも、う蝕だけでもなく、平時から常に必要な姿勢なのである。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる参考文献Association between caregiver behaviours to prevent vertical transmission and dental caries in their 3-year-old children, S Wakaguri 1, J Aida, K Osaka, M Morita, Y Ando, Caries Res. 2011;45(3):281-6. doi: 10.1159/000327211. Epub 2011 May 12.『カリオロジーで、社会は変わる』Sho Yamada, 1D歯科ニュース, 2020年8月14日閲覧.
Sho Yamada
2020年8月14日

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