歯科用語集
2025年10月28日

技工料

「技工料」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

技工料とは、歯科医療において、歯科技工士が製作した補綴物や義歯に対して支払われる料金を指す。技工料は、歯科医師が患者に提供する治療の一環として、技工士の専門的な技術と労力に対する対価である。語源としては、「技工」は技術的な作業を意味し、「料」はその対価を示す。技工料は、保険診療においても重要な要素であり、保険点数に基づいて算定されることが多い。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床において技工料は、補綴治療や矯正治療における重要なコスト要素である。技工料は、患者に提供する治療の質や種類に応じて異なるため、歯科医師は治療計画を立てる際に、技工料を考慮する必要がある。判断基準としては、使用する材料の種類、製作の難易度、技工士の技術レベルなどが挙げられる。また、保険点数に基づく技工料の設定は、患者の負担を軽減するための重要な要素でもある。

関連用語・類義語との違い

技工料に関連する用語としては、「技工費」や「技術料」があるが、これらは微妙に異なる意味を持つ。技工費は、技工士が行う作業に対する直接的な費用を指し、技術料は技術的なサービス全般に対する対価を示すことが多い。技工料は、特に補綴物や義歯に特化した料金であり、他の治療における技術料とは区別される。これにより、歯科医師は患者に対して明確な説明を行うことが可能となる。

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技工料の理解とその影響。歯科臨床における処置や術式の判断ポイント

技工料の理解とその影響。歯科臨床における処置や術式の判断ポイント

技工料とは何か技工料は、歯科医療において技工物を製作するための費用を指す。具体的には、義歯、クラウン、ブリッジなどの補綴物を作成する際に必要な費用であり、歯科医師が患者に提供する治療の一部として重要な要素である。技工料は、材料費や技術料、製作にかかる時間などを含むため、歯科医院の経営にも大きな影響を与える。技工料の算出方法技工料は、各歯科医院によって異なるが、一般的には材料費と技術料を基に算出される。材料費は使用する材料の種類や品質によって変動し、技術料は技工士の技術や経験に依存する。さらに、地域差や医院の経営方針も影響を与えるため、患者に提示する際には明確な説明が求められる。技工料と保険制度の関係日本の歯科保険制度では、技工料の一部が保険適用となる。具体的には、保険診療において認められた技工物に対して、一定の技工料が設定されている。しかし、自由診療の場合は、技工料が全額自己負担となるため、患者にとっての選択肢が広がる。保険制度の理解は、歯科医師が患者に適切な情報を提供する上で重要である。技工料の影響を受ける処置や術式技工料は、特に補綴治療において重要な要素である。例えば、インプラント治療やクラウンの製作においては、技工料が治療全体のコストに大きく影響する。歯科医師は、患者のニーズや経済状況を考慮しながら、適切な処置や術式を選択する必要がある。技工料に関する注意点技工料に関しては、患者とのコミュニケーションが重要である。治療の前に技工料について明確に説明し、患者が納得した上で治療を進めることが求められる。また、技工料が高額になる場合は、患者に対して代替案を提示することも考慮すべきである。技工料のメリットとデメリット技工料のメリットとしては、質の高い技工物を提供できることが挙げられる。高品質な材料や技術を用いることで、患者の満足度を向上させることが可能である。一方で、デメリットとしては、技工料が高額になることで患者の負担が増す可能性があるため、バランスを考慮する必要がある。技工料の今後の展望技工料は、今後も技術の進歩や材料の革新に伴い変化していくと考えられる。特に、デジタル技術の導入が進むことで、技工料の効率化やコスト削減が期待される。歯科医師は、最新の技術やトレンドを把握し、患者に最適な治療を提供するための準備を整えることが求められる。
1D編集部
2024年6月1日
全部被覆冠の臨床応用と症例分析。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき処置と術式のポイント

全部被覆冠の臨床応用と症例分析。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき処置と術式のポイント

全部被覆冠の定義と役割全部被覆冠とは、歯の全体を覆う形状の補綴物であり、主に歯の形態や機能を回復するために用いられる。特に、重度のう蝕や外傷によって歯の構造が損なわれた場合に適応されることが多い。これにより、歯の強度を増し、咀嚼機能を回復させることができる。また、全部被覆冠は審美的な観点からも重要であり、特に前歯においては見た目の改善が求められる。歯科医師は、患者のニーズに応じた材料選択やデザインを考慮する必要がある。全部被覆冠の適応症例全部被覆冠の適応症例には、主に以下のようなものがある。1. **重度のう蝕**: 歯の大部分がう蝕に侵されている場合、全部被覆冠によって歯を保護し、機能を回復させることができる。2. **外傷による歯の破損**: 外的な衝撃によって歯が破損した場合、全部被覆冠を用いることで、歯の形態を再現し、機能を回復する。3. **根管治療後の歯**: 根管治療を受けた歯は、脆弱になるため、全部被覆冠を装着することで強度を増すことができる。これらの症例において、適切な診断と判断が求められる。全部被覆冠の処置手順全部被覆冠の処置手順は以下のように進められる。1. **診査・診断**: 患者の口腔内を詳細に診査し、適応症例であるかを判断する。2. **歯の準備**: 歯を適切に削合し、冠を装着するための基準を整える。3. **印象採得**: 歯の形状を正確に再現するために印象を採得する。4. **冠の製作**: 印象を基に、技工士が冠を製作する。5. **試適と調整**: 製作した冠を試適し、必要に応じて調整を行う。6. **最終装着**: 冠を最終的に装着し、咬合の確認を行う。この手順を踏むことで、患者にとって快適な補綴物を提供することができる。全部被覆冠のメリットとデメリット全部被覆冠には、いくつかのメリットとデメリットが存在する。**メリット**:1. **強度の向上**: 歯を全体的に覆うことで、咀嚼力に耐える強度を持たせることができる。2. **審美性の改善**: 特に前歯において、見た目を大きく改善することが可能である。3. **保護効果**: う蝕や外傷から歯を保護する役割を果たす。**デメリット**:1. **歯の削合**: 歯を大きく削合する必要があるため、元の歯質が失われる。2. **コスト**: 使用する材料や技工料により、治療費が高額になることがある。これらの点を考慮し、患者に適切な説明を行うことが重要である。全部被覆冠の注意点とコツ全部被覆冠を施術する際には、いくつかの注意点とコツがある。1. **適切な材料選択**: 患者のニーズや口腔内の状況に応じて、適切な材料を選択することが重要である。2. **精密な印象採得**: 印象の精度が冠のフィット感に直結するため、丁寧に行う必要がある。3. **咬合の確認**: 装着後は必ず咬合を確認し、調整を行うことで、患者の快適さを確保する。これらのポイントを押さえることで、より良い治療結果を得ることができる。まとめ全部被覆冠は、歯科臨床において非常に重要な補綴物であり、適切な適応症例に対して施術することで、患者の機能や審美性を大きく改善することができる。歯科医師や歯科衛生士は、これらの知識を基に、患者に最適な治療を提供することが求められる。今後も最新の情報を取り入れ、技術の向上に努めることが重要である。
1D編集部
2024年6月1日
7割が超過労働、8割が後継者不在... 歯科技工業界に、未来はあるのか?

7割が超過労働、8割が後継者不在... 歯科技工業界に、未来はあるのか?

歯科技工士の就業環境は、種々の問題を抱えたまま、昭和の時代から変わっていない。長時間労働、低賃金、学生の減少などがその代表例である。これらの問題は、四半世紀以上も改善されることなく現在に至っているのが実情だ。厚労省や歯科技工士会をはじめ、様々な組織が解決策を見つけようと状況把握に務めている。本記事は、令和3年1月13日に東京歯科保険医協会のHP上に公開された歯科技工所アンケートについてまとめてみよう。なお、50ページほどのボリュームがある資料のため、筆者が注目すべきと感じたものをピックアップする点をご了承いただきたい。 概要【調査期間】2020年9月11日~9月30日【送付先】都内23区保健所等に届出が行われている歯科技工所1,239カ所(2020年8月1日現在)【送付件数】1,139件(うち113件が不達のため、送付が確認できたのは1,126件)【返信数】211件/1,126件【回収率】18.7%【送付および回収方法】 封書で送付し封書で回収(無記名返送) 回答者の年齢分布は?回答者の年齢分布は20代30代合わせて10%に満たないが、40-60代で75%と3/4を占めている。開業年数は均等に分布しているようだが、30〜40年の間が少し多い。これは60代の回答者が29%と一番多いところとの裏付けとも言えるだろう。このことから、若手よりも現役世代の中でも年長者側の声が反映された結果と読むことができる。83%は「後継者がいない」各年代の開業区分(個人・法人)の比率を年代別に見ていく。全体的には年代が上がるにつれて個人の比率が増えているように見える。アンケートの順番では後方にあった設問だが、後継者の有無が問われていた。これによると、83%は後継者がいないと回答していた。個人開業では「子どもに跡を継がせない」ということであり、法人では「社内から生え抜きの新役員が出てこない」ということであろう。後継者がいない原因については後述するが、労働時間や収入の面でネガティブな部分が多いことが原因といえるだろう。 労働時間がまともなのは1/3程度だけ1週間の労働時間をみると、ノー残業と読める42時間以内は20%のみであった。法定労働時間内と読める50時間/週以内の比率はおよそ1/3(35%)である。また、ほぼ同じ比率で週休2日を取得していると回答があった。つまり、まともな歯科技工所は1/3程度だけということである。一方、2/3は長時間労働で休みも少ないという状況で、歯科技工士の就業環境の悪さが結果として現れている。 歯科技工所の売上にまつわる「負のスパイラル」次に、開業区分に分けて売上別にその比率を見ていく。法人の規模が定かではないため、個人と法人の比較は意味をなさない。そのため、個人の売上高分布に注目する。40%近くが500万円以内という結果であった。単純計算で40万円/月の売上ということになる。休みが少ないということを考慮し、稼働日25日として、一日1.5〜2.0万円の売上ということになる。仕事の中身がどういうものかは定かではないが、2万円/日の売上を立てるために長時間労働を強いられているということになる。次のグラフは開業区分別に保険と自費の受注比率を示したものである。法人と比べると、個人開業のほとんどが保険の仕事を主として受注していることがわかる。つまり上記にある2万円/日の仕事の中身は保険が主体である。保険点数の増額が歯科技工士の就業環境改善の対策といえるが、保険点数の10割をもらっていればそうだと言えるが、実際は7割すらもらえておらず、営業ラボの下請け担った場合には3割程度になる場合もあると聞く。一方で法人の場合は、自費率が高くなる傾向にある。仕事の半分が自費となっている法人ラボは60%以上あることがわかる。この理由を推測すると、昨今はジルコニアが主流となっていることから設備投資が一因と考えられる。また人員的余裕も生まれるため営業力の差も出てくると考えられる。資金や時間に余裕があればあるほどよい事業環境が構築できている。一方、余裕がない歯科技工所は負のスパイラルに陥るものと推測する。「歯科技工料金の均一化」は実現しうるのか?続いて、「これから保険診療制度がどのように変わってほしいのか」という設問に対する回答をみてみよう。保険医協会が用意した選択肢(「7:3の徹底」、「直接請求」、「技工料明確化」、「現状維持」の4つ)から回答を複数選択するというものである。これらの選択肢の意図するところは、歯科技工料金の均一化であると読める。 最も多い回答は「直接請求」であり、他の回答についても半数近くが希望すると回答していた。つまり、技工料金を均一にしてほしいとの声が多かったというわけだ。前述、保険の仕事を主体とする個人ラボの売上が低かったことを考えると技工料は歯科医師に請求するのではなく、保険点数を直接受け取れる制度を作ることが解決策と期待しての結果であろう。直接請求は一見して良いようにも見えるが、反対の意見も耳にする。具体的には入金までのリードタイムが長いことで資金繰りが悪化しやすくなることや事務手続きの煩雑さなどを心配しての意見だ。良いも悪いもある制度改革だが、これまで四半世紀以上変化がなかったことをどうやって変えていくか、そこの議論が欲しいところだ。 歯科技工士の職域は拡大するのか?歯科保険医協会では歯科技工士に対する診療報酬上の新しい評価の導入の推進を考えており、これまで点数化されてこなかった保険でのシェードテイク等の技術料を診療報酬で評価することに対して希望を問うものだ。 いずれも半数近くが賛成という結果だった。個人的には、これらすべてに診療報酬がつくに越したことはないと思う。また、シェードテイクの技術料と出張料という経費が別として評価されている点は合理的な考え方であり、このように実態に則した評価を期待したい。 厚労省での検討委員会においても、歯科技工士の職域拡大が議論に上っている。しかし、診療報酬の部分に関する検討はこれからである。その際には今回のアンケートが参考にされる可能性もあるだろう。もし次にどこかの組織団体がアンケートを実施するならば、希望する点数を問うところまで踏み込んだ設問を用意していただきたい。最後に最後まで読んでいただきありがとうございました。ボリュームのある報告書の一部を紹介したにすぎず、詳細な内容はぜひ報告書を直接確認いただきたい。一部の技工料金については実態調査の報告もある。今回は記事として長くなるため取り上げなかったが、本年は日本歯科技工士会の実態調査が報告される年であるため、技工料金に関する内容はその機会を利用して皆様に詳細をお届けしたいと思う。参考文献1. 東京歯科保険医協会 歯科技工所アンケート 報告書(URL)
青木 秀馬
2021年2月7日
なぜ、金パラが下がると勤務医の給料は下がるのか?【歩合給の闇】

なぜ、金パラが下がると勤務医の給料は下がるのか?【歩合給の闇】

1Dをご覧のみなさま、お久しぶりです。「歯科保険診療と収益について考える」というnoteを書いている「ひら」です。前回寄稿した記事では、義歯の製作者である技工士の方々への配慮を欠いたこと、誠に申し訳ありませんでした。前回の記事は「材料をいっぱい使うと給料が上がる歩合制」や「金属代をはじめとする材料代が高騰すると歯科医院の人件費が増える仕組み」に対する問題提起をお伝えしたかったです。しかし、私の文章構成がつたなく、1Dのコメント・Twitterを中心にわかりにくいとのご意見を多数頂戴いたしました。1D編集部と協議し、今回は「歩合制の問題点」について真っ向から取り組んだ記事を書かせていただきました。前半では「歩合制の問題点」、後半では「前回の記事の問題点」を取り上げます。文章構成等について、前回の記事のコメント・twitterで頂いたご意見を参考にさせていただきました。感謝申し上げます。--- 以下本文になります。---勤務歯科医師の給料は固定給か歩合給になります。固定給は毎月○万円が給料になります。経営者との面談で昇給することもあります。この記事でトピックになるのは歩合給のほうです。歩合給では売上の○%が給料になります。例えばある月に30万点(=300万円)で自費が100万円を売り上げたとします。歩合率が20%の場合は(300万+100万)×20%=80万となり、この月の給料は80万円になります。求人サイトをみると歩合率は20%程度が一般的です。求人サイトでは「歩合給で頑張っただけ評価されます」と書かれることが多いです。では、この「歩合給制度」何が問題でしょうか?今回の記事では保険診療における歩合給の問題点を解説します。そもそも歩合給では医院の利益に貢献しているかを評価できていない歩合給は本来は歯科医院の利益に貢献している人を評価する制度のはずです。医療ですから、お金のことだけで評価するのがいいとは筆者は思いませんが、歯科医院も組織として、利益をださないと潰れてしまいます。なので、歯科医院に利益をもたらしている人を評価する必要があると思います。しかし、今の歩合給のもとでは医院の利益に貢献できている人を評価しているとは言い難いです。例えば、2006年には12%pdのFMCは661点でした。2020年7月には1391点になりました。この差分の1330点は、金属代の高騰によるものです。ちょっと脱線しますがFMCの点数は以下のように決まっています。2006年:保険技術料445点+保険材料料216点=661点2020年:保険技術料454点+保険材料料937点=1391点保険技術点とはFMCという物自体の点数です。昭和62年には厚生省大臣からの通知「製作技工に要する費用が含まれ、その割合は、製作技工に要する費用がおおむね100分の70、製作管理に要する費用がおおむね100分の30である。」ここのため、7割を技工料として支払うのが、好ましいとされています。保険材料料とは金属代です。厚労省が考える標準的な12%pdの使用量から算出された点数です。金属代が近年高騰しており、保険材料料の上昇は十分でないとの指摘もあります。今回の主題でないので、ここまでにしておきますが、これは「金パラ逆ザヤ」問題と言われています。仮に、保険材料料が金属代の分をちょうどカバーしていたとして、保険材料料からは歯科医院は利益は出ないはずです。しかし、歩合給のもとでは同じ大臼歯のFMCをセットした場合に2006年:661点×20%=1322円2020年:1391点×20%=2782円なぜか、2006年と2020年で同じことをしても2倍近く給料が変わってしまいます。2020年10月には金パラの値段は減額改定が行われるため、歩合給は下がることとなります(参考:金銀パラジウム合金「想定外」の減額改定は受け入れられるか?)。他にも歯周外科で骨を再生するのに用いられるリグロスという薬があります。リグロス1200μgは2832点あります。これは仕入れ値とほとんど同じです。用いた場合と用いない場合で給料は5660円ほど変わってきます。医院の利益はリグロスを用いても用いないのでも変わらないです。医院の利益を評価するという歩合給の趣旨からは、リグロスを用いることで給料が発生するのは不適切です。かつては、金属代もここまで高騰しておらず、リグロスなどの高額な材料は保険に少なく、単純な歩合制でも大きな問題は起こらなかったかもしれません。今は、金属代・高額な材料とお金がかかるようになってしまいました。時代の変化に「単純に売上の○%が給料という歩合制」では対応しきれてないように見えます。売上以外で貢献している歯科医師の取り組みを評価できていない今の時代は歯科医院の経営では保険診療でも口腔状態を維持する取り組みが大事になってきました。これは安定した口腔状態を持つ患者に定期的に来ていただき、衛生士を中心に口腔衛生指導を行えば、歯科医師のチェアタイムは極めて短く、材料代もかからないため、収益率が高いからです。例えば保険でSPT2(歯茎の検査、写真記録、口腔清掃を包括した項目)を行なった場合1197点(注)になります。継続来院への動機づけは歯科医院の経営戦略上、最も大事な戦術となります。雑な治療やカリエスの取り残しによって、定期的に来院していたのに治療になってしまっては、患者さんから不満が出てしまうし、歯科医師のチェアタイムが将来そこに投資されてしまうことになります。このような継続来院への動機づけに対する評価、やり直しの少ない治療に対する評価は歩合給では発生しません。「当院は予防管理型の歯科医院です」と求人して、「歩合給で頑張っただけ評価されます」と書いてあることもしばしばあります。補綴物のセットを行うと給料が上がる仕組みが、予防管理型の歯科医院の勤務医への評価として妥当でしょうか?歩合給のもとでは歯科医学的に妥当な治療が行われるために、歯科医師に道徳やモラルが要求されてしまう。この歩合給のもとでは、極力、型取りをして材料・金属代・技工料を多く使うことが給料アップへとつながります。例えばCRかインレーか悩むケースがあるとします。歩合給であるとここにインレーにすると歯科医師の給料が上がるという問題が発生します(参考:保険のメタルインレーは本当に赤字なのか?)。このことから歩合給のもとでは、歯科医学的妥当性のみで判断するはずのことに、歯科医師自身の生活や給料が頭によぎってしまいます。歯科医師個人がモラルを持って、治療するのは当然ですが、このような仕組みが医療に相応しいのでしょうか?まとめ今回は歩合給の問題を「そもそも歩合給では医院の利益に貢献しているかを評価できていない」「売上以外で貢献している歯科医師を評価できていない」「歯科医学的に妥当な治療が行われるために、道徳やモラルが要求されてしまう」の3点に絞って解説しました。ではどういう、給料体系・評価制度がいいのかというと筆者にもその明確な答えはないです。なかなか難しい問題です。今回は問題提起とさせていただきます。こういう評価制度がいいのではというご意見をコメントで頂けると幸いです。--- ここからは前回記事の問題点についてです。---多数のご意見ご感想をいただきました。代表的なものを取り上げさせていただきます。一般の方、研修医、若手Dr・歯科技工士・衛生士等でも誤解を招かないような記事構成にすべきご指摘の通りで、歯科医師以外の方々の視点は抜けていました。歯科医師は歩合給に馴染みがあるので、その視点からの記事になっておりました。歯科医師以外の方々の視点が抜けていることが記事の内容をわかりにくくし、技工士の方々への配慮を欠いておりました。誠に申し訳ありません。素人が読んだら歯医者は悪いことする人がいるんだと思う人もいると思うので、歯科が良くなって欲しいと思うならちゃんと発信してほしいご指摘のとおりです。申し訳ございません。歩合歯科医の給与体系を分かっていないと皮肉だと分からない。ご指摘のとおりです。今回の記事では歩合歯科医の給与体系についての説明の詳細を入れました。タイトルが悪い・皮肉だとわかりにくいご指摘の通りです。タイトルについては目にとまるようにと、インパクトをあるものにしておりました。「確かに最後まで読めばわかりますが、少し引っ張りというか題名のインパクトと強い…素直に題名から伝えたいことを書いた方が良かったのではと思います」というコメントも頂きました。インパクトあるタイトルにするにしても、「序盤に種明かしが良かった」とのご指摘もいただきました。タイミングが技工士問題を利用して炎上狙いなのか?前回の記事の公表の前日に、技工問題に関するライブ配信が行われたことと関連付けてのご意見もいただきました。前回の記事はタイトル・構成で「給料アップ」を主眼におくことにより、注目されることを狙ってはいました。しかし、技工問題と絡める意図はなかったです。技工士の方々も読む媒体だということが抜けており、技工士の方々への配慮が欠けたことが炎上の原因と考え、反省しております。ジョークや皮肉であっても自分の仕事への熱意が茶化されたかの様な表現が文書として出ることへの不快感があるご指摘の通り、技工士の方々を始めとする歯科医療者への配慮が欠けていたこと反省しております。歩合制の制度としての問題、点数と材料費の問題、オーバートリートにならないか歯科医師個人の道徳、モラルの問題なども含めてまとめた記事にしないといけない。ご指摘の点、最もだと思います。今回の記事で反映するよういたしました。削って詰めたりあれこれいらんことでもやればやるほど保険点数が上がる仕組みがあるから当然じゃないか?この問題については保険制度の問題ではなく、歩合給の方の問題だと考えています。保険点数は確かに必要性の薄い補綴物のやりかえを行うと上がります。しかし今の保険制度上、医院にとって利益になる行為は継続来院への動機づけを行い、長期安定した口腔内状態を作り、SPT2(歯茎の検査、写真記録、口腔清掃を包括した項目)の1197点(注)を算定していくことだと思います。今の保険の制度では、患者さんの利益になる長期安定した口腔内の維持に成功した医院へ保険点数は配分されていると思います。この度は多数のご意見・ご感想を頂戴し、ありがとうございました。この記事へのご意見・ご感想も、コメントやtwitterでいただけると幸いです。ここまで読んでいただきありがとうございました。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる注:1197点の内訳再診料 53点明細 1点外来環 3点歯科衛生実地指導1 80点SPT2(20歯以上) 830点歯科疾患管理料 100点長期管理加算 +120点文章提供加算 +10点※かかりつけ強化型歯科診療所の場合
ひら@歯科保険診療と収益について考える
2020年9月27日
【歩合給制度の問題点と矛盾】歩合制勤務歯科医師、給料アップのためには明日から、これをやるべき!

【歩合給制度の問題点と矛盾】歩合制勤務歯科医師、給料アップのためには明日から、これをやるべき!

※お詫びと訂正(2020/8/23 21:40)初掲載時の記事の内容に不必要なキャストクラスプを多くつけ、セット時にクラスプを除去することで、歩合給を上げましょうという内容が含まれておりました。そのようなことは歯科医学的にも妥当ではないのみならず、義歯の製作者である技工士の方々への配慮を欠いておりました。誠に申し訳ありません。お詫びの上訂正いたします。本記事にかいてある給料アップの方法①から④を実際に実行した場合、経営者から忠告を受けることが考えられます。本記事は実際に給料アップのためにこれらを実行しましょうと推奨するものではなく、「材料をいっぱい使うと給料が上がる歩合制」や「金属代をはじめとする材料代が高騰すると歯科医院の人件費が増える仕組み」に対する問題提起となっています。以下本文となります。ーーー1Dニュースご覧のみなさま、はじめまして。「歯科保険診療と収益について考える」というnoteを書いている「ひら」です。今日は歩合制勤務医のみなさんに明日からできる、保険で歩合給アップのコツを伝授したいと思います。売上の○%がお給料になる歩合給において大事なのはとにかく売上を上げることです。自費が入ればいいのですが、そう簡単には行きません。そこで、とにかく保険点数を上げるための方法を今日はお教えいたします。①義歯新製の際は、できる限り材料代の高いものを用いるまずこれが一番簡単でかつ、歩合制勤務医の保険点数を爆上げする方法です。令和2年7月の保険点数改定で金属代高騰のため、鋳造バー(12%Pd)は1837点となりました。先生の手間変わらず、金属代高騰で保険点数が上がった分の20%程度も、先生に還元されます。もっと金属代が上がってほしいですね。人工歯は前歯部レジン歯(58点)に対して、陶歯は(187点)です。レジン床総義歯(2412点)に対し、スルフォン床義歯(2973点)です。義歯はこのあたりも差が付きます。しっかり押さえておきましょう。②コアはファイバーコアコアは保険点数が最も高いファイバーコアです。臼歯部ならファイバーポストは2本使えることに注意しましょう。当然、点数の高い間接法です。大臼歯の直接法レジンコア(147点)に対し、間接法ファイバーポスト2本(341点)です。ファイバーコアの技工料、材料代は自分の給料と関係ないので、ガンガン行きましょう。③小臼歯CADは材料II細かいとこですが差がつきます。小臼歯はブロックI(1428点)に対し、ブロックII(1454点)です。ブロックIIって書くだけで26点上がるのですから忘れず書きましょう。④歯周外科ではリグロス1200μgFOPは1歯につき630点しかなく、歩合制勤務医としては時間のかかる割にあまり旨味のない点数です。FOPするくらいなら大臼歯FMC(12%Pd)1391点をセットしたくてたまらないです。ご安心ください。リグロスを使って再生療法に取り組みましょう。FOPをして最後にリグロスを入れるだけで2832点も増点されます。リグロス600μg(2105点) では甘いです。多いほうがいいですよね。リグロス1200μg(2832点)にしましょう。ここまでどうだったでしょうか?どの方法も、ほんの一手間で点数が上がる秘策ばかりだと思います。ここまでで、みなさんに考えていただきたいのは、「ほぼ、手間はかわらないのに材料をいっぱい使うと給料が上がる歩合制ってどうなのでしょうか?」ということです。本当に、保険で歩合給アップしたいって思って読んでくださってた先生方には、はしごを外してしまって申し訳ありません。歩合制は本来は歯科医院の売上に貢献している人を評価する制度のはずです。医療ですから、お金のことだけで評価するのがいいとは筆者は思いませんが、歯科医院も組織として、利益をださないと潰れてしまいます。なので、歯科医院に利益をもたらしている人を評価する必要があると思います。しかし、いまの時代にこの歩合制度で、評価していくと、医院に利益をもたらした人ではなく材料をじゃぶじゃぶ使って、見かけの売上だけ高い人が評価されてしまいます。かつては、金属代もここまで高騰しておらず、ファイバーコア・CADCAMブロック・リグロスといった、高額な材料は保険に少なく、単純な歩合制でも大きな問題は起こらなかったかもしれません。今は、金属代・高額な材料とお金がかかるようになってしまいました。時代の変化に「単純に売上の○%が給料という歩合制」では対応しきれてないように見えます。ではどういう評価制度がいいのかというと筆者にもその明確な答えはないです。・歩合率を高める代わりに、技工料や材料代は勤務医負担とする・歩合率を技工代・材料代に応じて変動させる・売上ではなく、患者さんから信頼を得て、「メンテナンス」に来てもらえるようになる先生を評価するといった方法でしょうか?なかなか難しい問題です。筆者は「歯科保険診療と収益について考える」というnoteでこういった問題について考えています。・保険のメタルインレーは本当に赤字なのか?※金属代・技工料について具体的な数値で知りたい方におすすめの記事です。・歯科医院の目的と戦略と作戦と戦術①ー保険点数の増大という戦略ー※歯科医院に利益を出せる人材に興味がある方におすすめの記事です。ここまで読んでいただきありがとうございました。コメント、SNSでの投稿等で応援していただけると、次の執筆の機会が与えられます。ぜひよろしくお願いいたします。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる
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2020年8月23日

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