歯科用語集
2025年10月28日

歯科診療所

「歯科診療所」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

PICK UP
【便利】歯科用語をイッパツ変換できるユーザー辞書を無料配布
【ミニセミナーを覗く】「禁食の人は、食べられない人」と思っていませんか?――講師が映したのは、8か月食べていなかった人の内視鏡

定義・語源

歯科診療所とは、歯科医師が歯科治療を行うための医療機関である。日本においては、歯科診療所は「医療法」に基づき設置され、歯科医師が患者に対して診療を行うことができる場所である。語源としては、「歯科」は歯に関連する医療を指し、「診療所」は医療行為を行うための施設を意味する。診療所は、一般的に個人開業の形態が多く、地域に密着した医療サービスを提供することが特徴である。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床において、歯科診療所は患者の口腔健康を維持・改善するための重要な役割を果たす。診療所では、予防歯科、一般歯科、矯正歯科、口腔外科など、さまざまな専門分野の治療が行われる。判断基準としては、患者の症状やニーズに応じた適切な診断と治療計画の策定が求められる。また、歯科診療所は保険制度に基づく診療を行うことができ、保険点数に応じた適切な請求が必要である。

関連用語・類義語との違い

関連用語としては「歯科医院」や「歯科クリニック」が挙げられるが、これらは一般的に同義語として使用されることが多い。ただし、歯科医院はより広範な意味を持ち、診療所よりも大規模な施設を指すことがある。一方、歯科クリニックは、特に特定の専門分野に特化した診療所を指すことが多い。これらの用語は、地域や施設の規模、提供するサービスの内容によって使い分けられることがある。

1Dプレミアム
1Dプレミアム

関連ニュース

「歯科医師の年収は上がる」を、自分の年収の話として聞いていませんか?――対談が挙げる3つの理由は、確かさの段階が違う

「歯科医師の年収は上がる」を、自分の年収の話として聞いていませんか?――対談が挙げる3つの理由は、確かさの段階が違う

「歯科医師の年収は今後上がっていきます」。1Dの対談動画は、この言い切りから始まる。出演者は110秒の時点で「上がります!」と答え、そこから理由を3つに整理していく。画面の左上にも「歯科医師の年収が上がる3つの理由」という見出しが出て、以後は「歯科医師・診療所の減少」「患者数・歯科医療費は減らない」「歯科医療の市場拡大」と小見出しが切り替わっていく。ただ、この話を自分の手取りの予想として受け取ると読み違える。3つの理由は、同じ強さの根拠で支えられているわけではない。統計で確認できるもの、割り算の結果として出てくるもの、まだ文書の段階にあるもの――性質の違う3つが並んでいる。本記事では、どこまでが確かめられる話で、どこからが見通しなのかを分けて読む。「上がる」と言われているのは、誰の、どの数字か動画が最初に片づけるのは、「上がる」の主語である。出演者は「インフレだからではないですね」(120秒)と断ったうえで、「令和6年度の診療報酬改定で収載されたんですけど」(125秒)「それは勤務医とか歯科衛生士とか歯科助手さんとかの話ですよね」(135秒)と続ける。賃上げを目的に新設された評価料はあるが、それは院長自身の収入の話ではない、という整理だ。ここは一次資料で確かめられる。令和6年度診療報酬改定で新設された歯科外来・在宅ベースアップ評価料について、厚生労働省保険局医療課の説明資料は、賃上げの対象となるのは「主として歯科医療に従事する職員(医師及び歯科医師を除く。)」だと明記している(令和6年度診療報酬改定と賃上げについて)。歯科衛生士・歯科技工士・歯科業務補助者などの賃金を引き上げるための点数であって、開設者である歯科医師は制度上その対象に入らない。制度としてすでに「上がる」仕組みが用意されているのは、スタッフの側である。「歯科医療者の年収は上がっていく」(115秒)という言い方と「自分の年収が上がる」という受け取り方の間には、一段の飛躍がある。動画の3つの理由は、その飛躍を埋めるために置かれた議論だと読むと構造がつかみやすい。一つめ・担い手が減る――確認できる部分と、確認できない部分一つめの理由として画面に出るのは「歯科医師・歯科診療所の減少」(205秒)である。出演者は「『医師・歯科医師・薬剤師統計』という統計があるんですけど」(250秒)と資料名を挙げ、「歯科医師数でいうと2176人とか」(255秒)「だいたい歯科医師の2%ぐらい減ってるんですよ」(260秒)と述べる。この数字は照合できる。厚生労働省の令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計で、歯科医師数は105,267人、前回調査から2,176人・2.0%の減少。平均年齢53.0歳という点も「歯科医師の平均年齢って約53歳とかで」(285秒)という発言と合う(令和4(2022)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況)。さらに、動画公開(2025年8月)より後に出た令和6(2024)年の同統計では、歯科医師数は103,652人、前回比1,615人・1.5%の減少だった(令和6(2024)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況)。減少は続いているが、減り方は前回より緩んでいる。歯科診療所も、動画で語られた「今6万5千件台とかに突入したんですよ」(280秒)という水準をすでに下回り、医療施設動態調査の令和8(2026)年7月末概数で64,975施設である(医療施設動態調査)。「減っている」という向きは、一次資料でも確かめられる。一方、同じ箇所には確認できない話も混ざっている。出演者は「高齢化」と「女性歯科医師の増加」を合わせて「ダブルパンチ」(334秒)と呼び、女性歯科医師は男性と比べて「稼働率がちょっと下がるんですよね」(331秒)と述べる。ここには調査も出典も示されず、性別による働き方の差を前提にした推測になっている。本記事ではこの主張を採らない。統計で確認できるのは頭数の減少までで、「稼働量」がどう動くかは、それ自体が別に検証を要する論点である。二つめ・分母が減っても、分子が減らないなら二つめの小見出しは「患者数・歯科医療費は減らない」(215秒)。人口が減れば患者も減るのだから差し引きゼロではないか――「ニーズ側が減ったらトントンじゃね?」(400秒)という当然の反論に、出演者はこう答える。「人口の減りに対して歯科診療所に訪れる患者数って」「割と一定なんですよね」(410~420秒)。「患者数の絶対数は減るんですけど」(415秒)、「要は一人当たりの平均点が上がっているみたいな」(425秒)状態で、「トータルで考えると」「予算や医療費みたいなところは変わらない」(460~470秒)という見立てである。背景として挙がるのは、歯科医院が「健康な人も来るっていう場所になりつつある」(430秒)という変化だ。治療のためだけでなく、予防や管理のために通う人が増えれば、来院一人当たりの点数は上がる。分子にあたる歯科医療費が横ばいで、分母にあたる担い手が減るなら、「相対的に年収は上がるじゃんって話ですけど」(475秒)という結論になる。割り算そのものは筋が通っている。ただし出てくるのは全体の平均であって、個々の医院の数字ではない。出演者はこのあと「1990年代頭とかぐらいの水準になるんですよ」(485秒)「バブル末期ぐらいの水準になる」(495秒)と時期まで挙げるが、その試算の中身は示されないため、本記事では水準の話は扱わない。自院に引き寄せるなら、問われているのは「患者が何人来たか」ではなく「一人当たりで何をしているか」のほうである。三つめ・市場の拡大は、まだ点数ではなく文書の段階にある三つめの小見出しは「歯科医療の市場拡大」(570秒)。根拠として挙がるのは、「先々月ぐらいに公表された」(565秒)「『経済財政運営と改革の基本方針2025』」(570秒)、いわゆる骨太の方針である。そこに「いわゆる国民皆歯科検診みたいなもの」(580秒)が含まれており、歯周病と全身疾患の関連について「エビデンスが出てきてるってことは明らかじゃないですか」(590秒)と続く。ただし出演者自身が「僕も見てないのでちょっと分からないですけど(笑)」(535秒)と置いているとおり、この三つめは文書を読んだうえでの説明ではなく、報じられた範囲での見通しとして語られている。編集部で確認した範囲では、「経済財政運営と改革の基本方針2025」は令和7年6月13日に閣議決定されており(内閣府)、その歯科関連の記載として日本歯科医師会は「生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)に向けた具体的な取組の推進」「歯科医師の不足する地域の分析等を含めた適切な配置の検討を含む歯科保健医療提供体制の構築と強化」などを引用している(日本歯科医師会)。方針に位置づけられていること自体は確かめられる。ただし、方針に書かれることと、点数が付くことと、実際に収入が動くことは、それぞれ別の段階である。一つめが統計の話、二つめが割り算の話だったのに対し、三つめはまだ文書の話にとどまる。出演者が「多分しれっとフェードアウトするんじゃないか」(530秒)という可能性にも触れているとおり、ここは確定した話として数えないほうがいい。「上がる」を、待っていい話として読まない動画の結論は、意外と威勢のいいものではない。「現状のパイでどうなるっていうのを予測するんじゃなくて」(645秒)「本当にでっかい施策で変えていく必要もあるぞ」(655秒)。画面には「『時代を作り上げるんだ』という主体的な努力が必要」(650秒)という大きなテロップが出る。市場が広がるかどうかは、担い手が何をするかにかかっている、という着地である。そのうえで出演者は、「小さい虫歯を見つけて削って詰める歯医者がいるので」(665秒)と言いよどみ、「『健康は口から作る』という意識で歯科医療に取り組んでほしい」(685秒)と述べる。行政の側に「歯科医師を抑制しろ」(610秒)という議論があるなかで「担い手もたくさん必要だ」(620秒)と言い返すには、その説明を日々の診療の中身で裏づける必要がある――という順番だ。これは出演者の立場からの主張であり、制度の決定を予測したものではない。タイトルは「【朗報】」で始まるが、中身は朗報の受け取り方の話だった。確かめられるのは、担い手が減っているという統計までである。その先の「だから一人当たりは上がる」は条件つきの割り算で、「市場が広がる」はまだ方針文書の段階にある。来期の計画をこの見通しの上に立てるのは早い。先に見ておきたいのは、全体の平均で起きていると言われる変化が、自院でも起きているかどうかのほうだろう。元動画を見る【朗報】歯科医師の年収は今後上がっていきます(2025年8月7日公開)
1D編集部
2026年10月6日
「開業はいつにするか」から考えていませんか?――先に動かなくなるのは、引退する側の日付だった

「開業はいつにするか」から考えていませんか?――先に動かなくなるのは、引退する側の日付だった

開業のタイミングは、たいてい手前から考える。研鑽を何年積むか、資金がいつ貯まるか、勤務先でどこまで任されるか。1Dの対談動画「歯科医師が後悔しないキャリアの歩み方」は、その順番を逆から置く。先に置かれるのは開業ではなく引退で、そこから手前を数えると、同じ一年の重さが変わって見えてくる。
対談が先に置くのは、開業ではなく引退の話
対談は「歯科医師も当然引退するタイミングがくる」という一言から入り、画面には「独立・引退のタイミング」というテロップが出る。いつ独立すべきかを論じる回でありながら、独立の話の前に引退の話が置かれている。
出演者が挙げる引退の理由は、身体のことだけではない。「目が見えなくなるとか腰が痛くなるとか」に続けて、「それ以外に引退すべき理由」として「もう疲れちゃった」という言い方が出る。長く続いたスタッフが辞めた、個別指導が入った、子育てが終わった――そうした場面が並び、「じゃあセカンドライフを送ろう」という流れはよく聞く、と語られる。
つまり引退は、ある日の体調で決まるというより、いくつもの事情が重なったところで決まる。出演者はそれを「なんとなくで開業して、なんとなくのモチベーションで独立してしまうと」という言い方と対にして置いている。決め方が曖昧なまま始めたものは、終わり方も曖昧になる、という含みである。
引退の日付が動かないなら、手前の一年の意味が変わる
この回の背骨は、中盤の一文にある。「つまり引退するタイミングっていうのは一定なので」。
そこから先の計算は単純である。「歯科医師として稼働できる年数って限りがある」「65歳・70歳で引退するとしても、できる年数は限られている」。具体的には「35歳で開業して65歳で引退したら30年間しかできないわけですよ」と言う。だから「なるべく早めに開業した方が生涯年収は上がる」し、「ゴールを考えた上で開業のタイミングを考える」ことになる。
この見方が効いてくるのは、途中の遅れをどう数えるかのところである。出演者は歯学部の留年を例に出し、失っているのは学費と生活費の一年ぶんだけではない、と言う。「留年することによって最後の一年が押し出されちゃっている」。終わりが動かないのだから、手前で一年遅れれば、削られるのは最も脂の乗った時期ではなく、最後の一年である。
留年に限った話ではない。勤務先を決めかねて過ごした一年も、開業を見送った一年も、同じ計算に乗る。なお対談で挙がる留年費用の金額は出演者がその場で口にしたもので、大学や学年によって異なる。ここで確かなのは金額ではなく、押し出される先が決まっているという構造のほうである。
それでも「早いほどいい」で終わらない
対談は早期開業を勧めて終わらない。すぐに反対側の事情が置かれる。「自分のスキルとかいろんなことを身に付けないと開業できない」と考えれば「研鑽を積む期間」が要る。35歳で開業するなら勤務は10年ほどで、「10年で習得できるものがどれくらいあるのか」という問いが残る。
出演者は自分の経験も挟む。久しぶりに支台歯形成をやってみたら「ガッタガタで『こんな感じだっけ?』って思って」、「できそうだなって思っていたけど、もう全然できない」。手は離れた分だけ落ちる、という実感である。
結局、対談が置くのは答えではなく二つの向きだ。生涯年収で考えれば早いほうがいい。技術で考えれば積む時間が要る。出演者の言葉では「いつ・どこのタイミングでそのスキルを身に付けて、どれぐらいで開業するか・独立するか」を「設計していかなきゃいけない」。どちらかが正解なのではなく、両方が同じ一本の時間を取り合っている。
引退の時期は、自分の都合だけでは決まらない
引退の側にも、自分で動かせない要素がある。「ある程度アクシデントがない限りは」、60歳・70歳になれば30代ほど細かいものは見えず、「多少の衰えは出てくるのが予見される」。ここまでは自分の話である。
もう一つは相手の話だ。「後継者がいるか・いないか」。出演者は「継がせることができる相手がいるのかみたいなのも、だいたい分かるじゃないですか」と言い、それを早く知ることの意味をこう置く。引退するタイミングと継ぐタイミングが同じでは「もうちょっと遅い」。「継ぐ相手がいないんだな」と気づいた瞬間から、「キャリアプランとしてそこは設計していかなきゃいけない」。
引退の日付は自分で選べても、渡す相手が現れる日付は選べない。だから気づく時期のほうを早める、という順序である。
閉めるのか、渡すのか
医院をやめる出口は一つではない。対談では「M&Aという売却する」道と、「シンプルに親族なのか、関係性の高い勤務医とかに継承もしくは承継する」道が並べられる。
出演者はここで、いま起きていることとして「歯科診療所は微減している」と述べる。この点は統計で確かめられる。厚生労働省の令和6(2024)年医療施設(動態)調査によれば、歯科診療所は同年10月1日現在で66,378施設、前年から440施設の減少である。歯科医院の数が一気に増えた時期に開業した院長が「だいたい今65歳とかに差し掛かっている」という対談の見立ては、この減り方と地続きに置かれている。
だから閉めるのはもったいない、と出演者は言う。何十年も続けた医院には「そこに根づいている患者さん」がいて、「地域医療に貢献している医療機関が一つなくなってしまう」ことになる。「引退だ」と言って「閉める」と言えば、その患者はもう誰にも診てもらえない。
ただし渡す側にも難しさがある。親族への承継は「やりやすい側面もあるけど、やりにくい側面はめちゃくちゃあるでしょうね」と語られ、継ぐつもりだった子がうまくいかずに辞めた例も挙がる。第一選択肢が子どもであること自体は否定されないが、そこで決まるとは限らない。
対談の二人は最後に「引退もクソもない、まだ若造二人で話した結論ですけれども」と断っている。だから、この回から持ち帰れるのは引退の作法ではない。出口の日付が先に決まっていると仮に置いてみると、手前の一年ごとの意味が変わる――その置き方のほうである。そして出演者は、考え始める時期について「実はもうちょい早い方が」「早めに考えておかないといけない」と言い添えている。
元動画を見る(2025年10月30日公開)
1D編集部
2026年10月2日
「売上を倍にしたい」で、新患集めから考えていませんか?――3つの事例のうち2つは、すでにある部屋の使い道の話だった

「売上を倍にしたい」で、新患集めから考えていませんか?――3つの事例のうち2つは、すでにある部屋の使い道の話だった

売上を倍にしたい、と院長が考えるとき、最初に浮かぶのはたいてい新患をどう増やすかである。1Dの対談動画「歯科医院の売上を倍増させる3つの戦略」で紹介される3つの医院を並べてみると、その順番が必ずしも自明ではないことが見えてくる。新患を増やした事例は3つのうち1つで、残る2つは、すでに医院の中にあった部屋の使い道を変えた話だった。売上は「客数×客単価」に分解される対談でまず置かれるのは、目標の立て方ではなく分解の仕方である。出演者は「客数×客単価ですよね」と言い、続けて「患者数×患者単価ですよね」と言い換え、さらに「保険診療の場合はレセプト枚数×レセプト点数ですよね」と重ねる。画面には「歯科診療所における売上の方程式」というテロップが出る。分解しておく意味は、打ち手を数えるのをやめられることにある。集患も、広告も、自費のカウンセリングも、並べれば無数にある。だが掛け算に直せば、動かせる変数は二つしかない。どれをやるかではなく、どちらを動かすつもりなのかが先に決まる。「保険診療の場合はレセプト枚数×レセプト点数」という言い換えは、単なる置き換えではない。枚数はその月に何人を診たかであり、点数は一人あたり何を算定したかである。そして点数は診療報酬の点数表で決まっていて、医院の側で値づけできるものではない。保険の範囲で単価を動かそうとすれば、算定できるものを漏らさないか、算定できる処置そのものを増やすか、という方向に限られてくる。対談が自費や物販の話へ進んでいくのは、この制約を前提にしていると読める。回転を上げるレバーは、診療の質とぶつかるでは客数側から、と考えたときに出演者が指摘するのは、その道の窮屈さである。患者数を増やすには「(診療を)ぶん回すか」「というレバーしかない」と述べ、それは「診療の質の担保という点においてはあまり望ましいことでは必ずしもない」と続ける。メンテナンスを30分でできたとしても、それがベストとは限らない、という言い方をしている。だから「客単価に増収の活路を見出すっていうのは理にかなっている」と整理する。ただし対談は、客数を捨てろとは言っていない。少し後で「客数も客単価も、どっちも売上を上げる」「どっちも重要なファクター」と言い直している。退けられているのは客数そのものではなく、一人あたりの診療時間を削って枠を増やすというやり方のほうである。客数を伸ばした医院は、開業前の時間を使っていた1つ目の事例は、SNS運用で新患を集めた医院である。開業前からInstagramで「開業しますよ」という発信を続け、開業前の時点でフォロワーが増えていき、内覧会の時点ですでに新患の予約が入っていた、と紹介される。開業してから集め始めたのではなく、まだ患者がいない期間を使って積み上げていた点が、この事例の要点になっている。副次的な効果として、衛生士や助手の採用が採用費をかけずにできた、「Instagram見て応募しました」という応募があった、という話も添えられる。ただしこれらは出演者が伝え聞いた個別の事例で、編集部で裏づけたものではない。同じ運用をすれば同じ結果になる、という話ではない。出演者自身も「患者集めはローカルのビジネス」であり「グローバルではない」と断り、地図に紐づくMEOは「地域性がすごく絞られてくる」と、届く範囲の違いを区別している。残る2つは、部屋を増やさずに使い道を変えている2つ目は、カウンセリングルームである。経営を指南するセミナーで「自費率を上げるんだったらカウンセリングルームを作りなさい」と言われ、なかった医院が実際に作った、という事例として紹介される。注目したいのは売上側ではなく費用側で、出演者は「人にかかる費用ってそんなに増えてない」「休憩室だったところを潰してだったら増益ですよね」と言う。新しく人を雇ったわけでも、増築したわけでもない。すでにある面積の割り当てを変えただけ、という構図になっている。3つ目は、物販と待合室である。ここで対談が面白いのは、紹介された売上額をその場で検算していることだ。歯ブラシの単価を1,000円、500円と置き直し、「2000本ですね」「歯ブラシ2,000本、無理ですね」「どんなに歯がいっぱいあっても歯ブラシの本数は一定ですからね」と確かめていく。つまり一品目では説明がつかない。帰りに「ちょっと買っていこう」とフロスなども含めて選ばれる状態、「ちょっと微増かもしれないけれども、それが全部重なる」状態が、待合室という誰の医院にもある空間で起きているという話になる。なお、この回で挙げられる金額はいずれも出演者が「曰く」「らしくて」と伝聞として述べたもので、一次資料で確かめられる数字ではない。本稿で金額を書かないのはそのためで、いくら増えるかではなく、何が変わったのかだけを受け取っておきたい。金額の話の前に、自院はどちらを動かせるか3つを並べ直すと、動かした変数は客数が1つ、客単価が2つである。そして客単価側の2つは、新しい投資というより、持っているものの使い道の再配分だった。空間が余っている医院と、人手に余裕がない医院と、開業前でまだ患者がいない医院とでは、手をつけられる場所が違う。倍にするための正解が一つあるのではなく、自院で先に動くのはどちらか、という問いのほうが先にある。出演者も、戦略の紹介にとどめて「具体的にどういうふうにすべきか」は別に学ぶ必要がある、と述べている。この動画から持ち帰れるのは手順ではなく、掛け算のどちらを動かすつもりなのかを決めておく、という一手前の整理である。元動画を見る(2025年11月6日公開)
1D編集部
2026年10月1日
【速報】令和8年度診療報酬改定の骨子判明:歯科はプラス0.31%、物価高・賃上げへの「二段構え」の支援策が柱に

【速報】令和8年度診療報酬改定の骨子判明:歯科はプラス0.31%、物価高・賃上げへの「二段構え」の支援策が柱に

厚生労働省は、令和8年度(2026年度)診療報酬改定に向けた大臣折衝の結果および、中医協での検討資料を公表。今回の改定は、長引く物価高騰と医療現場での賃上げ要求に応えるため、過去に例を見ない複雑な改定率の設定と、補正予算を組み合わせた「重層的な支援」が特徴となる。本記事では歯科医師が注目すべき、改定のポイントと経営への影響をまとめる。1. 歯科改定率はプラス0.31%、全体では3.09%の大幅増令和8年度および9年度の2年度平均の診療報酬改定率は、全体でプラス3.09%(R8年度:+2.41%、R9年度:+3.77%)と決定した 。この内訳には賃上げ分や物価対応分が含まれている、それらを除いた各科固有の改定率において、歯科はプラス0.31%(医科:+0.28%、調剤:+0.08%)と、他科を上回る設定となっている。2. 物価高騰・賃上げへの具体的な評価方法今回の改定では、物価上昇への対応が「特別な項目」として設定される点が大きな変更点である。賃上げへの対応(+1.70%分):看護補助者や事務職員を含む幅広い職種のベア(令和8・9年度にそれぞれ3.2%)を実現するための措置が講じられる。物価上昇への段階的対応: 令和8年度以降の物価上昇分については、従来の初・再診料とは別に、「物価上昇に関する評価(特別な項目)」を新設し、段階的に引き上げる案が示されている 。経営環境悪化への緊急対応(+0.44%分): 令和6年度改定以降の経営悪化分については、令和8年度の初・再診料等の評価に含める形で対応される 。3. 【注目】令和7年度補正予算による「32万円」の現金給付診療報酬改定に先立ち、令和7年度補正予算において、医療機関への直接的な支援が行われる。歯科診療所(無床)1施設あたり合計32.0万円の支援額が設定された 。賃金分:15.0万円物価分:17.0万円この支援は、診療報酬による評価が本格化するまでの間の経営を支えるための「基礎的支援」として位置づけられている 。4. 入院・外来および患者負担への影響入院料の再編:病院や有床診療所における入院料についても、物価上昇分を反映させるための新たな評価体系が検討されている。患者負担の増:入院時の食費基準額が1食あたり40円、光熱水費基準額が1日あたり60円引き上げられる方針である。今後の展望:経済動向による「再調整」の可能性今回の改定率は、今後の経済・物価動向を注視する形となっており、実際の物価が想定を超えて変動した場合には、令和9年度にさらなる調整を行う「特例的な対応」の可能性も残されている。歯科医院経営においては、これらの新設される項目や補正予算による支援を確実に享受しつつ、スタッフの賃上げ原資をどう確保していくかが、次期改定の最大の焦点となる。資料出典:厚生労働省「中医協 総-1 8.1.9 物価対応について(その1)」 重要なのは制度を知って、どこを目指すのかただ制度を知るだけでなく、「自院がどこを目指すのか」を明確にすることが重要だ。1Dプレミアムでは、経営・開業ジャンルのセミナーが豊富にある。自院の運営について悩んでいる方は是非チェックしていただきたい。本記事閲覧者へ視聴おすすめセミナー・それぞれのコンセプト、それぞれの考え方を深掘り、歯科医院経営の成功法則を導き出すインタビュー<The 1 Dentist>・理想的な収益システムを学ぶ<売上も利益も最大化させる最強施設基準セット>1Dプレミアムでは経営者の実例を知り、制度を活かした運営ノウハウがまとまっている。月額9,800~(税込)の有料サービスではあるが、12,000円キャッシュバックを本記事経由で提供しているためまずはリスクゼロで試していただきたい。
1D編集部
2026年1月17日
【速報】令和7年度補正予算で歯科診療所に一律32万円の支援金

【速報】令和7年度補正予算で歯科診療所に一律32万円の支援金

令和7年度補正予算案が11月28日に閣議決定され、医療機関への大規模な支援策が盛り込まれた。1)厚生労働省による今回の予算案では、医療分野における賃上げと物価上昇への対応が重点項目として掲げられている。歯科診療所においても、従事者の処遇改善と物価高騰への対策を目的とした交付金の支給が決定。地域における必要な医療提供体制の維持・確保を図る施策として注目されている。*1)令和7年度補正予算案の主要施策集(厚生労働省)歯科診療所への支援は一律32万円今回の補正予算案の柱となるのが「医療・介護等支援パッケージ」だ。物価高騰や深刻化する人員不足といった医療機関・介護施設の経営課題に対応するため、総額1兆3,649億円という大規模な予算が計上されている。 内訳:医療分野に1兆368億円   介護等の分野に3,281億円医療機関・薬局に対する賃上げと物価上昇への支援には、このうち5,341億円が割り当てられた。この支援策は二つの目的を持っている。一つは医療従事者の処遇改善、もう一つは診療に必要な経費の物価上昇対策である。歯科診療所に対する具体的な支給額は、医科の無床診療所と同水準の1施設あたり合計32.0万円。内訳:賃金分(処遇改善)15.0万円、物価分(物価上昇対策)17.0万円。特筆すべきは、補助率が10分の10、つまり全額補助という形での交付となる点だ。これは医療機関が直面する喫緊の経営課題に迅速に対応し、地域医療の基盤となる提供体制を確保するための重要な措置と位置付けられている。*画像は1)より引用「国民皆歯科健診」に向けたパイロット事業も始動*画像は1)より引用補正予算案では、もう一つ注目すべき施策として、「生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)パイロット事業」の推進に8.8億円が計上された。この事業は、国民の歯と口腔の健康増進を目指すもので、職域の保険者、事業主、または自治体などが主体となって実施される。具体的には、簡易な口腔スクリーニングを活用した歯科健診と、その結果に基づく受診勧奨を組み合わせた取り組みとなる。実施形態としては、一般健診と併せて行うケースや、特定健診の結果を基に対象者を選定してスクリーニングと受診勧奨を実施するケースなどが想定されており、国民の口腔衛生向上に向けた基盤整備が期待されている。◇今後の動向に注目この補正予算案は、現在開会中の臨時国会での成立を目指している段階である。交付金の具体的な交付時期、申請手続き、必要書類等の詳細については、今後の正式発表を待つ必要がある。歯科診療所の経営にとって重要な支援策となるため、続報を注視していきたい。
1D編集部
2025年12月12日

関連用語

レジン修復 (238)

PICK UP
【便利】歯科用語をイッパツ変換できるユーザー辞書を無料配布
【ミニセミナーを覗く】「禁食の人は、食べられない人」と思っていませんか?――講師が映したのは、8か月食べていなかった人の内視鏡
掲載情報について

1D(ワンディー)は、歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士向けの情報が集まる、日本最大級の専門メディアです。

トップレベルの臨床家・研究者からオンラインで学べる「歯科セミナー」や、臨床・経営・ライフスタイルの最新情報が収集できる「歯科ニュース」など、多彩な歯科医療コンテンツを配信しています。

本サイトは、歯科医療関係者(歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・歯科助手・歯科学生等)を対象に、歯科医療の臨床・研究・経営等に関する情報を集約したものです。歯科医療関係者以外の一般の方に対する情報提供を目的としたものではないことをご了承ください。

また、本サイトで提供する情報について細心の注意を払っておりますが、内容の正確性・完全性・有用性等に関して保証するものではありません。詳細は利用規約をご覧ください。

1D - 歯科医師/歯科技師/歯科衛生士のセミナー視聴サービスなら
© 2026 1D inc.