根尖性歯周炎による骨破壊のメカニズム、解明される
根尖性歯周炎は、う蝕を原因とする細菌感染により顎骨破壊を引き起こす。これは、歯科医療者にとってみれば周知の事実である。なぜ根尖性歯周炎で顎骨破壊が起こるのか、実はそのメカニズムはよくわかっていなかった。しかし、2021年1月に東北大学、新潟大学、神奈川歯科大学の研究チームがこの疑問に答えを出した。根尖性歯周炎に罹患しているモデル動物で実験したところ、ケモカインであるCXCL9がマクロファージを活性化し、破骨細胞を活性化する炎症性サイトカインを分泌することで、顎骨の破壊が促進されることを発見したのである。また、CXCL9の阻害薬であるCXCR3拮抗薬の投与で、根尖性歯周炎による顎骨破壊の抑制ができることを明らかにした。これにより、CXCR3拮抗薬を投与することで、顎骨破壊を抑える新たな治療法が確立される可能性が出てきた。この方法が確立されれば、これまで抜歯が適用されていた根尖性歯周炎を保存できる確率も高くなるだろう。 根尖性歯周炎は抜歯の原因のうち21%を占めており、関連する治療費を含めると年間で約220億円もの医療費がこの病気の対応に費やされている。さらに、整形外科領域の骨破壊を伴う疾患への応用も期待されている。今後の研究の進歩に、引き続き注目していきたい。歯科セミナーなら、1D(ワンディー)で!歯科医療者向けのオンラインセミナーを多数開催中!「知識を増やしたい」「スキルアップしたい」歯科医師・歯科衛生士の皆様におすすめです。まずは近日中に開催のセミナー一覧を見てみませんか?セミナー一覧をみる参考文献むし歯による顎骨破壊の原因を解明 ー抗ケモカイン療法による顎骨破壊の抑制ー, 東北大学 プレスリリース・研究成果, <URL>, 2021年2月12日閲覧Hasegawa, T., Suresh, V. V., Yahata, Y., Nakano, M., Suzuki, S., Suzuki, S., ... & Saito, M. (2021). Inhibition of the CXCL9-CXCR3 axis suppresses the progression of experimental apical periodontitis by blocking macrophage migration and activation. Scientific reports, 11(1), 1-15.