歯科用語集
2025年10月28日

エナメルマトリックスデリバティブ

「エナメルマトリックスデリバティブ」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

エナメルマトリックスデリバティブ(EMD)は、歯のエナメル質の形成に関与するタンパク質を含む生体材料である。これらのタンパク質は、エナメル質の再生や修復を促進するために使用される。語源は、エナメル質を形成するマトリックスから派生したものであり、主にエナメルマトリックスタンパク質(EMP)を基にしている。EMDは、歯科治療において特に再生医療の分野で注目されており、歯の再生や修復における新しいアプローチとして位置づけられている。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床において、エナメルマトリックスデリバティブは、特に歯の再生や修復を目的とした治療において重要な役割を果たす。例えば、歯周病治療や根管治療後の再生療法において、EMDを使用することで、エナメル質の再生を促進し、治癒を早めることが期待される。判断基準としては、患者の口腔内の状態や治療の目的に応じて、EMDの使用が適切かどうかを評価する必要がある。また、保険点数に関しても、EMDを使用した治療が保険適用となる場合があるため、事前に確認することが重要である。

関連用語・類義語との違い

エナメルマトリックスデリバティブに関連する用語としては、エナメルマトリックスタンパク質(EMP)や再生医療が挙げられる。EMPは、EMDの主要成分であり、エナメル質の形成に直接関与するタンパク質である。一方、再生医療は、組織や器官の再生を目指す広範な分野であり、EMDはその一部として位置づけられる。EMDと他の再生材料との違いは、エナメル質特有の成分を含む点にあり、より特異的な治療効果が期待できる。

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エナメルマトリックスデリバティブの臨床応用と症例に基づく処置のポイント

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エナメルマトリックスデリバティブの定義とその重要性エナメルマトリックスデリバティブ(EMD)は、歯の再生を促進するために使用される生物材料である。主に、歯周組織の再生や修復において重要な役割を果たす。EMDは、エナメルマトリックスタンパク質を含むため、歯の発生や再生に関与する細胞の活性化を促すことができる。これにより、歯周病治療やインプラント周囲の骨再生において、より良い治療結果が期待できる。エナメルマトリックスデリバティブの処置手順EMDを用いた処置は、通常、以下の手順で行われる。まず、治療する部位の診査を行い、必要に応じてレントゲン検査を実施する。次に、局所麻酔を施し、歯周ポケットの清掃を行う。その後、EMDを適切な量だけ取り出し、治療部位に塗布する。最後に、縫合を行い、治癒を促進するためのフォローアップを計画することが重要である。エナメルマトリックスデリバティブのメリットとデメリットEMDの主なメリットは、歯周組織の再生を促進し、治療効果を高める点である。また、患者への侵襲が少なく、術後の回復が早いことも特徴である。一方、デメリットとしては、コストが高いことや、個々の患者に対する効果が異なる可能性がある点が挙げられる。これらの要素を考慮し、適切な症例選択が求められる。臨床での症例と判断ポイントEMDを用いた治療の症例としては、重度の歯周病患者やインプラント周囲の骨吸収が進行している患者が挙げられる。これらの症例では、EMDの導入が治療効果を向上させる可能性が高い。判断ポイントとしては、患者の全身状態や歯周組織の状態、治療に対する期待などを総合的に評価することが重要である。エナメルマトリックスデリバティブの使い方と注意点EMDの使用にあたっては、適切な保存方法や使用期限を遵守することが重要である。また、治療後の経過観察を怠らず、患者に対して適切なアフターケアを行うことが求められる。特に、術後の感染予防や再生の評価を行うことで、治療の成功率を高めることができる。最新の研究とエナメルマトリックスデリバティブの将来性近年の研究では、EMDの効果をさらに高めるための新しい技術や組み合わせ療法が模索されている。例えば、成長因子との併用や、他の生物材料との組み合わせによる効果の向上が期待されている。これにより、今後の歯科治療におけるEMDの役割はますます重要になると考えられる。
1D編集部
2024年6月1日
歯周組織再生治療の今・未来

歯周組織再生治療の今・未来

これまで有効な治療法が無かった疾患の治療が可能になるなど、失われた組織を取り戻す「再生医療」が脚光を浴びている。歯科医療も例外ではなく、特に歯周治療分野では盛んに再生医療の日常臨床への応用がされつつある。歯周治療における再生治療の実際や今後の展望について、本記事では解説する。歯周組織再生治療の歴史的経緯歯周炎の進行により、歯周組織は破壊されていく。近代歯科医学が創始されてから、破壊された歯周組織を再生しようと、多くの研究者が挑戦を続けてきた。1976年、Melcherはある仮説を提唱した。「歯根膜由来細胞が歯周外科手術後の歯根面に増殖した場合に、歯周組織の再生が起こる」という理論だ。そのおよそ5年後、Melcherの仮説をベースとしたNymanらが、遮蔽膜を用いた歯周組織の再生治療を編み出し、初めて新付着を獲得することに成功した。この術式は、組織再生誘導(Guided Tissue Regeneration; GTR)法と呼ばれ、今日の臨床応用につながっている。現在臨床応用されている歯周組織再生治療日常臨床で行われている歯周組織再生治療には、骨移植術、GTR法、エナメルマトリックスデリバティブ(EMD)の3つが挙げられる。それぞれの術式について、簡単に解説を行っていこう。欠損部に骨を充填する「骨移植術」骨移植術は、歯槽骨の欠損部に骨移植材を充填することにより歯周組織の再生を図る術式である。骨移植材には自家骨、他家骨、異種骨、人工骨といった種類がある。ゴールドスタンダードとして用いられるのは自家骨であるが、侵襲性や採取部位に課題を残している。米国においては、他家骨である脱灰凍結乾燥骨(DFDBA)が普及しているが、感染症や倫理的観点から日本では認可されていない。異種骨としてはウシ焼成骨が使用されている。また、ハイドロキシアパタイトや三リン酸カルシウムに代表される人工骨も臨床で用いられている。根面処理とエナメルマトリックスデリバティブStahlらは、クエン酸やテトラサイクリンで歯根面を脱灰させ、象牙質のコラーゲン線維を露出させることで、周囲組織の間葉系細胞のセメント芽細胞への分化を促進し、セメント質を再生する方法を提案した。この方法は動物実験では効果を上げたが、臨床研究では結果を出せていない。また、歯根面をEDTAで脱灰させ、そこにEMDを適用する方法をHeijlらやhammarstormらが提案した。このアイデアをスウェーデンのBiora社がEmdogain®として製品化し、日本においてもエムドゲイン® ゲルとして臨床利用可能である。まだまだ課題の多い「GTR法」GTR法は、歯槽骨の欠損部に遮蔽膜を設置することで、歯根膜由来細胞だけを選択的に誘導し、歯周組織を再生するという発想だ。臨床での難易度や複雑な骨欠損への応用などの課題を残しているが、適応症を的確に選択すれば予知性を持った結果が得られる。GTR法により再生した歯周組織は、セメント質の構造や歯根膜のコラーゲン線の走行が正常とは異なっているという報告もある。Araujoらはこれについて「GTRはGuided Tissue Repairの略なのでは」と指摘をしている。歯周治療は大きく変わっていく歯周組織再生治療は、歯周治療の臨床レベルを押し上げるポテンシャルを秘めている。現在は歯周組織の再生量や適応症の狭さなどの課題が山積しているが、それらを解決していくことにより、歯周治療は大きく変わっていくことだろう。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる参考文献Melcher AH.On the repair potential of periodontal tissues.J Periodontol.1976;47:256-60Nyman S,Lindhe J,Karring T and Rylander H.New attachment following surgical treatment of human periodontal disease.J Clin Periodontol.1982;9:290-6.Parashis A, Andronikaki-Faldami A, Tsiklakis K. Clinical and radiographic comparison of three regenerative procedures in the treatment of intrabony defects. Int J Periodont Rest Dent. 2004;24:81-90.Stahl S,Slavkin HC,Yamada L and Levine S.Speculations about gingival repair.J Periodontol.1972;61:395-402.特定非営利活動法人 日本歯周病学会『歯周病患者における再生治療のガイドライン』2012.
1D編集部
2019年11月8日

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