歯科用語集
2025年10月28日

塞栓

「塞栓」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

塞栓(そくせん)とは、血管や体腔内に異物が存在し、それが血流や体液の流れを妨げる現象を指す。語源は「塞ぐ」と「栓」であり、物理的に流れを妨げることを示している。塞栓は、血栓、脂肪塞栓、空気塞栓など、さまざまな種類が存在し、特に血栓は心血管疾患において重要な要素である。歯科領域においても、局所麻酔や手術時における血栓形成のリスクを理解することが求められる。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床現場において、塞栓は特に手術や侵襲的処置に関連して重要な概念である。例えば、抜歯やインプラント手術の際には、血管損傷が生じる可能性があり、これにより血栓が形成されることがある。判断基準としては、患者の既往歴や血液凝固異常の有無、手術のリスク評価が挙げられる。塞栓が発生した場合、迅速な対応が求められ、適切な処置を行うことで合併症を防ぐことができる。

関連用語・類義語との違い

塞栓に関連する用語としては、血栓、血栓症、塞栓症などがある。血栓は血液が固まったものであり、塞栓はその血栓が血管を塞ぐ状態を指す。血栓症は血栓が形成される病態を示し、塞栓症はその結果として血流が阻害される状態を指す。これらの用語は密接に関連しているが、具体的な状況や病態に応じて使い分ける必要がある。

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塞栓の臨床応用と処置方法。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき症例と判断ポイント

塞栓の臨床応用と処置方法。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき症例と判断ポイント

塞栓の定義とその重要性塞栓とは、血管内に異物が存在し、血流を妨げる状態を指す。歯科領域においては、特に抜歯後や外科的処置後に発生する可能性がある。塞栓が発生すると、血流が阻害され、組織の虚血や壊死を引き起こす恐れがあるため、早期の診断と適切な処置が求められる。塞栓の原因としては、血栓、脂肪、空気、腫瘍細胞などが挙げられ、これらはそれぞれ異なる症状やリスクを伴う。歯科医師や歯科衛生士は、塞栓のリスクを理解し、患者の状態を適切に評価することが重要である。塞栓の症状と診断方法塞栓の症状は、発生した部位や塞栓の種類によって異なるが、一般的には疼痛、腫脹、発赤、機能障害などが見られる。特に、抜歯後の患者においては、術後の疼痛が通常の範囲を超える場合、塞栓の可能性を考慮する必要がある。診断には、患者の病歴聴取や身体検査が基本となるが、必要に応じて画像診断(CTやMRIなど)を行うこともある。これにより、塞栓の位置や大きさを評価し、適切な処置を決定するための情報を得ることができる。塞栓の処置と術式塞栓の処置は、塞栓の種類や発生した部位によって異なる。一般的な処置としては、血栓の場合は抗凝固療法や血栓溶解療法が考慮される。歯科領域では、抜歯後の塞栓に対しては、外科的手技による除去が必要となることもある。術式としては、塞栓の位置に応じて、局所麻酔下での切開や吸引が行われることが一般的である。これにより、塞栓を物理的に除去し、血流を回復させることが可能となる。塞栓処置のメリットとデメリット塞栓処置のメリットは、早期に血流を回復させることで、組織の虚血や壊死を防ぐことができる点である。また、適切な処置を行うことで、患者の痛みや不快感を軽減することが可能である。一方、デメリットとしては、外科的手技を伴うため、術後の合併症や感染のリスクが増加することが挙げられる。また、塞栓の種類によっては、処置が難航する場合もあり、慎重な判断が求められる。塞栓処置における注意点とコツ塞栓処置を行う際には、いくつかの注意点がある。まず、患者の全身状態を十分に評価し、リスクを把握することが重要である。また、術後の経過観察を怠らず、異常が見られた場合には迅速に対応することが求められる。さらに、塞栓の種類や位置に応じた適切な術式を選択することが、成功の鍵となる。経験豊富な歯科医師や歯科衛生士と連携し、チームでのアプローチを心がけることが望ましい。臨床での塞栓症例とその対処法臨床においては、塞栓の症例は多岐にわたる。例えば、抜歯後に発生した血栓による塞栓は、術後の疼痛が強くなることがある。この場合、早期に診断し、適切な処置を行うことで、患者の回復を促進することができる。また、外科的処置後に発生する脂肪塞栓症も注意が必要であり、特に全身麻酔下での手術後に見られることがある。これらの症例に対しては、迅速な診断と適切な処置が求められる。まとめ塞栓は、歯科臨床においても無視できない重要な問題である。適切な知識と技術を持つことが、患者の安全を守るために不可欠である。塞栓のリスクを理解し、早期の診断と適切な処置を行うことで、患者の健康を守ることができる。歯科医師や歯科衛生士は、常に最新の情報を学び、臨床に活かす努力を続けるべきである。
1D編集部
2024年6月1日
「口腔ケアが新型コロナを予防する」は本当か?

「口腔ケアが新型コロナを予防する」は本当か?

口腔ケアを行うことによって、新型コロナウィルスの感染予防になるのではないかという言説がしばしばSNS等で見受けられる。本稿では、ネット上で見かけるこのような言説を検証しながら、新型コロナウィルスについて分かってきていることと、未だ分からないことを整理していきたい。新型コロナと誤嚥性肺炎まず、よく見かけるのが、「新型コロナウィルス肺炎は細菌性肺炎が併発することで重症化するので、誤嚥性肺炎を防ぐために口腔ケアが重要である」という言説である。NHKの情報番組でも放送されたというこの説は、一時期SNSでよく見かけることとなった。これは信頼出来る言説なのだろうか?結論から述べると、COVID-19重症化の主な要因が細菌性肺炎の併発であるとは考えられていない。重症化のメカニズムとして現段階で分かってきているのは、ウィルスによる炎症が過剰な免疫反応(サイトカイン・ストーム)を引き起こし、多臓器不全や血液凝固異常が発生するということである。血液凝固異常は血栓を形成し、塞栓症によって致命的な転帰へと至ることもある。もちろん、新型コロナウィルス由来の肺炎に細菌性肺炎が続発することは理論上あり得るが、重症化する主な理由として挙げるのはやりすぎだろう。なお、人工呼吸器を使用している際に生じるVAP(人工呼吸器関連肺炎:Ventilator Associated Pneumonia)も広い意味で誤嚥性肺炎の一種ではあるが、こちらは口腔ケアによる予防とは全く別の話であることは言うまでもない。新型コロナとインフルエンザ予防と口腔ケア次に、「インフルエンザは口腔ケアで予防出来るというエビデンスがあるのだから、新型コロナも予防出来るだろう」という言説について考えてみたい。口腔ケアによるインフルエンザの予防効果については、東京歯科大学名誉教授の奥田克爾氏らの調査が有名である。奥田らは、デイケアに通う要介護高齢者に対して歯科衛生士によるプロケアを行った場合、インフルエンザの罹患率が有意に低下したと報告している。この口腔ケアとインフルエンザの予防効果の関係については、ある程度メカニズムも分かってきている。A型インフルエンザウィルスの表面にはヘマグルチニン(HA)及びノイラミニダーゼ(NA)という2種類の糖タンパク質が存在している。HAは感染しようとする細胞にウィルスが入りこむ際に作用し、NAは感染した細胞からウィルスを放出する際に作用する。口腔内細菌には、NAを産生したり、HAを活性化させるTLP(トリプシン様プロテアーゼ)を産生するものがある。そのため、口腔ケアが不十分で口腔内細菌が多い状態だと、インフルエンザウィルスの増殖や遊離が促進されると考えられるのである。では、新型コロナウィルスではどうだろうか。まず、NAについてはコロナウィルスに存在しない。ノイラミニダーゼ阻害薬であるタミフルやリレンザが、COVID-19の治療に現状選択されていないのはそのためである。この点において新型コロナウィルスはインフルエンザウィルスとは異なるのである。そのため、口腔内細菌が産生するNAも関与しないのではないかと考えられる。一方、細胞内にウィルスが侵入する過程はどうであろうか?コロナウィルスが細胞内に侵入する際には、コロナウィルス表面に存在するスパイクタンパク質(Sタンパク質)が関与する。これはインフルエンザウィルスのHAとは異なるものであるが、細胞内に侵入するためにプロテアーゼを利用するという点については同様である。ただし、プロテアーゼの作用する様式はインフルエンザとは異なる。以上のことから、細胞にウィルスが侵入するプロセスにおいては、口腔ケアが予防に関与出来る可能性は全く無いとは言い切れない。ただ、これはまだ何も証明されてはおらず、今後の研究が待たれる。そのため、「口腔ケアが新型コロナウィルス対策に効く」と断定的に述べることは控えるべきであろう。新型コロナとアジスロマイシンCOVID-19の治療では、抗マラリア薬であるヒドロキシクロロキンと、抗菌薬のアジスロマイシンの併用療法が試されている。この療法自体、まだ有効性・安全性が確立されているものではないのだが、ここから派生して、「アジスロマイシンが効くのだから、COVID-19には細菌も関与しているに違いない」という言説を見かけることもある。なお、この「関与している細菌」というのは主張する人によって異なり、歯周病菌であったり、腸内細菌であるプレボテラであったり、様々である。この考え方はどうだろうか。まず、きちんと理解しておきたいのは、COVID-19の治療でアジスロマイシン投与が選択されているのは、細菌を抑えるためではないということである。マクロライド系抗菌薬は抗菌活性の他に、抗炎症作用を持つことが知られており、その特性を活かしてびまん性汎細気管支炎におけるマクロライド少量長期療法などが行われてきた。COVID-19はウィルスによる炎症が引き起こす免疫反応の暴走が問題となっている。そのため、免疫調整機能のあるヒドロキシクロロキンに、抗炎症作用を持つアジスロマイシンを併用し、症状の改善を試みているのである。もちろん、未知の部分が多い新型コロナウィルスについて、アジスロマイシンの静菌作用が作用していないと言い切ることは出来ない。ただ、アジスロマイシンを投与しているから細菌が原因であると主張することは、やはりナンセンスと言わざるを得ないだろう。まとめ以上、口腔ケアと新型コロナウィルスとの関係について、SNS上などで見られる言説がどの程度信用できるのかについて見てきた。 COVID-19の重症化は、誤嚥性肺炎が続発することが主たる原因とは考えづらいインフルエンザウィルスと新型コロナウィルスは構造が異なる。そのため、口腔ケアがインフルエンザ予防に寄与することを理由に、新型コロナウィルス感染予防にも効果があるとは言い切れない。ただし、今後の研究によって新たなエビデンスが明らかになってくる可能性はあるアジスロマイシンは抗炎症作用を期待して投与されているため、「アジスロマイシンが投与されているから細菌が原因である」と主張することはナンセンスである歯科医院経営においても、コロナ禍の影響は大きく、つい新型コロナウィルスの予防効果を謳いたくなることもあるかもしれない。しかし、新型コロナウィルスはまだ分からないことが多く、世界中でウィルスとの戦いが行われている渦中である。そんな中で根拠の無い言説を歯科医療に結びつけて喧伝することは、ポジショントークと捉えられても仕方がないのではないだろうか。たとえ新型コロナウィルスと関係がなくても、歯科医療は人々の健康に寄与し、幸せな人生を送ることに貢献することが出来るのは間違いない。感染予防策を最大限とりながら、この状況でも治療を必要としている患者さんに向き合うことが、長い目で見て歯科医療の社会的地位の向上に繋がるのではないかと筆者は考える。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる
歯科に詳しい丸の内OL
2020年5月14日
抜歯時に抗血栓薬は休薬するべきか?

抜歯時に抗血栓薬は休薬するべきか?

抗血栓薬は循環器系疾患患者に処方され、超高齢化社会の日本では抗血栓薬を常用している患者が歯科治療を受けることが多くなっている。抗血栓薬を常用している患者の歯科治療において抜歯が必要になった場合、抗血栓薬を休薬するかどうかは実際歯科医師の悩みどころであろう。ここでは結局、抗血栓薬服用患者は抗血栓薬を休薬するのかしないのかについて検討していきたい。抜歯において抗血栓薬は基本的に休薬しない結論から申し上げると、抜歯において抗血栓薬は基本的に休薬しないことが推奨されている。抗血栓薬を服用していると、血液が固まりにくいため、抜歯をするとなかなか止血ができない恐れがある。ただし、有病者歯科医療学会が定めた「抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン(2015年改訂)」によると、ワルファリン服用患者では抜歯を行う少なくとも72時間以内に測定したPT-INRの値が疾患に対する至適治療域内にあればワルファリンを休薬する必要はないとしている。バイアスピリンやプラビックスといった抗血小板剤はワーファリンのPT-INRのような効果判定ができないが、これらの投与下での抜歯が推奨されている。直接作用型経口抗凝固剤(DOAC)でも抜歯についての安全性は未だ確立していないが、これも休薬を推奨されていない。抗血栓薬を中断した場合抗血栓薬を1ヶ月中断した場合、脳梗塞、心筋梗塞などの発症リスクは上昇し、ワルファリンを中断した場合に至っては、約1%の患者において血栓・塞栓症を発症する。基本的に抗血栓薬は抜歯時に中断すべきではないが、肝臓の止血作用がうまく機能しない肝疾患では注意が必要である。大出血が予想され、どうしても減量や中断を考慮するときはヘパリン療法を行うことが考えられる。その際には患者に抗血栓療法を行っている医師と連携することが重要になるだろう。服用に注意すべき薬は?抜歯の際は、術前後に抗菌薬や鎮痛薬を投与することが多いが、これらは抗血小板薬の効果を増強する。抗菌薬の場合、適切な局所止血をすると、抗菌薬の数日投与では出血傾向が増強することはなく、通常量の抗菌薬を投与して問題ないと「抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン(2015年改訂)」で言われている。鎮痛剤のNSAIDsの場合、抗血小板薬とNSAIDsの関連研究が十分でないが、インドメタシン、ジクロフェナクナトリウム、フェノプロフェンカルシウム、ナプロキセンではなくイブプロフェンとロキソプロフェンナトリウム、カロナールのほうが抗血小板作用が弱いため、短期間での使用が推奨されている。本記事のまとめ抗血栓薬服用時の抜歯には、適切な止血を行えば、基本的に問題になることはなく、一方で抗血栓薬を休薬すると血栓・塞栓症のリスクが上昇するため、抗血栓薬服用患者の抜歯では基本的には休薬しない。ただし、歯科医師として侵襲性が高い治療を行うには、抗血栓薬の休薬するかしないかや薬剤の相互作用について、十分な知見と検討が必要となるだろう。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる参考文献『病気をもった患者の歯科治療ー医科から歯科へのアドバイスー 改定第4版』,長崎県保険医協会,2017「抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン(2015年改訂)」,有病者歯科医療学会
東田 真
2019年11月26日

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