歯科用語集
2025年10月28日

脱感作

「脱感作」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

脱感作とは、アレルギー反応や過敏症を軽減または消失させるための治療法である。特に、アレルゲンに対する感受性を低下させることを目的としている。語源は「脱」(取り除く)と「感作」(感受性を持つこと)から成り立っており、アレルギーの原因物質に対する体の反応を和らげることを示している。歯科領域においては、特に局所麻酔薬に対する過敏症の治療に用いられることが多い。脱感作は、アレルギーのメカニズムを理解する上で重要な概念であり、臨床現場での適切な対応が求められる。


臨床における位置づけ・判断基準

脱感作は、アレルギー反応を持つ患者に対して行われる治療法であり、特に歯科治療においては局所麻酔薬に対する過敏症の管理が重要である。臨床においては、患者のアレルギー歴や過去の反応を詳細に確認し、脱感作の必要性を判断する基準となる。脱感作治療は、通常、少量のアレルゲンを徐々に増量しながら投与する方法が採用される。この過程において、患者の反応を観察し、必要に応じて治療方針を調整することが求められる。適切な判断基準を持つことで、患者の安全を確保し、歯科治療を円滑に進めることが可能となる。

関連用語・類義語との違い

脱感作に関連する用語としては、「アレルゲン免疫療法」や「感作」が挙げられる。アレルゲン免疫療法は、脱感作の一環として行われる治療法であり、特定のアレルゲンに対する免疫応答を調整することを目的としている。一方、感作は、アレルゲンに対する体の感受性が高まることを指し、脱感作とは逆の概念である。これらの用語の違いを理解することで、脱感作の意義や臨床での適用方法をより深く理解することができる。

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脱感作の臨床応用とその手順。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき症例と注意点

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脱感作とは何か脱感作は、アレルギー反応を軽減または消失させるための治療法である。特に、歯科領域においては、局所麻酔薬や特定の材料に対する過敏症を持つ患者に対して重要な処置となる。脱感作の基本的な考え方は、少量のアレルゲンを徐々に増やしながら投与することで、患者の免疫系を慣れさせることである。この手法は、アレルギーのメカニズムを理解し、適切な診断を行うことが求められる。脱感作の手順と術式脱感作の手順は、まず患者のアレルギー歴を詳細に確認し、適切なアレルゲンを特定することから始まる。次に、初回投与を行い、その後は定期的に投与量を増加させる。具体的には、初回は非常に少量から始め、患者の反応を観察しながら、数週間から数ヶ月かけて目標量に達するように調整する。この過程では、患者の状態を常にモニタリングし、必要に応じて投与量を調整することが重要である。脱感作のメリットとデメリット脱感作のメリットは、アレルギー反応を軽減することで、患者が安心して治療を受けられるようになる点である。また、長期的にはアレルギーの発症を防ぐ可能性もある。一方で、デメリットとしては、治療に時間がかかることや、初期段階での副作用が出るリスクがあることが挙げられる。これらの点を考慮し、患者に対して十分な説明を行うことが求められる。脱感作における症例と診断脱感作が必要となる症例としては、局所麻酔薬に対する過敏症や、特定の歯科材料に対するアレルギーが挙げられる。診断には、アレルギー検査や患者の病歴の確認が重要である。特に、過去にアレルギー反応を示した患者に対しては、慎重なアプローチが求められる。脱感作を行う際には、患者の状態を常に把握し、必要に応じて他の治療法との併用を検討することが重要である。脱感作の導入における注意点脱感作を導入する際には、いくつかの注意点が存在する。まず、患者のアレルギー歴を正確に把握することが不可欠である。また、脱感作中は患者の状態を常にモニタリングし、副作用が出た場合には即座に対応できる体制を整えておく必要がある。さらに、脱感作の効果が現れるまでには時間がかかるため、患者に対してその旨をしっかりと説明し、治療に対する理解を得ることが重要である。まとめ脱感作は、歯科領域においてアレルギー反応を軽減するための重要な治療法である。適切な手順と注意点を理解し、患者に対して安全かつ効果的な治療を提供することが求められる。歯科医師・歯科衛生士は、脱感作の知識を深め、臨床での応用を進めることで、より良い患者ケアを実現することができる。
1D編集部
2024年6月1日
特別な配慮が必要な子ども。町の歯医者さんにできることは。

特別な配慮が必要な子ども。町の歯医者さんにできることは。

発達に遅れがあったり、何かしらの障がいがある子どもは十分なコミュニケーションをはかることが困難なことも多い。そのため、一般歯科医院では健常児と同様の歯科処置などを行うことは難しいと思われている。重度の障がいがあれば、一般の歯科医院で患者に混じって処置をすることは難しいが、グレーゾーンや軽度の障がいがある子どもに対しては、歯科医療従事者が知識を深め、特徴を知ることで一般の歯科医院で行える処置も少なくない。また心疾患や他の合併症を有するケースも多く、日々の生活のなかで口腔内を清潔に保つこと、またそのためのメンテナンス方法などを得ることは本人たちにとっても大切なことである。保護者は歯科医院を頼りたい実際、そのような子どもや保護者は、特別に難しい処置ではなくても気軽に何でも相談でき、信頼できる歯科の専門家として何かしらの支援を期待していることも多い。できるだけ小さな頃から歯科医院にかかることにより、歯科医院の雰囲気やスタッフにも慣れ、口腔内を触られることを嫌がらなくなってくる。歯磨きの練習もでき、処置に必要な様々な器具にも慣れることができるなど、こまめに歯科医院に通院することのメリットは大きい。一人ひとりを理解することそのような子どもに定期検診を行うにしても、障がいの程度、個々の理解度などにより対応法も異なり、日常で行う歯磨き自体が困難なことも多く見られる。また、患児のみならず、保護者への指導も非常に重要になってくる。視覚情報を生かした取り組み自閉症スペクトラム(ASD)では視覚情報の方が理解しやすいという特徴があるが、発達に障がいのある子どもは視覚的に誘導すると、スムーズにいくことも多い。これは文字情報や聴覚情報は脳でいったん視覚情報に置き換えて判断していると考えられ、その方が分かりやすいとされてる。視覚による刺激は直接的にインプットされるため、言葉を理解していない状態でも入りやすい。(1)絵カードによる情報の伝達もっとも基本的な方法が絵カードや写真を用いたものである。伝えたい内容を絵カードや写真で示しながら、同時にことばで補足説明をすると、自閉症スペクトラムや知的障がいがある子どもにも理解しやすくなる。【絵カード使用時のポイント】①声かけは少なめに、ことばは短くシンプルに肯定的で具体的な説明をする。②見通しがもてるようにする(はじめと終わりの明示をする)流れと手順を予告し、予定どおりに実行する。③静かなところで説明する音が大きなところや人が多くガヤガヤしているところでなく、余計な刺激のない集中できる環境でおこなう。(2)文字カードによる情報の提示歯科医院に訪れる子どもたちの不安を強くする要因に、歯科医院特有の音やにおいがある。特に音や振動、感触などは視覚的に伝えることはできないため、視覚情報である絵などに機械の音などを文字で補足することも一つの手である。マンガのように、絵にキュイーンと音がする、ゴリゴリするなどと文字で補足すると分かりやすい。音は、歯科医院で発生する機械音を録音しておくと、家で歯科受診の練習ができたりと役立てることができる。(3)実物を見せる歯科医院で使用するデンタルミラーやピンセット、エアーやバキュームなどは障がいの有無に関わらず、ほとんどの子どもたちにとっても馴染みのないものばかりである。これらを使用するときに過敏な反応を示したり、恐怖体験などが過去にあった子どもには脱感作の必要がある。このとき、「少しずつ、弱いものから、離れたところから」Tell-Show-Do(TSD)を行いながら脱感作を行う。自閉症スペクトラムの特徴として、特定の音や光、においや味、感触を好んだり、嫌がったりする傾向があるが、歯科医院の絵や写真カードだけでは伝わらない特有の刺激に対する不安や恐怖、過敏反応を取り除くためにも視覚情報とともに実物を用いたリハーサルも大切な学習のプロセスである。(4)iPadなどの電子機器を用いた情報の伝達小さくて軽いため、手軽に持ち運びができ、いくつもの場面をあらかじめ設定しておくことができる。その日の予定に合わせて、必要なものをタッチパネルで選択し、順番に並べることもできるなど電子機器を用いることのメリットは大きい。一次医療機関としての使命上記のことは一例に過ぎないが、何かを工夫したり、別の非言語的なコミュニケーションの手段も持って対応していくことで、お互いのコミュニケーションが円滑になり、一般の歯科医院でもできることが多くなる。ホームケアのみでの清掃には限度もあり、定期的に短い間隔で受診することで、口腔内の問題悪化を防ぐこともできる。大規模な病院ではできない密で細かな対応ができる点においても、地域の中で一般の歯科医院の果たすべき役割は大きい。スペシャルニーズへの歯科的対応1Dでは、日本大学歯学部の白川教授が「小児のスペシャルニーズ」への対応法について解説するセミナーを開催。Dプレミアム会員であれば、月額¥9,800でセミナー&講義動画が見放題。いずれのセミナーも、追加料金一切なしで無料にてお申し込みいただけます。1Dプレミアムの詳細を見る
482 TSUNAGU
2023年1月6日
歯科医院で自閉スペクトラム症患児を診察する上で心がけたい6つのこと

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自閉スペクトラム症(ASD; autism spectrum disorder)の方が、われわれの身の回りにどれくらい存在しているかご存知だろうか。弘前大学大学院が行った調査によると、5歳における自閉スペクトラム症の有病率は3.22%であるとされている。自閉スペクトラム症は、決して珍しいものではなく、日常臨床のなかで頻繁に遭遇する障害であるといえる。したがって、われわれ歯科医療者も自閉スペクトラム症の患者さんへの対応の仕方を十分に知らないままではいけない。本記事では、どうすれば自閉スペクトラム症の患者さんが歯科医院に通いやすくなるのかについて、詳しく紐解いていきたい。基本的に、歯科医院はニガテ自閉スペクトラムは、社会的なコミュニケーションが困難で、思考や行動が制限されたり反復されたりすることを特徴とする、一般的な発達障害を指している。日常生活の変化や新しい場所での行動が苦手であったり、感覚処理の違いがあったりなど、特定の行動特性を持っている場合があり、予防的な歯科治療や口腔内の状態の評価が特に難しくなるケースが多い。歯科医院では、明るい蛍光灯、治療機器の大きな音、慣れない処置などを体験する。強い匂いや味、感触に過敏な自閉スペクトラムの患児や、顔や口腔近くに人や物があるのを嫌がる患児にとっては、歯科医院での診察や治療は特に困難である。歯科医院のなかには、特別なニーズを持つ子どもたちへの対応の経験やトレーニングの経験が少なく、自閉スペクトラムの患児たちへの対応に消極的なところもある。予防と家庭での口腔衛生習慣が肝要自閉スペクトラムの患者さんは、感覚過敏のために、ブラッシングやフロッシングなどの歯科衛生習慣を身につけることが難しい場合がある。また、歯ぎしりをする、口腔内や歯を叩く、食べ物ではないものを噛む、甘いものを食べるなど、歯の健康に影響を与えるような習慣がある患者さんもいる。さらに、口腔内の問題を伝えるのが難しく、ケアが遅れてしまう方もいる。自閉スペクトラムの患児には、幼少期に口腔ケアの習慣をつけることをお勧めしたいものだ。ブラッシングは、最初の歯が萌出したらすぐに、フッ化物入りの歯磨剤を少しずつ塗って始める。味や食感に敏感な患児の場合は、さまざまな味のものや、無香料、無発泡の歯磨き粉(ラウリル硫酸ナトリウムを使用していないもの)などを試してみるとよい。歯ブラシは、例えば振動が好きなお子さんの場合、電動歯ブラシを用いるのも効果的だ。歯磨きを他の日課や入浴などの好きな活動と組み合わせるという方法もある。患児を柔らかいカーペットやベッドに寝かせ、本を読んでもらったり鏡を持ってもらうなどの作業と組み合わせることで、親御さんが歯に触れやすい状態になることが期待できる。歯科治療を成功させるためのヒントでは、自閉スペクトラムの患者さんと一緒に歯科治療を成功させる為にはどうしたらよいか考えてみよう。1. 赤ちゃんの頃に歯科医院デビューしよう子どもが1歳の誕生日を迎えるまでに、経験豊富で親身になってくれる小児歯科のチームと一緒に、自分のホームになるような歯科医院を確立することによって、子供は生涯にわたって良好な口腔内環境を維持する道を歩み始めることができる。早期訪問の利点は、短時間で痛みもなく、歯科チームとの信頼関係や歯科環境への慣れを確立するのに役立つことである。2. 歯科治療前に電話で相談する時間を設けよう治療前に事前に電話で、お子さんの具体的なニーズや好みについて相談する。ノイズキャンセリング機能付きヘッドフォン、音楽鑑賞、ウェイトブランケットやベスト、サングラス、天井の蛍光灯を消す、歯科治療中のおしゃべりを制限する、お気に入りのビデオを見るなどが効果的で、お子さんに手鏡を渡して治療を見てもらうのも効果的である。パノラマエックス線撮影は、従来の口腔内エックス線撮影に比べて、短時間で撮影でき、患児の口腔内に物を入れる必要がないため、より良く耐えられる可能性がある。エックス線を照射する際には、親御さんや介護者の方が、頭を支えてくれるように部屋にいてもらうことができる。3. 「視覚的サポート」と「手順の説明」を意識しよう視覚的なサポートを取り入れたり、治療の手順をはっきりと説明することを意識する(例えば「まず今日は、お口の中の歯の本数を数えます、それが終わったら、家に帰ります」といった具合に)。4. 頑張ったご褒美を用意しよう歯科治療中は積極的な強化を取り入れ、各ステップが完了した後や歯科治療の終わりに成功した場合にはご褒美を与える。ご褒美には、歯に粘着しやすい甘い食べ物ではないものを用意するとよい。5. ちょっとずつ出来るようになろう自閉スペクトラムの患児のなかには、一度に全てを達成しようとお子さんに頑張ってもらうのではなく、何度も通院して各々のステップを徐々に初めていくことが有効な場合もある。歯科医院によっては、口腔内清掃や歯科治療の準備のために脱感作を行うこともある。6. 薬剤の使用も視野に入れよう自閉スペクトラムの患児のなかには、上記の対応策を行ったとしても歯科治療が難しいお子さんもいる。そのような場合には、抗不安薬の使用や、軽度の鎮静法などを使用することを視野に入れるとよい。われわれには何ができるのか?自閉スペクトラム症が広く知られるようになった現在においても、歯科医療者がどのように対応すれば自閉スペクトラム症の方にとって歯科治療が辛いものでなくなるのか、その方法が十分に浸透しているとは言えないのではないだろうか。自閉スペクトラム症患者の対応は難しいからと諦めず、まずは相手のことを良く知ることからはじめよう。2人の間に信頼が生まれたら、苦しかった歯科治療も、きっと悪くないものになるはずだ。本記事が、自閉スペクトラム症の方の生きづらさを少しでも解消するための一助になることを願ってやまない。参考文献Making visits to the dentist easier for people with autism spectrum disorder, Harvard Health Publishing, 29 June 2021 <URL>Prevalence and cumulative incidence of autism spectrum disorders and the patterns of co-occurring neurodevelopmental disorders in a total population sample of 5-year-old children, Molecular Autism, 14 May 2020 <URL> 『スペシャルニーズデンティストリー障害者歯科 第2版』 , 白石泰夫ら, 医歯薬出版株式会社, 2017
Kasuchan
2021年12月25日

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