歯科用語集
2025年10月28日

投薬

「投薬」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

投薬とは、医療行為の一環として、患者に対して薬剤を投与することを指す。語源は「投」と「薬」に由来し、薬を投げ入れる、または与えるという意味を持つ。歯科においては、主に疼痛管理や感染症予防のために使用される薬剤が含まれる。投薬は、内服薬、外用薬、注射薬などの形態で行われ、患者の状態や治療方針に応じて選択される。歯科医師は、患者の病歴やアレルギー歴を考慮し、適切な薬剤を選定する必要がある。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床において投薬は、患者の治療において重要な役割を果たす。特に、歯科治療においては、感染症の予防や疼痛の軽減を目的とした抗生物質や鎮痛剤の投与が一般的である。判断基準としては、患者の症状、病歴、アレルギーの有無、他の治療との相互作用などが考慮される。投薬の際には、適切な用量や投与方法を選定し、患者に対して副作用や注意事項を説明することが求められる。

関連用語・類義語との違い

投薬に関連する用語には、処方、投与、薬剤管理などがある。処方は、医師が患者に対して薬剤を指示する行為を指し、投薬はその実施を意味する。投与は、薬剤を実際に患者に与える行為であり、投薬と密接に関連しているが、より具体的な行動を示す。また、薬剤管理は、投薬後の患者の反応や副作用を観察し、必要に応じて調整を行うプロセスを指す。これらの用語は、投薬のプロセス全体を理解する上で重要である。

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投薬における歯科臨床の重要性と処置・術式の判断ポイント

投薬における歯科臨床の重要性と処置・術式の判断ポイント

投薬の定義と歯科における役割投薬とは、患者に対して医薬品を投与する行為を指す。歯科においては、主に疼痛管理や感染症の予防・治療を目的とした薬剤が使用される。特に、抗生物質や鎮痛剤は、歯科治療において頻繁に処方される薬剤であり、患者の治療効果を高める重要な役割を果たす。投薬の適切な実施は、患者の症状を軽減し、治療の成功率を向上させるために不可欠である。歯科医師は、患者の病歴やアレルギー歴を考慮し、適切な薬剤を選択する必要がある。投薬に関連する処置と術式投薬は、歯科治療におけるさまざまな処置や術式と密接に関連している。例えば、抜歯後の感染予防のために抗生物質を投与することや、根管治療において疼痛を軽減するために鎮痛剤を使用することが挙げられる。これらの処置は、患者の快適さを保ちながら、治療の効果を最大限に引き出すために重要である。さらに、投薬の選択においては、患者の年齢や全身状態、他の服用薬との相互作用を考慮することが求められる。投薬における症状と症例の理解投薬を行う際には、患者の症状を正確に理解することが重要である。例えば、歯周病患者に対しては、炎症を抑えるための抗生物質が必要となる場合がある。一方で、根尖性歯周炎においては、痛みを軽減するための鎮痛剤が優先されることが多い。症例によっては、投薬が必要ない場合もあるため、歯科医師は診断を行い、適切な判断を下すことが求められる。症例ごとの投薬のメリットとデメリットを理解することで、より効果的な治療が可能となる。投薬の手順とコツ投薬を行う際の手順は、まず患者の病歴やアレルギー歴を確認し、次に適切な薬剤を選択することから始まる。その後、投薬の方法(経口、注射など)を決定し、患者に対して使用方法や注意点を説明することが重要である。投薬のコツとしては、患者とのコミュニケーションを密にし、疑問や不安を解消することが挙げられる。また、投薬後の経過観察を行い、必要に応じて薬剤の変更や追加を行うことも大切である。投薬における注意点と判断基準投薬を行う際には、いくつかの注意点が存在する。まず、薬剤の副作用や相互作用について十分な知識を持つことが求められる。また、患者の全身状態や服用中の薬剤を考慮し、投薬の判断を行う必要がある。判断基準としては、患者の症状の重症度や治療の目的、過去の治療歴などが挙げられる。これらを総合的に考慮し、最適な投薬を行うことが、歯科医師の重要な役割である。投薬のメリットとデメリット投薬のメリットには、疼痛の軽減や感染症の予防・治療が含まれる。適切な投薬により、患者の治療効果が向上し、治療の満足度も高まることが期待される。一方で、デメリットとしては、副作用のリスクや薬剤耐性の問題が挙げられる。歯科医師は、これらのメリットとデメリットを十分に理解し、患者に対して最適な投薬を行うことが求められる。患者の健康を守るためには、慎重な判断が必要である。
1D編集部
2024年6月1日
【ショートショート】いちスタッフが見た、親子の医院承継

【ショートショート】いちスタッフが見た、親子の医院承継

ここで働いて3年になる。ふと見た院長の背中が、ひと回り小さくなっていることに気づく。オシャレに気を配っていた院長の靴は汚れが目立ち、白衣も心なしか黄ばんで見える。病気が発覚し、投薬治療を始めてからというもの、目に見えてやつれた表情をすることが多くなった。調子が良い時は、患者とのたわいない話で盛り上がり、大きな笑い声をあげる。けれど、薬の副作用が強い日は最悪だ。院長室からしばらく出てこれない。院長に確認が必要な時も、可能な限り次へ回す。部屋からやっと出てきたかと思うと、ぐったりした表情で顔色も悪く、処置が終わればすぐに院長室に籠ってしまう。スタッフとしては、どんな状況であれ、患者からのクレームのないように医院が回ってくれないと困るのに。そんな時に活躍してくれるのが、次期院長である若先生だ。本来なら2〜3年後に医院を継ぐ予定だったが、院長の体調不良も手伝って来月から新院長になるらしい。大胆なことをバン!とやってのける現院長とは違い、若先生はいろんなことをきっちり詰めてやるタイプだ。そのせいか、このところ今後の医院の方針について親子間で揉めている。側から見ると、お互いのことを思っている親子なのだが、どうやら当人達はそれに気づいていない。どちらも医院を思う気持ちは同じはずなのに、縄張り争いをしているようにすら見える。子が心配な親と、自力でなんとかやっていこうとする子。親がサポートできるうちにやらせてみたらいいのに...と客観的には思うのだが、失敗させたくないと思う親心なのか、いつまでも院長は医院方針に口を出す。院長の偉大さが分かっているからこそ、そのやり方は自分にはできないと、今のうちに方針を立て直そうとする若先生にスタッフ皆んなもついていこうと思っている。それにも関わらず、院長に「こうやっていくべきだ、こうした方がいい」と言われてしまったら、スタッフとしてもその意見に従わないわけにはいかない。身体こそ弱っているが、何にせよ、まだ院長なのだから。ある日の昼休み、診療内容の確認に院長室のドアをノックしようとしたら、2人が言い争っている声が聞こえてきた。「もういい!」そう言って出てきた若先生は苦悶の表情を浮かべ、私に驚いた表情を見せながら、すぐさま下を向いて院外へ出ていった。残された院長と目が合う。立ち聞きしてしまった気まずさから、とにかく用事を済ませてしまおうと口を開きかけた時、院長が呟いた。「あいつはまだ見えてないんだ。目の前のことだけで精一杯で。どうしたものかね。」誰に問いかけるようでもなく、ただポツリと。「まだあいつだけじゃ心配なんだ。私がいなくなって困らないように、できるだけのことはしたいと思っているんだが。なかなか難しいものだな。」今度はそうはっきりと、私の目を見て悲しげに呟いた。返答できずにいる私に気を使ったのか、院長は「それで何の用だったかな?」と話を切り替えた。守りたいからこそ自分がいるうちにと思う院長と、だからこそ今のうちに方向転換をと思う次期院長。いつか2人の想いがかみ合う日は来るのだろうか。
1D編集部
2023年9月25日
【歯学部ゴロ合わせ】歯科医師国家試験に出る!語呂合わせ10選【小児歯科編】

【歯学部ゴロ合わせ】歯科医師国家試験に出る!語呂合わせ10選【小児歯科編】

この記事では歯科医師国家試験・歯科衛生士国家試験に出題される薬理学の範囲の重要部分のゴロ合わせを書いていく。ゴロ合わせを使って一点でも多くの点がテストや国家試験で取れたら嬉しい。【関連記事】会員数No.1の歯科医療者向けアプリ「1D(ワンディー)」では、語呂合わせまとめを随時配信中。> 【歯学部ゴロ合わせ】歯科医師国家試験に出る!語呂合わせ10選【解剖編】> 【歯学部ゴロ合わせ】歯科医師国家試験に出る!語呂合わせ10選【衛生学・感染症編】> 【歯学部ゴロ合わせ】歯科医師国家試験に出る!語呂合わせ10選【薬理学編】「鳩がいい人いる?いない!いやあ。意気地なし。憎い」:乳歯が萌出する順番は→8か月(下A)と→10か月(上A)いい→11ヶ月(上B)人→12か月(下B)いる→16か月(上D)いない→17か月(下D)いやあ→18か月(上C)意気→19か月(下C)地なし→27か月(下E)憎い→29か月(上E)「56っと寝返り9っと掴まり立ち」:乳児の運動の発達順番し(4)っかり首が座りゴロ(5・6)っと寝返り悩(7・8)んでお座りはいはいで急(9)に前進ギュッと(9・10)つかまり立ちいざぁ(1歳3ヶ月)ひとり立ち「3歳まで全然よくモテる」:小児の対応3歳まで全→全身麻酔法然→前投薬法よく→抑制法モテる→モデリング法「過剰な滋賀佐賀」:過剰歯を伴う疾患滋賀→唇顎口蓋裂佐→鎖骨頭蓋異骨症賀→Gardner症候群「映像両親、完全にコンパがあだで全部パー」:Ellisの分類1級→映:エナメル質破折2級→像:象牙質破折3級→両:露髄4級→親:失活5級→完全:完全脱臼6級→コンパ:歯根破折7級→あだで:亜脱臼、転位8級→全部パー:全体破折「これから1年南国へ、5年後一命取りとめる」:小児の身長出生時: 50cm1年: 1.5倍(75cm)5年: 2.0倍(1m)「ニューヨークのカープ(鯉)」:発育指数ニューヨーク→乳幼児カープ→Kaup指数「師匠は三枝」:小児の反射師匠は→手掌把握反射三枝→3~4ヶ月で消失「イナゴ君ヨロヨロ」:一般的な1歳児の身長・体重・頭囲・胸囲イ→1歳児ナゴ→75㎝君→9kgヨロヨロ→頭囲・胸囲46㎝「CD4陽性細胞」:連続抜去法C→D→4の順番で抜歯する。万全な状態で国家試験を迎えよう今回は、小児歯科の語呂合わせについてご紹介した。逆に覚えにくいということもあるので、語呂合わせだけでなく、あなたに合わせた対策が必要だ。語呂で覚えるのが得意なあなたは、ぜひ何度も読み直して覚えよう。【受験生必見】第116回歯科国試対策講座『臨床問題を熱く語るブログ』でおなじみ、スパルタゼミのdentalkokushi先生による直前講義が開催。理由・思考過程についても詳しく説明し、dentalkokushi流の過去問研究の成果を踏まえて出題可能性が高いところを徹底的に解説する。1Dプレミアムなら無料で受講可能なので、受験生は必見だ。1Dプレミアムで受講する
小森 柚
2022年12月20日
患者の同意は必要?「症例発表の法的解釈」個人情報保護法Ver.

患者の同意は必要?「症例発表の法的解釈」個人情報保護法Ver.

症例発表にあたって「患者さんの同意は必要なのだろうか?」「個人情報はどの程度気をつけたらいいのだろうか?」など、気になることがあるかもしれない。気づかないうちに、法律違反をしてしまうことのないように、本記事では、歯科医療者が押さえておきたい法的な基礎知識を解説する。個人情報とは?まず知っておかなければならないのは『個人情報保護法(正式名称:個人情報の保護に関する法律)』だ。法律名はよく聞くものだろう。症例発表のときに、患者の名前や顔を隠すのは、この個人情報保護法に違反しないためだ。しかし、そもそも「個人情報」とは何か、というのをきちんと理解出来ているだろうか?個人情報保護法は、2017年5月30日に改正された。改正後の法律は、従来の個人情報保護法と区別するために「改正個人情報保護法」とも呼ばれることがある。この法律において「個人情報」とは、下記のように定義されている。「生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することが出来るもの」注意したいのは、その定義に下記の記載があることである。「他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む」これは一体どういうことだろうか?例えば1D歯科というクリニックに、2019年4月10日の11時にう蝕の治療に訪れた患者Aがいるとする。この場合、その患者の氏名や生年月日だけが個人情報に当たるのではなく、「1D歯科に2019年4月10日11時にう蝕の治療予約をした患者」という情報一体が、個人情報に当たるのである。なぜかというと、「1D歯科に2019年4月10日11時にう蝕の治療予約をした患者」というのは1人(もしくは多くても数人)だからだ。そのため、患者Aの氏名と容易に照合できる。すなわち、他の情報と容易に照合することができ、特定の個人を識別できる=個人情報である、ということになるのである。ちなみに、もし、同じ時間に100人がう蝕の治療の予約を1D歯科でしていたとしたら、「1D歯科に2019年4月10日11時にう蝕の治療予約をした患者」というのは個人情報には当たらないと解釈しうるかもしれない。なぜなら100人いればその中のどれが患者Aか容易には分からないからだ(もちろんこれは解釈の問題であり、厳密な法的解釈は専門家に任せなければならないが、どちらにせよそのようなケースは現実的に滅多にないだろう)。とにかく、ここで覚えておきたいのは「患者の氏名や生年月日だけを匿名化すれば、個人情報ではなくなる」わけではないということだ。症例報告の際には、顔写真で目を隠す、氏名を消すといった基本的な対処のほか、臨床経過の年月日や患者の生活歴・家族歴で個人が特定出来ないように配慮したい。また、画像情報に写り込んだカルテ番号なども個人情報と照合可能なため削除する方が望ましいだろう。さらに、医療従事者として覚えておきたいのが「要配慮個人情報」という単語だ。これは改正個人情報保護法で新設された単語で、下記のように定義されている。「本人の人種、信条、社会的身分、 病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、 偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するものとして 政令で定める記述等が含まれる個人情報」例えば、病歴や犯罪歴などは、「あいつは●●の病気だから」「あいつは過去に犯罪を犯しているから」という様に、不当な差別・偏見が生じる可能性がある。そのため、個人情報の中でも特に配慮が必要なものを「要配慮個人情報」と定めているのである。病歴の他、健康診断やその他検査結果、診療・調剤情報など、歯科医療者が扱う情報の多くは、この要配慮個人情報である。非常に重要な情報を預かる立場として、責任ある情報の取扱いを心がけたい。人を対象とする医学系研究に関する倫理指針次に、症例を発表する際には、患者の同意は必須なのだろうか?という点について考えてみたい。個人情報保護法は、要配慮個人情報を取得する際の対象者の同意取得を義務付けている。ただし、第 76 条第1項第3号において、「大学その他の学術研究を目的とする機関若しくは団体又はそれらに属する者」が「学術研究の用に供する目的」である場合には、個人情報の取得や利用等に係る義務規定は適用除外されると明記されている。つまり、学術研究を目的としていれば、同意取得の義務は免除されるというのが、個人情報保護法上での規定なのだ。しかし一方で、 こうした適用除外となる個人情報取扱事業者については、下記のように規定されている。「個人データ又は匿名加工情報の安全管理のために必要かつ適切な措置、個人情報等の取扱いに関する苦情の処理その他の個人情報等の適正な取扱いを確保するために必要な措置を自ら講じ、かつ、当該措置の内容を公表するよう努めなければならない」「適正な取扱いを確保するための必要な措置」とは何なのか、そもそも「学術研究」とは何なのか、この条文では分からない。そのため、個人情報保護法の改正を受けて、厚生労働省及び文部科学省から告示されている『人を対象とする医学系研究に関する倫理指針』が一部改定された。この指針は「人を対象とする研究」に関しての基本方針を示したものである。個人情報保護法で明示されていない部分を整理したこの指針で、「人を対象とする研究」を実施する際の適切な手続きについて示された。本指針では研究において「侵襲※1があるか」「介入※2があるか」の2軸を基準として、研究の同意取得の方法を定めている。※1研究目的で行われる、穿せん刺、切開、薬物投与、放射線照射、心的外傷に触れる質問等によって、研究対象者の身体又は精神に傷害又は負担が生じることをいう。侵襲のうち、研究対象者の身体及び精神に生じる傷害及び負担が小さいものを「軽微な侵襲」という。※2 研究目的で、人の健康に関する様々な事象に影響を与える要因(健康の保持増進につながる行動及び医療における傷病の予防、診断又は治療のための投薬、検査等を含む。)の有無又は程度を制御する行為(通常の診療を超える医療行為であって、研究目的で実施するものを含む。)をいう。まず、侵襲がある場合は、軽微な侵襲の場合も含めて、必ず文書によるインフォームド・コンセントを受けることが必要である。侵襲がない場合、介入あり研究ならばインフォームド・コンセント取得は口頭でも構わない。ただし、同意を受けた記録を作成することが必要だ。侵襲・介入が共にない観察研究の場合、生体試料(尿・唾液等)を利用するならば、介入あり研究と同様に口頭でのインフォームド・コンセント及び同意取得の記録が必要になる。一方で生体試料を用いず、診療記録のみを用いる場合はオプトアウト式※3で構わないとされている。※3HPや院内掲示などに研究に関する情報を公開し、拒否したい人は拒否できるように機会を保証する方法歯科の症例発表で患者同意は必要かでは、歯科の症例発表は上記のどれに当たるのだろうか?歯科の症例は、一見侵襲あり・介入なしの研究に見える。しかし、実は症例発表はこの指針の対象外なのである。なぜなら、本指針は「通常の診療を超える医療行為」を対象としており、「傷病の予防、診断又は治療を専ら目的とする医療」はこの指針でいう「人を対象とする研究」には含まないからである。※4※4『人を対象とする医学系研究に関する倫理指針』では「傷病の予防、診断又は治療を専ら目的とする医療」の例として、「他の医療従事者への情報共有を図るため、所属する機関内の症例検討会、機関外の医療従事者同士の勉強会や関係学会、医療従事者向け専門誌等で個別の症例を報告する(いわゆる症例報告)」が上げられている。つまり、通常の治療を目的として行われた症例の経過を発表する症例報告は、この指針の対象とはなっていないのだ。以上のことから、法令及び関係省庁から告示されている指針では、症例報告の際の患者同意の必要性については定義されていない。医療従事者同士の症例報告については、個人情報が匿名化されていれば基本的には問題ないのである。ちなみに、症例報告と介入のない観察研究との違いは、9例までが症例発表、10例以上が観察研究と定義していることが、医学系の学会では多いようだ。※6※6日本消化器学会 人を対象とする医学系研究に関する倫理指針日本脳卒中学会 Q&A日本脳神経外科学会「人を対象とした研究の学会発表や論文投稿における倫理チェックリスト」とはいえ、医療者としての倫理上、やはり患者同意は取ることが望ましいのではないかと考える先生もいるだろう。その場合でも、症例発表の利用であれば、院内やHPに「匿名化した上で症例報告に使用する場合がある」旨を掲示し、拒否する場合のみ申し出てもらう方法で倫理的基準は充分満たしていると考えられる。いわゆる「オプトアウト形式」による同意取得である。どうしても匿名化できない場合(顔貌写真が重要なファクターとなり、目線を入れるなどの対応も出来ない場合等)のみ、個別に同意を取得しよう。(オプトイン形式)ただし、学会発表や論文投稿では、症例発表に関する患者同意書のコピーを必須としている場合も無いわけではない。その場合は、オプトイン形式の同意取得が必要である。規定は各学会ごとに異なるので、発表する場合にはよく確認しておきたい。参考文献個人情報の保護に関する法律(H29.5.30施行)厚生労働省・文部科学省『人を対象とする医学系研究に関する倫理指針』(H26.12.22告示、H29.2.28一部改正)医療・介護関係事業者における 個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス(個人情報保護委員会・厚生労働省、H29.4.14)
1D編集部
2022年5月7日
「在宅歯科医療の基本的考え方」日本老年歯科医学会が新たに公開

「在宅歯科医療の基本的考え方」日本老年歯科医学会が新たに公開

日本老年歯科医学会は、在宅歯科医療がより適正に行われることを目指して、在宅歯科医療の基本的考え方についてのペーパーを公開した。「在宅歯科医療の基本的考え方 2016」がある。当時から約6年間が経過し、高齢化のさらなる進展、新型コロナウイルスの蔓延、ICTの進歩などがあり、アップデートが必要となった。日本老年歯科医学会では、在宅歯科医療委員会で検討を行い、常任理事会・理事会での議論んを経て、本年版の「在宅歯科医療の基本的考え方2022」を策定した。往診、訪問診療、在宅医療…。説明できますか?同ペーパーでは、在宅医療の定義について、まず「往診」と「訪問診療」に分けられる、としている。往診とは、「依頼時のみ実施される緊急対応で、外来診療の延長線上に位置する」もの。一方で訪問診療とは、「長期的な医療計画のもとに実施される、外来診療とは異なる」ものだ。さらに、在宅歯科医療の基本的な概念として、下記のポイントが挙げられると指摘する。在宅歯科医療の適応は、担当歯科医師の裁量により患者ごとに判断する在宅歯科医療は地域の「かかりつけ歯科」が担当することが望ましい在宅歯科医療は医学的に適切かつ安全で、良質な歯科医療を提供しなければならない歯科医療の提供方法には、外来診療、病棟(入院)診療そして在宅歯科医療の選択肢があることを理解し、患者(および家族)の希望にも配慮して、個別に適応を判断して対応する在宅歯科医療の対象患者とは?続いて、在宅歯科医療の対象となるのは、どういった患者だろうか。同ペーパーによれば、介護施設に入所してたり入院しているなどの通院が困難な患者や、生活環境での対応が必要もしくは望ましいと判断される患者、または自宅や宿泊施設での療養を余儀なくされている(あるいは希望している)感染症関連患者などが、在宅歯科医療の対象になるとしている。なおいずれの場合でも、疾病や障害の程度で決めるのではなく、心身や家族・介護者の支援状況、生活・療養環境の状態を個別に勘案して決定する必要があるとしている。「生活の場」で診療を行うということ在宅歯科医療が行われる場は、当然ながら患者自身の「生活の場」が中心となる。在宅歯科医療は外来診療の単なる持ち込みではなく、患者の「生活の場」に診療環境を構築することで実施可能となるのである。しかし、「生活の場」は通常の外来における診療環境よりも、衛生レベルが一段階低いものになるという点には留意しなければならない。衛生レベルは、在宅歯科医療の適切な診療範囲の決定において重要な要素のひとつだ。歯科医療者には、個々の生活の場の状況に応じた感染予防策が求められている。在宅歯科医療を行う歯科医療者に求められていること在宅歯科医療を行う術者には、3つの要素が求められていると、同ペーパーでは指摘されている。この3つの要素に関する基本的な知識や技能、態度を有していることが求められている。外来診療感染予防多職種連携在宅歯科医療では、診察から検査、処置、手術、投薬、医学管理、リハビリテーションといった対応が含まれている。在宅歯科診療における連携在宅歯科診療を行う上では、下記の点における連携が必要である。地域の医療・介護・福祉関係機関と密に連携する。地域の在宅歯科医療専門歯科はかかりつけ歯科医(かかりつけ診療所)と連携する。在宅歯科医療の範囲を超えた検査、手術等は高次医療機関と連携する。在宅歯科医療は歯科以外も含めた多職種と連携することを前提として実施する。本記事で解説を行った項目を意識して、在宅歯科診療を行っていきたいものである。
1D編集部
2022年3月29日

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