フェザーエッジ(feather edge)とは、クラウンやラミネートベニアなどの補綴物におけるフィニッシュラインの形態のひとつで、ナイフエッジ(knife edge)とも呼ばれる。語源は英語の「feather(羽毛)」と「edge(縁)」で、マージン部の薄さに由来する。支台歯の軸面がそのまま歯面と鋭角的に合流する形態であり、明確な段差(ショルダー)を形成しない。歯質削除量が最も少なく歯髄への影響を最小限に抑えられる利点がある一方、フィニッシュラインが不明瞭になりやすく、補綴物マージン部の厚みが薄いため辺縁適合性や強度に劣る欠点がある。主に全部鋳造冠の歯頸部に用いられ、陶材焼付鋳造冠やオールセラミッククラウンには適さない。
フェザーエッジはフルキャストクラウン(全部鋳造冠)において、審美性の要求が低く歯質保存を優先する症例で選択される。金属マージンが薄く仕上がるため金属色の露出が少ないとされるが、辺縁封鎖性はショルダーやシャンファーに劣る。支台歯形成時にはテーパー付きダイヤモンドバーで軸面を削合し、自然に歯面と合流する形態を付与する。フィニッシュラインの位置は歯肉縁上または歯肉縁と同じ高さが推奨される。陶材焼付鋳造冠やオールセラミッククラウンではマージン部のセラミック厚が確保できないため、ショルダーまたはディープシャンファーが選択される。CAD/CAM加工では読み取り精度の問題からフェザーエッジは避けられることが多い。
シャンファー(chamfer):凹曲面状のフィニッシュラインで、フェザーエッジより明瞭なマージンを形成する。陶材焼付鋳造冠に標準的に用いられる。ショルダー(shoulder):直角の段差を設けるフィニッシュラインで、セラミック修復に最適。マージン部の厚みが最も確保できるが歯質削除量は最大である。ベベル付きショルダー(beveled shoulder):ショルダーの辺縁に傾斜(ベベル)を付加した形態。金属マージンの適合を向上させつつセラミックの厚みを確保する。