パーフォレーション(穿孔)/ perforation

「パーフォレーション(穿孔)/ perforation」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年10月21日

パーフォレーション(穿孔)/perforationとは?

パーフォレーション(perforation)とは、根管治療をしている際に生じることのある偶発症の一つである。パーフォレーションは「穿孔」ともいう。パーフォレーションは、根管と歯周組織または口腔との間に人工的に形成された交通路であると定義できる。

歯科医療者の間では、根管治療中にパーフォレーションしてしまうことを俗に「パフォる(パーフォレーションする)」と呼んでいる。

パーフォレーション(穿孔)



パーフォレーション(穿孔)/perforationの分類

パーフォレーション(穿孔)の分類として、パーフォレーションした部位による分類法がある。すなわち、歯頚部1/3で生じたパーフォレーション、歯根中間部1/3で生じたパーフォレーション、根尖部1/3で生じたパーフォレーションの3つに分類する方法である。

歯頚部1/3におけるパーフォレーションとは、歯冠部や髄床底部、根管口側方部でパーフォレーションが生じた場合である。歯頚部におけるパーフォレーションの場合、歯周ポケットと交通すると予後が悪くなるとされている。

なお、根尖部1/3におけるパーフォレーションは外科的治療が可能な場合は予後は比較的良好である。

パーフォレーションリペア(穿孔修復)

パーフォレーション(穿孔)した根管を治療することを、パーフォレーションリペアという。パーフォレーションリペアは日本語では穿孔修復という。

パーフォレーションした歯の予後について、以前は抜歯が適用されることも多かったが、現在ではマテリアルの発達により封鎖性が向上したため、保存的治療が可能となった。

ストリップパーフォレーションとは

ストリップパーフォレーションとは、彎曲根管内彎部における偏った切削や過度の根管拡大により根管壁が部分的に薄くなり、スリット状に穿孔することを指している。

彎曲根管の拡大・形成を行う際、ファイルのサイズ(号数・番号)を上げていくにつれてファイルの弾性は低下していく為、根管の内彎側にファイルが接触しやすくなる結果、根管が内彎側に偏位するように拡大され根管壁が菲薄になり、根管の拡大・形成中に人工的に穿孔させてしまうことがある。これをストリップパーフォレーションといい、根管壁の歯質が薄くなり歯軸方向に細長い穿孔が生じる。また、根管上部のフレアー形成(根管口の漏斗状拡大)の際に、ピーソーリーマーやゲーツグリデンドリルなどの挿入角度が制限されたまま回転切削を行った場合にも起こることがある。

上顎大臼歯の近心頬側根と下顎大臼歯近心根の遠心側根管壁、上顎小臼歯や下顎切歯のように近遠心的に圧平された根管、ならびに下顎第二大臼歯における樋状根管の内側壁は歯質が薄く注意が必要な部位である。

ストリップパーフォレーションに対する処置

ストリップパーフォレーションに対する処置としては、まず電気的根管長測定器とファイル、あるいはガッタパーチャポイントを使用し、エックス線撮影を行う。次にマイクロスコープ観察下で穿孔位置や状態などをよく診査する。洗浄、消毒、止血後、光硬化型グラスアイオノマーセメントや光重合型接着性レジン、あるいはMTAセメント(Mineral Trioxide Aggregate cement)を穿孔部に充填する。

症状が改善しない場合、外科的歯内療法として、ヘミセクション/トライセクション、ルートアンプテーション、意図的な歯の再植法を行う。

ストリップパーフォレーションの予防

ストリップパーフォレーションを予防する為には、以下の点に注意して治療を行う必要がある。
  • 彎曲している根管形態に対してファイルやピーソーリーマーなどを使用する場合は無理な器具操作を行わない。
  • ステンレススチール製手用ファイルにプレカーブを付与し、ファイリング操作を主体としたステップバック法で根管の拡大・形成を行う。
  • ニッケルチタン(Ni-Ti)製ロータリーファイルを使用し、根管の彎曲から逸脱しないように適正な器具操作を行う。





「パーフォレーション(穿孔)/ perforation」の文献・書籍など

【読み】

ぱーふぉれーしょん(せんこう)

【文献・書籍】

『エンドドンティクス 第2版』, 興地隆史ら, 株式会社永末書店, 2018.
『歯内治療学 第4版』, 中村洋ら, 医歯薬出版株式会社, 2012.
『新・楽しくわかるクリニカルエンドドントロジー』小林千尋, 医歯薬出版株式会社, 2013.

著者/監修者情報

1990年東京都生まれ。2017年鶴見大学歯学部歯学科卒業後、歯科医師免許を取得。同大学歯学部附属病院にて歯科医師臨床研修を修了。診療の傍ら、ワンディー株式会社ではコンテンツの編集を担当。日本医療情報学会所属。

感染根管治療の症例リスト

右下6番のRCT中、近心根にファイルを挿入したら出血し、デンタル上でパーフォレーションを確認したので、患者さんにはビタペックスで仮封をし痛み止めを投薬しました。
先輩方にお聞きしたいのですが、こうしたパーフォレーションの症例の場合、一般的にどのように今後の治療を進めていけば予後が良いのでしょうか?
パーフォレーション自体初めての経験なので、ご教授いただきたいです。

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抜髄について。
大臼歯の抜髄が苦手です。歯冠がある程度残っている歯の抜髄ならばわかりやすいのですが、歯冠がほぼ残っていないような大臼歯の抜髄時に根管の位置の予想がつけづらく、パーフォレーションしてしまったことがあります。
皆さんは何か根管の位置を見つける際に気をつけていることなどはありますでしょうか。

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髄床底がパーフォーレーションした
患者さんがおり、不良肉芽を除去し
メタルコアをそのままセットしたのですが
MTAなどで封鎖せずに行い問題はないのでしょうか?
頬舌側的に亀裂が入り真ん中が
パーフォーレーションしています。

コアについては基本縁下マージンだと
メタルコアになるので
今回もその理由でメタルコアに
なったのかと思います。

まだ先生に質問出来ていませんが是非ご教示お願いします。

MTAなどで封鎖せずとも
フジルーティングセメントで塞ぐ意図が
あるのでしょうか?

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