デュラシールとは?
デュラシールとは、インレー、3/4クラウン、ジャケットクラウン等の仮封に最適なレジン系仮封材です。デュラシールは、暫間充填や暫間クラウン・ブリッジとしても応用可能です。
デュラシールの成分
デュラシールの成分は、以下の通りです。
粉末の成分:メタクリル酸エステルポリマー、他
液体の成分:メタクリル酸エステルモノマー、他
粉末の成分:メタクリル酸エステルポリマー、他
液体の成分:メタクリル酸エステルモノマー、他
デュラシールの硬化の原理
デュラシールは、粉剤及び液剤を練和することにより化学重合を起こし、硬化します。
デュラシールの使用方法
デュラシールの使用方法は、以下の通りです(添付文書より抜粋)。
仮封材としての使用方法
- 筆積み法
①粉剤及び液剤を別々のカップに取り出す
②液剤を入れたカップに筆を漬け、その後粉末のカップに入れることで筆先に練和粒を作る
③練和粒を窩洞に充填する
④筆先をカット綿等で拭き、所望の充填が出来るまで同じ操作を繰り返す
⑤充填終了後、形成する - 練和法
①カップに液剤を入れ、その上に充分な粉剤を入れ2~3秒練和する
②練和物を窩洞に充填する
③充填後、形成する
暫間被覆冠としての使用方法
- 歯牙形成を行う前にアルギン酸印象材で印象採得する
- 印象採得後に歯牙形成を行う
- 採得した印象内の歯牙形成部位に本品を練和して流し込む
- 口腔内に印象を戻して練和物の硬化を待つ
- 練和物が硬化した後、口腔内より印象を外し、硬化物を取り出す
- 硬化物の余剰部分をトリミングした後、暫間セメント等を 硬化物内面に塗布し、歯牙に装着する
デュラシールの使用上の注意点
デュラシールの使用上の注意点は、以下の通りです(添付文書より抜粋)。
- 口腔軟組織や皮膚に付着させたり、目に入らないように注意すること。軟組織や皮膚に付着した場合はすぐにアルコール綿等で拭った後、流水で洗浄すること。万一目に入った場合には、すぐに大量の流水で洗浄し、眼科医の診察を受けること。
- 本品は他のレジン系材料(裏装材・コア材料)と結合し、除去しにくくなることがあるので、十分注意すること。
- 使用後の筆は、直ちに筆クリーナー等で付着した本材を完全に除去・洗浄後十分乾燥させ、清潔に保管すること。
- 本品の硬化物を研磨する際には粉塵による人体への影響を避けるために、局所吸塵装置、公的機関が認可した防塵マスク等を使用し、粉塵を吸入しないよう注意すること。
- 本材を使用する際には、適切な換気(1時間当たり数回の換気)がなされている場所で使用すること。
- 液はメタクリル系で可燃性のため、火気の近くで使用した り、火気の近くに置かないこと。瓶が破裂する危険があります。
- 容器の蓋を外したまま放置しないこと。
レジン系仮封材とは?
レジン系仮封材には、粉液タイプの化学重合型と、1ペーストの光重合型とがあります。完全には硬化せず、弾性を保つ製品が多くみられます。
レジン系仮封材の種類と組成
レジン系仮封材の種類と組成は以下の通りです。
メチルメタクリレート系(粉液タイプ)
液体:メチルメタクリレート(MMA)、第3級アミン
粉末:ポリメチルメタクリレート(PMMA)、過酸化ベンゾイル(BPO)、フィラー
コンポジットレジン系(ペーストタイプ)
ウレタンジメタクリレート(UDMA)、フィラー、カンファーキノン(CQ)、その他
メチルメタクリレート系(粉液タイプ)
液体:メチルメタクリレート(MMA)、第3級アミン
粉末:ポリメチルメタクリレート(PMMA)、過酸化ベンゾイル(BPO)、フィラー
コンポジットレジン系(ペーストタイプ)
ウレタンジメタクリレート(UDMA)、フィラー、カンファーキノン(CQ)、その他
レジン系仮封材の重合機構
レジン系仮封材の重合機構は、それぞれ化学重合型レジン、光重合型コンポジットレジンと同様です。
レジン系仮封材の性質
レジン系仮封材は多くの製品が市販され、操作性、辺縁封鎖性は様々ですが、概ね良好です。とくに光重合型の1ペーストタイプは操作性、封鎖性が良好です。
レジン系仮封材の取り扱い方法
レジン系仮封材の取り扱い方法は、以下の通りです。
- 粉液タイプ
それぞれダッペングラスに取り、筆積み法で充填を行う - ペーストタイプ
光重合型コンポジットレジンと同様に、一塊で填塞したあと光照射を行う