歯科用語集
2025年10月28日

壊死性潰瘍性歯肉炎

「壊死性潰瘍性歯肉炎」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

壊死性潰瘍性歯肉炎(Necrotizing Ulcerative Gingivitis, NUG)は、急性の歯肉炎の一種であり、特に歯肉の壊死と潰瘍形成を特徴とする。語源は、ラテン語の「necrosis(壊死)」と「ulcus(潰瘍)」に由来し、歯肉の組織が壊死することを示している。この病態は、主にストレス、免疫力の低下、栄養不良、喫煙などが引き金となり、口腔内の衛生状態が悪化することによって発症する。臨床的には、急激な痛み、出血、口臭を伴い、特に若年層に多く見られる。


臨床における位置づけ・判断基準

壊死性潰瘍性歯肉炎は、歯科臨床において急性の歯肉疾患として位置づけられる。診断は、臨床所見に基づき、特に歯肉の潰瘍、壊死、出血、口臭の有無を確認することが重要である。判断基準としては、患者の全身状態や生活習慣、口腔衛生状態を考慮し、必要に応じて血液検査やX線検査を行うことが推奨される。治療には、口腔衛生指導、抗生物質の投与、局所的なデブリードマンが含まれ、早期の介入が予後を改善する。

関連用語・類義語との違い

壊死性潰瘍性歯肉炎は、他の歯肉疾患と区別される点がいくつかある。例えば、慢性歯肉炎や急性歯肉炎は、壊死や潰瘍を伴わないため、症状の重篤度が異なる。また、壊死性歯周炎(Necrotizing Periodontal Disease)は、歯肉だけでなく歯周組織にも影響を及ぼすため、より広範な治療が必要となる。これらの疾患との違いを理解することで、適切な診断と治療が可能となる。

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壊死性潰瘍性歯肉炎の診断と処置。歯科臨床で役立つ症例と術式の判断ポイント

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壊死性潰瘍性歯肉炎の定義と症状壊死性潰瘍性歯肉炎(NUG)は、急性の歯肉疾患であり、主にストレスや免疫力の低下により発症する。主な症状には、歯肉の出血、疼痛、潰瘍形成、口臭が含まれる。特に、歯肉の潰瘍は灰白色の膜で覆われ、周囲の歯肉が赤く腫れることが特徴である。これらの症状は、患者のQOLに大きな影響を与えるため、早期の診断と適切な処置が求められる。診断方法と注意点壊死性潰瘍性歯肉炎の診断は、主に臨床所見に基づく。視診により、潰瘍の存在や歯肉の腫脹、出血の程度を評価することが重要である。また、患者の病歴や全身状態も考慮し、他の歯肉疾患との鑑別が必要である。特に、HIV感染や糖尿病などの全身疾患が背景にある場合、症状が重篤化する可能性があるため、注意が必要である。処置の手順と術式壊死性潰瘍性歯肉炎の処置には、まず口腔内の清掃が不可欠である。スケーリングやルートプレーニングを行い、感染源を除去する。次に、抗生物質の投与が推奨される場合があり、特に重症例ではペニシリン系やメトロニダゾールが有効である。さらに、局所的な抗菌剤の使用も考慮される。これらの処置により、症状の改善が期待できる。症例の紹介と臨床的な考察実際の症例として、30代男性の患者が来院した。主訴は歯肉の疼痛と出血であり、診査の結果、壊死性潰瘍性歯肉炎と診断された。初期の処置として、スケーリングを行い、抗生物質を処方したところ、1週間後には症状が改善した。この症例から、早期の介入が重要であることが示唆される。また、患者への生活習慣指導も併せて行うことで、再発防止に寄与することができる。壊死性潰瘍性歯肉炎のメリットとデメリット壊死性潰瘍性歯肉炎の処置には、早期の症状改善が期待できるメリットがある。しかし、適切な処置を行わない場合、慢性化や再発のリスクが高まるデメリットも存在する。特に、免疫力が低下している患者においては、重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、注意が必要である。まとめと今後の展望壊死性潰瘍性歯肉炎は、適切な診断と処置により、良好な予後が期待できる疾患である。歯科医師や歯科衛生士は、患者の全身状態や生活習慣を考慮し、個別の治療計画を立てることが求められる。今後の研究により、より効果的な治療法や予防策が明らかになることが期待される。
1D編集部
2024年6月1日
【歯周治療ガイドライン】P急発の応急処置

【歯周治療ガイドライン】P急発の応急処置

「平成28年歯科疾患実態調査」を元に推定される歯周病患者数は、約7,000万人である。しかし実際に歯科治療を受けている患者は、約400万人である。この数字の差から、「歯周病であることを自覚していない人」「自覚はあっても治療をしないでいる人」がいかに多いかがわかる。ただそういった人々であっても、強い症状や疼痛が生じると迷わず歯科医院へ駆け込むことも少なくない。本記事ではそういった患者への応急処置について解説する。歯周病の定義歯周病は非プラーク性歯肉疾患を除いき、歯周病原細菌によって歯周組織に生じる感染性炎症性疾患である。近年歯周病は生活習慣病として位置づけられ、食習慣、歯磨き習慣、喫煙などの生活習慣や、糖尿病などの全身疾患との関連性が示唆されている。そのため歯科医療従事者による保健指導だけでなく、患者個人の生活習慣の改善、自助努力、さらには医療連携などが重要である。歯周治療における応急処置応急処置の大まかな流れは以下の通りである。疼痛の原因の特定急性炎症の処置1. 疼痛の原因の特定歯周病に起因する疼痛を主訴とした患者には、疼痛の改善を最優先する必要がある。疼痛の局所的因子としては以下が考えられる。歯周膿腫歯周膿腫の急性発作歯周・歯内病変 など局所的因子の関与がない異常出血・疼痛には、全身的因子の関与が考えられる。特に下記による易出血性・剝離性の歯肉炎などは、全身の抵抗力低下とも関連しているため医科との連携を図る必要がある。白血病関連歯肉炎壊死性潰瘍性歯肉炎・歯周炎アフタ性口内炎扁平苔鮮 など2. 急性炎症の処置疼痛を主訴として来院した場合、局所の急性炎症のある場合が多い。急性炎症がある場合には、歯肉縁下への機械的なアプローチと併せて、抗菌薬を使用することが炎症の抑制・歯周炎の治癒を促す効果的な手段となる。また歯肉膿瘍や歯周膿瘍の急性発作に対しては、咬合状態を確認し適宜咬合調整を行う。そして原因と考えられる歯周ポケット内を徹底的に洗浄する。このとき局所薬物配送システム(local drug delivery system:LDDS)を併用しても良い。LDDSは効果発現が迅速であり、方法も簡便である。加えて明らかに波動が触れる膿瘍は切開を行い、排膿路を確保する。必要に応じて抗菌薬を投与し、早期に歯内治療を行う。ただ遷延化した歯周・歯内病変で歯周ポケットが残存している場合は、通常の歯肉縁下のSRPを行う。また歯の動揺が顕著な場合は暫間固定も行う。暫間固定により、歯周組織に対する咬合圧の分散・安静が期待でき、咬合・咀嚼機能回復も図ることができる。暫間固定の時期・期間・方法を決めるには、歯周組織の破壊の程度や広がり具合、歯列弓上での動揺歯の位置関係などを考慮する必要がある。暫間固定前後には咬合調整を十分に行うこと、暫間固定装置が口腔衛生管理を阻害しないようにすること、十分な歯周組織の安定が得られた場合には暫間固定を除去することなどを忘れてはならない。最後に歯や口腔の健康を保つことは、食事や会話を楽しむなど豊かな生活を送るための基礎となる。国民の口腔衛生に対する意識の向上と、歯科医療従事者の努力の結果、平成28年の8020達成者は51.2%、平均歯数は約15.3歯となった。しかし一方で、4mm以上の歯周ポケットを有する高齢者の割合は増加しているという。日本は世界有数の長寿国であるが、80歳前後の高齢者の残存歯数をみると決して高い数値ではない。歯周病治療および予防への取り組みは、今後の大きな課題であるに違いない。参考文献特定非営利活動法人 日本歯周病学会 編 歯周治療のガイドライン2022(URL)
1D編集部
2023年9月1日
いまだ浸透せず。歯周病の「新分類」とはなんだったのか?

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2017年にAAP(アメリカ歯周病学会)による歯周病の新分類が策定され、2018年から順次アップデートされたのも記憶に新しい。3年が経ち、その知識は一般化されただろうか。正直、まだよくわかっていないし、実臨床において大きなインパクトはない気がして見て見ぬふりをしている人も多いと思う。今回はそんな今さら聞きづらい「新分類」について、できるだけ噛み砕いて解説したい。ちなみに1Dでは、この記事で解説している歯周病の新分類からフルマウスの治療まで学べる少人数制のコースセミナー「ペリオアカデミー」を開催する。全11回、歯周病のトップランナー講師陣によるレクチャーを受けることができる。ペリオを学びたい歯科医師は、ぜひ参加をご検討いただきたい。コースの詳細を見てみる歯周病の「旧」分類、覚えてる?新分類の前に、そもそも旧分類がわからない。そんなあなたに、何から何に変わったのかをおさらいする。まず旧分類、と表現されるものは日本歯周病学会が2006年に策定している歯周病分類だ。ここ10年くらいで歯科医師になった人は在学中に習った記憶があると思うので、少しは馴染みがあるはずだ。歯周病にも原因によって色々あるので分類しました、という話で知らないと何かができないってことではない。フローチャート的に診断をはっきりさせて原因にアプローチするためのものだろう。学生時代は丸暗記が大変だったと思う。新分類をふわっと解説そして「新分類」がこちら。どことなくシンプルになった気がする。「症状」で分けていた日本歯周病学会の分類から「状態」で分けたような形で、今までなかった“健康”な歯肉が含まれている。歯周病の分類に健康な歯肉が入るのは不思議だ。そして大きく目立つ変更点は「インプラント」の文字だろう。歯周病の分類だが、もうインプラントは歯みたいなもので、天然歯と同じように扱う気持ちでいようといった意気込みが感じられる。それくらいインプラントが一般化されてきたのだろう。学生時代、暗記に悩まされてきた「壊死性潰瘍性歯肉炎」や「侵襲性歯周炎」といった細かい病名はなくなり、簡単に言えば「壊死するやつ」と「大雑把に歯周炎」にまとめられた。慢性歯周炎と侵襲性歯周炎が一緒くたになっていいのか、という疑問を持つと思うが、そもそもその二つに病理的違いはあまり認められずエビデンスがはっきりしないのでとりあえず歯周炎だよねというところに落ち着いたそうだ。その代わりと言ってはなんだが歯周炎を「重症度や複雑度(ステージ)」と「進行リスク(グレード)」に分けることで、より状態を細かく把握するようになった。細かい分類などは過去にまとめているのでそちらの記事を参考にしてほしい。結局、私たちになんの関係があるのか?診療スタイルをガラッと変えなくてはならないような改変ではないし、やはり一般診療所レベルではそこまで意識されることではない。ただ「歯周病」というものすごく罹患率が高く、歯科治療のベースであり、ほとんど全ての歯科医療者が関わる疾患である以上、なんとなくでも把握しておくべき事実なのである。漢字ばっかりのやや呪文みたいな組分けから、シンプルで抽象的かつ広範囲をカバーするようになった新分類は他の専門医や歯科医師以外のスタッフにも受け入れやすいのではないか。何より関係があろうがなかろうが、新しくなったガイドラインを知ることは診療する上で必要なスタンスだろう。ペリオを深く学びたいなら!冒頭で触れたように、1Dでは12月21日から「ペリオアカデミー」を開講する。歯周組織・歯周病の基礎から診査診断、基本治療〜外科〜メインテナンスの流れに沿って、歯周治療の全てを網羅し徹底的に学ぶことができる。総勢6名、プロフェッショナルの講師陣が全11回にわたってレクチャー。希望者は講師から症例のフィードバックが受けられる。ぜひご参加いただきたい。講義詳細を見てみる
1D編集部
2021年12月10日

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