歯科用語集
2025年10月28日

スティーブンスジョンソン症候群

「スティーブンスジョンソン症候群」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

スティーブンスジョンソン症候群(SJS)は、重篤な皮膚反応を伴う疾患であり、通常は薬剤に対するアレルギー反応として発症する。主に皮膚や粘膜に水疱や潰瘍が形成され、全身的な症状を伴うことが多い。語源は、1950年代にこの症候群を初めて報告した医師、アーサー・スティーブンスとエドワード・ジョンソンに由来する。分類としては、重症度に応じてスティーブンスジョンソン症候群と中毒性表皮壊死症(TEN)に分けられる。SJSは、皮膚科や内科、さらには歯科においても注意が必要な疾患である。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床現場において、スティーブンスジョンソン症候群は、特に薬剤投与後に発症することが多く、歯科治療においても注意が必要である。患者が新たに処方された薬剤に対してアレルギー反応を示す場合、歯科医師はその薬剤の使用を中止し、適切な対応を行う必要がある。判断基準としては、発症からの経過時間、皮膚症状の広がり、全身症状の有無などが挙げられる。早期の診断と治療が予後を大きく左右するため、歯科医師はこの疾患に対する知識を持つことが重要である。

関連用語・類義語との違い

スティーブンスジョンソン症候群は、類似の症状を示す中毒性表皮壊死症(TEN)と混同されることがあるが、両者には明確な違いが存在する。TENは、より重篤な皮膚反応を伴い、死亡率も高い。さらに、SJSは通常、皮膚面積の10%未満の損傷を伴うのに対し、TENは30%以上の損傷を示す。歯科医療においては、これらの疾患の理解が、患者の安全を確保するために不可欠である。関連用語としては、アレルギー反応や薬剤性皮膚反応が挙げられ、これらの知識は臨床判断において重要な要素となる。

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スティーブンスジョンソン症候群における歯科診療の注意点と対応策

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スティーブンスジョンソン症候群の定義と症状スティーブンスジョンソン症候群(SJS)は、重篤な皮膚および粘膜の反応を伴う疾患であり、通常は薬剤に対する過敏反応として発症する。主な症状には、発熱、全身の皮疹、口腔内の潰瘍、結膜炎などが含まれる。特に口腔内の症状は、歯科診療において重要な要素であり、患者のQOL(生活の質)に大きな影響を与える。歯科医師は、これらの症状を理解し、適切な診断と処置を行う必要がある。スティーブンスジョンソン症候群の診断手順スティーブンスジョンソン症候群の診断は、臨床症状の観察と患者の病歴に基づいて行われる。まず、患者の薬剤使用歴を確認し、発症との関連を評価することが重要である。診断には、皮膚科医や内科医との連携が求められる場合もある。歯科医師は、口腔内の状態を詳細に診査し、潰瘍の有無やその程度を評価することが必要である。歯科診療における処置と術式スティーブンスジョンソン症候群の患者に対する歯科診療では、まず口腔内の潰瘍に対する適切な処置が求められる。局所麻酔を用いた痛みの軽減や、抗炎症薬の使用が考慮される。また、口腔衛生の維持が重要であり、患者に対して適切なブラッシング方法やうがい薬の使用を指導することが必要である。さらに、重症例では入院治療が必要となることもあるため、適切な判断が求められる。スティーブンスジョンソン症候群の症例と注意点実際の症例では、スティーブンスジョンソン症候群を患った患者が口腔内の潰瘍により食事が困難になることが多い。これに対して、流動食や柔らかい食事の提案が有効である。また、患者の心理的なサポートも重要であり、適切なコミュニケーションを通じて不安を軽減することが求められる。歯科医師は、患者の全体的な健康状態を考慮しながら、個別の対応策を講じる必要がある。スティーブンスジョンソン症候群における歯科医師の役割歯科医師は、スティーブンスジョンソン症候群の患者に対して、口腔内の健康を維持するための重要な役割を担っている。定期的なフォローアップを行い、症状の変化を観察することが求められる。また、他の医療機関との連携を強化し、患者の全体的な治療計画に貢献することが重要である。歯科医師は、患者のニーズに応じた適切な処置を行うことで、患者の生活の質を向上させることができる。まとめと今後の展望スティーブンスジョンソン症候群は、歯科診療において特別な配慮が必要な疾患である。歯科医師は、症状の理解と適切な処置を通じて、患者のQOLを向上させることが求められる。今後は、より多くの症例を通じて、効果的な診療方法や患者支援の手法を確立していくことが重要である。
1D編集部
2024年6月1日
歯を目に移植し、視力を回復させる手術がある

歯を目に移植し、視力を回復させる手術がある

眼科領域の先進的な治療法に「歯を目に移植する」手術がある。ギョッとするような治療だが、実際に存在する手術だ。今回はそれに対する歯科的な考察をしていきたい。歯を目に移植する手術とは?正式名称を「歯根部利用人工角膜手術」といい、日本では現在近畿大学医学部の眼科でしか行っていない珍しい術式である。視力の回復に使われる手術であるが、単なる近視や遠視、老眼の治療法ではなく、角膜が混濁し失明に至った症例に使われる。混濁した角膜を人工的に制作する「人工角膜」の中では、難治症例に最も有効な手段とされていて、研究途上だが期待されている治療法だそうだ。具体的な術式は歯科と眼科のコラボレーションからなる。まず、歯と周囲の歯槽骨をブロック状に採取することから始まる。それを片面が歯根で片面が骨の薄い板となるようバーで形成し、歯の中央の部分にPMMA(義歯床に使われるレジンでもある)でできた人工角膜を挿入し歯科用セメントで固定、手術する目と反対の眼輪筋に埋入する。また頬粘膜を別に切除し、手術する目の角膜に縫合する。その状態で数ヶ月待った後に、再度手術を行う。2回目の手術は眼球表面で生着した頬粘膜のフラップを形成・剥離翻転し、虹彩と水晶体を切除、反対の目の眼輪筋に埋入した歯と歯槽骨を取り出して目に挿入、頬粘膜のフラップを戻して縫合する。長々と書いたが要するに歯科学と眼科学のコラボレーションによって人工角膜を制作する特殊な手術なのである。ちなみに目に移植できる歯は犬歯と決められているようだ。また生活歯であり、重度の歯周疾患がないことが条件とされている。移植その後「歯根部利用人工角膜手術」は成功すれば、片目だけではあるが視力は1.0程度まで回復する。中には1.5まで回復した症例もある。しかし頬粘膜を目に移植するため、目が充血したような外観になり審美障害が出てしまう。そしてその片目は目を閉じることが出来なくなる。したがって睡眠時は軟膏を入れて目に蓋をすることになるようだ。そしてもちろん犬歯は抜歯するので、補綴が必要になる。医師は抜歯していいのかここまで読んで、疑問に思った方は居ないだろうか。「歯科医師ではなく医師が抜歯をしていいのか」と。答えは医師でも抜歯は可能である。厚生労働省は昭和24年(当時は厚生省)に「抜歯、齲蝕の治療(充填の技術に属する行為を除く)歯肉疾患の治療、歯髄炎の治療等、所謂口腔外科に属する行為は、歯科医行為であると同時に医行為でもあり、従ってこれを業とすることは、医師法第十七条に掲げる「医業」に該当するので、医師であれば、右の行為を当然なし得るものと解されるから右御諒承の上然るべく指導せられたい」と医務局長通知を出している。つまり、抜歯は医師は法律上は可能である。更に言うと充填をしなければう蝕、歯周炎、歯髄炎は治療しても違法行為にはならないのである。ちなみに近畿大学医学部の場合は、眼科のウェブサイトにDENTAL DIAMOND2008年3月号への投稿で「歯根部利用人工角膜における眼科と口腔外科の協力を中心に解説した」とあるので、近畿大学医学部の口腔外科と一緒に手術を行ったようである。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる参考文献植村要. (2007). 変容する身体の意味づけ-スティーブンスジョンソン症候群急性期の経験を語る. Core Ethics: コア・エシックス, 3, 59-73.医師法第十七条による医業の範囲に関する件,<URL> 厚生労働省, 2020年2月29日閲覧近畿大学教員一覧,<URL>, 近畿大学, 2020年2月29日閲覧福田昌彦, 下村嘉一, 近畿大学医学部眼科学教室 , 眼科ケア 8(12): 1144-1148, 2006.福田昌彦, 近畿大学医学部眼科学教室, 医学のあゆみ 207(4): 274-275, 2003.
宇梶 淳平
2020年6月25日

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