歯科用語集
2025年10月28日

口腔細菌叢

「口腔細菌叢」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

口腔細菌叢とは、口腔内に存在する多様な微生物の集合体を指す。これには、細菌、真菌、ウイルスなどが含まれ、特に細菌が主な構成要素である。語源は「口腔」と「叢(むら)」から成り、口腔内に集まる微生物群を示す。口腔細菌叢は、健康な状態ではバランスが保たれているが、口腔内の環境変化や生活習慣により、バランスが崩れることがある。これにより、虫歯や歯周病などの口腔疾患が引き起こされることがあるため、その理解は歯科医療において重要である。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床において、口腔細菌叢は口腔健康の指標として位置づけられている。特に、歯周病や虫歯のリスク評価において、口腔細菌叢の状態を把握することが重要である。判断基準としては、細菌の種類やその比率、またはバイオフィルムの形成状況が挙げられる。最近の研究では、特定の病原性細菌の増加が、歯周病の進行と関連していることが示されている。したがって、口腔細菌叢の解析は、予防や治療の方針を決定する上での重要な要素となる。

関連用語・類義語との違い

口腔細菌叢に関連する用語には、口腔フローラや口腔マイクロバイオームがある。口腔フローラは、口腔内の微生物群を指す一般的な用語であり、口腔細菌叢とほぼ同義で使用されることが多い。一方、口腔マイクロバイオームは、特定の遺伝子情報を持つ微生物群を指し、より広範な概念である。これらの用語は、口腔内の微生物の多様性やその機能を理解する上で重要であり、臨床現場での診断や治療においても考慮されるべきである。

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口腔細菌叢の理解と臨床応用。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき処置と症例のポイント

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口腔細菌叢の定義とその重要性口腔細菌叢とは、口腔内に存在する多様な微生物群の集合体を指す。これらの細菌は、口腔内の健康を維持するために重要な役割を果たしている。特に、口腔細菌叢は、う蝕や歯周病の発症に深く関与しているため、歯科医師や歯科衛生士にとって理解しておくべき重要な概念である。口腔内の細菌は、善玉菌と悪玉菌に分類され、バランスが崩れることで病気が引き起こされる。したがって、口腔細菌叢の状態を把握し、適切な処置を行うことが、臨床において非常に重要である。口腔細菌叢の構成とその変化口腔細菌叢は、主に細菌、真菌、ウイルスなどから構成されている。特に、細菌は数百種類に及び、主なものにはストレプトコッカス属、アクチノバチルス属、フusobacterium属などが含まれる。これらの細菌は、食事、口腔衛生、全身の健康状態などの影響を受けて変化する。例えば、糖分の多い食事は、悪玉菌の増殖を促進し、う蝕や歯周病のリスクを高める。したがって、口腔細菌叢のバランスを保つためには、適切な食生活と口腔ケアが必要である。口腔細菌叢と関連する症状・疾患口腔細菌叢のバランスが崩れると、さまざまな症状や疾患が引き起こされる。特に、う蝕や歯周病は、口腔内の細菌叢の変化によって引き起こされる代表的な疾患である。う蝕は、口腔内の酸性環境が形成されることで、歯のエナメル質が溶解し、最終的には歯の破壊に至る。歯周病は、歯肉の炎症や骨の吸収を伴い、進行すると歯の喪失に至ることもある。これらの疾患を予防するためには、定期的な診査と適切な処置が不可欠である。口腔細菌叢の評価と診断方法口腔細菌叢の評価には、主に臨床診査と微生物学的検査が用いられる。臨床診査では、歯周ポケットの深さや歯肉の状態を観察し、歯周病のリスクを評価する。微生物学的検査では、唾液や歯垢を採取し、特定の細菌の存在を確認することができる。これにより、患者の口腔内の細菌叢の状態を把握し、適切な治療方針を立てることが可能となる。口腔細菌叢を考慮した処置と術式口腔細菌叢のバランスを保つためには、さまざまな処置や術式が考慮される。例えば、歯石除去やスケーリングは、歯周病予防において重要な役割を果たす。また、フッ素塗布やシーラントの施術は、う蝕予防に効果的である。さらに、最近ではプロバイオティクスの導入が注目されており、善玉菌を補充することで口腔内の環境を改善する可能性がある。これらの処置を適切に行うことで、口腔細菌叢のバランスを維持し、疾患の予防につなげることができる。口腔細菌叢の管理における注意点口腔細菌叢の管理においては、いくつかの注意点が存在する。まず、患者の生活習慣や全身の健康状態を考慮することが重要である。特に、糖尿病や免疫不全の患者は、口腔内の細菌叢が不安定になりやすいため、特別な配慮が必要である。また、過度な抗生物質の使用は、口腔細菌叢のバランスを崩す原因となるため、慎重に判断する必要がある。これらの注意点を踏まえた上で、適切な診断と処置を行うことが、患者の口腔健康を守るために不可欠である。
1D編集部
2024年6月1日
膵臓がんの早期発見・予後と関連する口腔内細菌種が発見される

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東京医科大学の研究チームは、日本人の膵臓がん患者に特徴的な口腔内細菌種・腸内細菌種を同定し、これらががんの予測にも有用であることを明らかにした。本研究の成果は、学術誌であるGastroenterologyのオンライン版に掲載されている。膵がんの新たな腫瘍マーカーとして利用可能膵がんは、最も致死率の高い悪性腫瘍のひとつだ。罹患率は世界規模で増加傾向にある。膵がんの原因解明や早期発見に有用な非侵襲的な腫瘍マーカーの同定は、喫緊の課題であった。人体の消化管には、数百兆個以上(種類としては1000種以上)の常在菌が生息しており、それら常在菌やウイルスの集合は総じて「マイクロバイオーム」と呼称され、ヒトの健康と病気を理解する上での重要な要素となっている。近年、動物実験から特定の腸内細菌種の存在が抗がん剤の効果を決定することがわかっているが、ヒトでは十分な研究が行われていなかった。そこで、膵がん患者において、マイクロバイオームが抗がん剤効果の予測に有用かも検証した。膵がんに特徴的な口腔内細菌種を発見日本人の膵がん患者と、年齢、性別、患者背景因子を1:5でマッチしたコントロール症例について、唾液と糞便をショットガンメタゲノムシークエンスで解析した。その結果、口腔細菌517種と腸内細菌1,151種を同定し、コントロール症例と比較することで膵がん患者に特徴的な口腔細菌18種と腸内細菌30種を発見した。また、重要なこととして、日本で同定した膵がん関連腸内細菌が、ドイツ人やスペイン人の膵がん関連細菌と一致することを見出した。ヨーロッパ・日本の共通菌5種のうち、膵がんで増加した4種は、通常は腸内ではまれな口腔の常在菌であること、一方、減少した1種は多くの病気でも減少が報告されており、免疫誘導と関わる菌であることがわかっている。さらに、膵がん患者で3か国に共通して増加していた4種を宿主とする新規バクテリオファージ58種を発見した。これらの結果は、特定の細菌の増加または減少が膵がんの発生やがん進行の原因となる可能性を示唆しており、今後それらの細菌を介した発がん機構の解明が望まれる。また、それら細菌が実際に発がんや進行の原因である場合は、それらをターゲットとするファージセラピーにより膵がんを予防または治療できる可能性があり、研究結果はその基盤データを提供したことになる。膵がんの予測に口腔内細菌種が有用続いて、膵がんに特徴的な細菌叢が、がんの早期発見のための腫瘍マーカーとして利用できるかを検証した。口腔細菌叢と腸内細菌叢の膨大な情報から機械学習法という解析法を用いて膵がんの予測能を調べたところ、特定の口腔や腸内細菌を数菌種用いると高い確率で膵がんを予測できることがわかった。さらに、従来の血液マーカー(例:CA19-9)と口腔や腸内細菌種を併用すると、血液マーカー単独よりも膵がんの予測精度が高まることを発見した。膵がんの診療における個別化医療の実現に期待今回の研究から、マイクロバイオームをマーカーとして膵がんの早期発見や抗がん剤の治療効果予測に利用できる可能性が明らかとなり、膵がんや予後のハイリスク患者の絞り込みから膵がん診療における個別化医療の実現が期待される。また、従来の血液腫瘍マーカーと唾液や糞便マーカーと組み合わせることで、より早期の膵がん発見が可能となり、治療率向上と予後改善が期待される。「膵がんに特異的な腸内細菌に感染するバクテリオファージの同定は、がんの発生や進行を抑制することを目指したファージセラピーの研究開発を促進させる」と研究チームは述べている。
1D編集部
2022年5月5日

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