歯科医院で救える命がある。口腔がん検診・口腔内検診推進月間が開始
日本の口腔咽頭がんの死亡者数は約7800人と言われており、年々増加傾向にある。また、口腔がんは食事摂取の困難さ等により術後QOLが著しく低下するとされ、また胃がんや肺がんとは異なり、術後に見かけや話し方にも影響が出ることもあり心理的負担が大きいことから、がんの中でも最も自殺率が高いと言われている。そのため、WHOからも早期発見・早期処置が重要であることが強調されている。しかしながら、日本は欧米諸国と比べ、先進国の中でも大幅に死亡率が増加している国であり、歯科口腔外科に携わる医療機関にとって、口腔がんの死亡数と死亡率の大幅低減は、急務な課題であると考えられる。11月は口腔がん検診・口腔内検診推進月間さて、毎年11月は口腔がん検診・口腔内検診推進月間(レッド&ホワイトリボンキャンペーン)である。一般社団法人口腔がん撲滅委員会(代表理事:柳下寿郎日本歯科大学附属病院)によって主催されており、口腔がんの炎症や病変部位の色が赤と白であることから口腔がん撲滅運動の象徴としてレッド&ホワイトリボンを掲げている。また11月15日を「口腔がん検診の日」と位置付けている。このキャンペーンにより、日本全国の歯科医院・デンタルクリニックで、口腔がんを早期発見するきっかけになることを期待したい。口腔がんの正確な早期発見が重要口腔がんおよび口腔粘膜疾患は、粘膜上皮および形態が変化し、様々な臨床所見を呈する。早期口腔がんの診断には、他の粘膜疾患との鑑別をはじめ、早期口腔がんが示す臨床所見を十分に把握することが重要である。口腔がんは発育形態により外向型、内向型および表在型に分類される。さらに、口腔がんに特徴的な表面性状としては、びらん、潰瘍、肉芽、白斑、乳頭、腫瘤の6つに分類される。特に歯肉がんは肉芽型が多く、歯周炎と誤診され抜歯やスケーリングされることがあり、正確な診断をした上での処置が重要であると考えられる。口腔がん早期発見の手法としての蛍光観察装置実際に用いられる検査として、視診・触診、細胞診・組織診、唾液DNA検査など様々な手技も検証されている。株式会社HITS PLANが2021年12月19日に行う口腔がん早期発見セミナー(講師:東京歯科大学名誉教授・柴原孝彦先生、お申し込みは こちらから 可能です)では、口腔がんの早期発見のうち蛍光観察装置に焦点を当て説明が行われる。蛍光観察装置は、2015年に医療機器クラスⅠとして承認され、観察機器として用いられるようになった。蛍光観察装置のひとつであるORALOOK®︎は、病変から8〜10cm離した状態で青色LED照射光を口腔粘膜に照射し、生体内分子の細胞内ミトコンドリアに存在するFAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)と結合組織内のコラーゲンマトリックスの自家蛍光を励起させ、それを装置のフィルターを介して評価・判定するという原理で応用されている。既に数百台以上の装置が導入されており、一般開業医のみならず地区歯科医師や基幹病院、国立の医療機関でも採択されているという。歯科医院も口腔がん早期発見を担うべき口腔がんは恒常的に患者の口腔内を診ている、一般的な歯科医院・デンタルクリニックの医師・歯科衛生士が第一発見者になることが多く、早期発見によって速やかに治療が進められれば95%以上の治癒率を得ることができると言われている。歯科医師だけでなく歯科衛生士も口腔がんに対する理解を深めることで、1人でも多くの患者さんの命を救うことができるのである。口腔がん早期発見セミナーの詳細は こちらから どうぞ。参考文献がん種別統計情報 口腔・咽頭, 国立研究開発法人国立がん研究センター, 2021年10月31日閲覧.