歯科用語集
2025年10月28日

メタボリックシンドローム

「メタボリックシンドローム」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪の蓄積に伴い、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病のリスクが高まる状態を指す。語源は「メタボリズム(代謝)」と「シンドローム(症候群)」から成り立っており、代謝に関連する複数の症状が同時に現れることを示している。日本では、2005年に厚生労働省が定義を示し、特定健康診査(メタボ健診)を導入したことにより、広く認知されるようになった。メタボリックシンドロームは、肥満、特に内臓脂肪型肥満が重要な要因とされている。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床においてメタボリックシンドロームは、歯科医師や歯科衛生士が患者の全身的健康状態を把握するための重要な指標である。特に、口腔内の健康と全身の健康は密接に関連しており、メタボリックシンドロームの患者は歯周病や虫歯のリスクが高まることが知られている。判断基準としては、ウエスト周囲径、血圧、血糖値、脂質値の4つの項目が用いられ、これらの基準を満たすことでメタボリックシンドロームと診断される。歯科診療においても、これらのリスク因子を考慮し、患者への適切なアドバイスや治療を行うことが求められる。

関連用語・類義語との違い

メタボリックシンドロームに関連する用語としては、肥満、生活習慣病、糖尿病、高血圧などが挙げられる。肥満はメタボリックシンドロームの主要な要因であり、特に内臓脂肪型肥満がリスクを高める。また、生活習慣病はメタボリックシンドロームの結果として発症することが多いが、逆に生活習慣病がメタボリックシンドロームを引き起こすこともある。これらの用語は相互に関連しているが、メタボリックシンドロームは特定の症候群であるため、他の用語とは異なる位置づけにある。

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耐糖能の理解と歯科臨床における重要性。診断・処置のポイントと症例の考察

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耐糖能の定義とその重要性耐糖能とは、体が糖質を適切に処理する能力を指す。具体的には、血糖値を正常範囲に保つためのインスリンの分泌や作用が正常であることを意味する。耐糖能が低下すると、糖尿病やメタボリックシンドロームのリスクが高まるため、歯科医師や歯科衛生士はこの知識を持つことが重要である。特に、口腔内の健康と全身の健康は密接に関連しているため、耐糖能の評価は歯科診療においても重要な要素となる。耐糖能の診断方法とその手順耐糖能の診断には、主に経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)が用いられる。この試験では、患者にブドウ糖を摂取させ、その後の血糖値を測定する。正常な耐糖能を持つ患者では、摂取後の血糖値は一定の範囲内に収まるが、耐糖能が低下している場合は、血糖値が高くなる。診断の際には、患者の既往歴や生活習慣も考慮する必要がある。歯科医師は、患者の全身状態を把握するために、これらの情報を収集することが求められる。耐糖能と口腔内健康の関連性耐糖能が低下すると、口腔内の健康にも影響を及ぼす。特に、糖尿病患者は口腔内感染症のリスクが高く、歯周病やう蝕の発生率が増加することが知られている。これにより、歯科医師は患者の耐糖能を評価し、必要に応じて全身的な健康管理を行うことが重要である。さらに、口腔内の健康状態が全身の健康に与える影響を理解することで、より効果的な治療計画を立てることが可能となる。耐糖能に関連する症例とその処置耐糖能に関連する症例として、糖尿病患者における歯周病の進行が挙げられる。これらの患者は、歯周病の治療において特別な配慮が必要である。例えば、治療中の血糖コントロールを維持するために、患者に対して生活習慣の改善や定期的な血糖値のモニタリングを促すことが重要である。また、歯科衛生士は、患者に対して口腔衛生指導を行い、歯周病の予防に努める必要がある。耐糖能の改善に向けたコツと注意点耐糖能を改善するためには、食事療法や運動療法が効果的である。特に、低GI食品の摂取や定期的な運動は、血糖値のコントロールに寄与する。また、歯科医師は患者に対して、糖質の摂取を適切に管理することの重要性を伝える必要がある。ただし、患者の個々の状態に応じたアプローチが求められるため、注意深い判断が必要である。まとめ:耐糖能の理解と歯科臨床への応用耐糖能は、口腔内健康と全身の健康に密接に関連しているため、歯科医師や歯科衛生士はその理解を深めることが重要である。診断や処置において、耐糖能を考慮することで、より効果的な治療を提供できる。患者の健康を守るために、耐糖能に関する知識を活用し、適切なアプローチを行うことが求められる。
1D編集部
2024年6月1日
メタボリックシンドロームと歯科臨床における関連性:診断と処置のポイント

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メタボリックシンドロームの定義とその影響メタボリックシンドロームは、内臓脂肪の蓄積に伴い、高血圧、高血糖、脂質異常症などのリスク因子が複数同時に存在する状態を指す。これにより、心血管疾患や糖尿病の発症リスクが高まる。歯科医師や歯科衛生士は、患者の全身的健康状態を把握することが重要であり、メタボリックシンドロームが口腔内の健康にも影響を及ぼす可能性があることを理解しておく必要がある。メタボリックシンドロームと口腔内疾患の関連性メタボリックシンドロームは、歯周病や口腔内の感染症と関連があることが多くの研究で示されている。特に、インスリン抵抗性が歯周病の進行に寄与することが知られており、歯科医師は患者の全身的な健康状態を考慮した診断と処置を行う必要がある。歯周病が進行すると、炎症が全身に広がり、メタボリックシンドロームの症状を悪化させる可能性があるため、早期の診断と適切な処置が求められる。メタボリックシンドローム患者への歯科診査の手順メタボリックシンドロームの患者に対する歯科診査は、通常の診査に加えて、全身的な健康状態を考慮した特別な手順が必要である。まず、患者の病歴を詳細に聴取し、生活習慣や食事内容を把握することが重要である。次に、口腔内の状態を評価し、歯周病の有無や進行度を確認する。必要に応じて、血圧や血糖値の測定を行い、全身的な健康状態を把握することが推奨される。メタボリックシンドロームにおける歯科処置のメリットとデメリットメタボリックシンドローム患者に対する歯科処置には、いくつかのメリットとデメリットが存在する。メリットとしては、歯周病の治療を通じて全身的な健康状態の改善が期待できる点が挙げられる。また、患者に対して生活習慣の改善を促すことができるため、長期的な健康維持に寄与する可能性がある。一方、デメリットとしては、全身的な健康状態が不安定な場合、処置が難航することがあるため、慎重な判断が求められる。メタボリックシンドローム患者への注意点とコツメタボリックシンドローム患者に対する歯科処置を行う際には、いくつかの注意点がある。まず、患者の全身的な健康状態を常に確認し、必要に応じて医療機関と連携を図ることが重要である。また、処置中のストレスや痛みを軽減するために、適切な麻酔や鎮静法を選択することが求められる。さらに、患者に対して生活習慣の改善を促すための情報提供を行うことも大切である。メタボリックシンドロームに関連する症例の紹介実際の症例を通じて、メタボリックシンドロームと歯科治療の関連性を理解することが重要である。例えば、ある患者はメタボリックシンドロームを抱えながら、重度の歯周病を患っていた。この患者に対して、歯周病の治療を行い、同時に生活習慣の改善を指導した結果、口腔内の健康が改善され、全身的な健康状態も向上した。このように、歯科治療が全身的な健康に寄与することを示す症例は多く存在する。まとめ:メタボリックシンドロームと歯科臨床の重要性メタボリックシンドロームは、歯科臨床においても無視できない重要な要素である。歯科医師や歯科衛生士は、患者の全身的な健康状態を考慮し、適切な診断と処置を行うことで、口腔内の健康を維持し、全身的な健康の改善に寄与することができる。今後も、メタボリックシンドロームと歯科臨床の関連性についての理解を深め、患者に対するより良い医療を提供していくことが求められる。
1D編集部
2024年6月1日
咀嚼能率が低下すると、メタボになりやすくなる(男性だけ)

咀嚼能率が低下すると、メタボになりやすくなる(男性だけ)

新潟大学歯学部と大阪大学歯学部の研究チームは「咀嚼能率」と「メタボリックシンドローム」の関係についての研究を行い、咀嚼能率が低い場合はメタボリックシンドロームの罹患率が2倍以上になることを明らかにした。興味深いのは、この傾向は男性にのみ当てはまり、女性では見られなかった点だ。咀嚼能率とメタボの関係を調査研究は、大阪府吹田市で行われた。無作為に抽出された対象者のうち、2008年以降に健診を受診した50〜70歳代に歯科検診を実施。そのうち、初回検査でメタボリックシンドロームではなかった599人を分析対象者とした。咀嚼能率の判定は専用に開発されたグミゼリーを使った。30回噛んで増えた表面積を算出する方法を使い、下位 1/4 を「低値群」、それ以外を「非低値群」とした。フォローアップ検査時に、新規にメタボリックシンドロームに罹患したかどうかと、その構成要素(血圧、血糖値、脂質異常、肥満の状態)の罹患についてを、年齢や喫煙、歯周疾患の影響を調整した解析を行い、「非低値群」に対する「低値群」のリスクを男女別に算出した。「咀嚼能率低下でメタボ」は男性だけ4.4年に及ぶ追跡期間で、新たに88人がメタボリックシンドロームに罹患した。男性の場合、「非低値群」に対する「低値群」のメタボリックシンドロームの罹患率は2.24 倍で、統計学的にも有意だった。しかし女性の場合、メタボリックシンドロームの罹患率は1.14 倍で、統計学的に有意ではなかった。つまり男性の場合でのみ、咀嚼能率が悪いと将来的にメタボリックシンドロームに罹患するリスクが2倍になるということが明らかになったのである。性差については、女性の場合は閉経期以降のホルモン変化による影響が大きく、また食習慣の違いなどから男性と比べ咀嚼能率低下の影響が出にくかったのではないか、と研究チームは仮説立てている。肥満のヘルスプロモーション今回の研究で用いられていた咀嚼能率の判定法は簡便に実施できるため、メタボリックシンドロームのヘルスプロモーションが可能になると考えられる。また今後、咀嚼能率の低下とその習慣との関係を明らかにしていくことによって、より具体的な指導やメタボリックシンドロームの改善プログラムの立案が可能になると期待される。参考文献Shuri Fushida, Takayuki Kosaka, Michikazu Nakai, Momoyo Kida, Takashi Nokubi, Yoshihiro Kokubo, Makoto Watanabe, Yoshihiro Miyamoto, Takahiro Ono, and Kazunori Ikebe, Lower masticatory performance is a risk for the development of the metabolic syndrome: the Suita study, Frontiers in Cardiovascular Medicine, 2021.11.26.よく噛めない男性はメタボになりやすかった! - 4年間の追跡調査により世界で初めて判明 -, 新潟大学, <URL>, 2022年1月18日閲覧.
宇梶 淳平
2022年1月20日
コロナ禍での歯科医師国家試験は難化傾向。どんな問題が出た?

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2021年1月30日・31日、114回歯科医師国家試験が行われた。緊急事態宣言が発出されている時期での開催という、例年とは異なる極めて異例の歯科医師国家試験であったが、実際にはどのような試験であったのか。1Dでは、実際に受験した学生に、当日の様子や出題された問題について取材を行った。会場の入口にはサーモグラフィー114回歯科医師国家試験では受験者留意事項に「新型コロナウイルス感染症に罹患した場合は受験を認めない」と明記されていた。受験会場の入り口にはサーモグラフィーが置かれ、受験者の体温を計測している係員がいたようである。大学の先生や塾の先生の応援も少なく、業者のビラ配りはほとんど居なかったのが印象的だった。問題は難化、科目を超えた臨床実地も早速、114回歯科医師国家試験の問題を実際にみてみよう。まずは全体の総評として、明らかに難化していると言える。これは来年度から歯科医師国家試験の出題基準が変わるのを踏まえて、試しに難しい問題をわざと出してテストしているとの見方もあるだろう。そして一般問題と臨床実地問題は今まで1つにまとめられて出題されていたが、114回ではランダムな順番で出題された。受験生の中には、これで問題を解くペースが狂った受験者も居たようである。それでは、1Dで注目した問題をいくつかピックアップしてみることにしよう。【B-56】7 歳の男児。前歯が咬んでいないことと奥歯が生えてこないことを主訴として来院した。初診時の顔面写真(別冊No. 17 A) 、口腔内写真(別冊No. 17B) 及びエックス線画像(別冊No. 17C) を別に示す。セファロ分析の結果を図に示す。適切な治療方針はどれか。3 つ選べ。a 上顎骨の成長促進b 下顎骨の成長抑制c 下顎前歯の舌側傾斜d 上顎両側第二乳臼歯の抜去e 上顎両側第一大臼歯の遠心移動この問題は矯正(不正咬合)と小児歯科(異所萌出)の両方の分野が同時に聞かれたような問題である。このように科目をまたがるような聞き方がされたことはこれまでにほとんどなかったので、戸惑った受験者も多かっただろう。新型コロナウイルス感染症を問題文に入れた問題も出てきた。【B-60】新型コロナウイルス感染症〈COVID-19〉に対するハイリスクアプローチはどれか。2 つ選べ。a 指定された病院での治療b 全国民へのワクチン接種c 感染者との濃厚接触者の健康観察d 入国者に対する空港での体温測定e マスメデイアによる予防方法の周知問題で問われている事自体はこれまでに何度か出題経験があるポピュレーションアプローチとハイリスクアプローチの比較問題だが、新型コロナウイルス感染症<COVID-19>という一語を入れることで時事問題的な要素を入れた問題となった。他にも、感染症対策を重要視した問題も散見された。【C-15】標準予防策〈standard precautions〉に基づく、接触による院内感染の予防で適切なのはどれか。1 つ選べ。a 手洗いの実施b N95 マスクの着用c 抗菌薬の予防投与d 個室での入院治療e 汗が付着した機器の清拭【D-24】空気感染するのはどれか。 2 つ選べ。a 結核菌b 麻疹ウイルスc 黄色ブドウ球菌d 日本脳炎ウイルスe Epstein-Barr ウイルスこれらの問題は、感染症対策に関する基本的な問題であり、受験生の多くが勉強した内容であることから得点源となった問題だっただろう。他にも、1問出題された英語問題も新型コロナウイルス感染症を意識した問題だったと言える。【D-7】( ), the study of the distribution and determinants of health-related statesand events in specified populations, is a potent scientific tool to confront a newinfectious disease. ( )に入るのはどれか。1 つ選べ。a Anatomyb Biochemistryc Epidemiologyd Pharmacologye Physiology正答はc の「疫学」であるが、訳すと「疫学 -明確に規定された人間集団の中で出現する健康関連の状態や出来事の分布およびそれらに影響を与える要因についての学問-は新たな感染症に対峙できる可能性のある科学的手段である」となる。結果的には厚生労働省の意図も内包したような問題だったと言えるだろう。超高齢社会を反映した問題も散見された。【A-18】老年期のフレイルサイクルを図に示す。①はどれか。1 つ選べ。a 悪液質b 廃用症候群c サルコペニアd ジスキネジアe メタボリックシンドローム【A-38】日本摂食嚥下リハビリテーション学会の嚥下調整食分類2013 を図に示す。軟飯や全粥はどれか。1 つ選べ。a アb イc ウd エe オ【A-87】ある国の人口構成を表に示す。年少人口1,000,000 人生産年齢人口8,000,000 人老年人口3,000,000 人総人口12,000,000 人老年化指数(%)はどれか。1 つ選べ。a 25b 30d 33d 50e 300数年前と比べ、明らかに高齢者関連の問題は多くなっている。今度の出題基準の改訂では更に高齢者関連の分野の出題範囲、問題数が増えることが予想される。コロナ禍での受験生活を乗り越えて今回歯科医師国家試験を受験した学生は、コロナ禍で受験生活を迎えたため、苦労も多かったことだろう。臨床実習の中止やオンラインでの授業、卒業試験の延期といった措置があった大学も多かったと聞く。このコロナ禍の中で、「緊急事態宣言が仮に発出されても国家試験は絶対に行う」と12月に発表した厚生労働省は素晴らしいと筆者は感じている。新型コロナに感染した場合に受験資格を失うという公表に対する批判もあったものの、この緊急事態宣言のなかで歯科医師国家試験を確実に行ったということは、「歯科医師は日本社会に必要である存在」であると厚生労働省が認めたとも言える。受験された方々は、結果が不安な方も多いことと思うが、まずはしっかりと休んでいただきたい。
宇梶 淳平
2021年2月4日

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