ジョン・レノンの歯、競売に掛けられる
ジョン・レノンは、世界史の教科書に載るほどのロック・バンド「ビートルズ」のメンバーである。ビートルズ時代の名曲 "All you need is love" やソロ時代の曲 "Happy Christmas (War is Over)" 、 "Imagine" のように愛と世界平和を歌った作品群で知られる。1980年に熱狂的ファンにより射殺されてからおよそ40年の年月が経っているものの、今もなお世界中にファンがいるアーティストである。そんなジョン・レノンの抜去歯が、オークションに掛けられたことがあるのを、あなたは知っているだろうか。これがジョン・レノンの歯だ!下記の画像が実際にオークションに掛けられた、ジョン・レノンの歯だ。所見としては、以下のことが挙げられるだろう。上顎の大臼歯である。露髄するほどのう蝕があり、切削された跡がある。咬合面の着色が著しい。歯石は縁上・縁下ともにそんなには付着していない。セメントエナメル境付近に若干ある。上顎の大臼歯は本来複数根であるが、根はかなり癒合している。根の癒合の程度を見ると智歯かもしれない。 ジョン・レノンの歯の値段このジョン・レノンの歯は、ビートルズ解散前の1965年〜1968年に抜かれ、家政婦が持っていた。家政婦は捨てようと思っていたが、将来的には資産価値を持つかもしれないと考え、取っておくことにした。この頃のビートルズは生放送でライブをすれば世界中で4億人が視聴するほどの人気だったので、捨てられるものを取っておくのも無理はない。ジョン・レノン自身も満更ではなく、家政婦の娘に「ジョン・レノンの歯」をプレゼントすることを家政婦に提案したという。その後月日が経ち、2011年にオークションに掛けられることになった。ジョン・レノンの歯は、結果的には$31,000(約339万3,895円)で落札された。数奇な抜去歯の予後ジョン・レノンの歯は、カナダの歯科医師・マイケル・ザック氏が購入した。マイケル・ザック氏はアーティストである妹(参考記事では "sister" と表記してあるため姉かもしれないが)のカーステン・ザック氏に彼の抜去歯を渡した。カーステン・ザック氏はジョン・レノンの彫刻を作り、歯の部分に抜去歯を埋め込んだ芸術作品を作った。この彫刻はカーステン・ザック氏の個展に展示され、収益の一部は貧しい家庭の唇顎口蓋裂児の手術の費用に使われたという。また、彫刻から抜去歯が外されたのち、口腔がんの啓発を目的に抜去歯はイギリスのチャリティーイベントを回った。その後は歯髄の細胞からジョン・レノンのDNAが解析され、マイケル・ザック氏のウェブサイトでは「伝説的ミュージシャンのクローンがいつしか作れるかもしれない」と示唆されている。クローンができるかはさておき、ジョン・レノンの歯は歯科に関するチャリティーで使われているわけで、彼の世界平和と愛をめぐる魂は、いまだこの大臼歯のなかで生き続けているのかもしれない。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる参考文献The Amazing Journey Of John Lennon’s Tooth, Knowledgenuts, Knowledgeknuts,<URL>,2019年12月28日閲覧Canadian Artist Uses John Lennon Tooth Fragment in Sculpture, Rollingstone, <URL>,2019年12月28日閲覧画像:© Omega Auction House 2011. © Rolling Stone 2012