エナジードリンク、砂糖 × カフェインのダブルパンチでむし歯を授ける。
近年、若者の間でその需要が高まっているのが、エナジードリンクだ。エナジードリンクは「エネルギー補給を訴求し、カフェインやアルギニン等の成分を含有した炭酸飲料」と定義されている。エナジードリンクに含まれるカフェインは口腔内に影響を与えることがわかっており、日常的に飲むことで翼だけでなくむし歯も授けてしまう可能性がある。今回はエナジードリンクに含まれるカフェインの効果・作用や口腔内への影響などを解説する。カフェインの効果・作用カフェインはレッドブルなどのエナジードリンク以外にも、コーヒーやココア、お茶、コーラなどにも含まれる成分である。主な効果・作用は以下だ。覚醒作用疲労回復効果血管拡張作用交感神経刺激作用解熱・鎮痛作用 など脳の中にあるアデノシン受容体にアデノシンが結合することでヒトは疲労を感じるが、カフェインはそれを阻害する。これによりエナジードリンクを飲むと疲労を感じず覚醒するというメカニズムだ。カフェインを過剰摂取するとどうなる?上記のようにカフェインは身体にさまざまな良い変化をもたらす。これらの効果・作用から、形を変えて医薬品としても使用されているほどだ。しかしカフェインの摂りすぎによる死亡例があるのも事実であり、過剰摂取すると以下のような症状が現れるとされている。心拍数の増加めまい不安震え吐き気・嘔吐 などこれらはカフェインの作用である中枢神経系への刺激が過剰に行われたことにより起こる。エナジードリンクにしろコーヒーにしろ、カフェインの過剰摂取にならないよう適量を心がけるべきである。カフェインの口腔内への影響「気合を入れるためにエナジードリンクを飲む」というのはよく見かける光景だ。しかしエナジードリンクを飲むと覚醒するだけでなく、口腔内にも影響が出ることはご存知だろうか?先に挙げたように、カフェインには血管を拡張したり交感神経を刺激したりする作用がある。これにより腎臓の血管も拡張し、血液のろ過量が増加する。それに伴って尿の生成量も増え、体内から多くの水分が出ていく。つまりエナジードリンクなどでカフェインを多く摂取すると、水分が多く排出される=血液中の水分量が減少し、結果的に口腔内乾燥を引き起こす。口腔内の水分量が減ることで細菌が繁殖しやすい状況となり、むし歯リスクが上がったり口臭につながったりするのだ。またエナジードリンクの飲用により、口腔内のべたつきやのどの乾きなどの自覚症状が見られたという調査結果もある。カフェインの摂取により唾液の粘性が上がるかどうかは定かではないが、むし歯や口臭が起きやすくなるというのは想像に容易い。また、カフェインだけでなく、エナジードリンクには大量に砂糖が含まれている。エナジードリンク飲用後は、カフェインによる影響だけでなく砂糖によるう蝕のリスクも上がってしまう。エナジードリンクを嗜好する患者さんへの指導方法カフェインを長期的に摂取すると口腔内状況の悪化につながるだけでなく、高血圧のリスクが高まるともされている。また妊娠中の女性は、一定量以上のカフェインを摂取すると胎児の発育が阻害され、低体重児出産となる可能性がある。しかし職業や生活スタイルによっては、エナジードリンクが手放せない、日常的に飲むという患者さんもいるだろう。そのような患者さんにはカフェインの口腔内への影響だけでなく、全身的なリスクや将来的なリスクまで含めてお伝えすると、上手く向き合ってくれるかもしれない。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる参考文献『エナジードリンク風味の飲料が作業と気分に及ぼす心理的影響の検討』松本彩和, 渕本 潤, 坂井信之 , 日本味と匂学会誌, 2013.『エナジードリンク飲用が唾液や口臭に及ぼす影響』小松 千恵, 野村 正子, 日本口腔保健学雑誌, 2019.