歯科用語集
2025年10月28日

練和

「練和」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

練和(れんわ)とは、歯科において、歯科材料を適切に混合し、均一な状態にするプロセスを指す。特に、歯科用のセメントや印象材などの材料を使用する際に重要な工程である。語源は「練る」と「和える」に由来し、材料を練り合わせることで、使用する際の性能を最大限に引き出すことを目的としている。練和の適切な実施は、治療の成功に直結するため、歯科医師や歯科衛生士にとって重要な技術である。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床において練和は、特に補綴治療や印象採得において重要な役割を果たす。材料の特性に応じた練和方法を選択することが求められ、例えば、セメントの種類や使用目的に応じて、練和時間や混合比率を調整する必要がある。判断基準としては、材料の粘度や硬化時間、操作性などが挙げられ、これらを考慮することで、最適な練和が実現できる。適切な練和を行うことで、治療の精度や患者の満足度を向上させることが可能である。

関連用語・類義語との違い

練和に関連する用語としては、「混合」や「調整」があるが、これらは微妙に異なる意味を持つ。混合は、異なる成分を単に混ぜ合わせる行為を指し、練和はその過程で材料の特性を考慮し、最適な状態に仕上げることを強調する。また、「調整」は、既存の材料の性質を変更する行為を指すことが多く、練和とは異なる。これらの用語を正確に理解し、使い分けることが、臨床現場での効果的なコミュニケーションに寄与する。

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審美歯科のスペシャリストに聞く「接着のカンどころ」

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デンタルIQの向上によって高まる審美歯科のニーズ近年、国民の健康意識が大幅に向上し、予防歯科の普及とともに、審美歯科へのニーズも急速に高まっています。特に、デンタルIQが向上した患者は、単に機能回復を求めるだけでなく、審美的な仕上がりやメタルフリー治療、矯正治療など、より高度な審美的要求を持つようになっています。こうした患者ニーズの変化に対応するため、歯科医師には高い技術力と信頼性がこれまで以上に求められています。審美歯科治療の分野では、新しい技術や材料を迅速に習得し、エビデンスに基づいた治療を提供することが、患者の期待に応えるために不可欠です。追い風にも感じる「脱パラ」への動き厚生労働省の方針により、金銀パラジウム合金の使用縮小が進み、メタルフリー治療の需要が高まっています。背景には、パラジウムの価格高騰や金属アレルギーへの配慮があり、今後のメタルフリー材料の普及が期待されています。この流れの中で、CAD/CAMシステムによるレジン材料やPEEK冠などの新素材が注目され、審美性向上に寄与しています。特に保険診療での金属使用が減少する中、審美歯科における材料選定は今後さらに重要です。歯科医師には、最新のメタルフリー材料や信頼性の高い接着剤、セメントを適切に活用するスキルが求められています。エビデンスに基づいた材料選びと最新技術の導入が、今後ますます重要となるでしょう。スペシャリストの審美治療を解剖今回は、審美歯科の第一線で活躍されている髙木仲人先生に、審美修復における接着のポイントや、その効果を最大限に引き出すためのZEN®ユニバーサルシステムについて伺いました。ZEN®ユニバーサルシステムは、三井化学が開発したモノマーを採用し、サンメディカルの技術力によって製品化されたユニバーサルタイプの接着システムです。こちらのシステムは、「ZEN®ユニバーサルセメント」と「ZEN®ユニバーサルボンド」の2種類のみで、歯質や金属、ジルコニア、アルミナ、ガラスセラミックス、レジン系材料、さらにはPEEK冠にも接着が可能です。ZEN ユニバーサルセメント/歯科接着用レジンセメント/管理医療機器/認証/305AKBZX00052000ZEN ユニバーサルボンド/歯科用象牙質接着材/管理医療機器/認証/ 305AKBZX00051000髙木先生には、ZEN®ユニバーサルシステムを実際の臨床でどのように活用しているか、プロフェッショナルの視点からその魅力を解説していただきます。左:ワンディー株式会社 編集部 高橋 佳奈 右:門前仲町髙木歯科 院長 髙木 仲人先生Q1: 先生はZEN®ユニバーサルシステム発売後すぐにご使用いただいておりますが、現在の率直なご感想をお聞かせください。最近では、接着対象となるマテリアルが非常に多岐にわたっています。CAD/CAM修復物、PEEK冠、セラミック、ジルコニアなど、さまざまな素材に対応する必要があり、その処置が複雑化してきました。しかし、ZEN®ユニバーサルシステムの場合、アドヒーシブとセメントの2つだけで処置が完了します。このシンプルさが非常に魅力的で、手技が大幅に簡略化され、とても使いやすい製品だと思います。Q2: 接着力や審美性が求められるケースでも使用されていますが、その後の経過はいかがですか?ZEN®ユニバーサルシステムを導入して6ヶ月が経過しましたが、これまでに使用したコンポジットレジンやセラミック、ジルコニア、CAD/CAM修復物、PEEK冠において脱離は一例もなく、非常に順調に経過しています。また、前歯部の審美修復に使用することが多いのですが、被膜が薄いため、マージンラインが見えにくい点がいいです。さらに経過中の着色も一切見られず、審美性の高い修復を提供できています。Q3: 接着性レジンセメントの自動練和型と手練和型の操作性の違いについて教えてください。自動練和型のメリットは、テクニカルエラーを減らせる点と作業時間の短縮です。セメントを手練和する場合、慣れている歯科医師や歯科衛生士、歯科助手が行うとしても、練和の上手さや練和にかかる時間に個人差があります。もし練和が不十分であれば、化学重合がうまく進行せず、ムラが生じることもあります。自動練和はそうしたリスクを大幅に軽減します。さらに、手練和では、練る際や補綴物に入れる際に気泡が混入するリスクがありますが、自動練和の場合、セメントをそのまま注入できるため、気泡が入りにくいです。Q4: ZEN®ユニバーサルセメントは特殊な脱泡装置を使用していますが、ペーストの性状についての感想をお聞かせください。ZEN®ユニバーサルセメントでは、練和されたペーストに気泡が混入しているのを見たことがありません。また、程よい粘性があり、補綴物に入れた際に垂れることもなく、非常に操作性が良いです。硬すぎず柔らかすぎず、ちょうど良いバランスで扱いやすい印象です。Q5: ZEN®ユニバーサルシステムの「DIS™」(Double Initiator System)による重合性能についての印象はいかがでしょうか?今回の「DIS™」システムについてですが、化学重合が非常にアクティブに反応している印象があります。そのため、他社製品と比較しても、化学重合に対する信頼性が高いと感じています。特に、ジルコニアやPEEK冠など光が通らない材料の場合、光による重合はほとんど期待できませんので、化学重合が主な役割を担います。そういった意味では、光が届かない補綴物に対する化学重合の強さは、非常に有利に働くと感じています。Q6: ZEN®ユニバーサルシステムを使用して脱離しにくい理由はどこにあるとお考えですか?脱離しにくい理由は、今回の化学重合システム「DIS™」の反応の良さではないでしょうか。また、アドヒーシブに含まれているタッチキュアも重要な要素です。それぞれのアドヒーシブおよびレジンセメントにおける化学重合成分が非常に強力であるため、脱離を防ぐ効果があると考えています。さらに、アドヒーシブの被膜の厚さが5μmと適度で、薄すぎず厚すぎないため、これらの要素が組み合わさり、脱離のリスクを低減していると感じています。Q7: ZEN®ユニバーサルシステムの経済性についてのご意見をお聞かせください。ZEN®セメントのミキシングチップはデッドボリュームを32%減少させることができるため、メーカーさんが非常に工夫を凝らしていると感じます。ノズルが長すぎると未使用部分が生じますが、逆に短すぎると混合が不十分になり、気泡が混入するリスクがあります。そのため、単純にノズルを短くするのではなく、バランスを考慮した設計がなされていると思います。コストパフォーマンスについては、他社製品と比較しても非常に優れていると感じています。個人的には、接着力の低下を避けるため、ミキシング直後のセメントは使用したくないので、最初の1センチは捨てるようにしていますが、それでも無駄が少ない印象を受けています。Q8: ZEN®ユニバーサルボンドの「被膜の薄さ」や「エアブロー時の操作性」についての印象を教えてください。被膜の薄さは2ステップの製品に比べると約三分の一程度で、特に前歯部の審美修復において、コンポジットレジンやダイレクトボンド、ダイレクトコンポジットラミネートベニアなどを使用する際にメリットがあります。ボンド層が厚いと光が入った時にボンド層が見えてしまうことがありますが、被膜が薄いため、前歯部での審美的な充填が可能だと考えています。また、エアー操作を行う際に粘度が高すぎると、液だまりを起こすことがありますが、このボンドは粘性が適度なため、エアブローがしやすいという印象があります。Q9: CAD/CAM修復物やPEEK冠などの被着体に対する接着結果はいかがですか?CAD/CAM修復物やPEEK冠など、従来は接着が難しかった被着体に対しても、ZEN®ユニバーサルシステムは一貫して優れた接着力を発揮しています。各歯面に対して、なぜこの処理を行う必要があるのか、リン酸エッチングの目的は何か、シランカップリング材入りのMDPを使用する理由について考えることは重要です。しかし、そうした専門的な知識を持つ先生方だけでなく、どのような先生が使用しても一定以上の接着力を発揮できることが大切だと思っています。つまり、ユニバーサルな製品であり、誰が使っても安定した接着力を提供できることが求められます。今回の製品は、どなたが使っても一定以上の接着力を発揮できる点が非常に魅力的です。また、アドヒーシブとセメントの2つだけで良いというシンプルさも、非常にわかりやすいと感じています。Q10: 使用にあたって、術式のポイントやコツがあれば教えてください。コツとしては、被着体側のエアブローを行う際に、強圧でするのではなく、重要なMDPや有効成分を残すように溶媒を揮発させるエアブローを行っていただきたいです。有効成分を残すように注意しながら作業することで、接着力がさらに向上します。e-max インレー症例写真光照射器に関しては、しっかりとカンファーキノンに反応するものを使用することが重要です。また、個人的にはこの製品の化学重合タッチキュアは若干早いと感じています。ですので、セメントアウトを行う際には、仮照射を先に行い、早めにセメントアウトをするのが良いかと思っています。Q11: ZEN®ユニバーサルシステムをご使用後、治療効率や患者さんの反応について教えてください。ZEN®ユニバーサルシステムを使うことで、治療の効率が非常に向上しました。アドヒーシブとセメントの2つを用意するだけでよいので、準備もシンプルです。これによって、準備をするスタッフの負担も軽減されますし、私自身も手順が簡単なので、全体的な治療時間が短縮されます。患者さんにとっても、口を開けている時間や治療そのものが短く済むので、大きなメリットだと感じています。Q12: 最後に、ZEN®ユニバーサルシステムを使って良かった点やお勧めしたいポイントを教えてください。このシステムを使うことで、接着の効果はもちろん、診療時間の短縮にもつながりました。特に、ステップ数を減らせることが大きな魅力です。接着をシンプルに楽しんでいただければと思っています。市場には多くのセメントやボンドが存在しますが、「これだけで十分」と満足していただけるかと思います。セメントに関しては、無駄が少なく、コストパフォーマンスも優れていると実感しています。他社製品と比較した際、オープン価格でも非常にコストパフォーマンスが高いですね。クリニックとしても、単価の経済性があり、必要なものが少ないため、在庫管理も楽になります。さらに、室温保管が可能という点も大きな利点です。冷蔵庫に入れる必要がなく、他社製品では常温保管の指示がないものが多い中で、これは嬉しいポイントです。高木先生がお使いの接着システム ZEN®ユニバーサルシステム の製品情報はこちらから髙木仲人先生のインタビューからも伝わる、ZEN®ユニバーサルシステムの優れた操作性や審美性、強力な接着力。審美歯科のプロフェッショナルが信頼を寄せる接着システムについて、特長や臨床での活用方法をさらに詳しく知りたい方は、こちらから製品情報をご覧ください。製品情報はこちら「ZEN」はサンメディカル株式会社の登録商標です。「DIS」はサンメディカル株式会社の商標です。
1D編集部
2024年10月24日
練和の重要性とその臨床応用。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき処置と症例

練和の重要性とその臨床応用。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき処置と症例

練和とは何か練和とは、歯科において特に歯科材料を扱う際に重要なプロセスである。具体的には、材料を均一に混合し、適切な粘度やテクスチャーを得るための手法を指す。これにより、材料の物理的特性が向上し、臨床での使用において安定性が増す。練和は、特に歯科用セメントや印象材、コンポジットレジンなどの処置において重要な役割を果たす。適切な練和が行われることで、材料の強度や耐久性が向上し、最終的な治療結果に大きな影響を与えることがある。このプロセスを理解し、適切に実施することは、歯科医師や歯科衛生士にとって不可欠なスキルである。練和の手順とコツ練和の手順は、使用する材料によって異なるが、一般的な流れは以下の通りである。まず、必要な材料を正確に計量し、混合するための器具を準備する。次に、材料を均一に混合するために、適切な時間と速度で練和を行うことが求められる。練和のコツとしては、材料の特性を理解し、適切な混合比率を守ることが重要である。また、混合時の温度や湿度にも注意を払い、環境条件が材料に与える影響を考慮する必要がある。さらに、練和後の材料の粘度やテクスチャーを確認し、必要に応じて調整を行うことも大切である。これにより、最終的な治療結果を向上させることができる。練和のメリットとデメリット練和には多くのメリットがある。まず、材料の均一性が向上することで、治療の精度が高まる。さらに、適切に練和された材料は、強度や耐久性が向上し、長期的な治療結果に寄与する。一方で、練和にはデメリットも存在する。例えば、過剰な練和は材料の特性を損なう可能性があるため、注意が必要である。また、練和にかかる時間や手間が増えることで、診療効率に影響を与えることも考慮しなければならない。したがって、練和のプロセスを適切に管理し、メリットを最大限に引き出すことが求められる。練和に関する症例と診断練和に関連する症例としては、歯科用セメントの適用における成功例や失敗例が挙げられる。例えば、適切に練和されたセメントは、歯冠やブリッジの固定において優れた接着力を発揮するが、練和が不十分な場合、早期に剥離するリスクが高まる。診断においては、練和の状態を確認するために、材料の粘度やテクスチャーを評価することが重要である。これにより、適切な処置を選択するための判断材料となる。また、練和のプロセスにおける問題点を早期に発見し、適切な対策を講じることで、治療の成功率を向上させることが可能である。練和の導入と注意点練和を臨床に導入する際には、まず使用する材料の特性を十分に理解することが重要である。各材料には推奨される練和方法や時間が定められているため、これに従うことが求められる。また、練和の際には、器具の清潔さや混合環境の管理にも注意を払う必要がある。これにより、材料の劣化を防ぎ、最良の結果を得ることができる。最後に、練和のプロセスを定期的に見直し、改善点を見つけることで、より高い治療成果を目指すことができる。
1D編集部
2024年6月1日
歯科医療者ピンチずかん

歯科医療者ピンチずかん

あなたは、診療中に、ピンチに陥ったことはありますか?大ピンチは、なんの前触れもなく診療中に入り込んでくる。ピンチに出会うのを恐れるより、どんなピンチがあるかを知っておいた方が心の準備が出来るというもの。そんな時は、この「歯科医療者ピンチずかん」。これでもう、いつ大ピンチが来ても大丈夫。ぜひこの記事を読んで、突然の大ピンチにそなえよう。アルジネートが こぼれた大ピンチレベル:12なりやすさ:●●●●○アルジネートの練和中、ラバーボウルにスパチュラが引っかかり、スクラブに飛んできた。混水比も変わっちゃうし、スクラブも真っ白になっちゃった!追加で大ピンチ!粉が飛んでしまったので、追加しようと思い、ちょっとずつ入れるつもりが、たくさん入っちゃった。TECが 消えた大ピンチレベル:72なりやすさ:●●●●○ストレートで調整中に、「パチンッ!」と大きな音を立てて、TECが消えてしまった。あんなに頑張って作ったのに。TECのそっくりピンチ!①TECが全然外れてくれない②外している途中で、マージンが欠けてしまった③口蓋側に穴が空きそうなほど薄い何言ってるのか 聞き取れない大ピンチレベル:30なりやすさ:●●●●●院長が何か言っているけど、何言ってるのか聞き取れない。気まずさレベル11度聞き返すのは、まだ大丈夫。気まずさレベル21度聞き返したけど、2回目も聞き取れなかった。2回目聞き返すのは、結構勇気がいるぞ。気まずさレベル10聞き返すのが気まずくて、指示を推理した結果、全然違うことをしちゃった。レジンか シールか わからない大ピンチレベル:23なりやすさ:●●○○○このパイル皿2つ並んであるけど、どっちがシールでどっちが即充レジンだっけ?大ピンチクイズそっくりで、2つ並んでいたら困るもの順に並べよ。ア.「違う患者さんの、同じ部位の印象」イ.「洗浄中のフルデンチャー」ウ.「名前がそっくりな患者さん」患者さんの ズラがとれた大ピンチレベル:98なりやすさ:●○○○○ユニットを倒すと同時に、ズラがずれてしまった。残念ポイントつけているルーペで、ついつい頭皮をチェックしてしまって、申し訳ない気持ちになるよ。これでもう ピンチがきても大丈夫!大ピンチを知れば、いつ大ピンチになってもこわくない。歯科医療従事者が診療中に起こるさまざまな大ピンチを、「大ピンチレベル」の大きさと、5段階の「なりやすさ」で分類し、ご紹介しました。何か大ピンチが起きた時は、この記事を思い出して、冷静に対処しよう。
小森 柚
2023年8月25日
液と粉は戻しても良いのか?説

液と粉は戻しても良いのか?説

いまや、歯科治療に欠かせない存在となったレジン系材料。日々取り扱っている方も多いのではないでしょうか。そして、一度出して使い終わったあと、レジン系材料の粉や液が余ってしまった……なんて経験も、あったりしませんか?余った粉や液、どうする? さて、ここでクイズです! レジン系の粉や液が余ってしまったとき、一体どうするのが正解でしょうか? 次のA~Cの選択肢から1つ選んでみてください。A. 廃棄するB. 元の容器に戻すC. その場の状況次第で柔軟に対応する……選んでもらえましたか? 正解はこのあとすぐの見出しで発表します!正解は「廃棄」「A. 廃棄する」を選んだ皆さん、正解おめでとうございます! 今後も引き続き、余った粉や液は廃棄していきましょう。BやCを選んだ皆さん、その対応にはもしかして、「勿体ない」という気持ちが隠れていませんか?実は、余った粉や液を廃棄すること自体は「勿体なくない」のです。なぜ「廃棄」が正解なのか【共通編】口腔内で使用した筆などに触れたレジン系材料は、口腔内常在菌により汚染されています。汚染された材料を放置すると細菌は指数関数的に増殖するため、口腔内常在菌のバランスによっては院内感染を引き起こす危険性さえあります。【粉材編】練板や練和紙の上に余ってしまった粉は、練和しているときに液が飛散し、粉末と液が接触し、固まってしまう場合があります。それを元の粉末の容器に戻してしまうと、次回の練和時にダマが出てしまう可能性があるのです。【液材編】余ってしまった液は、空気中の水分を含んでしまう場合があります。その状態で元の容器に液を戻してしまうと、化学反応で内容物が劣化する可能性があるのです。また余った液を元の容器に戻すことは、軽微なほこりなどの異物混入につながる恐れもあります。さらに、大体のレジン系材料の液は揮発性があるため、一度容器から出すと変性が起こりやすいです。結論: 液と粉は戻してはいけない!一度出してあとに余ってしまった粉や液は、廃棄しましょう。粉においても液においても、余った分を元の容器に戻してしまうと、容器内全ての材料を痛めてしまう恐れがあるからです。この機会にいま一度、余ってしまった材料の廃棄が徹底されているか、勤務先の医院で再確認してみてはいかがでしょうか。
1D編集部
2023年5月31日
歯科衛生士が照射ボタンを押すだけなら、診療の補助じゃないの?

歯科衛生士が照射ボタンを押すだけなら、診療の補助じゃないの?

手が離せない歯科医師に「エックス線撮影しておいて」と言われ、歯科衛生士が言われるがままに照射ボタンを押すーー。これは「診療の補助」に当たるのではないか。当たらないとしたら、その法的根拠は何なのか。歯科衛生士は、「予防処置」「歯科診療の補助」「歯科保健指導」の業務を担う。これは歯科衛生士法第2条に規定されている。前提として歯科衛生士とは、歯科医師が行う「歯科医行為」の一部を歯科医師に代わって行うことができる職種である。今回は「歯科診療の補助」について、特にエックス線の照射ボタンを押すことがこれに該当するのかについて、詳しく解説していこう。 「歯科診療の補助」とは?「歯科診療の補助」は抽象的な概念だ。「診療の補助」と聞くとバキュームを持ったりセメントを練和したりといった補助的行為が連想されるが、それだけではない。 「どこまでが診療の補助なのか?」という認定は、法律上はっきりと規定することは難しい。歯科医療の枠組みや歯科衛生士教育の水準も常に変化しているなかで、その時々の社会通念に合わせて「歯科診療の補助」というやっかいな概念を解釈していかなければならないのである。 歯科衛生士法第13条の2には、「歯科医行為の禁止」として次のような文言がある。 第13条の2 歯科衛生士は、歯科診療の補助をなすに当つては、主治の歯科医師の指示があつた場合を除くほか、診療機械を使用し、医薬品を授与し、又は医薬品について指示をなし、その他歯科医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはならない。ただし、臨時応急の手当をすることは、さしつかえない。「絶対的歯科医行為」と「相対的歯科医行為」「歯科診療の補助」の法的な取り扱いについて、詳しく考えていこう。歯科医師の業務は、絶対的歯科医行為と相対的歯科医行為とに大きく分けられる。 「絶対的歯科医行為」とは、法的に歯科診療の補助を行えることを定められた職種(歯科衛生士や看護師・准看護師・保健師・助産師、臨床検査技師、言語聴覚士、診療放射線技師など)の知識やスキルを超え、絶対的に歯科医師が行わなければ危害を生じる恐れのある行為をいう。 一方で「相対的歯科医行為」は、歯科医師の業務から絶対的歯科医行為に該当する業務を差し引いた行為のことである。歯科衛生士法における絶対的歯科医行為と相対的歯科医行為についてまとめたものを下図に示しておく。 歯科診療の補助は、相対的歯科医行為である。歯科医師の指示のもと、歯科衛生士は歯科診療の補助を行う。この診療の補助に関する指示は、その時々の状況や個々のケース、歯科衛生士の技能に応じて内容が変わっていくものである。 エックス線撮影は「診療の補助」ではないのか?冒頭でも触れたように、ここで疑問に残るのは、エックス線の撮影は「診療の補助」に当たらないのか、ということだ。 実態として、歯科衛生士や歯科助手にエックス線の照射をさせている歯科医院は存在するし、2019年には大阪の歯科医院で摘発もされている。 「照射ボタンを押すだけなら診療の補助で良いのでは?」という疑問を抱く方も少なくないだろう。エックス線の照射ボタンを押すことが診療の補助であると見なされれば、歯科衛生士によるエックス線撮影が可能となる。 診療放射線技師法を見ていくと...エックス線撮影は、医師・歯科医師・診療放射線技師の独占業務である。これは診療放射線技師法第24条に規定されている。 第24条医師、歯科医師又は診療放射線技師でなければ、第二条第二項に規定する業をしてはならない。第2条第2項この法律で「診療放射線技師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、医師又は歯科医師の指示の下に、放射線を人体に対して照射(中略)することを業とする者をいう。一方で、同法には次のような規定も存在する。 診療放射線技師は、第二条第二項に規定する業務のほか、保健師助産師看護師法(中略)の規定にかかわらず、診療の補助として、次に掲げる行為を行うことを業とすることができる。一 磁気共鳴画像診断装置その他の画像による診断を行うための装置であつて政令で定めるものを用いた検査(医師又は歯科医師の指示の下に行うものに限る。)を行うこと。二 第二条第二項に規定する業務又は前号に規定する検査に関連する行為として厚生労働省令で定めるもの(医師又は歯科医師の具体的な指示を受けて行うものに限る。)を行うこと。診療放射線技師法には、「エックス線の照射」に加えて「診療の補助」についても規定がある。両者は、診療放射線技師法によって法的に明確に区別されているのである。したがって、エックス線撮影は診療の補助の一環として行うことはできない。言うまでもないが、予防処置や歯科保健指導の一環として歯科衛生士がエックス線撮影を行うことも、合理的に考えて不可能である。エックス線が「特別」な理由エックス線の撮影・放射線の被爆には、電離放射線障害防止規則(電離則)をはじめとするいくつもの規制が敷かれているように、特別な注意が必要である。 歯科医院ではエックス線撮影はもはや日常の一部であり、照射ボタンを押すことにいちいち躊躇っていては診療が進まない。 しかし、見かけ上は単にボタンを押しているだけのように見えたとしても、患者さんは被爆をしているのである。読者の皆さんはこうした違法行為はしていないと思うが、エックス線照射は単にボタンを押す行為ではないということを、いま一度考えてみても良いのかもしれない。(注:本記事は、2020年10月18日に当社メディアに掲載された記事を再掲したものです。)参考文献『歯科六法コンメンタール 歯科関連法律の逐条解説』社会歯科学会 編著, ヒョーロン・パブリッシャーズ, 2018.
1D編集部
2022年8月14日

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レジン修復 (238)

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