明海大学歯学部でOSCEの漏洩が判明 関与者に処分
明海大学歯学部で2020年2月に行った共用試験OSCE(objective structured clinical examination:客観的臨床能力試験)で、試験補助で参加した大学院生と専攻生が受験予定の学生2人に試験課題を事前に漏洩したことが分かった。同大学が今月2月4日に公表した。公益社団法人医療系大学間共用試験実施評価機構(以下、機構)らの指摘を受けて学内調査を行ったところ漏洩の事実が判明し、機構の調査により当該試験が無効となり、12月12日にやり直し試験を実施した。課題を漏洩した大学院生及び専攻生(いずれも嘱託歯科医師として勤務)は学則に基づきそれぞれ12月2日付で無期停学処分を受け、就業規則に基づき12月15日付で嘱託歯科医師職を解雇された。漏洩に関与した学生2名については、学則に基づき12月2日付で無期停学処分とし、機構により当該年度の受験資格が取り消されたためやり直し試験の受験を認められなかった。また、教学を司る学長を訓告とするとともに、歯学部長、歯学部教授会、OSCE委員会委員長及びOSCE実行委員会委員長に対して厳重注意を行ったとしている。OSCE漏洩は過去にもOSCEは病院で実習を受けるだけの能力があるかを調べるための、臨床実習前の学生が受ける試験だ。医療面接、ラバーダム防湿、ブラッシング指導、保隙装置の説明、縫合、支台歯形成など全29課題から6課題が行われる。機構のウェブサイトにも「どの課題が出題されるかについては当日まで明らかにされません。すべての課題について十分な準備をしておいてください。」「不正行為や問題の漏洩等があった場合は、共用試験の適正な運用を妨げるおそれのある大学としてみなされ、共用試験への参加に関しては慎重な検討を行うことが定められています。」と書いてあり、問題の事前漏洩は許されていない。過去には、2014年に長崎大学歯学部でOSCEの漏洩が発覚している。歯学部で2014年9月に5年生を対象に行われた試験で、試験前日の手順確認で模擬患者役を務めるなどした長崎大学病院の歯科の研修医3人が、本番の試験で出される課題を後輩の学生3人に漏らしたという。課題はLINEなどを通じて、受験予定の学生49人全員に伝えられた。試験は11月に再度やり直され、問題を漏らした研修医3人を戒告の懲戒処分に、課題を聞き出した学生3人には、再試験の受験を認めず、留年にしたという。医学部では同様の漏洩が横浜市立大学医学部で起きている。4年生2人の指示を受けた3年生2人が2014年2月28日夜、「忘れ物をした」と警備員にうそをついて試験会場に入り、壁に貼られていた問題4問を携帯電話で撮影、メールで送信した。別の4年生2人が問題をメールに書き起こし、受験する4年生95人全員に予想問題として送信した。試験当日の3月1日、匿名の告発メールが教授に届き大学が調査。指示した4年生2人と撮影した3年生2人を停学3カ月、メールを送った4年生2人を停学1カ月とした。予想問題として送る前に相談した4年生11人も戒告としたという。この時もOSCEは停学処分の学生を除いて再受験になったという。社会通念上、OSCEには公平性が求められている。病院で実習を受ける以上しっかりとした心構えで受けてほしいものである。参考文献共用試験歯科系OSCEの不正漏洩について, 明海大学, <URL>共用試験歯学系OSCE 2020年度 課題と学習目標, 公益社団法人社団法人医療系大学間共用試験実施評価機構, <URL>長崎大学 OSCE試験内容を事前に学生に漏らす 歯学部, 政治経済・時事・倒産情報のJCNET(ジェイシーネット), <URL>カンニングで学生6人停学 横浜市大医学部, 日本経済新聞, <URL>