歯科用語集
2025年10月28日

口腔機能管理

「口腔機能管理」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

PICK UP
【便利】歯科用語をイッパツ変換できるユーザー辞書を無料配布
【速報】令和8年度診療報酬改定の骨子判明:歯科はプラス0.31%、物価高・賃上げへの「二段構え」の支援策が柱に

定義・語源

口腔機能管理とは、口腔内の機能を維持・改善するための一連の取り組みを指す。具体的には、咀嚼、嚥下、発音などの口腔機能を評価し、必要に応じて介入を行うことを含む。語源は「口腔」と「機能管理」であり、口腔の健康を保つための管理手法を示している。近年、口腔機能の重要性が認識され、特に高齢者においては、口腔機能の低下が全身の健康に影響を及ぼすことが明らかになっている。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床において口腔機能管理は、患者の口腔内の健康状態を評価し、適切な介入を行うための重要なプロセスである。判断基準としては、患者の年齢、既往歴、口腔内の状態、生活習慣などが考慮される。特に、咀嚼能力や嚥下機能の評価は、食事の質や栄養状態に直結するため、非常に重要である。また、口腔機能管理は、歯科医師や歯科衛生士が連携して行うことが求められ、チーム医療の一環として位置づけられている。


関連用語・類義語との違い

口腔機能管理に関連する用語には、口腔ケア、口腔リハビリテーション、口腔衛生管理などがある。口腔ケアは、主に口腔内の清掃や衛生状態の維持を目的とするものであり、口腔機能管理とは異なる。口腔リハビリテーションは、機能回復を目的とした治療法であり、特に嚥下障害や咀嚼障害に対するアプローチが含まれる。一方、口腔衛生管理は、虫歯や歯周病の予防を重視した管理方法であり、口腔機能管理はより広範な機能の維持・改善を目指す点で異なる。


1Dプレミアム
1Dプレミアム

関連ニュース

口腔機能管理の重要性と臨床での実践。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき処置と症例

口腔機能管理の重要性と臨床での実践。歯科医師・歯科衛生士が知っておくべき処置と症例

口腔機能管理とは口腔機能管理は、口腔内の機能を維持・改善するための包括的なアプローチである。具体的には、咀嚼、嚥下、発音、口腔衛生などの機能を対象とし、患者の生活の質を向上させることを目的としている。この管理は、特に高齢者や障害者において重要であり、口腔機能の低下は全身の健康にも影響を及ぼすことがあるため、歯科医師や歯科衛生士はその重要性を理解し、適切な処置を行う必要がある。口腔機能管理における関連ワードとしては、診断、症例、処置が挙げられる。口腔機能管理の診断と評価口腔機能管理を行う上で、まずは診断と評価が不可欠である。診断には、口腔内の視診、触診、機能検査が含まれる。具体的には、咀嚼機能や嚥下機能の評価を行い、必要に応じて専門的な検査を実施することが求められる。また、患者の生活背景や心理的要因も考慮し、総合的な評価を行うことで、より適切な処置を選択することが可能となる。この段階での注意点は、患者の状態に応じた柔軟なアプローチを心がけることである。口腔機能管理における処置と術式口腔機能管理における処置は多岐にわたるが、主なものとしては、口腔リハビリテーション、義歯の調整、口腔衛生指導が挙げられる。口腔リハビリテーションは、特に嚥下機能の改善を目的とした訓練やエクササイズを含む。義歯の調整は、咀嚼機能を向上させるために重要であり、患者のフィードバックを基に行うことが望ましい。また、口腔衛生指導は、患者が自宅での口腔ケアを適切に行えるようにするための重要なステップである。口腔機能管理の症例と実践実際の症例を通じて、口腔機能管理の重要性を理解することができる。例えば、高齢者における嚥下障害の症例では、口腔機能管理を通じて、食事の安全性を確保し、栄養状態を改善することができる。また、障害を持つ患者に対しては、個別のニーズに応じたアプローチが求められる。これらの症例を通じて、歯科医師や歯科衛生士は、口腔機能管理の実践が患者の生活の質を向上させることを実感することができる。口腔機能管理のメリットとデメリット口腔機能管理のメリットは、患者の生活の質を向上させることにある。具体的には、食事の楽しみを取り戻し、社会的な活動を促進することができる。一方で、デメリットとしては、個々の患者に応じたアプローチが必要であり、時間と労力がかかることが挙げられる。また、患者の理解や協力が得られない場合、効果が限定的になることもあるため、注意が必要である。口腔機能管理の今後の展望今後、口腔機能管理はますます重要性を増すと考えられる。高齢化社会の進展に伴い、口腔機能の低下がもたらす影響は無視できない。そのため、歯科医師や歯科衛生士は、最新の知識や技術を習得し、患者に対して最適な管理を提供することが求められる。また、チーム医療の観点から、他の医療職との連携も重要であり、包括的なアプローチが必要である。
1D編集部
2024年6月1日
SPT点数減!?結局どうなの、令和4年改訂

SPT点数減!?結局どうなの、令和4年改訂

令和4年の診療報酬改定で「初診・再診料の加点」や「口腔機能管理料の年齢拡大」、「CAD/CAMインレーの収載」など多くの変更点であたふたした歯科医師も多い。中でも「SPT Ⅰ・SPT Ⅱの統合」はインパクトが大きく話題になった。「830点だったSPT Ⅱが廃止」というパワーワードのおかげで、減算改定という勘違いが一人歩きしていたと思う。厚生労働省保険局医療課<令和4年度診療報酬改定の概要【歯科】>から抜粋 実際にはややこしい算定方法を簡素化して、みんなメインテナンスに力を入れていこうといったプラスの改定だ。元々ややこしかっただけに改定となれば迷宮入りなので、SPTとは結局どうなのか説明していきたい。これまでのSPTSPT Ⅰ・SPT Ⅱの違いはまず「か強診か否か」だ。か強診(=かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所)が煩雑とも言える施設基準をクリアした歯科医院ということは知っていると思うので細かい条件は割愛する。結論、施設基準のハードルの先に120点とか260点の加算がある。そして「か強診」だけがSPT Ⅱを算定できる特権を得ていたのが今までのSPTだ。 「か強診」だから無制限でSPT Ⅱというわけでもなく算定に必要な治療項目(検査・口腔内写真)があったりするが、その代わりに毎月算定できるなど定期管理型歯科医院を構築する上で欠かせない診療報酬であることは間違いない。「SPT Ⅱ廃止」のプラス改定?だいぶ端折って説明してもボリューム感のある算定要件なので、面倒だからやらなかったり理解できない人が多数だった。そこで今回の改定では「もう分けたりしないでSPTって処置にしちゃおう」という、優しさであり普通にプラス改定だとわかってほしい。SPT Ⅰを算定していた歯科医院からみれば据え置きだが、SPT Ⅱを算定していた歯科医院は含められていた検査などの点数が別途になるため、最大で90点多く算定できることになった。事実上の”検査必須化”勘のいい人は気づいたかもしれないが、検査が別途算定になったということは「検査をしなければ減算」になる。か強診取ってるから検査しなくても830点という”ズル”はできなくなった。そして精密検査でなければ400点の算定もできないし、毎回ちゃんと写真も撮らなくてはならない。チェアタイムの延長と術者の負担を考えたら90点の加算ではコスパ悪いと考える人もいるだろう。しかし考えてほしい。本来「SPT(Supportive periodontal therapy=歯周病安定期治療)」の概念からすれば病状の安定・維持を目的としたものであり、検査なくして維持できているかどうかなんてわからないはずだ。つまり「サボらずやれば対価を与える」という国からのお示しになった。歯科医院も患者もサボらないシステムちゃんと検査と指導をすることで得られるメリットは加点だけではない。メインテナンス時に時間をかけて検査をし、治療し、指導することで患者のモチベーションになる。その結果、受診率の向上にも繋がり評判も上向き、医院全体を潤す大きな恩恵につながることも考えられる。さらに検査結果を見ることで患者の意識は予防へシフトすることも考えられる。ここまで来ればセルフケアにも勤しみ積極的に通院するフィットネス型の歯科医院に慣れる。意識が向上した患者の口腔内環境は良好で、当然チェアタイムは短縮される。このシステムが構築できれば、コストを気にすることなく”サボらない”で、最良の医療が提供できるはずだ。今回の改定が吉と出るか凶と出るかは、個々の歯科医院で変わってくるだろう。リピート率95%!「デンタルフィットネス」導入セミナー予防歯科だけで1億円を超える方法を公開します。オンライン開催・参加費無料。ぜひ下記ボタンよりお申し込みください。セミナー詳細をみる
1D編集部
2022年6月14日
いかにして歯科医院は、地域包括ケアシステムに関わるべきか?

いかにして歯科医院は、地域包括ケアシステムに関わるべきか?

地域包括ケアシステムに脚光が集まっている。そもそも、地域包括ケアシステムとは一体なんなのか、歯科医院・歯科医療者は地域包括ケアシステムにどのように関わることができるのか。本記事では、厚生労働省が公表しているデータに基づき、地域包括ケアシステムにおける歯科医院が果たすべき役割について解説を行う。脚光を浴びる地域包括ケアシステム待ったなしの高齢者対策我が国の高齢者人口は、既に3,000万人を超えている。この数値は2042年まで増加を続けていき、3,900万人にまで達すると考えられている。高齢者人口がピークに達した後も、75歳以上の後期高齢者が占める割合は増加していく。特に、全国に800万人いる団塊の世代が75歳になる2025年以降は、医療や介護のニーズが現在以上に増加することが見込まれている。そこで厚生労働省は、地域包括ケアシステムを2025年までを目処に整備させたい考えだ。地域包括ケアシステムは、要介護状態になっても暮らし慣れた地域で最後まで自分らしい生活を送ることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される仕組みだ。超高齢社会における医療介護システムの柱となると期待されている。地域包括ケアシステム、5つの要素地域包括ケアシステムの実現には、5つの構成要素が欠かせない。介護・医療・予防といった専門的なサービスと、その前提としての住まいや生活支援のサービスが相互に連携する必要がある。歯科医院はどのように関わるべき?それでは、地域包括ケアシステムに歯科医院や歯科医療者はどのように関わっていけば良いのか。超高齢社会のなかで、歯科医療に何ができるのか。厚生労働省は、地域包括ケアシステムにおいて歯科医料が果たすべき役割や機能を明確にしている。医科・介護 ー 歯科医療間での連携を進める歯科医院が積極的に地域包括ケアシステムに参加し、歯科ならではの役割を果たすためには、地域ケア会議(※1)などを通じて、医療・介護の他職種に対し歯科治療の必要性を訴えていく必要がある。現状では、地域ケア会議における歯科医院の参加は十分とは言えない。また、居宅等で療養を行う患者に対する周術期口腔機能管理や訪問歯科診療を中心とした医科との連携、介護施設に入所している要介護高齢者に対する歯科治療・管理といった介護との連携が重要である。歯科医療を含む医療・介護が一体的に高齢者に提供されるよう、連携を進めることが急務だ。歯科医院間での「診診連携」もカギ歯科医院には、専門分野に応じて歯科医院間の役割分担を決めていくことが求められる時代になりつつある。複数の歯科医院をグループ化したり、地域医療連携推進法人(※2)の制度も利用したりすることで、個々の歯科医療者の負担を軽減しつつ、専門分野ごとの機能分化を図る方針が提言されている。訪問歯科診療への取り組みももちろん、訪問歯科診療への取り組みも重要だ。今後さらなる患者ニーズの多様化に対応するために、外来診療だけでなく訪問歯科診療を行うことが求められている。地域ごとに、それぞれ訪問歯科診療の調整機能を担う機関と連携を図り、情報を共有することが必要である。人的リソースなどの課題から訪問歯科診療の提供が困難な歯科医院は、外来診療の時間を調整したり、訪問歯科診療を実施している他の歯科医院と連携するなどの施策が、新たに要求されている。脚注※1「地域ケア会議」:地域包括ケアシステムの実現のために市町村や地域包括支援センターが主催する、高齢者個人に対する支援とそれを支える社会基盤の整備を行う会議のこと。※2「地域医療連携推進法人」:地域において良質かつ適切な医療を効率的に提供するため、複数の医療機関が参画できる新たな法人の認定制度のこと。参考文献『地域包括ケア研究会報告書(平成25年3月)』厚生労働省, 2013(URL).『地域医療連携推進法人制度について』厚生労働省, 2017年(URL).『地域ケア会議の概要』厚生労働省, 2016(URL).
1D編集部
2022年2月26日
インフォグラフィックスでわかる「歯科衛生士不足」

インフォグラフィックスでわかる「歯科衛生士不足」

歯科医院では、歯科衛生士の不足が叫ばれている。特に近年、予防型歯科医療への転換や訪問診療、周術期口腔機能管理といったトピックが重要視されるようになっており、歯科衛生士の果たす役割はますます大きくなっている。歯科医療業界の人材ニーズと実際の就業歯科衛生士数にはギャップがあり、歯科衛生士の人材確保と資質向上は喫緊の課題である。「歯科衛生士不足」とは言うものの、実際どんな状況なのか。『歯科衛生士及び歯科技工士の復職支援等の推進に関する研究』の報告書から、その実態を取り上げてみたい。歯科衛生士は日本海側に集まる平成26年度の医療施設静態調査のデータによると、歯科診療所あたりの歯科衛生士数は、全国平均で1.47人であった(非常勤の人数は常勤換算している)。地域別に見ると、鳥取県が2.72人と最も多く、東京都が1.09人と最も少なかった。歯科医師1人あたりの歯科衛生士数でも鳥取県が最多(2.22人)で、東京都に至っては1人にも満たなかった(0.91人)。歯科衛生士の数には、地域ごとに格差がある。東北地方の太平洋側および関東地方においては、歯科衛生士が不足している傾向が強い。歯科衛生士不足は、特に北海道・福島県で顕著だ。一方、秋田県や山形県といった東北地方の日本海側および西日本では、歯科衛生士は比較的充実している傾向にあることがわかる。歯科助手と歯科衛生士には負の相関歯科衛生士だけでなく、歯科助手にも地域差がある。歯科助手は東日本、特に東北地方の太平洋側に多く、西日本に少ない。歯科衛生士と真逆だ。統計的にも、歯科衛生士数と歯科助手数には負の相関関係がある。「歯科衛生士が多ければ歯科助手が少ない」「歯科助手が多ければ歯科衛生士が少ない」はれっきとした事実である。歯科衛生士は4万5千人も不足している日本歯科医師会を対象に行った調査によれば、歯科衛生士は日本全国で46,816人不足しているという。1歯科医院あたりに直すと、あと0.82人の歯科衛生士が必要である。結婚や出産を機に辞めてしまった歯科衛生士、すなわち未就業歯科衛生士数は119,610人であるため、そのうち半数が稼働すれば現在の歯科衛生士不足は解消できるとの試算だ。「復職」歯科衛生士に活路か佐々木らの推計によると、未就業歯科衛生士のうち再就業が可能な歯科衛生士数は49,118人であるとしている。また、未就業歯科衛生士のうち80パーセントが再就職を希望しているというデータもある。しかし、再就職をしたくても給与や勤務時間といった待遇面、知識やスキル上の不安がネックになっている。自治体や民間企業の復職支援により、潜在的な歯科衛生士の創出が今後の課題になるだろう。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる
1D編集部
2019年11月11日
今さら聞けない「か強診」:かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所

今さら聞けない「か強診」:かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所

平成28年の診療報酬改定によって新たに制定された「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)」。う蝕や歯周病、口腔機能低下の重症化予防に対して、保険の適用を受けやすくなったという改定だ。今回、厚生労働省が「か強診」を制定した狙いには、地域のなかで切れ目なく、患者のニーズに対応した安心・安全な歯科保健医療サービスを提供することにある。まだか強診を届出ていない歯科診療所の先生や、これから地域に根付いて開業する予定の先生向けに、「今さら聞けないか強診」と題して用語解説を行っていく。そもそも「かかりつけ歯科医」とは?かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所、略して「か強診」。とっつきにくいネーミングである。そもそも「かかりつけ歯科医」とはなんだろうか?2005年の日本歯科医師会資料によれば、「かかりつけ歯科医」とは「患者さんのライフサイクル」に沿って、継続的に口と歯に関する保健・医療・介護・福祉を提供し、地域に密着した幾つかの必要な役割を果すことができる歯科医のこと、である。かかりつけ歯科医に求められる役割平成27年11月に公表された中医協の資料では、かかりつけ歯科医に求められる機能・役割として、以下のポイントが挙げられている。必要な初期歯科医療および継続的歯科治療患者相談・保健指導・予防活動必要に応じた専門機関への紹介(医科・歯科・病診・診診連携)病院・施設等における入院・入所中患者に対する歯科医療・口腔機能管理障害者・要介護者・高齢者に対する歯科医療・口腔機能管理歯科訪問診療・介護サービスへの対応他職種とのチーム医療連携地域の実情に応じた地域包括ケアへの対応「かりつけ歯科医がいる」のは66%それでは、実際にかかりつけ歯科医とは、地域住民のなかでどれくらい身近なものなのだろう。日本歯科医師会が平成26年に行った「歯科医療に関する一般生活者意識調査」によれば、「かかりつけ歯科医がいる」と回答した人は全体の66%で、女性の方が男性よりも多かった。また、男女とも高齢になればなるほど「かかりつけ歯科医がいる」との回答者が多かったという点も特徴的だ。か強診の「3本柱」か強診は、う蝕・歯周病・口腔機能低下の重症化予防に対して、保険の適用を受けやすくなったという仕組みだ。この制度の「3本柱」とも言えるのが、以下の3点である。①エナメル質初期う蝕管理これまでの制度でフッ化物塗布を保険請求しようとすると、3ヶ月以上の期間を空ける必要があった。しかし平成28年のか強診の改定から、フッ化物塗布が毎月ごとに保険請求できるようになった。しかしこの際には、口腔内カラー写真の撮影による評価が算定には必須であるとされている。②歯周病の管理か強診の3本柱、2点目は歯周病の管理を保険請求しやすくなったという点である。歯周病の管理も、エナメル質初期う蝕に対するフッ化物塗布と同様に、安定期におけるメインテナンスを、毎月ごとに保険請求できるようになったことが大きな変化だ。ただ、ここでも制約はあり、月1回が保険請求の限度であるということと、歯周治療の方針等について管理計画書を作成することと、その管理計画書を患者さんに文書提供し、その写しを診療録に添付した場合にだけ算定できるとしている。③在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理そして3点目は、在宅患者に対する訪問口腔リハビリテーション指導管理だ。今回のか強診を含む診療報酬改定で、厚生労働省は在宅患者に対する口腔ケア・口腔リハビリテーションを推進したいという狙いがある。「外来環」と「歯援診」が合体そもそもか強診は、従来から運用されていた2つの施設条件が合わさったものである。1つは「歯科外来診療環境体制加算(外来環)」。これは、感染症などを予防する衛生面の環境体制が整っている歯科外来に、保険点数を請求できるようにする制度だ。もう1つは「在宅療養支援歯科診療所(歯援診)」。文字通り、外来だけでなく在宅療養も支援できる体制を整えた歯科診療所が、保険点数を請求できるようにした制度であった。か強診の施設基準これらの保険適用の拡大は、厚生労働省が定めた施設基準を満たした歯科医院だけが適用される。か強診を名乗るには、その施設基準をクリアしなければならない。厚生労働省の資料より、以下にか強診の施設基準を示す。過去1年間に歯科訪問診療1又は2、歯周病安定期治療及びクラウン・ブリッジ維持管理料を算定している 実績があること。①偶発症に対する緊急性の対応、医療事故及び感染症対策等の医療安全対策に係る研修、②高齢者の 心身の特性、口腔機能の管理及び緊急時対応等に係る研修を修了した常勤の歯科医師が1名以上配置さ れていること。歯科医師が複数名配置されていること又は歯科医師及び歯科衛生士がそれぞれ一名以上配置されている こと。診療における偶発症等緊急時に円滑な対応ができるよう、別の保険医療機関との事前の連携体制が確保 されていること。当該診療所において、迅速に歯科訪問診療が可能な歯科医師をあらかじめ指定するとともに、当該担当医名 連絡先電話番号等について、事前に患者等に対して説明の上、文書により提供していること。当該地域において、在宅医療を担う保険医療機関と連携を図り、必要に応じて、情報提供できる体制を確保 ていること。当該地域において、他の保健医療サービス及び福祉サービスの連携調整を担当する者と連携していること。口腔内で使用する歯科医療機器等について、患者ごとの交換や、専用の機器を用いた洗浄・滅菌処理を徹底 する等十分な感染症対策を講じていること。感染症患者に対する歯科診療について、ユニットの確保等を含めた診療体制を常時確保していること。歯科用吸引装置等により、歯科ユニット毎に歯の切削時等に飛散する細かな物質を吸引できる環境を 確保していること。患者にとって安心で安全な歯科医療環境の提供を行うにつき次の十分な装置・器具等を有していること。 ①自動体外式除細動器(AED)、②経皮的酸素飽和度測定器(パルスオキシメーター)、③酸素供給装置、 ④血圧計、⑤救急蘇生セット、⑥歯科用吸引装置制度が形骸化しないよう技術研修を平成28年の診療報酬改定で導入されたか強診だが、平成29年4月現在で、既に7031件の歯科診療所がか強診を届け出をしている。この数値は歯科診療所全体の10%程度だ。今回のか強診の制定により、患者や地域の健康は、どのように変化していくのだろうか。か強診の届け出をしている歯科診療所のなかには「歯周病安定期のメインテナンスの保険点数が高くなった」というだけのイメージを抱いている先生も多いと聞く。厚生労働省も公表している資料のなかで、施設基準をクリアした後の、歯科医師やスタッフの技術研修が重要であるとしている。そういった取り組みがなければ、か強診は実態を伴わない形式的な制度になってしまうだろう。せっかくの地域・患者のための制度が形骸化してしまってはもったいない。今後ともか強診の届け出数は上がっていくものと思われるが、実態を伴う制度にするためにも、技術研修等の取り組みを早急に考える必要があるかもしれない。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる
1D編集部
2019年10月9日

関連用語

レジン修復 (238)

PICK UP
【便利】歯科用語をイッパツ変換できるユーザー辞書を無料配布
【速報】令和8年度診療報酬改定の骨子判明:歯科はプラス0.31%、物価高・賃上げへの「二段構え」の支援策が柱に
1D SNS
掲載情報について

1D(ワンディー)は、歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士向けの情報が集まる、日本最大級の専門メディアです。

トップレベルの臨床家・研究者からオンラインで学べる「歯科セミナー」や、臨床・経営・ライフスタイルの最新情報が収集できる「歯科ニュース」など、多彩な歯科医療コンテンツを配信しています。

本サイトは、歯科医療関係者(歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・歯科助手・歯科学生等)を対象に、歯科医療の臨床・研究・経営等に関する情報を集約したものです。歯科医療関係者以外の一般の方に対する情報提供を目的としたものではないことをご了承ください。

また、本サイトで提供する情報について細心の注意を払っておりますが、内容の正確性・完全性・有用性等に関して保証するものではありません。詳細は利用規約をご覧ください。

SNS
1D - 歯科医師/歯科技師/歯科衛生士のセミナー視聴サービスなら
© 2026 1D inc.