歯科用語集
2025年10月28日

易感染性

「易感染性」とは?歯科用語の解説と症例を紹介

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定義・語源

「易感染性」とは、感染症にかかりやすい状態を指す用語である。主に免疫力が低下している患者や、特定の疾患を持つ患者に見られる。語源は「易(やすい)」と「感染性(かんせんせい)」から成り立っており、感染に対する感受性の高さを示す。歯科領域においては、特に口腔内の感染症や全身的な感染症のリスクが高まることが重要視される。例えば、糖尿病や免疫不全の患者は、歯科治療後に感染症を引き起こしやすいため、注意が必要である。


臨床における位置づけ・判断基準

臨床において易感染性は、患者の治療計画や管理において重要な要素である。歯科医師は、患者の病歴や現在の健康状態を考慮し、感染リスクを評価する必要がある。例えば、抗生物質の予防的使用や、手術後の感染管理が求められる場合がある。判断基準としては、患者の全身状態、既往歴、現在の服薬状況などが挙げられ、これらを総合的に判断することで、適切な治療方針を決定することが求められる。

関連用語・類義語との違い

易感染性に関連する用語としては、「免疫不全」や「感染症リスク」がある。免疫不全は、体の免疫機能が低下している状態を指し、易感染性の一因となる。一方、感染症リスクは、特定の状況や条件下で感染症にかかる可能性を示すが、易感染性はそのリスクが高い状態を特に強調する。言い換えとしては「感染に対する感受性が高い」と表現されることもあるが、いずれも感染症に対する注意が必要であることを示している。

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易感染性患者への歯科治療:臨床での判断ポイントと適切な処置法

易感染性患者への歯科治療:臨床での判断ポイントと適切な処置法

易感染性の定義とその重要性易感染性とは、感染症にかかりやすい状態を指す。これは、免疫機能の低下や基礎疾患の存在、または特定の治療による影響によって引き起こされることが多い。歯科臨床においては、易感染性患者に対する適切な診断と処置が求められる。特に、糖尿病や腎不全、免疫抑制療法を受けている患者は、口腔内の感染リスクが高まるため、注意が必要である。これにより、歯科医師や歯科衛生士は、患者の状態を正確に把握し、適切な治療計画を立てることが重要である。易感染性患者の診断と評価易感染性患者の診断には、詳細な病歴の聴取と身体検査が不可欠である。特に、既往歴や現在の治療内容、服用中の薬剤についての情報は、感染リスクを評価する上で重要な要素となる。また、血液検査や画像診断を通じて、免疫機能や感染の有無を確認することも必要である。これにより、患者の状態に応じた適切な処置や術式を選択することが可能となる。易感染性患者に対する処置の手順易感染性患者に対する処置は、通常の患者と異なるアプローチが求められる。まず、治療前に患者の状態を十分に評価し、必要に応じて抗生物質の予防的投与を考慮することが重要である。次に、無菌的な手技を徹底し、器具や材料の消毒を行う。さらに、治療後のフォローアップも重要であり、感染の兆候を早期に発見するための定期的な診査を行うことが推奨される。易感染性患者への術式の選択易感染性患者に対しては、侵襲の少ない術式を選択することが望ましい。例えば、歯周病治療においては、非外科的なスケーリングやルートプレーニングを優先することが考えられる。また、必要に応じて、局所麻酔や鎮静法を用いることで、患者の負担を軽減することも重要である。術式の選択にあたっては、患者の全身状態や口腔内の状況を十分に考慮することが求められる。易感染性患者への注意点とコツ易感染性患者に対する治療では、いくつかの注意点がある。まず、患者とのコミュニケーションを密にし、治療に対する不安を軽減することが重要である。また、治療後のケアについても十分に説明し、自己管理の重要性を理解してもらうことが必要である。さらに、感染予防のための衛生管理を徹底し、治療環境を清潔に保つことが、感染リスクを低減するためのコツである。易感染性患者の症例と臨床での実践実際の症例として、糖尿病を有する患者の歯周病治療を考えてみる。この患者は、免疫機能が低下しているため、通常の治療法ではなく、より慎重なアプローチが求められる。治療計画には、定期的な口腔内の評価や、必要に応じた抗生物質の使用が含まれる。また、患者の血糖値の管理も重要であり、治療の進行に応じて適切な指導を行うことが求められる。まとめ:易感染性患者への歯科治療の重要性易感染性患者への歯科治療は、特別な配慮と専門的な知識が必要である。歯科医師や歯科衛生士は、患者の全身状態を理解し、適切な処置や術式を選択することで、感染リスクを低減し、患者の健康を守る役割を果たすことが求められる。今後も、最新のガイドラインや研究成果を基に、より良い治療を提供していくことが重要である。
1D編集部
2024年6月1日
【歯周治療ガイドライン】歯周治療における抗菌薬の適正使用

【歯周治療ガイドライン】歯周治療における抗菌薬の適正使用

歯周病は細菌感染によって惹起される炎症性疾患であり、結果として歯槽骨の破壊などの骨代謝にまで関連する。セルフケアとプロフェッショナルケアが大切であり、予防と治療が密接に関係していることから、定期的な一次予防ならびに二次予防を適切に行うことで歯周炎への移行を防ぐことが重要となる。歯周基本治療の概念歯周病の病因因子とリスクファクターを排除して歯周組織の炎症を改善し、その後の歯周治療の効果を高め成功に導くための基本的な原因除去治療である。治療に際しては、歯周病の病因因子とリスクファクターを明確にし、患者背景や全身状態も考慮に入れた包括的な治療計画の立案が必要である。細菌感染に対する処置1. プラークコントロールはすべての治療に優先されるプラーク性歯肉炎と歯周炎の主要な原因は歯肉縁上および縁下の細菌性プラークであり、これを除去することが歯周病の治療と予防の根幹をなす。プラークコントロールが不十分であると、スケーリング・ルートプレーニング、暫間固定、歯周外科治療など、その後の治療の効果は著しく低下し、歯周治療そのものが失敗する原因となる。良好なプラークコントロールは歯周外科治療後の治癒と組織の炎症の予防に有益であり、とくに再生療法では良好な臨床結果を得るためには、 十分なプラークコントロールの維持が必要である。歯周治療の成否は、プラークコントロールに大きく左右され、歯周治療全体を通じて常に指導管理する必要がある。2. スケーリングおよびルートプレーニング歯周治療のなかでプラークコントロールとともにきわめて重要な処置である。歯石は歯面に付着した細菌性プラークが石灰化したもので、表面が粗糙で細菌性プラークが多量に付着する構造となっており、局所のプラークリテンションファクターとしては、最も重要なものである。スケーリングでは細菌性プラークが多量に付着する因子を取り除き、術者や患者自身が細菌性プラークを除去しやすい環境を形成し、ルートプレーニングでは、歯根面の細菌やその代謝産物を含む病的な歯質を各種スケーラーにより除去することで、生物学的に為害性のない滑沢な歯根面をつくり出し、歯肉と歯根面との付着を促すことができる。細菌感染に対する治療の実際1. 機械的な歯肉縁上プラークコントロール口腔衛生管理は、患者が歯ブラシで行うブラッシングが主体となるが、歯周病の重症度、治療時期、患者の技量や生活習慣に合わせて歯間ブラシ、デンタルフロスなどの歯間清掃用具や電動歯ブラシ、 音波歯ブラシ、超音波歯ブラシなどの使用も必要である。さらに医療従事者によるスケーリングや機械的歯面清掃によってプラークコントロールを補うことで、患者のモチベーションを高め維持する効果が期待できる。歯肉縁上プラークコントロールの障害となる不適合修復物・補綴装置に関しては、調整や除去、歯冠の形態修正を必要に応じて行う。2. 機械的な歯肉縁下プラークコントロールルートプレーニングは歯周治療における標準的治療法であるが、進行した根分岐部病変や複雑なあるいは深い骨縁下ポケットでは治療効果に限界がある。スケーリング・ルートプレーニングは、3mm未満のプロービングデプスに対して行うとアタッチメントロスを生じる危険性があり、歯周ポケットが深くなるほど歯肉縁下プラークや歯石の除去が困難となる。5〜7mmのプロービングデプスに対する歯周ポケット減少量は、約1〜2mmで、アタッチメントゲインは、約0.5〜1mmと報告されている。3. 化学的な歯肉縁上プラークコントロール機械的プラークコントロールを徹底して行った後に洗口剤などを用いた化学的プラークコントロールを行う。使用する洗口剤としては、細菌性プラークの形成抑制作用や薬剤の歯面への沈着作用を有する低濃度のクロルへキシジン溶液が効果的である。その他、フェノール化合物、ポビドンヨード、セチルピリジニウム塩化物、エッセンシャルオイルなどがある。歯周基本治療における使用としては、スケーリング後の歯周病原細菌の再増殖期間とされる 2〜4週間の継続的使用が有効である。4. 化学的な歯肉縁下プラークコントロール 化学的な歯肉縁下プラークコントロールを行ううえで留意すべき点として、歯肉縁上プラークコントロールがなされていること、機械的なプラークコントロールを優先して行うこと、スケーリング・ルートプレーニングに対して反応性が良好な部位や慢性歯周炎の多くの場合では、化学的プラークコントロールが必ずしも必要ではないことを理解しておくことである。①歯周ポケット内洗浄 シリンジなどにより歯周ポケット内を薬液で洗浄する。使用可能な薬剤としては、ポビドンヨード、ベンゼトニウム塩化物、オキシドール、アクリノールなどがある。スケーリング・ルートプレーニングに併用することで臨床的効果が認められるが、歯周ポケット内洗浄のみでは臨床的効果は限定的である。②抗菌薬の歯周ポケット内投与歯周ポケット内に投与する薬剤としては、テトラサイクリン系抗菌薬徐放性軟膏があり、局所薬物配送システム(LDDS)として使用する場合がある。漫然とした薬物の投与は菌交代現象や薬剤耐性の問題があり、とくにSPT期に対して抗菌薬を繰り返し投与する妥当性は得られていない。適応としては以下の通りである。歯周膿瘍(歯周炎の急性発作)易感染性疾患(糖尿病を含む)を有する歯周炎患者中等度以上の歯周炎におけるスケーリング・ルートプレーニングとの併用歯周基本治療後に改善がみられなかった歯周ポケット内に対し、1〜1週間に1回、3〜4回連続投与③抗菌薬の経口投与通常の基本治療では改善のみられない歯周炎患者、観血的治療の不可能な患者、免疫力が低下している易感染性歯周炎患者、広汎型侵襲性歯周炎患者および広汎型重度慢性歯周炎患者において、抗菌薬の経口投与を検討する。計画使用を徹底し、目的を明確化したうえで、副作用の再確認や細菌検査の必要性などを十分に考慮して行う必要がある。5. 抗菌療法の患者選択以下のような患者においては抗菌療法(歯周ポケット内投与と経口投与)が適応となる場合がある。通常の機械的プラークコントロールでは十分な臨床改善がみられない治療抵抗性および難治性歯周炎患者広汎型重度慢性歯周炎患者および広汎型侵襲性歯周炎患者糖尿病などの易感染性疾患患者糖尿病などの易感染性疾患患者歯周治療を行うことで生じる菌血症に対して最上リスクを有する歯周炎患者(感染性心内膜炎、大動脈弁膜症、チアノーゼ先天性疾患、人工弁・シャント術実施患者など)参考文献特定非営利活動法人日本歯周病学会. 歯周治療のガイドライン2022.(PDF)
482 TSUNAGU
2023年3月27日
糖尿病患者の歯周基本治療、菌血症リスクの対処は必要?

糖尿病患者の歯周基本治療、菌血症リスクの対処は必要?

歯周基本治療は、口腔内の細菌や炎症の原因除去を目的とし、歯周治療の成果に大きな影響を持っていることが知られている。ただし歯周基本治療の特にSRPは組織を傷つけることがある。このとき、患者は一時的な菌血症をおこすことが報告されている。口腔由来の菌血症は病巣感染の原因となるので、易感染性患者において問題視されている。それでは免疫機能低下や創傷治癒遅延を起こす糖尿病患者において、菌血症発症リスク回避のため、歯周基本治療は避けるべきなのだろうか?歯周基本治療における菌血症のリスク歯科における菌血症のリスクは、歯周基本治療のSRPだけでなく、歯周基本治療や機械的口腔清掃、日常的活動でも、程度や持続時間において同程度である。一方で、スケーリングによる菌血症は、健常者に比べ、歯周炎を起こしてる患者は、発生頻度や炎症の程度が高まることが報告されている。したがって、菌血症予防の観点から、日本歯周病学会による『糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン第2版(2014)』では、歯周基本治療の実施を推奨している。糖尿病患者への菌血症のリスク糖尿病患者において口腔由来の菌血症の発症リスクは、健常者と比べて優位に高いという根拠はない。確かに、糖尿病患者は易感染性や創傷治癒が遅く、菌血症の頻度も高まる。菌血症が起こると、細菌性心内膜炎などを発症させる可能性も出てくる。しかし、糖尿病患者の口腔由来の菌血症は、非糖尿病者の菌血症に優位な差はないのだ。まとめ以上のことから、歯周基本治療における菌血症リスクは、他の歯科治療や日常的活動と変わらず、糖尿病患者において、菌血症発症のリスクは健常者と変わらないことがわかった。したがって、糖尿病患者での歯周組織の炎症を減らすことは、菌血症を引き起こすリスクより、メリットが大きいと言える。つまり糖尿病患者でも、菌血症発症のリスクにかかわらず、歯周基本治療を実施することが推奨されるのだ。もちろん、不必要な菌血症を避けるためには、良い血糖コントロールが大事である。血糖コントロールがとても悪い患者には、歯科治療を行う上で、担当医と相談したほうがいいだろう。歯科セミナーなら「1D(ワンディー)」で!日本最大級の歯科医療メディア「1D」では、診療に役立つオンラインセミナーを多数開催中。もっと知りたい臨床トピックから超ニッチな学術トピックまで、参加したいセミナーが見つかります。下記ボタンから、開催中のセミナーを見てみましょう!開催セミナーを見てみる参考文献日本歯周病学会『糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン 改訂第2版』, 2014.
東田 真
2019年10月29日

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