Caldwell-Luc法

「Caldwell-Luc法」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年06月14日

Caldwell-Luc法とは?

Caldwell-Luc法とは、上顎洞根治術の一つで、上顎洞炎の治療法である。上顎洞炎の中でも慢性化して炎症の消退が抗菌薬の投与でもみられない症例や再発症例に適応である。
口腔外科では歯性上顎洞炎に適応になる。
同じ上顎洞根治術の一つである和辻-Denker法が梨状孔縁の骨を切除するのに対して、Caldwell-Luc法は犬歯窩から上顎洞にアプローチするのが特徴である。



Caldwell-Luc法の術式

Caldwell-Luc法の術式は以下の通りである。
  1. 歯槽から十分離れた歯肉頬移行部に長さ約5 cmの横切開を加える。
  2. 骨膜剥離子を用い上顎洞前壁に沿って、眼窩下孔まで骨膜下剥離を進める。
  3. 上方は眼窩下縁近くまで、近心は梨状孔縁が確認できるまで骨膜下を剥離する。この時に眼窩下神経を損傷しないように注意する。
  4. 直径1 -2 cm の骨孔を犬歯窩から開窓し、ここから上顎洞内を観察する。
  5. 上顎洞全体が明示されるまで開窓部を拡大する。
  6. 病的な洞粘膜を断裂させないよう少しずつ自然孔に向かって剥離を進め、切除、摘出する。
  7. 下鼻道外側壁を最前部から後壁の近くまで、鼻腔粘膜を損傷しないよう注意しながら、丸ノミで大きく開窓し、骨開窓部は骨鉗子で形を整える。
  8. 下鼻道側壁の粘膜を対孔の形に沿って前、上、後方をメスで切離し、下辺を折り曲げて上顎洞底を被覆する。
  9. 上顎洞内を加温生理食塩液でよく洗い流した後、上顎洞にベスキチンガーゼをアコーディオン式に充填する。
  10. 最後に口腔内の粘膜骨膜弁を復位し、4 - 0絹糸で結節縫合する。

Caldwell-Luc法の合併症・後遺症

Caldwell-Luc法の合併症や後遺症には以下の事項が挙げられる。
  • 眼窩下神経の損傷
  • 歯根の損傷
    • 術後性上顎嚢胞


「Caldwell-Luc法」の文献・書籍など

【読み】

こーるどうぇるらっくほう

【文献・書籍】

『イラストでみる口腔外科手術 第2巻』, 日本口腔外科学会, クインテッセンス出版株式会社, 2011.

著者/監修者情報
歯科医師

1992年千葉県生まれ。鶴見大学⻭学部歯学科卒業後、⻭科医師免許を取得。学生時代から個人でアプリやWebサービスの開発を行う。東京⻭科大学大学院博士課程中退。2017年にワンディー株式会社を創業。

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