サービカルマトリックス

「サービカルマトリックス」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年07月22日

サービカルマトリックスとは?

サービカルマトリックスとは、V級窩洞等の歯頚部の充填に使用される器具のことである。サービカルマトリックスの使用法としては、歯頚部の窩洞にコンポジットレジン等の充填物を充填したのち、サービカルマトリックスを用いて圧接することによって、気泡や湿気の侵入を防ぐことができ、また充填物を歯の形態に沿った形態に賦形することが可能になる。

サービカルマトリックスの材質としては、ポリエステル製のものやアルミニウム製のものなどが販売されている。



サービカルマトリックスの使用方法とは?

サービカルマトリックスの使用方法の概要は以下の通りである。
歯頚部の窩洞(Ⅴ級窩洞)にコンポジットレジン等の充填物を充填したのち、サービカルマトリックスを用いて圧接することによって、気泡や湿気の侵入を防ぐことができ、また充填物を歯の形態に沿った形態に賦形することが可能になる。

以下、商品添付文書よりサービカルマトリックスの使用方法を示す。
  1. 窩洞形成後、適切なサイズのサービカルマトリックスを選択し、指又はプライヤーでサービカルマトリックスの基底部をホルダーに接続する。
  2. 窩洞に歯科充填材料を充填する。
  3. 必要に応じて、プライヤーやはさみ等でサービカルマトリックスを歯の形に合うように調整する。
  4. 窩洞中心部の上にサービカルマトリックスを置く。
  5. 歯科充填材料が窩洞部の端を覆い尽くすまで、サービカルマトリックスをゆっくりと押し付ける。
  6. 余剰の歯科充填材料を除去する。
  7. 歯科充填材料を重合させる。


サービカルマトリックスを用いたⅤ級コンポジットレジン修復法

サービカルマトリックスを用いたV級コンポジットレジン修復法の手順を以下に示す。

  1. シェードテイキング : 自然光下でシェードガイドを用いて近似色を選択する。
  2. う蝕除去 : う窩の開拡を行ったのち、う蝕象牙質の除去を行う。
  3. 窩縁形態の付与 : ダイヤモンドポイントを用いて窩縁にラウンドベベルを付与する。
  4. 窩洞の確認 : う蝕象牙質の取り残しがないことを確認する。
  5. 簡易防湿 : 口唇をデンタルミラーで排除しながらロールワッテを唇側に挿入する。
  6. 隔壁法: 窩洞に合わせて透明サービカルマトリックスのサイズを選択し、歯面に適合させる。
  7. 歯面処理 : セルフエッチングプライマー、ボンディング剤による歯面処理を行う。
  8. 填塞 : コンポジットレジンの填塞を行う。
  9. 圧接 : 透明サービカルマトリックスを圧接する。このとき歯肉縁下にレジンが流れ込まないように、歯肉側から歯頂側に向けて圧接する。
  10. 光照射 : 光照射によるコンポジットレジンの硬化が完了するまで透明サービカルマトリックスを保持する。
  11. 仕上げ : 形態修正を行う。
  12. 修復物のチェック、研磨 : 填塞後、24時間以降に研磨を行う。摩擦熱が発生しないよう考慮する。



V級窩洞とは?

V級窩洞とは、歯冠の唇側、頬側、舌側の歯頚側1/3における窩洞のことを指している。
G.V.Blackは、う蝕の好発部位とその部分を窩洞に形成し、修復するための技術的特性の関連より窩洞を5つに分類した。この分類は広く世界中に普及した。なお、Blackの5つの分類にDavisが6つ目の窩洞分類を追加した。しかし、歯頚部に生じたくさび状欠損窩洞や歯根面窩洞は、Blackの窩洞には分類されていない。以下にBlackの窩洞分類を示す。

[Blackの窩洞分類]
1級窩洞 : Class 1 cavity
臼歯の咬合面小窩裂溝、前歯舌面の小窩に限局する窩洞
大臼歯の頬側および舌側溝に限局または咬合面小窩裂溝と連続する窩洞

2級窩洞 : Class 2 cavity
臼歯の隣接面における窩洞

3級窩洞 : Class 3 cavity
前歯の隣接面で切端隅角を含まない窩洞

4級窩洞 : Class 4 cavity
前歯の隣接面で切端隅角を含む窩洞

5級窩洞 : Class 5 cavity
歯冠の唇側、頬側、舌側の歯頚側1/3における窩洞

Davisの6級窩洞 : Class 6 cavity
臼歯部咬合面や前歯の切端部における大きな欠損を修復する窩洞





「サービカルマトリックス」の文献・書籍など

【読み】

さーびかるまとりっくす

【文献・書籍】

『保存修復学21 第五版』, 田上順次ら, 永末書店, 2017
『保存修復学 第6版』, 千田彰ら, 医歯薬出版株式会社, 2013

著者/監修者情報
歯科医師

1992年千葉県生まれ。鶴見大学⻭学部歯学科卒業後、⻭科医師免許を取得。学生時代から個人でアプリやWebサービスの開発を行う。東京⻭科大学大学院博士課程中退。2017年にワンディー株式会社を創業。