ガッタパーチャ

「ガッタパーチャ」とは?歯科用語を解説
最終更新日: 2021年12月05日

ガッタパーチャとは?

ガッタパーチャとはガッタパーチャポイントの略で、半固形の根管充填剤である。ガッタパーチャはマレーシアを原産とする赤鉄価の樹木から採取、精製したゴム類似物質である。根管充填剤用のガッタパーチャ材は成分として、酸化亜鉛や、重金属塩、ワックス、レジンなどを含んでいる。ガッタパーチャの重金属塩は硫酸バリウムで、これによりエックス線造影性を付与している。


ガッタパーチャの特徴

ガッタパーチャ系根管充取材(ガッタパーチャ材)は、圧接により変形するなど可塑性を有するため半固形充填材に分類される。本材は、化学的、物理的に安定な材質で生体に対する親和性があり、加工が容易で操作性も良好なことから、長らく根管充填材の主流として使用されている。

ガッタパーチャ材は、狭小な根管に挿入しやすいよう細いポイント状に成形され、 ガッタパーチャポイントとして使用されていたが、近年の新たな根管充填用機器、器材の開発により特殊な形態の製品も市版されている。

ガッタパーチャの成分

ガッタパーチャ材の成分であるガッタパーチャは、熱帯に自生する赤鉄科の樹木から採取、精製したゴム類似物質である。多種の不純物を含むが、化学的には1-4トランスポリイソプレンで、ーCH2ー晶の配列の迎いにより天然ゴムの1-4シスポリイソプレンと区別される。イソプレン分子の配列や結晶性の迩いによりガッタパーチャは天然ゴムよりも硬く弾性も小さい。

 ガッタパーチャは、天然ゴムと同様に酸索によりイソプレン分子間に架橋結合が起こるため、劣化により硬さ、もろさが増し体積が収縮する。

ガッタパーチャポイントの組成

根管充填用のガッタパーチャポイントは、ガッタパーチャのほかに酸化亜鉛や重金属塩、ワックス、レジンなどを含む。ただし詳細な成分、組成はメーカーにより異なり秘密となっている。最も多く含まれる成分はフィラーとしての酸化亜鉛で、これをガッタパーチャが基材として包含している。 

重金属塩は造影剤として硫酸バリウムが、ワックスやレジンは軟化温度や硬さなどの物性の調整および抗酸化材として、ほかに、色調の調整のために顔料が添加されている。

一般にガッタパーチャ材は、25℃でしなやかさを生じ、60 数℃で軟化し、100℃前後で融解する。しかし製造時における高圧下での練り操作により、ポリイソプレンの連鎖が切断されて分子量が低下すると軟化温度が低下する。また、パラフィンワックスの添加により軟化温度の調整がはかられ、40 数℃で軟化し高い流動性を有する製品もある。

ガッタパーチャポイントの長所

ガッタパーチャポイントの長所を以下に示す。
  • 組織親和性がある
  • 化学的に安定である
  • 物理的に安定である
  • 緻密である
  • 非吸収性である
  • 形状加工が可能である
  • 操作性が良好である
  • 圧接が可能である
  • エックス線不透過性である
  • 根管から除去が可能である
  • 歯質を変質、変色させない

ガッタパーチャポイントの短所

ガッタパーチャポイントの短所を以下に示す。
  • 劣化を起こす
  • 接着性がなく密着しにくい
  • 根管の形態によっては適合しにくい
  • 加熱による滅菌ができない
  • 細いものは脆弱感がある

ガッタパーチャポイントの根管充填以外の使用方法

ガッタパーチャポイントはそのエックス線造影性を利用して、以下のことにも使用されている。
  • エックス線と併用して根管長を測定する。
  • 瘻孔にガッタパーチャポイントを刺して、デンタルX線を撮影し瘻孔の由来(原因歯)を探索する。
  • ガッタパーチャポイントを挿入したインプラント用のステントを患者に挿入してエックス線撮影をして、インプラント体の埋入位置を決定する。

ガッタパーチャポイントの国際標準規格

ファイル、リーマーおよびガッタパーチャポイントでは、ISO (国際標準化機構)、 ANSI(米国規格協会)などの標準化機関により形態やサイズが規定されている。 根管形成が規格化されるとともに、同一サイズの規格化ガッタパーチャボイントで適合のよい根管充恨を行えるようになっている。

ガッタパーチャポイントの歴史

  • 1867年、Bowman(アメリカ合衆国)が根管充填材としてガッタパーチャ材を紹介
  • 1883年、Perryがローリング法によりガッタパーチャボイントを製作
  • 1893年、Callahanが根管に適合しやすいようガッタパーチャ材をクロロホルムで軟化し充填する方法を推奨した

根管充填材の除去法

再根管治療の際には、根管内感染源の除去のために初回根管治療時の根管充取材を除去する必要がある。ガッタパーチャ材の除去は、根管上部の根管充隕材を薬液(有機浴媒)で溶解軟化した後、ファイル、ラルゴドリル、ゲーツグリッデンドリルなどを使用して除去する。

除去溶液としては、ガッタパーチャ溶解液(ユーカリソフト、GP ソルベント)などを使用する。除去溶液には、組織刺激性が報告されているものもあるので、根尖孔外に溢出させないように注意する。

テンポラリーストッピングについて

ガッタパーチャポイント以外のガッタパーチャを主成分とする材料として、テンポラリーストッピングがある。テンポラリーストッピングはガッタパーチャを主成分とする熱可塑性の材料で、加熱によって軟化し髄室に充填する。封鎖性、機械的強炭が他の仮封材より劣るため、単独使用は不適切で二頂仮封の下層部に使用する。

その他のガッタパーチャ材

注入針の付いたカニューレ内にガッタパーチャ材が封入されたウルトラフィル3Dシステム用、ファイル様の軸部をガッタパーチャ材で被覆したサーマフィル がある。また、サーマフィルの類似製品としてガッタコア(GuttaCore)がある。

他に、ガッタパーチャポイントの表面にグラスアイオノマーセメントをコーティングしたActive GPがあるが、Active GPは、グラスアイオノマー系シーラーとの併用により一体化し緊密な根管充填が行えるとされる。



「ガッタパーチャ」の文献・書籍など

【読み】

がったぱーちゃ

【文献・書籍】

『歯内治療学 第4版』, 中村洋ら, 医歯薬出版株式会社, 2012
『歯内治療学 第5版』, 勝海一郎ら, 医歯薬出版株式会社, 2018.

著者/監修者情報

歯科医師

1992年、千葉県生まれ。鶴見大学歯学部在学中から個人でアプリ開発やWeb制作を行う。歯科医師国家試験の対策アプリを開発し、新卒歯科医師の7割超が利用するまで成長させる。2016年に歯科医師免許を取得。東京歯科大学大学院博士課程に進学後は、医事・衛生法規や歯科医療管理、社会保障制度など歯科保健医療が抱える種々の問題について専攻。同大学院中退後の2017年に当社創業。

感染根管治療の症例リスト

【今後の方針について質問させて下さい】
根尖部石灰化物の先端でEMRがapexと表示された一例
【現状】
26の感染根管治療で、術前MB根のみ根尖に病巣あり、根管はイニシャルの状態でした。
通法通り上部形成、EMR 、根管拡大、洗浄を行い今回の診察でRCFを実施しました。
根治は毎回麻酔を用いた上でラバーダムをし、EMRは通常の反応、洗浄後も特に痛みはなかったとのことでした。

昨日外勤でRCF後のデンタル撮影時でこのような感じになり、患者さんの同意のもとCT撮影をしました。
RCFはラテラルで行い、いつも1回目のアクセサリーポイント入れるためのスプレッダーは作業長-1〜2mmまで押し込む意識でしていますがあまり深く刺さらなかった記憶があります。

CTで両側性に上顎洞粘膜肥厚ありますが両側とも根尖病巣のラプチャーなく、話を聞くとずっと前より鼻閉感は自覚していたとのこと。

【今後について】
症状がないので意味がないかもしれませんが両側性なので今後鼻性上顎洞炎の可能性もあり、一度耳鼻科に診てもらうことをオススメしました。知り合いに耳鼻科の先生が何人かいるそうで、ファイバースコピーで26根尖の石灰化物の状態を見てもらえたらなと思っています。
今の自分の力量では根尖に飛び出したガッタパーチャーを根管内から取り出すことができないと考えています。患者さんに現状を説明しているので、今後は症状の経過を見守っていく予定です。
それとも積極的に除去をトライすべきでしょうか?最初から専門医へ送るべきでしょうか?

また今回の件はマスターポイント試適の際にデンタル撮影していれば未然に防げた問題でした。
みなさんは根治でペイテンシー確認、マスターポイント試適時などでデンタル撮影をされていますでしょうか?
ちなみにこの治療は保険で実施しております。

長くなりましたが、何卒宜しくお願い致します。

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根管充填症例👏🏻👏🏻👏🏻

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サイナストラクトの診断
右下のサイナストラクト、レントゲン撮影すると左下1に透過像。確定診断のためガッタパーチャ入れて撮影し左下1と断定。サイナストラクトは離れて出てくる事もあるが正中を越えてきたのはこれが初めて。サイナストラクトがある場合、ルーチン的にGP入れてレントゲン撮影するようにしています。術後約2年経過。

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